| 【発明の名称】 |
面発光装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】渡部 陽次郎 【住所又は居所】愛知県豊橋市牛川通4丁目1番地の2 三菱レイヨン株式会社豊橋事業所内
【氏名】下新原 義弘 【住所又は居所】愛知県豊橋市牛川通4丁目1番地の2 三菱レイヨン株式会社豊橋事業所内
【氏名】上野 敦靖 【住所又は居所】愛知県豊橋市牛川通4丁目1番地の2 三菱レイヨン株式会社豊橋事業所内
|
| 【要約】 |
【課題】耐荷重性や耐浸水性に優れ、安全性とメンテナンス性に優れ、発光面の全体から光を出射させることができ、複数の発光面どうしをつなぎ合わせる場合にもつなぎ目が目立たない面発光装置を提供する。
【解決手段】光源装置からの光が導光ケーブル21Bにより導かれる面発光ユニット1は、発光面1aと光入射端面131aとを有する。導光ケーブル21Bの光出射端は、固定板17により保持され光入射端面131aに隣接対向配置されている。光入射端面131aを備えた導光板131は、本体ケース11内に止水処理を施されて収容されている。面発光ユニット1は、反射シート132,133、光拡散シート134、乳半板14及び強化ガラス板15を備えている。止水処理は、乳半板14及び強化ガラス板15の外周縁に形成された面取り部に止水剤SA2,SA3を適用することでなされている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 光源装置、面発光ユニット、及び前記光源装置から発せられる光を前記面発光ユニットへと導く導光ケーブルを備えており、前記面発光ユニットは一方の主面に形成された発光面と該発光面の方向を横切る方向の少なくとも1つの光入射面とを有しており、該光入射面に隣接して前記導光ケーブルの光出射端が対向配置されており、前記面発光ユニットは、前記光入射面を構成する端面を備えた導光板を含んでおり、該導光板は本体ケース内に収容されており且つ止水処理を施されて収容されていることを特徴とする面発光装置。 【請求項2】 前記面発光ユニットは前記導光板を含んでなる導光体パックを備えており、該導光体パックは前記導光板の一方の主面に及び前記導光板の光入射面を構成する端面以外の端面に配置された反射シートと前記導光板の他方の主面に付された光拡散シート及び/または光整列シートとを有することを特徴とする、請求項1に記載の面発光装置。 【請求項3】 前記面発光ユニットは、前記導光体パックの前記光拡散シート及び/または前記光整列シートの前記導光板の反対側に配置された乳半板及び該乳半板上に配置された強化ガラス板を備えていることを特徴とする、請求項2に記載の面発光装置。 【請求項4】 前記止水処理は、前記乳半板と前記本体ケースとの間において配置された止水剤の適用を含んでなされていることを特徴とする、請求項3に記載の面発光装置。 【請求項5】 前記止水剤は前記乳半板の外周縁に形成された面取り部に適用されていることを特徴とする、請求項4に記載の面発光装置。 【請求項6】 前記面発光ユニットは、前記導光ケーブルの光出射端を構成する光ファイバの端部を固定保持する光ファイバ固定板を備えており、該光ファイバ固定板は前記本体ケース内に収容されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の面発光装置。 【請求項7】 前記面発光ユニットの発光面の外形の形状及び寸法は前記本体ケースの外形の形状及び寸法と同等であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の面発光装置。 【請求項8】 前記本体ケースには、前記導光ケーブルの光出射端を構成する光ファイバが前記本体ケース内へと導入される箇所において通過する光ファイバ止水蓋が付設されていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の面発光装置。 【請求項9】 前記止水処理は、前記光ファイバ止水蓋内に配置された止水剤の適用を含んでなされていることを特徴とする、請求項8に記載の面発光装置。 【請求項10】 前記導光ケーブルは、前記光源装置に光入射端が接続された第1の部分と、前記面発光ユニットに光出射端が接続された第2の部分とを有しており、該第2の部分の光入射端が前記第1の部分の光出射端とジョイント機構部により脱着可能に接続されていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の面発光装置。 