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【発明の名称】 制光体ホルダ及び照明器具
【発明者】 【氏名】金澤 秀幸
【住所又は居所】東京都品川区東品川四丁目3番1号 東芝ライテック株式会社内

【氏名】丸山 辰雄
【住所又は居所】東京都品川区東品川四丁目3番1号 東芝ライテック株式会社内

【氏名】渡邉 裕之
【住所又は居所】東京都品川区東品川四丁目3番1号 東芝ライテック株式会社内

【要約】 【課題】内枠式制光体が取付け可能な器具本体にその照射用開口部より大形でかつV字状ばねが取付けられた枠体を有する外枠式制光体を取付けるのに好適な制光体ホルダを提供することにある。

【解決手段】金属製ホルダ本体51、引掛け部52、及びばね受け部53を具備する。ホルダ本体51は、一面に蛍光ランプ23からの照射光を照射する開口部2dが形成された器具本体2に螺合される取付けねじ57が通されるねじ通孔を有する。引掛け部52は、ホルダ本体51に設けられ器具本体2の開口部側縁部2eに開けられた制光体取付け孔26又は27を挿通して器具本体2の側壁2aに引掛けられる。ばね受け部53は、ホルダ本体51から器具本体2の内側に向けて突設され開口部2dに被着される外枠式制光体3が有するV字状のばね43が引掛けられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ランプを収容し、一面に前記ランプからの照射光を照射する開口部が形成された器具本体に螺合される取付けねじが通されるねじ通孔を有した金属製のホルダ本体と、このホルダ本体に設けられ前記器具本体の開口部の縁部に開けられた制光体取付け孔を挿通して前記器具本体の側壁に引掛けられる引掛け部と、前記ホルダ本体から前記器具本体の内側に向けて突設され前記開口部に装着される制光体が有するV字状のばねが引掛けられるばね受け部と、を具備したことを特徴とする制光体ホルダ。
【請求項2】 前記ホルダ本体を、前記引掛け部が設けられた第1ホルダ板と、前記ねじ通孔を有して前記第1ホルダ板に連結された第2ホルダ板とから形成し、前記ばね受け部を前記両ホルダ板の少なくとも一方から折り曲げて設けたことを特徴とする請求項1に記載の制光体ホルダ。
【請求項3】 ランプを収容し、一面に前記ランプからの照射光を照射する開口部が形成されるとともに、この開口部の縁部に制光体取付け孔を有し、かつ、前記開口部と対向する奥壁にホルダ固定孔を有する器具本体と、前記開口部より大形な枠体、この枠体の複数箇所に取付けられたV字状のばね、及び前記枠体の内側に取付けられた制光要素を有して、前記ばねを用いて前記器具本体の開口部に装着される制光体と、前記ホルダ固定孔に螺合される取付けねじが通されるねじ通孔を有した金属製のホルダ本体、並びにこのホルダ本体に設けられ前記制光体取付け孔を挿通して前記器具本体の側壁に引掛けられる引掛け部、及び前記ばねが引掛けられる係止溝を有して前記ホルダ本体から前記器具本体の内側に向けて突設されたばね受け部を備える複数の制光体ホルダと、を具備したことを特徴とする照明器具。
【請求項4】 前記制光体ホルダを前記側壁より厚い板で形成するとともに、この制光体ホルダが前記側壁の内面に接する側壁添接部を有し、この側壁添接部を前記側壁の略全幅にわたって接触させたことを特徴とする請求項3に記載の照明器具。
【請求項5】 前記ねじ通孔及びこれに通された前記取付けねじを前記ランプの背後に設けたことを特徴とする請求項3又は4に記載の照明器具。
【請求項6】 前記取付けねじが、前記器具本体の内側から前記ねじ通孔に通されて前記ホルダ固定孔にねじ込まれていることを特徴とする請求項3から5の内のいずれか1項に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制光体を備える例えば埋め込み型の照明器具に係り、特に、器具本体への制光体の取付けについて改良した照明器具に関する。
【0002】
【従来の技術】天井埋め込み型照明器具が備える制光体は、その器具本体への取付け方により内枠式と外枠式とに分類できる。内枠式制光体は、その全体を器具本体の下面に形成された照射用の開口部の内側に収容して取付けられる。外枠式制光体は、器具本体の照射用開口部より大形な枠体を有し、この枠体が照射用開口部から外側に張り出すように配置されて器具本体に取付けられる。
【0003】前記内枠式制光体を備えた照明器具は、実公平5−35526号公報の第1図から第4図に示されるように、制光体の一側縁から突設した複数の取付け片を、器具本体の照射用開口部の縁部複数箇所に形成されたスリット状の第1係合孔(制光体取付け孔)に夫々引掛けるとともに、制光体の他側縁複数箇所にその下方からねじ回しで回動操作可能に取付けられた係合片を、その回動操作を伴って、器具本体の照射用開口部の他縁部(これは前記係合孔が形成された一方の縁部と平行な縁部である。)複数箇所に形成されたスリット状の第2係合孔(制光体取付け孔)に引掛けることにより、制光体を照射用開口部に被着させるように構成されている。
