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【発明の名称】 透過型面状照明装置
【発明者】 【氏名】鈴木 信吾
【住所又は居所】静岡県磐田郡浅羽町浅名1743−1 ミネベア株式会社開発技術センター内

【要約】 【課題】画像の観察を困難にするコントラスト低下を抑止する透過型面状照明装置を提供する。

【解決手段】本発明の透過型面状照明装置1は、凹凸からなる光反射パターン7を透明基板2の表面6側に形成することにより、発光光線を光源ランプ4からの距離とは無関係に透明基板2の面状において均一発光させ、反射型液晶表示素子Lを面状に照射する。さらに反射型液晶表示素子Lと透明基板2との間に、少なくとも該透明基板2よりも屈折率の低い透明材料11を両面に対して密着配置することによって、界面反射(フレネル反射)を抑止するので、画像の観察を困難にするコントラスト低下を抑止でき、照明光の均一性も確保できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 反射型液晶表示素子の表面を覆うように透明基板を配置し、前記透明基板の少なくとも一面以上の側面に光源ランプを近接配置し、凹凸からなる光反射パターンを前記透明基板の表面側に形成した透過型面状照明装置において、前記反射型液晶表示素子と前記透明基板との間に透明材料を密着配置し、前記透明材料の屈折率をN1、前記透明基板の屈折率をN2としたとき、N2/N1の比が1.05≦N2/N1≦1.15の範囲内であり、かつ、前記光反射パターンは、断面三角形状の溝と平坦部で形成され、該平坦部の幅を光源から遠ざかるに従い、小さくすることを特徴とする透過型面状照明装置。
【請求項2】 前記光反射パターンは、断面三角形状の溝と平坦部で形成され、前記溝部の前記平坦部に対する幅の比率を、前記光源ランプを設けた一側端面から透明基板の1/3までの領域を一定の0.1とし、更に対向面に向かうにつれて、溝部の割合を徐々に増やして対向面付近では比率が1.2となるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の透過型面状照明装置。
【請求項3】 前記透明材料が、液体、ゲル状または弾性体であることを特徴とする請求項1に記載の透過型面状照明装置。
【請求項4】 前記透明基板は、ポリカーボネート樹脂よりなることを特徴とする請求項1に記載の透過型面状照明装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、看板や各種反射型表示装置等の前面照明手段に用いられる表示装置に一体化する透過型面状照明装置に関するものであり、特に、反射型の液晶表示装置の前面照明手段として用いられるものである。
【0002】
【従来の技術】低消費電力で動作する液晶表示装置は、薄型、軽量等の特徴があるので、主にコンピュータ用途を中心とした表示装置としての需要が増大している。液晶表示装置の構成部材である液晶は、自ら発光しないため、ブラウン管等の発光型素子と異なり、画像を観察するための照明手段が必要である。特に、近年の画像の高精細化およびカラー化の要求の中では、液晶表示装置として高輝度の面状背面光源を付加した構成が通常である。しかしながら、この面状背面光源を点灯させるためには、過大な電力が必要とされるため、低消費電力という液晶の特徴を後退させてしまうという問題が生じる。
【0003】特に薄型、軽量の液晶表示装置の利点を生かして、多く使用されている携帯用液晶機器においては、液晶表示装置に付加される面状背面光源の点灯によって内部電源の消費が大きくなり、携帯中の使用時間が極端に短くなってしまう欠点があった。
【0004】この問題を解決するべく周囲光を照明手段として利用することによって、面状背面光源を設置しなくても機能する反射型液晶素子が開発されており、特に、近年の画像の高品質化の要求の中で、カラー表示の反射型液晶素子の需要が高まっている。カラー表示の反射型液晶素子の最も基本的な構成は、一面に透明電極を、他面に偏光板を設けた平板状の二枚のガラス基板を形成し、その透明電極側が所定間隔をおいて対向するようにガラス基板を配置し、該ガラス基板間には液晶材料を満たす。さらに、観察面側となるガラス基板にはカラーフィルタが、背面側になるガラス基板には高効率の反射板がそれぞれ設けられる。このとき背面側となるガラス基板の透明極板は、パターンニングされており、所望の画像を実現するために、その透明極板にはスイッチング素子がそれぞれ接続されている。
【0005】このような構成の反射型液晶素子は、その背面に配置された反射板に入射する周囲の光を反射させることによって画面が明るく照射され、画像を観察することができる。