【請求項11】 前記導光ケーブルの第1の部分は、前記光源装置に接続された1つの光入射端と、それぞれ前記導光ケーブルの第2の部分の光入射端と接続される複数の光出射端とを有していることを特徴とする、請求項10に記載の面発光装置。 【請求項12】 前記導光ケーブルの第1の部分は複数の光ファイバを束ねたものからなることを特徴とする、請求項10〜11のいずれかに記載の面発光装置。 【請求項13】 前記導光ケーブルの第2の部分は複数の光ファイバを束ねたものを含んでなることを特徴とする、請求項10〜12のいずれかに記載の面発光装置。 【請求項14】 前記導光ケーブルの第2の部分の複数の光ファイバの光入射端どうしは熱融着されていることを特徴とする、請求項13に記載の面発光装置。 【請求項15】 請求項1〜14のいずれかの面発光装置を用い、その複数の面発光ユニットを所要パターンに配置してなることを特徴とする表示装置。 【請求項16】 請求項1〜14のいずれかの面発光装置を用い、その複数の面発光ユニットを所要パターンに配置してなることを特徴とするイルミネーション。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、面発光装置に関し、特に、建築物の内外壁面や床面や天井さらには屋外構築物たとえば歩道の路面等の表面の一部に発光部を形成したり、水中に発光部を設置したりして、これら発光部の発光により、特に夜間等の暗い時における所要の表示の確認を容易ならしめ或は建築物や屋外構築物や公園の池等の景観を向上させることが可能な面発光装置に関する。 【0002】 【従来の技術】面発光装置には、光源を発光面の下方に配置した直下方式と呼ばれるものと、光源を導光板の側端面に対向する様に配置したエッジライト方式と呼ばれるものとがある。直下方式は明るさの点で優れており、一方、エッジライト方式は装置の厚みを薄くすることが可能であるという点で優れており、これらの方式は用途により使い分けられている。 【0003】例えば、直下方式の面発光装置としては、駅や公共施設等における内照式看板や、高速道路や一般道路における内照式標識などがある。また、エッジライト方式の面発光装置としては、ノートパソコンや液晶テレビなどの液晶表示部の背面側に配設したバックライトと呼ばれるものがある。 【0004】ところで、発光面を露出させるようにして床面等に埋設した面発光装置としては、例えば非常出口表示灯のように所要の表示パターンを担持せるガラス板の背後に蛍光灯などの光源を配設した直下方式のものが公知である。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】前記公知の非常出口表示灯のような面発光装置は、蛍光灯などの光源自体が埋設されている。この光源には一般的にAC100V電源が使用されており、特に屋外に設置する場合は大掛かりな漏電対策が必要となる。また、埋設された蛍光灯の交換等のメンテナンスがやりにくいといった問題があった。 【0006】一方、光源装置から発せられる光を光ファイバケーブルで面発光部まで伝播させることで、光源装置をメンテナンスのやり易い場所に設置することができるエッジライト方式の面発光装置からなる標示装置が提案されている(特開平9−212116等)。 【0007】ところが、この標示装置の使用目的は一般の看板用や標識用であり、建築物の床面や歩道の路面に埋設したり水中に設置したりして使用するには、耐荷重性や耐浸水性が劣るという問題点を有していた。さらに、一般に、面発光部の周囲には各部材を押さえ込むための金具が配置されるので、発光面の全体を発光させることができず、このため、複数の面発光装置を組み合わせることで所望のパターンの表示を行うべく複数の発光面どうしをつなぎ合わせようとすると、つなぎ目の非発光の部分が目立つという問題があった。 【0008】また、光ファイバケーブルを用いた装置は、一般的にどのような施工物件にも対応できるように、光ファイバケーブルの長さが異なったいくつかの種類の装置を製作して用意しておくか、または施工物件が決まってからそれに応じた光ファイバケーブルの製作を開始していた。このため、大量の光ファイバケーブルをストックしておくムダが生じたり、施工物件が決まるまで光ファイバケーブルの製作ができないといった問題があった。 【0009】本発明の目的は、以上の様な従来技術の問題点に鑑み、耐荷重性や耐浸水性に優れ、安全性とメンテナンス性に優れ、発光面の全体から光を出射させることができ、或は複数の発光面どうしをつなぎ合わせる場合にもつなぎ目が目立たない面発光装置を提供することにある。 【0010】また、本発明の更に別の目的は、以上の様な従来技術の問題点に鑑み、予め大量の光ファイバケーブルをストックしておくようなムダが極めて少なく、施工物件の決定に関わらず予め製作しておくことが可能な面発光装置を提供することにある。