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【発明の名称】 反射シート及びこれを用いたバックライトユニット
【発明者】 【氏名】中野 昌司
【住所又は居所】和歌山県日高郡印南町印南原4026−13 恵和株式会社研究開発センター内

【要約】 【課題】黄変等の経時的な劣化を起こさない反射シート、及び、かかる反射シートを用いて輝度の向上及び径時的な品質低下の防止を図ることができるバックライトユニットの提供を目的とするものである。

【解決手段】光線の放散を低減するバックライトユニット用の反射シート1であって、白色合成樹脂製の基材シート層2と、この基材シート層2の表面側に積層される紫外線吸収層3とを備えており、この紫外線吸収層3が紫外線吸収剤を含有する基材ポリマー4又は分子鎖に紫外線吸収基が結合した基材ポリマー4を有している。また、紫外線吸収層3は、紫外線安定剤を含有する基材ポリマー4又は分子鎖に紫外線安定基を有する基材ポリマー4から形成してもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 白色合成樹脂製の基材シート層を備え、光線の放散を低減するバックライトユニット用の反射シートであって、この基材シート層の表面側に紫外線吸収層を備えていることを特徴とする反射シート。
【請求項2】 上記紫外線吸収層が基材ポリマーとこの基材ポリマー中に含まれる紫外線吸収剤とを有している請求項1に記載の反射シート。
【請求項3】 上記紫外線吸収剤の基材ポリマーに対する含有量が0.1質量%以上10質量%以下である請求項2に記載の反射シート。
【請求項4】 上記紫外線吸収剤として、サリチル酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤及びシアノアクリレート系紫外線吸収剤からなる群より選択される1種又は2種以上のものが用いられている請求項2又は請求項3に記載の反射シート。
【請求項5】 上記紫外線吸収層が分子鎖に紫外線吸収基が結合した基材ポリマーを有している請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の反射シート。
【請求項6】 上記紫外線吸収層中に紫外線安定剤又は分子鎖に紫外線安定基が結合した基材ポリマーを有している請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の反射シート。
【請求項7】 上記紫外線安定剤又は紫外線安定基としてヒンダードアミン系紫外線安定剤又はヒンダードアミン系紫外線安定基が用いられている請求項6に記載の反射シート。
【請求項8】 上記紫外線吸収層中に軟質エラストマー材料製のビーズを分散含有する請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の反射シート。
【請求項9】 上記ビーズが軟質ウレタンビーズである請求項8に記載の反射シート。
【請求項10】 上記紫外線吸収層中に気泡を分散含有する請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の反射シート。
【請求項11】 上記基材シート層の裏面側に積層される高隠蔽層をさらに備えており、この高隠蔽層が、白色顔料を含有する塗料を塗工することで形成されている請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の反射シート。
【請求項12】 線状のランプと、このランプに沿うように配設され、ランプから発せられる光線を表面側へ導く導光板と、この導光板の表面側に配設され、前記導光板から出射した光線を略均一に拡散しかつ法線方向側に屈折させる光学シートと、上記導光板の裏面側に配設される請求項1から請求項11いずれか1項に記載の反射シートとを装備する液晶表示装置用のバックライトユニット。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光線の放散を低減するバックライトユニット用の反射シート、及びこの反射シートを用いたバックライトユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置は、液晶層を背面から照らして発光させるバックライト方式が普及し、液晶層の下面側にエッジライト型、直下型等のバックライトユニットが装備されている。