【0004】前記外枠式制光体を備えた照明器具は、実公平5−35526号公報の第5図及び第6図に示されるように、制光体が備える枠体の互いに平行な枠部に夫々取付けられた複数のV字状のばねを、器具本体の照射用開口部の縁部に前記ばねに対応して切起こされたばね受け部に夫々係合させて、各ばねをその弾性力で拡開させながら制光体を押上げることにより、制光体を照射用開口部に被着させるように構成されている。
【0005】内枠式制光体を備える照明器具と外枠式制光体を備える照明器具とは、既述のように夫々異なる専用の取付け手段によって、それらが備える制光体を器具本体に取付けている。そのため、従来の内枠式制光体を取付け可能な照明器具の器具本体に、外枠式制光体を取付けることは不可能である。
【0006】しかし、内枠式制光体が取付け可能な照明器具の器具本体に、外枠式制光体を取付けることができれば、製造者にとっては例えば器具本体の共通化などを図ることができるに伴い、部品管理や在庫管理等が楽になり、製造コストの低減を図ることができる。又、内枠式制光体を備えて天井等に埋め込み設置された既設の照明器具を、必要に応じて外枠式制光体を備える照明器具に改装する場合にも、器具本体をそのままにして使用できるので、改装コストを低減できる。したがって、内枠式制光体が取付け可能な照明器具の器具本体に外枠式制光体を取付けることができるようにすることが望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようとする第1の課題は、内枠式制光体が取付け可能な器具本体にその照射用開口部より大形でかつV字状ばねが取付けられた枠体を有する外枠式制光体を取付けるのに好適な制光体ホルダを提供することにある。又、本発明が、解決しようとする第2の課題は、前記制光体ホルダを用いて、器具本体に前記外枠式制光体が取付けられた照明器具を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記第1の課題を解決するために、請求項1に係る発明の制光体ホルダは、ランプを収容し、一面に前記ランプからの照射光を照射する開口部が形成された器具本体の側壁内面に添接される側壁添接部、及び前記器具本体に螺合される取付けねじが通されるねじ通孔を有した金属製のホルダ本体と、このホルダ本体に設けられ前記開口部の縁部に開けられた制光体取付け孔を挿通して前記側壁に引掛けられる引掛け部と、前記ホルダ本体から前記器具本体の内側に向けて突設され前記器具本体の開口部に装着される制光体が有するV字状のばねが引掛けられるばね受け部と、を具備したことを特徴としている。
【0009】この請求項1及び以下の各発明において、ホルダ本体のねじ通孔は単一であることが望ましいが、これに制約されず複数設けることができるとともに、請求項1の発明において、ねじ通孔の位置はどこであってもよい。又、請求項1の発明において、ばね受け部は、ホルダ本体からL形状をなして切起こされるとともに、その先端が互いに所定間隔を隔てて向かい合わされた一対の切り起こし片(この根元部にV字状ばねが引掛けられる。)で作ることも、又、ばね受け部はV字状ばねが引掛けられる係止溝を有した平板で作ることもできる。そして、後者の場合には前記平板を請求項2の発明のように折り曲げて設けることができるとともに、切起こして設けることもできる。又、請求項1の発明において、ホルダ本体は請求項4の発明のように側壁添接部を有していても、いなくてもよい。
【0010】請求項1に係る発明の制光体ホルダは、いわゆる内枠式制光体を取付け可能な照明器具の器具本体に取付けて使用される。その取付けは、制光体ホルダの引掛け部を、前記内枠式制光体を取付けるために前記器具本体がその開口部側縁部に予め有している制光体取付け孔に挿通させて引掛けるとともに、この状態を保持したままで、ホルダ本体のねじ通孔を通る取付けねじを器具本体にねじ込むことによって実施される。こうして器具本体に固定された制光体ホルダのばね受け部は器具本体の開口部に臨んで位置される。
【0011】前記取付けにより内枠式制光体を取付け可能な器具本体が複数の制光体ホルダを備えるので、外枠式制光体が有する複数のV字状ばねを、制光体ホルダのばね受け部に夫々係合させてから、外枠式制光体をそれが器具本体の開口部を被うように移動させて、各ばねをその弾性力で拡開させることにより、内枠式制光体を取付け可能な器具本体の開口部に外枠式制光体を被着させることができる。
【0012】請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明のホルダ本体を、前記引掛け部が設けられた第1ホルダ板と、前記ねじ通孔を有して前記第1ホルダ板に連結された第2ホルダ板とから形成し、前記ばね受け部を前記両ホルダ板の少なくとも一方から折り曲げて設けたことを特徴としている。
【0013】この発明においては、ばね受け部をホルダ本体から切起こさずに折り曲げて設けたから、ばね受け部を切起こして設ける場合に比較して、ばね受け部の幅をホルダ本体の幅と等しくできる点で優れている。