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明によれば、以上の如き目的を達成するものとして、光源装置、面発光ユニット、及び前記光源装置から発せられる光を前記面発光ユニットへと導く導光ケーブルを備えており、前記面発光ユニットは一方の主面に形成された発光面と該発光面の方向を横切る方向の少なくとも1つの光入射面とを有しており、該光入射面に隣接して前記導光ケーブルの光出射端が対向配置されており、前記面発光ユニットは、前記光入射面を構成する端面を備えた導光板を含んでおり、該導光板は本体ケース内に収容されており且つ止水処理を施されて収容されていることを特徴とする面発光装置、が提供される。 【0012】本発明の一態様においては、前記面発光ユニットは前記導光板を含んでなる導光体パックを備えており、該導光体パックは前記導光板の一方の主面に及び前記導光板の光入射面を構成する端面以外の端面に配置された反射シートと前記導光板の他方の主面に付された光拡散シート及び/または光整列シートとを有する。本発明の一態様においては、前記面発光ユニットは、前記導光体パックの前記光拡散シート及び/または前記光整列シートの前記導光板の反対側に配置された乳半板及び該乳半板上に配置された強化ガラス板を備えている。本発明の一態様においては、前記止水処理は、前記乳半板と前記本体ケースとの間において配置された止水剤の適用を含んでなされている。本発明の一態様においては、前記止水剤は前記乳半板の外周縁に形成された面取り部に適用されている。 【0013】本発明の一態様においては、前記面発光ユニットは、前記導光ケーブルの光出射端を構成する光ファイバの端部を固定保持する光ファイバ固定板を備えており、該光ファイバ固定板は前記本体ケース内に収容されている。 【0014】本発明の一態様においては、前記面発光ユニットの発光面の外形の形状及び寸法は前記本体ケースの外形の形状及び寸法と同等である。 【0015】本発明の一態様においては、前記本体ケースには、前記導光ケーブルの光出射端を構成する光ファイバが前記本体ケース内へと導入される箇所において通過する光ファイバ止水蓋が付設されている。本発明の一態様においては、前記止水処理は、前記光ファイバ止水蓋内に配置された止水剤の適用を含んでなされている。 【0016】本発明の一態様においては、前記導光ケーブルは、前記光源装置に光入射端が接続された第1の部分と、前記面発光ユニットに光出射端が接続された第2の部分とを有しており、該第2の部分の光入射端が前記第1の部分の光出射端とジョイント機構部により脱着可能に接続されている。本発明の一態様においては、前記導光ケーブルの第1の部分は、前記光源装置に接続された1つの光入射端と、それぞれ前記導光ケーブルの第2の部分の光入射端と接続される複数の光出射端とを有している。本発明の一態様においては、前記導光ケーブルの第1の部分は複数の光ファイバを束ねたものからなる。本発明の一態様においては、前記導光ケーブルの第2の部分は複数の光ファイバを束ねたものを含んでなる。本発明の一態様においては、前記導光ケーブルの第2の部分の複数の光ファイバの光入射端どうしは熱融着されている。 【0017】また、本発明によれば、以上のような面発光装置を用い、その複数の面発光ユニットを所要パターンに配置してなることを特徴とする表示装置またはイルミネーションが提供される。 【0018】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。 【0019】図1は本発明による面発光装置の一実施形態を示す模式的斜視図であり、図2はその面発光ユニット及びジョイント機構部を示す平面図であり、図3は図2のA−A断面図である。 【0020】本実施形態の面発光装置の基本構成は、図1に示されている様に、光源装置4と、この光源装置4に光学的に接続された太径導光ケーブル21A,22A,23Aと、これらの太径導光ケーブルとジョイント機構部3を介して脱着可能に接続された光ファイバケーブル束21Bと、一方の主面が発光面1aとされた面発光ユニット1とからなる。 【0021】光源装置4は、ランプ41と、ランプ用電源42と、複数のフィルタを含む回転カラーフィルタ43と、この回転カラーフィルタ43の回転を駆動するためのモータ(図示せず)と、内部を冷却するためのファン44とを搭載している。なお、ランプ41としては、明るさや寿命などの観点からハロゲンランプやメタルハライドランプが適している。 