かかるエッジライト型のバックライトユニット40は、一般的には図5に示すように、光源としての棒状のランプ41と、このランプ41に端部が沿うように配置される方形板状の導光板43と、この導光板43の表面側に積層された複数枚の光学シート42と、導光板43の裏面側に積層された反射シート46とを装備している。この光学シート42は、それぞれ、屈折、拡散等の特定の光学的性質を有するものであり、具体的には、導光板43の表面側に配設される光拡散シート44、光拡散シート44の表面側に配設されるプリズムシート45などが該当する。
【0003】このバックライトユニット40の機能を説明すると、まず、ランプ41より導光板43に入射した光線は、導光板43裏面の反射ドット(図示していない)及び各側面で反射され、導光板43表面から出射される。導光板43から出射した光線は光拡散シート44に入射し、拡散され、光拡散シート44表面より出射される。その後、光拡散シート44から出射された光線は、プリズムシート45に入射し、プリズムシート45の表面に形成されたプリズム部45aによって、略法線方向にピークを示す分布の光線として出射される。このように、ランプ41から出射された光線が、光拡散シート44によって拡散され、またプリズムシート45によって略法線方向にピークを示すように屈折され、さらに上方の図示していない液晶層全面を照明するものである。
【0004】一方、液晶画面がぎらつかない程度に導光板43裏面から放散される光線を表面側に反射させて輝度の向上を図ること(反射性)、バックライトユニット40の裏面側に配設される装置、フレーム等が視認されることを防止すること(隠蔽性)を目的として、導光板43の裏面側には反射シート46が配設されている。
【0005】かかる反射シート46としては、従来、(a)合成樹脂製のシート中に酸化チタンなどの白色顔料が分散したもの、(b)合成樹脂製のシート中に光を散乱させるためのボイド(気泡)が分散したもの、(c)シート表面がマット状に形成されたものなどが用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の反射シート46を用いたバックライトユニット40を使用すると、径時的に反射シート46に黄変等が生じ、これに伴いバックライト画面が黄色みを帯びる、輝度が低下する等の品質の低下を招来している。
【0007】本発明はこれらの不都合に鑑みてなされたものであり、黄変等の経時的な劣化を起こさない反射シート、及び、かかる反射シートを用いて輝度の向上及び径時的な品質低下の防止を図ることができるバックライトユニットの提供を目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、前述の反射シートの黄変等の経時的な劣化は、ランプから発せられる光線に含まれる微量の紫外線がその主要因であることを見いだした。
【0009】その結果、上記課題を解決するためになされた発明は、白色合成樹脂製の基材シート層を備え、光線の放散を低減するバックライトユニット用の反射シートであって、この基材シート層の表面側に紫外線吸収層を備えていることを特徴とするものである。
【0010】当該反射シートによれば、基材シート層の表面側に積層される紫外線吸収層によってランプから発せられる微量の紫外線を吸収し、上記黄変等の経時的な劣化を防止することができる。
【0011】上記紫外線吸収層は、基材ポリマーと、この基材ポリマー中に含まれる紫外線吸収剤とを有するとよい。この手段によれば、紫外線吸収層が内部に含有する紫外線吸収剤によって紫外線吸収機能を有効に発揮することができる。また、紫外線吸収剤が基材ポリマー中に含有し、保護されているため、当該反射シートの保存運搬時、バックライトユニットの組み付け作業時又は使用時における紫外線吸収剤の欠落等を防止できる。
【0012】上記紫外線吸収剤の基材ポリマーに対する含有量としては0.1質量%以上10質量%以下が好ましい。紫外線吸収層を構成する基材ポリマーに対して紫外線吸収剤をこの程度配合することで、反射シートの上記黄変防止作用を効果的に奏することができる。
