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【発明の名称】 照明器具
【発明者】 【氏名】清水 正博
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工株式会社内

【要約】 【課題】天井直付又は天井からパイプ吊りして使用される照明器具において、簡単な構成により低コストで、反射板のアースを確実に実現する。

【解決手段】ソケット台11又は反射板2のラッチ5の近傍に接地導通のためのばね性を有する突起14を複数設ける。これにより、ラッチ5による反射板締結力の効力を突起14に有効に働かせることができ、本体10と反射板2との間に導通部を構成し安定に接地を維持することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ランプが装着されるランプソケットを前面側に備える本体と、前記本体を覆うように取付けられ前記ランプの光を前方へ反射させる反射板と、前記反射板を該本体に押圧して取付けるラッチとを備えてなる照明器具において、前記ラッチを回転可能に取付けた前記本体のラッチ取付け金具又は反射板のラッチ近傍の内面側に、反射板取付け状態において材料の弾性範囲内となるばね性を有する接地導通のための突起を少なくとも1カ所形成し、前記突起の自由端を前記反射板又はラッチ取付け金具に接触させることにより前記本体と前記反射板との間の電気導通をとる導通部を構成したことを特徴とする照明器具。
【請求項2】 導通部は複数設けられた前記ラッチ取付け金具の一方に有することを特徴とする請求項1記載の照明器具。
【請求項3】 導通部は前記ラッチ取付け金具の中心軸を対称に2カ所形成された突起と、反射板取付け状態において材料の弾性範囲内となるばね性を有する接触片とからなることを特徴とする請求項1記載の照明器具。
【請求項4】 前記突起は前記ラッチ取付け金具形成部材又は前記反射板形成部材の一部により一体的に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の照明器具。
【請求項5】 前記突起は別途形成された金具を前記ラッチ取付け金具又は前記反射板に固着して形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、照明器具に関するものであり、さらに詳しくは反射板の接地導通構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の照明器具について図1、図2を参照して説明する。図面中の共通する部材には同一符号を付して重複説明を省略する。この照明器具1は天井取付け又は天井からパイプ吊りされて使用されるものであり、表面に塗装の施された反射板2と、ランプ3と、ランプソケット4と、本体10とを備えて構成されている。反射板2は、略台形状の端板6と長尺方向に垂直な断面が略台形状の側板8とからなる背面開口の函体であって、本体10を覆い、ランプ3の光を下方へ反射させるものである。その前面側の面の長手方向の両端近傍には、ソケット台11に取付けられたランプソケット4が突出する大きさのソケット貫通開口7が開けられている。
【0003】本体10は、長尺の長方形板の一対の長辺側を略垂直に折り曲げて略断面コの字状に形成され、ランプ3(直管形蛍光灯)が装着される互いに対向するランプソケット4を取付けるためのソケット台11を前面側の両端に備え、天井面に背面側を対向させて取付けられる。その略中央には、電源線を挿通させるための電源孔と取付ボルトを挿通させるための取付孔などが設けられるとともに、ランプ3に電力供給を行う点灯装置13が取付けられている。
【0004】反射板2には、ソケット貫通開口7よりも長手方向内側の所定個所に、長手方向に長径のラッチ貫通孔9が形成されている。また、ソケット台11上であってランプソケット4よりも長手方向内側の所定個所には、樹脂製のラッチ5が回転自在に取付けられている。そして、反射板2は、本体10を覆うようにこれを配設したのち、ラッチ貫通孔9を貫通しているラッチ5を90度回転させ、ラッチ5が反射板2を幅方向に跨ぐようにして、ラッチ5により係止固定される。
【0005】そして、このような照明器具は、本体10の背面側を天井面に対向させ、天井面から引き出された電源線を本体10の電源孔に通すとともに、天井面または吊り下げパイプから突設された取付ボルトを取付孔に通してナットで締め付け、電源線を点灯装置13に接続した後、反射板2を、本体10に下方から本体10を覆うように取付け、ランプソケット4にランプ3を装着して施工される。