【0006】しかしながら、反射型液晶素子は、上述のように反射板に入射する周囲光によって画面を照射する構成なので、その表示品質が周囲の明るさ環境に左右されることになる。特にカラー表示の反射型液晶にあっては、カラーフィルタ等を付加した構成にしなければならないので、白黒液晶と比較してその反射率が低くなる。したがって、画面に照射する光線が少ない(すなわち、周囲が比較的暗い)状況では、画面の輝度が十分でないため、画像を観察するための補助照明が必要となる。
【0007】このような反射型液晶素子の好適な補助照明手段として、特開平11−242222号公報において透過型面状照明装置が開示されている。図12に示す透過型面状照明装置1'は、上述の構成の反射型液晶素子Lの観察面Fを覆うように配置されて使用されるものであり、その構成は、図12および図13に示すように、透光性の高い材料で断面矩形状に形成された平板状の透明基板2の一側端面3に近接するように直線状の光源ランプ4が配置されている。光源ランプ4は、冷陰極蛍光管(CCFL)または熱陰極蛍光管(HCFL)等が用いられる。
【0008】ここで、図13において反射型液晶素子Lに当接する透明基板2の一面(図13の下方)を下面5とし、その反対面(図13の上方)である観察面(画面)側を上面(表面)6とする。
【0009】透明基板2の上面6には、光反射パターン7が形成されている。光反射パターン7は、断面形状ほぼ三角形の多数の溝部8及び溝部8に隣接する平坦部9とで構成される。光反射パターン7は、図13に示すように、光源ランプ4からの距離に左右されることなく透明基板2の何れの位置においても明るさがほぼ均一になるように、溝部8の形成される間隔が場所によって異なっている。すなわち、平坦部9の幅(占有面積)に対する溝部8の幅(占有面積)の比率は、透明基板2の一側端面3から遠ざかるに従って徐々に大きくなるように設定されている。
【0010】このような構成の補助照明としての透過型面状照明装置1'を付加すると、光源ランプ4からの発光光線は、透明基板2の一側端面3から透明基板2の内部へ入射して、その内部で反射・屈折を繰り返しながら対向面10へ向かって進行する間に、少しづつ透明基板2の下面5から出射することによって、透明基板2に密接して配置されている反射型液晶素子Lを照射する。さらに、透明基板2には光反射パターン7を形成していることから、下面5からの出射光の量をほぼ均一にすることができるので、反射型液晶素子Lを均一に照射する。
【0011】なお、図12および図13において図示省略しているが、光源ランプ4および一側端面3の周面は、フィルム状の反射部材で覆っているので、光線の結合効率を高めることができる。さらに、一側端面3以外の透明基板2の側面も反射部材で覆うことにより、光線が側端面から射出してしまうことを防止するので、透明基板2の下面5からの照明光量を増加させることができる。特に、一側端面3の対向面10においては、他の2側面と比較して光線の射出量が多いため、反射部材で覆うことが望ましい。
【0012】また、光反射パターン7の溝部8の形状に応じて光の反射角度が変化することにより、透明基板2の下面5からの光線の出射方向が変化するから、下面5に対して垂直な方向(すなわち正面方向)に多くの光線が出射するように、溝部8の形状は適宜設定可能である。
【0013】また、周囲の明るい場所で反射型液晶素子Lの観察面Fを観察する場合には、透過型面状照明装置1'の光源ランプ4を消灯させることにより、電力消費を抑え、内部電源による使用時間を長時間化させることが可能である。この際、光反射パターン7の平坦部9を通して反射型液晶素子Lの観察面F上に透過型面状照明装置17が設けられているものの、光反射パターン7の平坦部9を通して観察面Fを観察することができるので、透明基板2がない場合とほぼ同様の画面を観察可能である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】反射型液晶素子Lの画面の輝度を確保するために、補助照明としての透過型面状照明装置1'を観察面F側に付加することによって、周囲の明るさ環境に左右されずに画面を観察することができるようになる。しかしながら、透過型面状照明装置1'を付加したことにより、周囲が明るい場所で反射型液晶素子Lの観察面Fを観察した場合、画面のコントラスト低下(すなわち、画面が白ける)が顕著であることが判明した。