【0013】上記紫外線吸収剤としては、サリチル酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤及びシアノアクリレート系紫外線吸収剤からなる群より選択される1種又は2種以上のものを用いるとよい。これらの紫外線吸収剤は、紫外線吸収機能が高く、ポリマーとの相溶性や熱的安定性も良好であるため、当該反射シートの光劣化、特に黄変の防止に好適である。
【0014】また、上記紫外線吸収層は、分子鎖に紫外線吸収基が結合した基材ポリマーを有するとよい。この手段によれば、紫外線吸収層を構成する基材ポリマーの分子鎖に結合した紫外線吸収基によって紫外線が吸収され、上記黄変等の経時的な劣化を防止することができる。また、紫外線吸収機能を有するものが官能基として基材ポリマーの分子鎖に組み込まれていることから、紫外線吸収機能の持続性が格段に向上する。
【0015】さらに、上記紫外線吸収層中に紫外線安定剤又は分子鎖に紫外線安定基が結合した基材ポリマーを有してもよい。この手段によれば、紫外線によって発生するラジカル、活性酸素等が紫外線吸収層中に有する紫外線安定剤又は紫外線安定基により不活性化(分解、捕捉等)され、紫外線吸収層ひいては当該反射シート劣化を低減することができる。
【0016】上記紫外線安定剤又は紫外線安定基としてはヒンダードアミン系紫外線安定剤又はヒンダードアミン系紫外線安定基が好適である。このヒンダードアミン系の紫外線安定剤又は吸収基は、上記紫外線安定機能が高く、かつ、その持続性も高いため、当該反射シートの耐久性及び耐候性を格段に向上させることができる。
【0017】また、当該反射シートにおいて、上記紫外線吸収層中にさらに軟質エラストマー材料製のビーズを分散含有するとよい。この手段によれば、当該反射シートの表面にビーズによる軟質の凸状部を形成することができる。そのため、バックライトユニットにおいて当該反射シートはその表面側に配設される導光板の裏面に上記ビーズによる軟質の凸状部で散点的に当接し、その結果、導光板の裏面への傷付きを防止することができる。また、紫外線吸収層中に分散含有するビーズによって光拡散性を付与することができ、かかる紫外線吸収層の光拡散性により反射シートの反射性及び隠蔽性を促進することができる。
【0018】上記ビーズとしては、ガラス転移温度が比較的低く、さらに耐溶剤性、耐熱性等に優れる軟質ウレタンビーズが好ましい。
【0019】一方、当該反射シートにおいて、上記紫外線吸収層中にさらに気泡を分散含有するとよい。この手段によれば、紫外線吸収層中に分散する気泡によって表面に微細な軟質の凸状部が形成され、分散含有する上記ビーズと同様に導光板裏面への傷付き防止性を奏し、かつ、反射性及び隠蔽性を促進することができる。
【0020】さらに、当該反射シートにおいて、上記基材シート層の裏面側に積層される高隠蔽層をさらに備え、この高隠蔽層を白色顔料を含有する塗料の塗工により形成するとよい。この手段によれば、基材シート層の裏面側に積層される高隠蔽層によって当該反射シートの反射性及び隠蔽性を格段に向上させることができる。
【0021】従って、(a)線状のランプと、(b)このランプに沿うように配設され、ランプから発せられる光線を表面側へ導く導光板と、(c)この導光板の表面側に配設され、前記導光板から出射した光線を略均一に拡散しかつ法線方向側に屈折させる光学シートと、(d)上記導光板の裏面側に配設される上記本発明の反射シートとを装備する液晶表示装置用のバックライトユニットは、前述のように当該反射シートが径時的な黄変防止作用を奏することから、バックライト画面が径時的に黄色みを帯びること及び輝度が低下することを防止することができ、品質を向上させることができる。また、当該反射シートが奏する導光板裏面の傷付きが防止性によって、導光板裏面への傷付きによる輝度の低下及び輝度ムラの発生を防止することができ、また、組み付け等の作業性を改善することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、適宜図面を参照しつつ本発明の実施の形態を詳説する。図1は本発明の一実施形態に係る反射シートを示す模式的断面図で、図2〜図4は図1の反射シートとは異なる形態の反射シートを示す模式的断面図である。