【0022】太径導光ケーブル21A,22A,23Aは、それぞれ、数10〜数100本の光ファイバを束ね、これをジャケット材で被覆したものである。この太径導光ケーブル21A,22A,23Aは、光入射側の端部が光源接続側口金45で束ねられて光源装置4と光学的に接続されており、光源装置4から発せられる光を伝播させることができる。ここで、太径光ファイバケーブルの本数は、接続する面発光ユニット1の数を勘案して、それに足りる適宜の数とすることができる。 【0023】太径導光ケーブル21A,22A,23Aのそれぞれに接続される光ファイバケーブル束21B(図1では代表して1つのみ示されている)は、小径光ファイバケーブル221を数本から数10本束ねたものである。小径光ファイバケーブル221は、光ファイバ222を1本から数10本束ね、これをジャケット材で被覆したものである。 【0024】太径導光ケーブル21A,22A,23A及び小径光ファイバケーブル221に用いる光ファイバとしては、プラスチック光ファイバ、石英ガラス光ファイバ、多成分ガラス光ファイバ等が使用できる。 【0025】ジョイント機構部3は、ベース口金31、コネクター32、袋ナット33、口金34からなる。ベース口金31には太径導光ケーブル21Aの端部が接続されており、口金34には光ファイバケーブル束21Bの端部が接続される。なお、以下では、太径導光ケーブル21Aに接続される光ファイバケーブル束21B及びこれに接続される面発光ユニット1に関して説明するが、他の太径導光ケーブル21A,22A,23Aに接続される光ファイバケーブル束21B及びこれに接続される面発光ユニット1に関しても同様である。 【0026】ベース口金31には太径導光ケーブル21Aの光出射端が接続されており、口金34には光ファイバケーブル束21Bの光入射端が接続される。これらの接続方法としては、導光ケーブル21Aのジャケット材または光ファイバケーブル束21Bの小径光ファイバケーブル221のジャケット材を剥ぎ、露出した光ファイバをそのまま接着剤で固定させてもよいし、あるいはプラスチック光ファイバの場合には、露出した光ファイバを一旦熱融着加工した後、ベース口金31または口金34の内面と後部に接着剤を塗布して固定してもよい。後者の方法は、導光ケーブル21Aと光ファイバケーブル束21Bとの間の接続損失を少なくすることができ、また導光ケーブル21Aから出射する光の光量斑を低減し面発光ユニット全体を均一に発光させることができるので、より好ましい。但し、いずれの方法においても、導光ケーブル21Aと光ファイバケーブル束21Bの光ファイバ端面を鏡面研磨することが望ましい。 【0027】ジョイント機構部3では、コネクター32及び袋ナット33によりベース口金31と口金34とを容易に機械的に脱着することができ、これにより太径導光ケーブル21Aと光ファイバケーブル束21Bとの光学的結合及びその解除がなされる。また、コネクター32は、地下や水中での埋設をも可能ならしめるように、止水用のパッキン材を内包したものとすることが好ましい。 【0028】上記の太径導光ケーブル21A及び光ファイバケーブル束21Bは、本発明の導光ケーブルを構成しており、太径導光ケーブル21Aが導光ケーブルの第1の部分を構成し、光ファイバケーブル束21Bが導光ケーブルの第2の部分を構成している。 【0029】図3に示されている様に、面発光ユニット1は、本体ケース11、導光体パック13、乳半板14、強化ガラス板15、ファイバ止水蓋16、光ファイバ固定板17を含んでいる。 【0030】導光体パック13は、透明な導光板131と、この導光板131の下面(一方の主面)に付された反射シート132と、導光板131の光入射端面(光ファイバケーブル束21Bの光出射端[光ファイバ222の光出射端]が対向配置された端面)131a以外の端面に付された反射シート133と、導光板131の上面(他方の主面)に付された光拡散シートまたは光整列シート134とを含むものであり、一つのパッケージの形態とされている。光拡散シートと光整列シートとを重畳させて使用してもよい。また、導光体パック13において、光拡散シートまたは光整列シート134の代わりに、導光板131の光出射面134aを類似の機能を発揮するような構造たとえば粗面化表面または微細レンチキュラーレンズ面としてもよい。 【0031】導光体パック13は、光ファイバケーブル束21Bの光出射端に対向する端面が光入射端面131aとされ、該光入射端面と略直交する上面が光出射面134aとされている。なお、複数の光ファイバケーブル束21Bの光出射端を導光体パック13の複数の端面に対向させて配置することも可能であり、その場合には導光体パック13の複数の端面が光入射端面131aとされる。