【0006】ところで、近年、人体が触れる恐れのある非充電金属部は全てアースすることが要求され、また、多機能なインバータ式安定器の増加により雑音性能の向上を図る面からも、反射板2のアースが要求されてきており、これに関連して、反射板を接地された本体にアースする従来例として次のものがある。まず、反射板のソケット貫通孔周辺に突起部を設け、ラッチによる反射板装着時にこの突起部がソケット台に接するようにして、ソケット台を介して反射板と本体との間の導通をとる構成としたものが知られている(特開2001−6429号公報参照)。また、本体に電気導通して装着される固定用金具に圧接突起部を形成し、ラッチ(ターンファスナ)による反射板装着時にこの圧接突起部が反射板に接して、反射板と本体との間の導通をとる構成としたものが知られている(特開2000−231820号公報参照)。また、インサート成形によりラッチ(取付具)の一部を導電部とし、反射板装着時にラッチの導電部が反射板と本体に接して、反射板と本体との間の導通をとる構成としたものが知られている(特開2000−100224号公報参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述したソケット貫通孔周辺の突起部による構成においては、突起部がラッチから離れているためラッチによる締結力の効力が弱く、導通の確実性に問題があり、また、上述した固定用金具に圧接突起部を設けた構成においては、専用の固定用金具を用いているため汎用性及び製作コストの点で問題があり、また、上述したラッチの導電部により導通をとる構成においては、ラッチをインサート成形するコストの問題、および導通部の導通接触を維持する安定したばね力を期待できないという問題がある。
【0008】本発明は、上記の課題を解消するものであって、簡単な構成により低コストで、本体と反射板を確実に接地導通状態にして反射板のアースを確実に実現できる照明器具を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を達成するために、請求項1の発明は、ランプが装着されるランプソケットを前面側に備える本体と、本体を覆うように取付けられランプの光を前方へ反射させる反射板と、反射板を該本体に押圧して取付けるラッチとを備えてなる照明器具において、ラッチを回転可能に取付けた本体のラッチ取付け金具又は反射板のラッチ近傍の内面側に、反射板取付け状態において材料の弾性範囲内となるばね性を有する接地導通のための突起を少なくとも1カ所形成し、突起の自由端を反射板又はラッチ取付け金具に接触させることにより本体と反射板との間の電気導通をとる導通部を構成したものである。
【0010】上記構成の照明器具においては、ラッチ取付け金具又は反射板のラッチ近傍に接地導通のための突起を複数設けているため、ラッチによる反射板締結力の効力が突起に有効に働き、本体と反射板との間に導通部を構成し安定に維持することができる。また、突起部材がばね性を有する状態で用いるため、このことによっても導通部を安定に維持できる。また、突起の自由端は、反射板装着時に反射板あるいはラッチ取付け金具に接触して接触部の表面を擦って移動するため、塗装面の塗装をはがして確実に電気導通を確保できる。また、導通部を構成する突起を反射板とラッチ取付け金具との内部空間に設けることとしたため、照明器具の施工は従来と同仕様で行うことができる。
【0011】請求項2の発明は、請求項1記載の発明において、導通部は複数設けられたラッチ取付け金具の一方に有するものである。この構成においては、最小限の構成を確保して請求項1記載の発明による効果を得ることができる。
【0012】請求項3の発明は、請求項1記載の発明において、導通部はラッチ取付け金具の中心軸を対称に2カ所形成された突起と、反射板取付け状態において材料の弾性範囲内となるばね性を有する接触片とからなるものである。この構成においては、ラッチ取付け金具に形成したばね性を有する突起とばね性を有する接触片とにより導通部を構成しているため、両者のばね性により導通部をより確実に確保し、維持することができる。
【0013】請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の発明において、突起はラッチ取付け金具形成部材又は反射板形成部材の一部により一体的に形成されているものである。この構成においては、ラッチ取付け金具または反射板を成形するときに同時に突起を一体成形できるため、低コストで導通部を構成することができる。