【0023】図1の反射シート1は、基材シート層2と、この基材シート層2の表面に積層される紫外線吸収層3とを備えている。
【0024】この基材シート層2は、白色合成樹脂から形成されている。この白色合成樹脂は、上述のように白色顔料や微小気泡を分散含有する合成樹脂である。この基材シート層2に使用可能な合成樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリオレフィン、セルロースアセテート、耐候性塩化ビニル等が挙げられる。中でも、耐熱性に優れるポリエチレンテレフタレートが好ましい。
【0025】この基材シート層2の厚みは、特には限定されないが、例えば50μm以上250μm以下とされる。基材シート層2の厚みが上記範囲未満であると、紫外線吸収層3を形成する樹脂組成物を塗工した際にカールが発生しやすくなってしまうことがある。逆に、基材シート層2の厚みが上記範囲を超えると、液晶表示装置の輝度が低下してしまうことがあり、またバックライトユニットの厚みが大きくなって液晶表示装置の薄型化の要求に反することにもなる。
【0026】なお、含有する白色顔料としては、従来の反射シートと同様であり、具体的には酸化チタン(チタン白)、酸化亜鉛(亜鉛華)、炭酸鉛(鉛白)、硫酸バリウム、炭酸カルシウム(白亜)などを用いることができる。中でも、隠蔽性向上効果が大きい酸化チタンが好ましい。また、分散含有する気泡に関しても、従来の反射シートと同様である。
【0027】紫外線吸収層3は、基材ポリマー4と、この基材ポリマー4中に含有する紫外線吸収剤とから形成されている。なお、この紫外線吸収層3の厚みは特には限定されないが、例えば3μm以上30μm以下程度とされている。
【0028】この基材ポリマー4に用いる材料としては、特に限定されるものではなく、例えばアクリル系樹脂、ポリウレタン、ポリエステル、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリアミドイミド、エポキシ樹脂等を用いることができる。また、この基材ポリマー4中には、上記のポリマーの他、例えば可塑剤、安定化剤、劣化防止剤、分散剤、帯電防止剤等が配合されてもよい。この基材ポリマー4は、一般的には透明とされているが、基材シート層2と同様に反射性及び隠蔽性を付与すべく、白色顔料や気泡を分散させてもよい。
【0029】紫外線吸収層3に含まれる紫外線吸収剤としては、紫外線を吸収し、効率よく熱エネルギーに変換できるもので、かつ、光に対して安定な化合物であれば特に限定されるものではなく公知のものを使用することができる。中でも、紫外線吸収機能が高く、上記基材ポリマー4との相溶性が良好で、基材ポリマー4中に安定して存在するサリチル酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤及びシアノアクリレート系紫外線吸収剤が好ましく、これらの群より選択される1種又は2種以上のものを用いるとよい。
【0030】紫外線吸収層3において、上記紫外線吸収剤の基材ポリマー4に対する含有量の下限としては0.1質量%、特に1質量%、さらに3質量%が好ましく、紫外線吸収剤の上記含有量の上限としては10質量%、特に8質量%、さらに5質量%が好ましい。これは、紫外線吸収層を構成する基材ポリマー4に対して紫外線吸収剤の配合量が上記下限より小さいと、反射シート1の上記黄変等の防止作用を効果的に奏することができないためであり、逆に、紫外線吸収剤の配合量が上記上限を超えると、基材ポリマー4に悪影響を及ぼし、紫外線吸収層3の強度、耐久性等の低下をもたらすことからである。
【0031】当該反射シート1の製造方法としては、(a)基材ポリマー4に紫外線吸収剤を混合することで紫外線吸収層3用樹脂組成物を調整する工程と、塗工等の方法でこの樹脂組成物を基材シート層2の表面に積層し、紫外線吸収層3を形成する工程とからなる製法や、(b)塗工等の方法で基材ポリマー4を構成する樹脂組成物を基材シート層2の表面に積層する工程と、この工程で形成された積層層に紫外線吸収剤を含浸させることで紫外線吸収層3を形成する工程とからなる製法などが可能である。