光入射端面131aには反射シート133は付されない。 【0032】光ファイバケーブル束21Bと導光体パック1との接続に際しては、光ファイバケーブル束21Bを構成する光ファイバケーブル221の光出射側の数mmから数10mm程度の長さの端部のジャケット材を剥ぎ取って光ファイバ222を露出させ、この端部を光ファイバ固定板17に開けた穴に通して接着する。光ファイバ222の光出射端面を光ファイバ固定板17の面と同一の面内にする様にして研磨するのが好ましい。光ファイバ固定板17を導光体パック13の光入射端面131aに密着させる様にして配置する。 【0033】導光板131の光入射端面131aは、面発光ユニット1の光入射面を構成しており、導光体パック13への光入射効率を高めるため鏡面研磨されていることが望ましい。さらには、導光板131の光出射面を除く全ての面が鏡面研磨されていると、屈折出射量が少なくなり反射入射の光量が多くなるためより好ましい。なお、導光板131の光出射面(上面)は鏡面よりも粗面状の方がより均一な光出射を得ることができるので好ましい。 【0034】導光板131は、例えば光透過率の高い合成樹脂から構成することができる。このような合成樹脂としてはメタクリル樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、塩化ビニル系樹脂が例示できる。特に、メタクリル樹脂が、光透過率、耐候性、力学的特性、成形加工性に優れており最適である。このようなメタクリル樹脂としては、メタクリル酸メチルを主成分とする樹脂であってメタクリル酸メチルが80%重量%以上であるものが好ましい。 【0035】導光体パック13の反射シート132,133は、導光板131の下面または端面で反射せずに屈折出射した光を反射させて、再び導光板内へと屈折入射させるために配置されている。反射シート132,133としては、例えばアルミニウム板や、表面に金属蒸着反射層を有するプラスチックシート等を用いることができる。このような反射シートに代えて、導光板の裏面に金属蒸着などにより形成した反射層を用いることもできる。 【0036】本体ケース11は、底板部111と側板部112と延在板部113とを含んでいる。導光体パック13及び光ファイバ固定板17は、本体ケース11の底板部111と側板部112とにより形成される収容空間に収容されている。該収容空間外において、延在板部113上には光ファイバ止水蓋16が付されており、該光ファイバ止水蓋16と延在板部113との間を通って、光ファイバケーブル束21Bが延びている。光ファイバ止水蓋16内には止水剤SA1が充填されており、これにより外部から導光体パック13への水分の侵入が防止されている。 【0037】導光体パック13上には、乳半板14が配置されている。乳半板14としては、粗面加工した厚さ2〜10mm程度のガラス板やアクリル系樹脂等の板が使用できる。乳半板14の外形の形状及び寸法は、本体ケース11の側板部112の外形の形状及び寸法と同等である。また、乳半板14の下面側の外周縁には、板厚の半分程度の幅の面取り部が形成されており、該面取り部には止水剤SA2が充填されている。該止水剤SA2は、乳半板14と本体ケースの側板部112との間に配置されており、これにより接合固定がなされるとともに外部から導光体パック13への水分の侵入が防止されている。 【0038】乳半板14上には、強化ガラス板15が配置されている。強化ガラス板15としては、厚さ5〜20mmのものが耐荷重性に優れているので好適である。強化ガラス板15の外形の形状及び寸法は、乳半板14の外形の形状及び寸法と同等である。また、強化ガラス板15の下面側の外周縁には、板厚の半分程度の幅の面取り部が形成されており、該面取り部には止水剤SA3が充填されている。これにより接合固定がなされるとともに外部から乳半板14と強化ガラス板15との間の空隙への水分の侵入が防止されている。 【0039】強化ガラス板15の上面が発光面1aを形成している。該発光面1aの外形の形状及び寸法は本体ケース11の収容空間を画定する側板部112の外形の形状及び寸法と同等である。本実施形態では、乳半板14及び強化ガラス板15の面取り部に止水剤SA2,SA3を配置しているため、発光面1aを大きくすることができ、本体ケースの外形の形状及び寸法と同等とすることが可能となっている。強化ガラス板15は、透明のものでもよいが、発光面1aの輝度をより均一にする目的と、発光面1aの摩擦係数を大きくして靴等の外部部材の滑りを防止する目的で、表面を粗面加工したものの方がより好ましい。 