【0015】この理由を以下に説明する。すなわち、反射型液晶素子Lの画像表示は、周囲光が反射型液晶素子Lの裏面に備わる反射板に到達し、ここで反射した光線によりなされているのであるが、この反射板ではなく透過型面状照明装置1'の上面6および下面5、もしくは反射型液晶表示素子Lの観察面Fにおいて、入射した周囲光が界面反射(フレネル反射)するからである。このように周囲光が界面反射することによりコントラストが低下し、画面が白けた状態となると、画像を観察しづらくなってしまうという問題を生じる。
【0016】したがって本発明は、上記問題点を解決するために種々検討の結果至ったものであり、その目的とするところは、画像の観察を困難にするコントラスト低下を抑止する透過型面状照明装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するための手段として、請求項1記載の発明では、反射型液晶表示素子の表面を覆うように透明基板を配置し、前記透明基板の少なくとも一面以上の側面に光源ランプを近接配置し、凹凸からなる光反射パターンを前記透明基板の表面側に形成した透過型面状照明装置において、前記反射型液晶表示素子と前記透明基板との間に透明材料を密着配置し、前記透明材料の屈折率をN1、前記透明基板の屈折率をN2としたとき、N2/N1の比が1.05≦N2/N1≦1.15の範囲内であり、かつ、前記光反射パターンは、断面三角形状の溝と平坦部で形成され、該平坦部の幅を光源から遠ざかるに従い、小さくすることを特徴とする。
【0018】請求項2記載の発明では、請求項1の発明において、前記光反射パターンは、断面三角形状の溝と平坦部で形成され、前記溝部の前記平坦部に対する幅の比率を、前記光源ランプを設けた一側端面から透明基板の1/3までの領域を一定の0.1とし、更に対向面に向かうにつれて、溝部の割合を徐々に増やして対向面付近では比率が1.2となるようにしたことを特徴とする。
【0019】請求項3記載の発明では、請求項1の発明において、前記透明材料が、液体、ゲル状または弾性体であることを特徴とする。
【0020】請求項4記載の発明では、請求項1の発明において、前記透明基板は、ポリカーボネート樹脂よりなることを特徴とする。
【0021】上記の構成としたことにより、本発明の透過型面状照明装置は、凹凸からなる光反射パターンを透明基板の表面側に形成し、発光光線を光源ランプからの距離とは無関係に透明基板の面状において均一発光させ、さらに反射型液晶表示素子と透明基板との間には、少なくとも該透明基板よりも屈折率の低い透明材料を両面に対して密着配置することにより界面反射(フレネル反射)を抑止する。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の透過型面状照明装置1の構成を説明するにあたり、図12および図13に基づいて従来技術の欄で説明した透過型面状照明装置1'と同様な部材には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。図1および図2に示すように、透過型面状照明装置1の構成は、従来とほぼ同様であり、透明基板2および光源ランプ4を主構成としており、従来の装置1'との主な相違点は、反射型液晶素子Lの観察面Fと透明基板2の下面5との間に、少なくとも透明基板2よりも屈折率の小さい透明材料11が密着配置されている点である。
【0023】このように本発明の透過型面状照明装置1に、透明基板2よりも屈折率の小さい透明材料11を設けた理由を、従来の透過型面状照明装置1'と比較して以下に説明する。反射型液晶素子Lの観察面Fのコントラスト低下により画面が白けた状態になることを防止するためには、上述したようにフレネル反射を抑止すればよいことが判っている。ここで周囲光が、透過型面状照明装置1,1'の正面から入射すると仮定した場合、透明基板2の下面5におけるフレネル反射率は以下の数式1で示される。
【0024】
{(N2−N1)/(N2+N1)}2 ×100(%)・・・(1)
【0025】ここで、N1は透明基板2の下面5に接する物質の屈折率、N2は透明基板2の屈折率とする。従来の透過型面状照明装置1'の場合には、透明基板2の下面5に接する物質は空気であるから屈折率N1は略1である。一方、本発明の透過型面状照明装置1の構成では、透明材料11が透明基板2の下面5に密接配置されているため、屈折率N1は透明材料11の屈折率となる。フレネル反射率は、上記数式1の関係で表わせることから、透明材料11の屈折率(すなわち屈折率N1)が1より大きくなるに従って減少し、N2と等しくなったとき最小の0となる。したがって、透明材料11の屈折率は、透明基板2の屈折率と等しいことが望ましい。