【0032】当該反射シート1によれば、白色合成樹脂製の基材シート層2により従来の反射シートと同様の反射性と隠蔽性とを奏し、さらに基材シート層2の表面側に積層される紫外線吸収層3によってランプから発せられる紫外線を吸収し、黄変等の径時的な劣化を防止することができる。つまり、従来の反射シートと同様の基材シート層2を用い、その表面に上記紫外線吸収層3を積層することで、容易かつ確実に反射シート1の経時的な黄変等を防止することができる。
【0033】なお、紫外線吸収層3は、分子鎖に紫外線吸収基を有する基材ポリマー(例えば、(株)日本触媒の「ユーダブルUV」シリーズなど)から形成することも可能である。このように、紫外線吸収層3に分子鎖に紫外線吸収基を有する基材ポリマーを用いることで、紫外線吸収剤のブリードアウト等による紫外線吸収機能の劣化を防止することができる。また、この紫外線吸収基が結合された基材ポリマー中にさらに紫外線吸収剤を含有することで、紫外線吸収層3の紫外線吸収機能をより向上させることができる。
【0034】図2の反射シート11は、上記図1の反射シート1と同様に、基材シート層2と、この基材シート層2の表面に積層される紫外線吸収層12とを備えている。この基材シート層2は上記図1の反射シート1と同様である。
【0035】この紫外線吸収層12は、上記反射シート1の紫外線吸収層3と同様に、基材ポリマー4とこの基材ポリマー4中に含有する紫外線吸収剤とから形成されている。この基材ポリマー4、紫外線吸収剤、及びその配合量は上記反射シート1と同様である。当該紫外線吸収層12は、基材ポリマー4中にさらに軟質エラストマー材料製のビーズ13を分散含有している。このビーズ13の上端部が基材ポリマー4外面から突出すること等により、当該反射シート1の表面には滑らかに湾曲した軟質の凸状部14が形成されている。従って、バックライトユニットにおいて、当該反射シート11の表面側に配設される導光板に対して、当該反射シート1が軟質の凸状部14で散点的に当接し、導光板裏面への傷付きが低減される。
【0036】この紫外線吸収層12の表面粗さ(Ra)の下限としては、5μm、特に7μm、さらに9μmが好ましい。一方、上記表面粗さ(Ra)の上限としては、20μm、特に17μm、さらに14μmが好ましい。これは、紫外線吸収層12の表面粗さ(Ra)が上記下限より小さいと、前述のような導光板裏面への散点的当接による傷付き防止性を効果的に奏することが困難になり、逆に、表面粗さ(Ra)が上記上限を超えると、粗い凸状部14によって逆に導光板裏面へ傷を付けてしまうおそれがあることからである。上記「表面粗さ(Ra)」は、カットオフ値8mm、評価長さ40mmの値である。
【0037】ビーズ13は、ガラス転移温度が低い軟質エラストマー材料から形成されたものを用いる。かかる軟質エラストマー材料製のビーズ13により紫外線吸収層12の表面に形成される凸状部14の硬度が比較的小さくなり、上記導光板裏面に対する傷付き防止性が効果的に奏される。
【0038】この軟質エラストマー材料の具体的なガラス転移温度の下限としては−100℃、特に−80℃、さらに−60℃が好ましく、その上限としては30℃、特に25℃、さらに20℃が好ましい。これは、ビーズ13を構成する軟質エラストマー材料のガラス転移温度が上記上限を超えると、当該反射シート11表面の凸状部14の硬度が大きくなり、上記導光板裏面に対する傷付き防止性を効果的に発揮することができなくなってしまい、逆に、当該軟質エラストマー材料のガラス転移温度が上記下限より小さいと、当該反射シート11表面の凸状部14が潰れて、紫外線吸収層12表面が導光板裏面に当接し、上記傷付き防止性を効果的に奏することができなくなってしまうことからである。
【0039】ビーズ13に使用可能な具体的な軟質エラストマー材料としては、例えば、ポリウレタン、シリコンゴム、ポリスチレン、熱可塑性ポリエステルなどが挙げられ、中でも耐溶剤性、耐熱性等から軟質ウレタンビーズが好ましい。