【0040】上記止水剤SA1,SA2,SA3としては、適用される部材に悪影響を与えず、止水性及び耐候性の良好なプラスチック系充填剤(シリコーン系)などを用いるのが望ましい。 【0041】本実施形態においては、光源装置4から発せられた光は、導光ケーブル21A及び光ファイバケーブル束21Bを経て、光入射端面131a(面発光ユニット1の光入射面)から導光板131に入射し、導光体パック13の光出射面134aから出射され、乳半板14に入射して拡散され、該乳半板14から出射され、強化ガラス板15を経て発光面1aから外部へと出射される。 【0042】以上のように、本実施形態では、面発光ユニット1の最上部に位置する強化ガラス板15を固定するのに周囲を囲む金具を全く使用しておらず、しかも発光面1aの外形の形状及び寸法は本体ケース11の収容空間を画定する側板部112の外形の形状及び寸法と同等であり、導光板131から出射された光を光拡散シートまたは光整列シート134もしくは乳半板14により拡散させるようにしているため、面発光ユニット1の上面全体を発光面1aとして利用でき、この発光面1aの全体を発光させることができる。 【0043】また、本実施形態では、発光面1aを強化ガラス板15に形成しているので耐荷重性に優れており、止水剤SA1〜SA3による止水処理が施されているので耐浸水性に優れているため、地面に埋設したり水中に設置することが可能となり、また面発光ユニット1を埋設または水中設置する場合であっても光源装置4を埋設または水中設置する必要がないので安全性とメンテナンス性に優れている。更に、本実施形態では、導光ケーブルとして第1の部分と第2の部分とをジョイント機構部により脱着可能に接続するものを用いているので、施工物件の決定に関わらず導光ケーブルの第2の部分と面発光ユニット1とからなるセットを多数予め製作しておき、必要に応じて所要個数のセットを導光ケーブルの第1の部分を介して光源装置と接続することができる。 【0044】図4は、以上の様な面発光装置の面発光ユニット1を複数使用して、屋内の床面、道路の表面または水中などにおける表示装置またはイルミネーションを構成した例を示す模式図である。 【0045】図示されているように、複数の光源装置4のそれぞれに対して太径導光ケーブル21A、ジョイント機構部3及び光ファイバケーブル束21Bを介して複数の面発光ユニット1が接続されている。また、光源装置4’に対して太径導光ケーブル21A’、ジョイント機構部3’及び光ファイバケーブル束21B’を介して複数の面発光ユニット1’が接続されている。太径導光ケーブル21A’は、他の光源装置4と接続された面発光ユニット1の下を通って延びている。以上のようにして、面発光ユニット1,1’を所望の表示パターンまたはイルミネーションパターンとなるように配置することで、大きなパターンの表示装置またはイルミネーションが容易に提供される。その際、各面発光ユニット1,1’の上面全体を発光面として利用できるので、複数の発光面どうしをつなぎ合わせる場合にもつなぎ目が目立たずに、連続したものとして視認されるパターンが形成される。 【0046】なお、本発明の面発光装置は、単体で使用することも可能である。 【0047】 【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。本実施例では、発光面1aの寸法が200mm×200mmの面発光ユニット1を有する面発光装置を製造した。 【0048】まず、面発光ユニット1を、次のようにして作製した。ステンレス板を用い、適宜曲げ加工や稜面溶接等の加工を行なって、底板111と側板112と延在板部113とを有する本体ケース11を得た。また、ステンレス板を加工して光ファイバ止水蓋16を得た。アクリル樹脂板(三菱レイヨン(株)製アクリシート#001:厚さ10mm)を略200×200mmの寸法の方形状に切り出し、その一方の表面を粒径125〜149μmのガラスビーズを用いて10cmの距離から吹き付け圧力4Kg/cm2 で吹き付け処理することで粗面化し、切断端面を表面粗さ8S以上に鏡面研磨して、導光板131を得た。導光板131の粗面化表面と1つの端面を除く全ての面に厚さ0.4mmのアルミニウムからなる反射シート132,133を透明接着剤で貼り付けて、導光体パック13を得た。この導光体パック13は、粗面化された表面を光出射面134aとして用いた。 【0049】次に、小径光ファイバケーブル221として、1本の直径1.5mmのプラスチック製光ファイバ(三菱レイヨン(株)製ESKA SK−60)222にジャケット材を被せたものを用いた。また、光ファイバケーブル束21Bとして、長さ0.5mの光ファイバケーブル221を20本束ねたものを用いた。