【0026】また、透過型面状照明装置1として機能するためには、光源ランプ4の位置によらず、反射型液晶素子Lの観察面F全体を均等に照射しなければならない。このため、光源ランプ4の発光光線は一側端面3から透明基板2に入射する際の進行状態を図3に基づいてまず説明する。図3において、図示省略した光源ランプ4は左側に位置するものとし、従って、光線は基本的に左から右へと進行する。ここで、光線の進行状態を説明するために代表的な進行状態を3つに大別し、各進行例a,b,cについてそれぞれ説明する。
【0027】光線の進行例aは、透明基板2の光反射パターン7の溝部8で全反射して、透明基板2の下面5を透過して反射型液晶素子Lに進行する光線であり、最終的には反射型液晶素子Lの観察面Fに到達する。つぎに光線の進行例bは、溝部8を透過し、一旦は透明基板2外へ進行するものの、溝部8を透過時に屈折するため再度透明基板2内へ進行し、最終的には、溝部8の傾斜面で全反射して反射型液晶素子Lの観察面Fに到達する。ここで、光線の進行例bで説明したように、溝部8を透過した光線を再度透明基板2内へ進行する方向に屈折させるように、溝部8の傾斜面の傾斜角度を設定しているため、光源ランプ4の発光光線のうち透明基板2内へ入射した光線のほとんどが、反射型液晶素子Lを照射することになる。
【0028】さらに光線の進行例cは、透明基板2の光反射パターン7の平坦部9で全反射して下面5に到達する。従来の透過型面状照明装置1'の場合には、透明基板2の下面5の下方は空気(屈折率:略1)であるから、上面6で全反射し下面5に進行する光線の進行例cから続く進行例c1'に示すように、下面5において全反射する。このように進行例c1'の光線は、光源ランプ4から遠い方へと透明基板2内を徐々に進行していき、図3に示す概略図においては、透明基板2の外部へは出射しない。従って、平坦部9の幅(すなわち溝部8の間隔)を適宜調整することにより、透明基板2内を進行する光線を、出射光と先送り光とに分離することが可能となる。これにより、光源ランプ4から遠ざかるにつれて(図13における右側に向かって)、溝部8を形成する割合を大きくして平坦部9の幅を徐々に狭くなるように光反射パターン7を形成することにより、光源ランプ4の逆側である対向面10においても所望の出射光を得ることができ、反射型液晶素子Lの観察面F全体において均一に照明可能となる。
【0029】一方、本発明の透過型面状照明装置1は、透明基板2の下面5に透明材料11を密接配置した構成としている。このとき、N1aを透明材料11の屈折率、N2を透明基板2の屈折率、進行例cで示す光線の下面5への入射角度をθとすると、この光線が全反射する条件は下記の数式2で示される。
【0030】sinθ≧N1a/N2・・・(2)
【0031】数式2を満たさない場合には、進行例c2'に示すように、下面5から透明基板2外へ所定角度屈折して出射し、後方の反射型液晶素子Lの観察面Fに到達する。このように、光線が下面5で全反射せずに透明基板2外へ出射してしまう場合には先送り光が存在せず、進行例a,b,cで代表される全光線が反射型液晶素子Lを照射する光線となるため、光源ランプ4に近い側のみが明るく照射されることになり、照明の均一性は著しく損なわれる。照明の均一性を保つためには、数式2から明らかなように、少なくともN1aよりもN2の方が大きくなければ数式2が成立しないため、透明材料11の屈折率は透明基板2の屈折率よりも低いものを選択する必要がある。
【0032】以上説明したように、透明材料11の屈折率は、数式1及び数式2を考慮して、照明の均一性を確保するために透明基板2の屈折率(N2)よりも低く設定するとともに、フレネル反射を抑止して画面のコントラスト低下を防止する観点からは透明基板2の屈折率とほぼ等しいものとする必要があるので、少なくとも透明基板2よりも屈折率を小さくしなければならず、さらに両者の均衡を保つように選択する。
【0033】
【実施例】透明材料11の屈折率を変化させて、本発明の透過型面状照明装置1を備える反射型液晶素子Lの観察面Fが白けた状態になるか否か、及び、照明光の均一性を観察する。
【0034】(実施例−1)透過型面状照明装置1の構成は、図1および図2に基づいて説明したものと同様であり、透明基板2には、透明なアクリル樹脂の平板(サイズ:240mm×160mm,板厚3mm,屈折率N2=1.49)を使用し、透明基板2の上面6には、その長辺に平行な断面形状三角形の溝部8および平坦部9とからなる光反射パターン7を形成している。