【0040】ビーズ13の平均粒子径の下限としては、3μm、特に5μm、さらに7μmが好ましく、その上限としては40μm、特に30μm、さらに20μmが好ましい。これは、ビーズ13の平均粒子径が上記下限未満であると、ビーズ13を基材ポリマー4から突出させて凸状部14を形成することがことが困難になり、紫外線吸収層12の表面粗さ(Ra)を上記範囲とすることができないためであり、逆に、ビーズ13の平均粒子径が上記上限を超えると、紫外線吸収層12の表面粗さ(Ra)が上記範囲を超えて傷付き防止性が低減すること、及び、樹脂組成物の塗工等による紫外線吸収層12の形成が困難となってしまうことからである。
【0041】基材ポリマー4のポリマー分100部に対するビーズ13の配合量の下限としては、0.1部、特に5部、さらに10部が好ましい。一方、ビーズ13の上記配合量の上限としては、500部、特に300部、さらに100部が好ましい。ここで、「部」で示す数値は質量を基準とする比を意味する。これは、ビーズ13の配合量が上記下限未満であると、紫外線吸収層12の表面粗さ(Ra)を上記範囲とすることができないことからであり、逆に、上記上限を越えると、樹脂組成物の塗工等による紫外線吸収層12の形成が困難となってしまうことからである。
【0042】ビーズ13としては、透明、特に無色透明が好ましい。このように透明なビーズ13を用いることで、紫外線吸収層12に光拡散性を付与でき、その結果、基材シート層2などでの反射等によって表面側へ出射される光線を拡散し、隠蔽性を促進することができる。
【0043】当該反射シート11の製造方法としては、基本的には、基材ポリマー4に紫外線吸収剤及びビーズ13を混合することで紫外線吸収層12用樹脂組成物を調整する工程と、塗工等の方法でこの樹脂組成物を基材シート層2の表面に積層し、紫外線吸収層12を形成する工程とからなる。
【0044】当該反射シート11によれば、上記反射シート1と同様に、白色合成樹脂製の基材シート層2により従来の反射シートと同様の反射性と隠蔽性とを奏し、基材シート層2の表面側に積層される紫外線吸収層12によってランプから発せられる紫外線を吸収し、黄変等の径時的な劣化を防止することができる。また、当該反射シート11によれば、紫外線吸収層12表面の軟質の凸状部14によって表面側に配設される導光板裏面への傷付きを防止することができる。さらに、当該反射シート11は、紫外線吸収層12のビーズ13によって表面に凹凸が形成されるため、表面側への反射性、ひいては隠蔽性を高めることができる。
【0045】図3の反射シート21は、上記図1の反射シート1と同様に、基材シート層2と、この基材シート層2の表面に積層される紫外線吸収層22とを備えている。この基材シート層2は、上記反射シート1と同様である。
【0046】紫外線吸収層22は、上記反射シート1の紫外線吸収層3と同様に、基材ポリマー4と基材ポリマー4中に含有する紫外線吸収剤とから形成されており、加えて基材ポリマー4中に気泡23を分散含有している。この気泡23の分散によって表面に凸状部24が略均一に多数形成されている。このように、当該反射シート21表面の凸状部24は、気泡23が内在しているため、弾力があって軟質であり、滑らかに湾曲している。そのため、バックライトユニットにおいて当該反射シート21の表面側に配設される導光板に対し、当該反射シート21が軟質の凸状部24で散点的に当接し、導光板裏面への傷付きが低減される。なお、この紫外線吸収層22の表面粗さ(Ra)は、上記図2の反射シート11と同様である。
【0047】この気泡23は、基材ポリマー4中に存在する何らかの気体を含む微小部分であり、その形状は特に限定されず、例えば球状、粒状、多面体状、金平糖状、ランダム形状、紡錘状等種々の形状が可能である。但し、気泡23の形状としては球状の独立気泡が、軟質の凸状部24の形成し易さ及び高い光拡散性による隠蔽性の促進の点で好ましい。また、気泡23は、原則として基材ポリマー4の内部に存在するが、基材ポリマー4の表面に開口した開口気泡が存在してもよく、この開口気泡により凸状部24の形成性及び光拡散性が促進される。
【0048】気泡23に含まれる気体は、気泡23の形成方法により決定され、特に限定されるものではない。例えば、後述するように発泡剤を用いた場合、発泡剤の種類により空気、窒素ガス、二酸化炭素、アンモニアガス等が充填される。