ここで、小径光ファイバケーブル221の全ての光出射側のジャケット材を約10mmの長さだけ剥ぎとって光ファイバ222を露出させ、厚さ3mmで10mm×200mmの寸法の光ファイバ固定板17にあけた20個の直径1.8mmの穴にそれぞれ小径光ファイバケーブル221の光ファイバ222を通し、エポキシ系接着剤(セメダイン(株)製EP−330)で固定した後に、光ファイバ222の先端面を光ファイバ固定板17の面と同一平面上に位置させるように鏡面研磨した。以上のようにして小径光ファイバケーブル221の光ファイバ222の先端を固定した光ファイバ固定板17を、導光体パック13の光入射面131aに密着させた。 【0050】光ファイバケーブル束21Bの光入射側では、各小径光ファイバケーブル221のジャケット材を口金34の長さより約20mm長い長さだけ剥ぎとり、露出した光ファイバを集束して熱融着加工し、それを口金34に挿入し、口金34の内面と後部にエポキシ系接着剤を塗布して固定した後、口金34の端面に合わせて切断し、これにより得られた光ファイバ端面を鏡面研磨した。 【0051】厚さ5mmで200mm×200mmの寸法のメタクリル樹脂乳半板(三菱レイヨン(株)製アクリル樹脂板#422)14を、下側外周縁の全周にわたって2mmカットして面取り部を形成し、導光体パック13の光出射面に載せた。片面が粗面加工された厚さ15mmで200mm×200mmの寸法の強化ガラス板15を、粗面加工されなかった面側の外周縁の全周にわたって5mmカットして面取り部を形成し、粗面加工された面が上面側になるようにして乳半板14に載せた。その際、導光体パック13の周辺部において、乳半板14及び強化ガラス15の面取り部に止水剤SA2,SA3としてシリコーン系充填剤を充填して各部材を固定した。また、光ファイバ止水蓋16内にも止水剤SA1としてシリコーン系充填剤を充填した。 【0052】太径導光ケーブル21Aとして、それぞれ直径0.75mmのプラスチック製光ファイバ(三菱レイヨン(株)製ESKA SK−30)を86本束ね、これにジャケット材を被せた長さ10mのものを用いた。この太径導光ケーブル21Aの光出射側では、それぞれジャケット材をベース口金31の長さより約20mm長い長さだけ剥ぎとり、ベース口金31をエポキシ系接着剤で固定した後、光ファイバ端面を鏡面研磨した。これにより、太径導光ケーブル21Aのベース口金31付きの光出射端は、それぞれジョイント機構部3のコネクター32及び袋ナット33を介して光ファイバケーブル束21Bの口金34付きの光入射端と接続できるようにされた。 【0053】太径導光ケーブル21Aの光入射側では、それぞれジャケット材を剥がし、露出した全ての光ファイバを集束し、光源接続側口金45に通し、該口金45にエポキシ系接着剤で固定した後、口金45の端面に合わせて切断し、これにより得られた光ファイバ端面を鏡面研磨した。この光源接続側口金45を光源装置4に接続した。 【0054】光源装置4としては、155Wのメタルハライドランプ41を搭載し、ランプの前に配設した6色の回転カラーフィルタ43を3R.P.M/50Hzで回転させることが可能なものを用いた。 【0055】以下、本実施例で製造された面発光装置の評価結果について説明する。 【0056】以下の表1は、本実施例で得られた面発光装置の面発光ユニット1において、発光面1aに照度計(ミノルタカメラ(株)製T−1M)の受光部を密着させることで測定した値であり、測定点は図5に示されている[1]〜[9]の各点(縦横それぞれ50mmの等間隔に配置されたの点)であり、いずれの測定点においても良好な照度分布が得られた。なお、光源装置の回転カラーフィルタ43は、回転させずに、無色のものに光が通るように固定した。 【0057】 【表1】
図6は、本実施例で得られた面発光ユニット1の荷重試験方法を説明するための図である。図6において、(a)は面発光ユニット1が平面図で示される全体図であり、(b)は面発光ユニット1が正面図で示される部分図である。試験に際しては、面発光ユニット1の発光面上に厚さ10mmで100mm×100mmの寸法の鉄板を載せ、その上から引張・圧縮試験機(オリエンテック社製UCT−500)で、1mm/1minの速度で荷重をかけた。鉄板により覆われていない光出射面に照度計の受光部を密着させ、荷重をかけながら照度計本体からの照度アナログ出力値をレコーダで記録した。 【0058】図7は、無荷重の時の照度を100%とし、荷重による光出射面照度の変化を測定して得られたグラフである。荷重を250Kg/cm2 以上加えても±10%以内の変化であり良好な結果が得られた。