【0035】光反射パターン7の溝部8の断面形状を三角形としているが、該三角形の溝部8の傾斜角度を設定するために、図3に示すように、角度α、角度βおよび角度γを定める。角度αは、仮想底辺Sを想定して形成される三角形の底角のうち光源ランプ4に近い側の底角である。さらに角度βは、上記角度αとは異なる底角であり、角度γは、仮想三角形の頂角(すなわち、溝部8の谷部)である。溝部8は、角度γを60°に一定とし、角度αは、一側端面3から対向面10に向かって、48°ないし52°さらに46°になるように連続的に変化させて形成し、これに伴って角度βも変化させる。
【0036】溝部8の深さは10μmで一定とし、溝部8と平坦部9との相対的な比率を変化させるために、平坦部9の幅を光源ランプ4から遠ざかるに従って徐々に小さくする設定としている。具体的には、溝部8の平坦部9に対する幅の比率を一側端面3から透明基板2の3分の1までの領域を一定の0.1として、さらに対向面10に向かうにつれて溝部8の割合を徐々に増加させ、対向面10付近では比率が1.2となるように設定する。
【0037】そして、光源ランプ4として、外径φ2.3mmの冷陰極蛍光管を使用し、一側端面3に当接する。そして光源ランプ4をインバータにより管電流3.5mA、点灯周波数60KHzの正弦波で点灯する。
【0038】さらに、図1および図2には示されていないものの、光源ランプ4および一側端面3を覆うように、白色または銀等の金属を蒸着した反射フィルムもしくは鏡面加工を施したアルミ板等の金属板を折り曲げ加工した反射板のいずれかで形成されたランプリフレクタを設け、光源ランプ4の発光光線を透明基板2内に高効率で進行させる。また、光源ランプ4を配置する一側端面3以外の透明基板2の側端面には、該側端面から出射する光線を再度透明基板2内に入射させることによって照明光量を増加させるために、反射部材で覆われている。特に、対向面10においては、他の二面と比較して光線の出射量が多いため反射部材の配置はより効果的である。このように、照射光量を増加させるランプリフレクタおよび反射部材は、本発明の透過型面状照明装置1においても極力使用されることが望ましい。
【0039】さらに透明材料11として、屈折率N1aの異なる5種類の材質(ポリカーボネイト樹脂、アクリル樹脂、フッ素化アクリル樹脂、透明シリコンゴムおよび非晶質フッ素樹脂)を加工したもの、および、透明材料11を設けないもの(すなわち空気)、それぞれを用いて透過型面状照明装置1のサンプルを作成した。
【0040】このような構成の透過型面状照明装置1の背面に、透明基板2と大きさのほぼ等しい反射型液晶素子Lを配置して、その画像を観察した。この際、透明材料11および反射型液晶素子Lは密接配置させる。
【0041】画像を観察した結果を図4に示すように、照明光の均一性および画面の白け具合について、製品として使用できないサンプルには×、良好なものには○を記入している。図4から明らかなように、照明光の均一性および画面の白け具合について共に良好な結果が得られるのは、N2/N1aが1.05ないし1.15の範囲内となる屈折率N1aの透明材料11を使用すれば良いことが判った。
【0042】(実施例−2)続いて、透明基板2としてポリカーボネイト樹脂(屈折率N2a=1.59)を加工したものを用い、他の構成は実施例−1と同一とした透過型面状照明装置1を作成し、照明光の均一性および画面の白け具合について、実施例−1と同様に評価を行った。
【0043】その結果を図5の図表に示す。図5において、画面の白け具合について非晶質フッ素樹脂の欄に記入されている△は、画面の白け具合がなく良好とまではいかないものの比較的少ないことを示している。図5から、照明光の均一性および画面の白け具合について共に良好な結果が得られるのは、N2/N1aが1.05ないし1.15の範囲内となる屈折率N1aの透明材料11を使用すれば良いことが判った。
【0044】本発明の透過型面状照明装置における透明材料11は、上述のように透明基板2の下面5に密接配置されている。ここで密接配置とは、透明材料11と透明基板2との間(反射型液晶素子Lとの間も同様)に、1μm以上の隙間があると、その隙間によって空気層が存在することと同等となり、上述の本発明の作用はなくなってしまうので、隙間を少なくとも1μmよりも小さい範囲で透明材料11を配置することをいう。さらに、透明材料11が固体であると、たとえ初期状態では密着配置していたとしても、環境変化等により透明材料11が剥離する虞がある。このため、透明材料11は、液体、ゲル状体および弾性体で構成して、環境変化等によっても常時密着配置される構成とすることが望ましい。
【0045】以上詳述した本発明の透過型面状照明装置1において、光反射パターン7は、溝部8の深さを一定として平坦部9の幅を変化させることによって照明光の均一性を実現する構成としたが、これに代えて図6および図7に示す透過型面状照明装置1のように、溝部8を形成する間隔は一定として、その深さを光源ランプ4から遠ざかるにつれて徐々に深くなるように形成した光反射パターン7を施したとしても、照明光の均一性を実現することができる。さらに、両者を組み合わせた光反射パターンを形成しても良い。