【0014】請求項5の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の発明において、突起は別途形成された金具をラッチ取付け金具又は反射板に固着して形成されているものである。この構成においては、突起部材としてより適切な部材を選ぶことにより、より確実な導通部の構成を得ることができる。また、別部材を後付けすればよいため、従来の照明器具構成に追加加工により本願発明を適用することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1実施形態に係る照明器具について、図3、図4を参照して説明する。照明器具の外観構成は前述の図1と同等であり、照明器具の本体に設けられたソケット台11は、図3に示されるように、接地導通のための突起14をソケット台11のラッチ5の近傍であって、かつ長手方向側面の傾斜部(内面側)に備えている。この突起14は、ソケット台11の成形時にソケット台11の部材により一体成形されるものである。その形状は、自由端である先端の角度Dが約120度であり、基部の幅a、先端の幅b、そして突起の長さLの寸法設定は、反射板2を取付けた状態において突起の先端が反射板に接触してなお材料の弾性範囲内となるばね性を有する寸法とする。
【0016】このように突起14が構成されたソケット台11を持つ照明器具の本体10は、天井直付の場合、図4(a)に示されるように天井に取付けられ、さらにこの本体10に反射板2を配設した後、図4(b)に示されるようにラッチ5を90度回転して本体10に反射板2を固定装着する。このとき、突起14は、反射板2の内面に斜めに接し、ラッチ5による締結力により弾性変形して湾曲すると共に、突起14の先端に発生した接線方向の力により反射板2の塗装を剥離する。この結果、突起14と反射板2の電気的接触により導電部が構成され、従って、反射板2は本体10にアースされ、この状態はラッチ5による締結力と突起14の有する弾性力により安定維持される。また、パイプ吊りの場合の取付け状態は、図4(c)に示すごとくになる。なお、天井直付の場合(図4(b))とパイプ吊りの場合(図4(c))では、反射板2上部の位置が天井の存在で制限されるか否かの違いにより、突起14への締結力の作用の仕方が若干異なるが、突起14の寸法形状を天井直付の場合に適合させておくことでパイプ吊りにも十分対応可能である。
【0017】次に、本発明の第2実施形態に係る照明器具について、図5、図6を参照して説明する。照明器具本体に設けられる突起14は、前記同様にソケット台11のラッチ5の近傍であって、前記の実施形態と異なり、長手方向側面の直立部(内面側)に備えられている。この突起14は、前記同様ソケット台11の成形時にソケット台11の部材により一体成形されるものである。その形状は、自由端である先端の角度Dが約120度であり、基部の幅a、先端の幅b、そして突起の長さLの寸法設定は、反射板2を取付けた状態において突起の先端が反射板の傾斜部分に接触してなお材料の弾性範囲内となるばね性を有する寸法とする。
【0018】このように突起14が構成されたソケット台11を持つ照明器具の本体10は、前述第1実施形態と同様、天井直付の場合、図6(a)に示されるように、天井に取付けられ、さらにこの本体10に反射板2を配設した後、図6(b)に示されるように、ラッチ5を90度回転して本体10に反射板2を固定装着する。このとき、突起14は、反射板2の傾斜面の内面に接し、ラッチ5による締結力により弾性変形して湾曲すると共に、突起14の先端に発生した接線方向の力により反射板2の塗装を剥離する。この結果、突起14と反射板2の電気的接触により導電部が構成され、従って、反射板2は本体10にアースされ、この状態はラッチ5による締結力と突起14の有する弾性力により安定維持される。また、パイプ吊りの場合の取付け状態は、図6(c)に示すごとくになる。
【0019】次に、本発明の第3実施形態に係る照明器具について、図7、図8を参照して説明する。本実施形態において、照明器具に設けられる突起15は、別金具として導体片により別途形成され、反射板2の内面のラッチ貫通孔9近傍斜面にスポット溶接により固着されている。その形状は、自由端である先端の角度Dが約120度であり、基部の幅a、先端の幅b、そして突起の長さLの寸法設定は、反射板2を本体10に取付けた状態において、突起の先端がソケット台11の傾斜部分に接触してなお材料の弾性範囲内となるばね性を有する寸法とする。