また、この荷重試験を実施しても、各部材に変形や割れ等の異常の発生はなかった。さらに、面発光ユニット1を完全に水中に浸漬しても、各部材間への浸水は全く認められなかった。 【0059】次に、光ファイバケーブル21Bの光入射端面の処理方法の違いによる太径導光ケーブル21Aの光出射端面との光結合効率への影響の差について評価した。評価方法は、面発光ユニット1の光出射面1aの寸法がそれぞれ100×100mmの面発光装置を製造し、但し評価基準として太径導光ケーブル21Aと光ファイバケーブル21Bとにわたって導光ケーブルを構成する光ファイバが連続して延びている「A.ジョイントなし」を製作し、ジョイント機構部3において、太径導光ケーブル21Aからの光が入射する光ファイバケーブル21Bの光入射端面を「B.エポキシ接着、鏡面研磨処理」したものと、「C.熱融着、鏡面研磨処理」したものとを製作し、A〜Cのそれぞれの面発光ユニットの光出射面の照度を比較した。 【0060】この評価に使用した面発光装置及び評価手段の仕様は、次のとおりであった:1)面発光ユニット:発光面に対応する部分の寸法100W×100D×33.4H2)光ファイバケーブル21B:A仕様:φ1.5mm×10本×5.5m長(導光ケーブル) B、C仕様:φ1.5mm×10本×0.5m長3)太径導光ケーブル21A:B、C仕様:φ0.75mm×48本をケーブル化した4本組で、長さ5mのもの。測定では4本組のうちの1本を使用。 【0061】4)光源装置4:155Wメタルハライドランプ搭載品(三菱レイヨン(株)製FIB−403) 5)照度計:ミノルタカメラ(株)製T−1M下記の表2の結果が示す通り、「A.ジョイントなし」に比べて、ジョイント機構部3を用いた方式では、光ファイバケーブル21Bの光入射端面が「B.エポキシ接着、鏡面研磨処理品」の場合は約40%照度しか得られないが、光入射端面を「C.熱融着、鏡面研磨処理」すると約70%の照度が得られ、「C.熱融着、鏡面研磨処理」の場合には「B.エポキシ接着、鏡面研磨処理」の場合より接続損失を約30%も改善できることがわかった。 【0062】 【表2】
【0063】 【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、耐荷重性や耐浸水性に優れ、安全性とメンテナンス性に優れ、発光面の全体から光を出射させることができ、或は複数の発光面どうしをつなぎ合わせる場合にもつなぎ目が目立たない面発光装置が提供される。更に、本発明によれば、予め大量の光ファイバケーブルをストックしておくようなムダが極めて少なく、施工物件の決定に関わらず予め製作しておくことが可能な面発光装置が提供される。 【0064】本発明による面発光装置の面発光ユニットは均一な光出射を得ることができ、しかもメンテナンスフリーで耐荷重性と耐浸水性に優れているため、建築物や床面、水中等に特別な対策を必要とせず埋設ないし設置することができる。しかもランプ交換等のメンテナンスが必要な光源装置は、光ファイバケーブルを用いることにより安全性やメンテナンス性に優れた場所に自由に設置することができる。 【0065】さらに、本発明による面発光装置の発光面は周辺に止め金具等を配置する必要がなく、全面で発光するため、複数の発光面を配列する場合には、つなぎ目が目だたないようにつなぎ合わせを行なうことができる。 【0066】さらに、導光ケーブルをジョイント機構部において切り離すことができるため、施工物件の決定に関わらず面発光ユニットを生産することができる。 【0067】また光源装置に回転カラーフィルタを設けておき、これを回転または停止させることにより、従来の非常出口表示灯ではランプ色のみであった表示色として複数の色を自由に用いることが可能となり、表現の多様化が可能となり、特に夜間において建築物の壁面や床面、公園の池等の景観を向上させることが可能である。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000006035 【氏名又は名称】三菱レイヨン株式会社 【住所又は居所】東京都港区港南一丁目6番41号
|
| 【出願日】 |
平成14年2月19日(2002.2.19) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100065385 【弁理士】 【氏名又は名称】山下 穣平
|
| 【公開番号】 |
特開2003−242825(P2003−242825A) |
| 【公開日】 |
平成15年8月29日(2003.8.29) |
| 【出願番号】 |
特願2002−41795(P2002−41795) |
|