【0046】さらに、溝部8の断面形状は、本実施例のように三角形に限定するものではなく、光線の出射量が透明基板2の下面5側でほぼ均一になるように適宜設定可能であり、例えば図8に示す四角形でもよいし、またそれ以上の多角形にしてもよい。さらには、図9に示すように複数の平面からなる傾斜面に類似させた曲面によって構成してもよい。
【0047】また光反射パターン7は、溝部8と平坦部9とで構成されるものとしたが、本発明においては、照射光の均一性を得るために形成されるものなので、上述の構成のみに限定されるものではなく、図10および図11に示すように、溝部8'を光源ランプ4に平行に連続的に施す(すなわち、平坦部9を設けない)ことによって形成してもよい。
【0048】光反射パターン7の溝部8を形成するための加工は、ダイヤモンドバイトによる切削によって加工可能である。その際には、加工バイトを固定するために、断面形状ほぼ三角形の溝部8の頂角に相当する谷部の角度γを一定に設定しなければならない。このため、傾斜角度αおよび傾斜角度βの和は常に一定となるが、実施例において実際に光反射パターン7を作成する際に述べたように、傾斜角度αおよび傾斜角度βは、変化可能な範囲内で適宜に変化させて形成することによって、より効率的な面状照明を実現することが可能である。
【0049】本発明の透過型面状照明装置1を作製するにあたって、透明基板2の材料としては光線を効率よく通過させることのできる物質であれば良く、その透明性、加工性からアクリル樹脂が最も適している。しかしながら、本発明の実施にあっては、特にこれに限定されるものではなく、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂等の各種熱可塑性の透明樹脂等が使用可能である。また、エポキシ樹脂、アリルジグリコールカーボネート樹脂等の熱硬化性透明樹脂や各種ガラス材料等の無機透明材料も場合によっては適用可能である。
【0050】さらに透明基板2の作成方法は、切削、研削加工等の直接的な機械加工が可能であり、樹脂材料の場合はキャスト成形、押し出し成形、熱加圧成形、射出成形等の各種成形法の適用が可能であるが、生産性の点からは樹脂材料を用いた射出成形法が最も優れている。
【0051】本実施例において、光源として直線状の蛍光管を使用したが、これに限定されるものではなく、例えばLED素子を複数並べた構成の光源、あるいは、微小な白熱球を複数並べた構成の光源等も使用可能である。
【0052】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1乃至4に記載の本発明の透過型面状照明装置は、凹凸からなる光反射パターン(溝部と平坦部で形成、あるいは、断面形状三角形の傾斜面で形成される)を透明基板の表面側に形成することにより、発光光線を光源ランプからの距離とは無関係に透明基板の面状において均一発光させて反射型液晶表示素子を面状に照射することができ、さらに反射型液晶表示素子と透明基板との間に、少なくとも該透明基板よりも屈折率の低い透明材料を両面に対して密着配置することによって、界面反射(フレネル反射)を抑止するので、画像の観察を困難にするコントラスト低下を防止することができる。
【0053】また、透明材料の屈折率をN1、樹脂基板の屈折率をN2としたとき、N2/N1の比が1.05≦N2/N1≦1.15の範囲内になるようにすることによって、確実に面状の均一発光を実現すると共に界面反射を抑止することができる。
【0054】請求項3記載の発明は、透明材料は、液体、ゲル状体または弾性体で構成することによって、樹脂基板および反射型液晶表示素子に確実に密接配置することができる。
【0055】請求項4記載の発明では、透明基板をポリカーボネート樹脂とすると生産性が向上する。また耐候性の優れたものにできる。
【出願人】 【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベア株式会社
【住所又は居所】長野県北佐久郡御代田町大字御代田4106―73
【出願日】 平成10年5月26日(1998.5.26)
【代理人】 【識別番号】100068618
【弁理士】
【氏名又は名称】萼 経夫 (外3名)
【公開番号】 特開2003−100125(P2003−100125A)
【公開日】 平成15年4月4日(2003.4.4)
【出願番号】 特願2002−243241(P2002−243241)