【0020】このように突起15が構成された反射板2は、天井直付の場合、図8(a)に示されるように、照明器具の本体10に配設され、さらに図8(b)に示されるように、ラッチ5を90度回転して本体10に固定装着される。このとき、突起15は、ラッチ5による締結力により弾性変形、湾曲してソケット台11の傾斜面に接し、突起15とソケット台11の電気的接触により導電部が構成され、従って、反射板2は本体10にアースされ、この状態はラッチ5による締結力と突起15の有する弾性力により安定維持され、前記第1の実施形態と同様の結果が得られる。また、パイプ吊りの場合の取付け状態は、図8(c)のようになる。
【0021】次に、本発明の第4実施形態に係る照明器具について、図9を参照して説明する。本実施形態において、突起15は、別金具として導体片により別途形成され、ソケット台11のラッチ5近傍かつ長手方向側面の傾斜部にスポット溶接などにより固着されている。この点以外は、その構成及び効果について第1実施形態と同様である。
【0022】本発明の第5実施形態に係る照明器具について、図10を参照して説明する。本実施形態において、突起15は、前記同様に別金具として導体片により別途形成され、ソケット台11のラッチ5近傍かつ長手方向側面の直立部にスポット溶接などにより固着されている。この点以外は、その構成及び効果について第2実施形態と同様である。
【0023】なお、本発明は、上記構成に限られることなく種々の変形が可能である。例えば、突起の自由端先端は角度が約120度の一つの頂点を持つとしているが、複数の頂点を持つものとしてもよく、必要に応じてその形状を設定すればよい。また、前記の各実施形態では、ラッチ取付け金具はソケット台を兼ねているが、より長尺のランプを使用した器具の場合等ではラッチ取付け金具はソケット台とは別に器具本体の中間部分に設けるようにしてもよい。
【0024】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明によれば、ラッチ取付け金具又は反射板のラッチ近傍に接地導通のための突起を複数設けているため、ラッチによる反射板締結力の効力が突起に有効に働き、本体と反射板との間に導通部を構成し安定に維持することができる。また、突起部材がばね性を有する状態で用いるため、このことによっても導通部を安定に維持できる。また、突起の自由端は、反射板装着時に反射板あるいはラッチ取付け金具に常に斜めに接触して接触部の表面を擦って移動するため、塗装面の塗装をはがして確実に電気導通を確保できる。また、導通部を構成する突起を反射板とラッチ取付け金具との内部空間に設けるようにしたので、照明器具の施工は従来と同仕様で行うことができる。従って、本発明は、本体と反射板を確実に接地導通状態にして反射板のアースを確実に実現できる照明器具を、簡単な構成により低コストで提供できる。また、塗装を予め剥がす必要もなく、その取り扱い方法や施工工数が従来と変わらない内容で照明器具を提供できる。これにより、電源電線や、器具内配電線が触れる恐れのある反射板の接地導通が確保され、静電気の蓄積も低減でき、埃の付着の低減、人体への安全性の向上、放射ノイズの低減が図れる。
【0025】請求項2の発明によれば、最小限の構成を確保して請求項1記載の発明による効果を有する照明器具を提供できる。
【0026】請求項3の発明によれば、ラッチ取付け金具に形成したばね性を有する突起とばね性を有する接触片とにより導通部を構成しているため、両者のばね性により導通部をより確実に確保し、維持することができる。
【0027】請求項4の発明によれば、ラッチ取付け金具または反射板を成型するときに同時に突起を一体成形できるため、部品点数の増加もなく、低コストで導通部を構成した照明器具を提供できる。
【0028】請求項5の発明によれば、突起部材としてより適切な部材を選ぶことにより、より確実な導通部の構成を得ることができる。また、別部材を後付けすればよいため、従来の照明器具構成に僅かの追加加工を施すだけで導通部を構成することができる。
【出願人】 【識別番号】000005832
【氏名又は名称】松下電工株式会社
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1048番地
【出願日】 平成13年12月27日(2001.12.27)
【代理人】 【識別番号】100084375
【弁理士】
【氏名又は名称】板谷 康夫
【公開番号】 特開2003−197023(P2003−197023A)
【公開日】 平成15年7月11日(2003.7.11)
【出願番号】 特願2001−397641(P2001−397641)