【0049】気泡23の平均径の下限としては0.5μm、特に1μm、さらに5μmが好ましく、その平均径の上限としては50μm、特に40μm、さらに30μmが好ましい。これは、気泡23の平均径が上記下限より小さいと、凸状部24を形成することがことが困難になり、紫外線吸収層22の表面粗さ(Ra)を上記範囲とすることができないためであり、逆に、平均径が上記上限を超えると、紫外線吸収層22の強度が低下することからである。
【0050】基材ポリマー4に対する気泡23の体積比の下限としては1vol%、特に10vol%、さらに20vol%が好ましく、その体積比の上限としては80vol%、特に70vol%、さらに60vol%が好ましい。これは、気泡23の体積比が上記下限より小さいと、凸状部24による紫外線吸収層22の表面粗さ(Ra)を好ましい上記範囲とすることが困難になり、また光拡散性による隠蔽性を促進する効果も小さくなることからであり、逆に、気泡23の体積比が上記上限を超えると、紫外線吸収層22の強度及び耐久性が低下することからである。
【0051】当該反射シート21の製造方法としては、基本的には、基材ポリマー4を構成する樹脂組成物(熱硬化性樹脂を主ポリマーとする)中に発泡剤及び紫外線吸収剤を添加・混練することで、紫外線吸収層22用樹脂組成物を調整する工程と、この樹脂組成物を基材シート層2の表面にコーティングする工程と、加熱することで基材ポリマー4を熱硬化させると共に発泡剤を発泡させて気泡23が分散した紫外線吸収層22を積層する工程とからなる。
【0052】当該反射シート21によれば、上記反射シート1と同様に、白色合成樹脂製の基材シート層2により従来の反射シートと同様の反射性と隠蔽性とを奏し、基材シート層2の表面側に積層される紫外線吸収層22によってランプから発せられる紫外線を吸収し、黄変等の径時的な劣化を防止することができる。また、当該反射シート21は、上記反射シート11と同様に、紫外線吸収層22表面の軟質の凸状部14によって表面側に配設される導光板裏面への傷付きを防止することができる。さらに、当該反射シート21は、紫外線吸収層22の気泡23によって表面に凹凸が形成されるため、表面側への反射性、ひいては隠蔽性を高めることができる。
【0053】図4の反射シート31は、基材シート層2と、この基材シート層2の表面に積層される紫外線吸収層12とを備えている点で、上記図2の反射シート11と同様であるため、同一番号を付して説明を省略する。さらに、当該反射シート21は、基材シート層2の裏面に積層される高隠蔽層32を備えている。
【0054】高隠蔽層32は、隠蔽性及び反射性を奏するものであり、具体的には基材シート層2の裏面に白色顔料33を含有する塗料34を塗工することで形成される。なお、この高隠蔽層32に用いられる塗料34としては、特に限定されるものではなく、一般的なものが用いられる。また、白色顔料33としては、特に限定されるものではなく、上記基材シート層2中に含まれる上記白色顔料と同様のものが用いられる。
【0055】塗料34の固形分に対する白色顔料33の配合量の下限としては、70質量%が好ましく、80質量%が特に好ましい。一方、上記配合量の上限としては、95質量%が好ましく、90質量%が特に好ましい。これは、白色顔料33の配合量が上記下限より小さいと、高隠蔽層32による上記反射性及び隠蔽性の向上効果が小さくなり、逆に、白色顔料33の配合量が上記上限を超えると、塗料34の塗工が困難になることからである。
【0056】塗料34の塗工量(固形分換算)の下限としては、1g/m、特に5g/m、さらに10g/mが好ましい。一方、上記塗工量(固形分換算)の上限としては、50g/m、特に45g/m、さらに40g/mが好ましい。これは、塗料34の塗工量が上記下限より小さいと、高隠蔽層32による上記反射性及び隠蔽性の向上効果が小さくなり、逆に、塗料34の塗工量が上記上限を超えると、高隠蔽層32の厚さが増大し、バックライトユニットの薄型化の要請に反すること、及び、高隠蔽層32の強度の低下を招来することからである。
【0057】白色顔料33の粒子径(平均粒子直径)は、100nm以上30μm以下が好ましく、200nm以上20μm以下が特に好ましい。これは、白色顔料33の粒子径が上記範囲より小さいと、上記隠蔽性を効果的に奏することが困難になり、逆に、白色顔料33の粒子径が上記範囲を超えると、塗料34中に均一に分散することが困難になり、また当該反射シート31の裏面が粗くなってしまうことからである。
【0058】当該反射シート31の製造方法としては、基本的には、基材ポリマー4に紫外線吸収剤及びビーズ13を混合することで紫外線吸収層12用樹脂組成物を調整する工程と、この樹脂組成物を基材シート層2の表面に積層することで紫外線吸収層12を形成する工程と、塗料34に白色顔料33を配合する工程と、この塗料34を基材シート層2の裏面に塗工することで高隠蔽層32を積層する工程とからなる。
【0059】当該反射シート31によれば、上記反射シート1と同様に、白色合成樹脂製の基材シート層2により従来の反射シートと同様の反射性と隠蔽性とを奏し、基材シート層2の表面側に積層される紫外線吸収層12によって黄変等の径時的な劣化を防止することができる。また、上記反射シート11と同様に、紫外線吸収層12のビーズ13によって表面側に配設される導光板裏面への傷付きを防止することができ、紫外線吸収層12表面の凹凸及びビーズ13の光拡散性により表面側への反射性及び隠蔽性を高めることができる。当該反射シート31によれば、さらに、基材シート層2の裏面の高隠蔽層32によって反射性及び隠蔽性を格段に向上させることができる。
【0060】従って、図5に示すようなエッジライト型のバックライトユニット40において、反射シート46として上記反射シート1、11、21、31を使用すると、当該反射シート1等が前述のように黄変等の劣化防止効果を有するため、バックライト画面が黄色みを帯びること及び輝度が低下することを防止することができる。特に、表面に軟質の凸状部14、24を有する反射シート11、21及び31を用いると、当該反射シート11等が前述の傷付き防止性を奏するため、導光板43の裏面への傷付きによる輝度ムラの発生を防止することができ、また、バックライトユニット40の組付け作業が容易になる。また、裏面側に高隠蔽層32を備える反射シート31を用いると、高隠蔽層32の高い隠蔽性及び反射性によって裏面側から放散する光線ロスが低減でき、輝度を向上させることができ、また、裏面側に配設されるフレーム等が画面から視認されることを防止でき、輝度ムラの発生防止を促進することができる。
【0061】なお、本発明の反射シートは上記実施形態に限定されるものではなく、例えば紫外線吸収剤を含有する紫外線吸収層3、12、22を備えず、基材シート層2を構成する樹脂中に紫外線吸収剤を含有することも可能であり、同様に黄変等の劣化防止効果を奏することができる。
【0062】また、紫外線吸収層は、紫外線安定剤を含有する基材ポリマー4又は分子鎖に紫外線安定基が結合した基材ポリマー4から形成することも可能である。この紫外線安定剤又は紫外線安定基により、紫外線で発生するラジカル、活性酸素等が不活性化され、紫外線吸収層ひいては当該反射シートの紫外線安定性、耐候性等を向上させることができる。この紫外線安定剤又は紫外線安定基としては、紫外線に対する安定性が高いヒンダードアミン系紫外線安定剤又はヒンダードアミン系紫外線安定基が好適に用いられる。なお、紫外線吸収層は、この紫外線安定剤又は紫外線安定基と上記紫外線吸収剤又は紫外線安定基とを併有することも可能であり、この併有により紫外線による劣化防止及び耐候性が格段に向上する。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の反射シートによれば、黄変等の劣化防止効果を奏することができる。また、本発明の反射シートを用いるバックライトユニットによれば、バックライト画面が経時的に黄色みを帯びること及び輝度が低下することを防止することができる。
【出願人】 【識別番号】000165088
【氏名又は名称】恵和株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市東淀川区上新庄1丁目2番5号
【出願日】 平成13年9月20日(2001.9.20)
【代理人】 【識別番号】100120329
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 一規 (外1名)
【公開番号】 特開2003−100127(P2003−100127A)
【公開日】 平成15年4月4日(2003.4.4)
【出願番号】 特願2001−286897(P2001−286897)