【0014】又、前記第2の課題を解決するために、請求項3に係る発明の照明器具は、ランプを収容し、一面に前記ランプからの照射光を照射する開口部が形成されるとともに、この開口部の縁部に制光体取付け孔を有し、かつ、前記開口部と対向する奥壁にホルダ固定孔を有する器具本体と、前記開口部より大形な枠体、この枠体の複数箇所に取付けられたV字状のばね、及び前記枠体の内側に取付けられた制光要素を有して、前記ばねを用いて前記器具本体の開口部に装着される制光体と、前記ホルダ固定孔に螺合される取付けねじが通されるねじ通孔を有した金属製のホルダ本体、並びにこのホルダ本体に設けられ前記制光体取付け孔を挿通して前記器具本体の側壁に引掛けられる引掛け部、及び前記ばねが引掛けられる係止溝を有して前記ホルダ本体から前記器具本体の内側に向けて突設されたばね受け部を備える複数の制光体ホルダと、を具備したことを特徴としている。
【0015】この発明において、器具本体のホルダ固定孔は、未使用時には奥壁と一体の孔塞ぎ部分で閉鎖されており、使用時には前記孔塞ぎ部分をノックアウトにより除去して形成されるノックアウト孔で形成することができ、或いは、これに代えて予め開放された通孔で形成してもよい。更に、ホルダ固定孔は雌ねじを内周に有したねじ孔であっても、取付けねじの挿入に伴いねじが切られる通孔であってもよい。又、この発明及び以下の各発明において、制光体の制光要素には、光拡散透過板、又は、格子状その他の形状のバッフル等を用いることができる。
【0016】請求項3に係る発明においては、請求項1に記載の制光体ホルダを備え、このホルダを用いていわゆる外枠式制光体を、内枠式制光体を取付け可能な器具本体の照射用開口部に被着させた照明器具であるので、内枠式制光体を取付け可能な器具本体に内枠式制光体に代えて外枠式制光体が取付けられた照明器具を提供できる。
【0017】又、請求項4に係る発明の照明器具は、請求項3に記載の制光体ホルダを前記側壁より厚い板で形成するとともに、この制光体ホルダが前記側壁の内面に接する側壁添接部を有し、この側壁添接部を前記側壁の略全幅にわたって接触させたことを特徴としている。
【0018】この発明においては、器具本体の側壁よりも機械的強度に優れる制光体ホルダが、その側壁添接部を前記側壁の内面に接触して設けられるので、前記側壁を補強してその内側への変形を少なくできる。
【0019】又、請求項5に係る発明の照明器具は、請求項3又は4に記載のねじ通孔及びこれに通された前記取付けねじを前記ランプの背後に設けたことを特徴としている。
【0020】この発明においては、ねじ通孔及びそこに通される取付けねじを、ランプを利用して器具本体の照射用開口部側から覆い隠すことができる。
【0021】又、請求項6に係る発明の照明器具は、請求項3から5の内のいずれか1項に記載の取付けねじが、前記器具本体の内側から前記ねじ通孔に通されて前記ホルダ固定孔にねじ込まれていることを特徴としている。
【0022】この発明においては、器具本体に対する制光体ホルダの取付け作業のすべてを器具本体の内側から行なうことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図8を参照して本発明の一実施形態を説明する。
【0024】本実施形態に係る照明器具1は直管型蛍光ランプを光源とする埋め込み型の蛍光灯器具であって、図2及び図4に示すように器具本体2と、外枠式制光体3と、複数例えば4個の制光体ホルダ4とを具備している。
【0025】金属製の器具本体2は、その長手方向と直交する方向の断面においてハの字状をなして相互間隔が広がる側壁2aを、例えばこれらと一体の底壁(本実施形態では天板壁)2bで接続するとともに、長手方向両端に夫々端壁2c(図2参照)を取付けて、一面(本実施形態では下面)が開口する箱形状に形成されている。図2及び図4中2dは器具本体2の開口部を示している。この開口部2dには後述のランプからの照射光が照射される。又、図3及び図4中11は、肉厚な金具で形成されて、器具本体2の長手方向中央部で背面に跨ぐように取付けられ、底壁2bがその背面側に変形することを抑制するための補強ブリッジを示している。
【0026】図4に示すように両側壁2aの開口部側縁部2eは、外方に張り出し、かつ、断面コの字状の溝部をなして折り曲げられている。この溝部の内側に前記補強ブリッジ11の端部が収容配置されている。なお、図2に示すように端壁2cの開口部側縁部2fも、側壁2aの開口部側縁部2eと同様に外方に張り出し、かつ、断面コの字状の溝部をなして折り曲げられている。
【0027】図3(A)に示すように底壁2bの幅方向中央部であって、かつ、長手方向両端部の夫々には、天井などの器具固定部に器具本体2を固定するための取付け孔12が開けられている。これら取付け孔12には、例えば図4に代表して1本のみ示す天井裏の取付けボルト13の先端部が裏側から挿通される。そして、器具本体2内で取付けボルト13に座金14を嵌めるとともにナット15を螺合して締めつけることにより、器具本体2がその開口部側縁部2e、2fを天井板16に押し当てた状態で天井に埋め込み設置されるようになっている。
【0028】図3(A)中17は電線線の引込み孔を示し、同様に18は底壁2bの内面に取付けられた端子台、19は底壁2bの内面に取付けられた電子安定器などの点灯装置を夫々示している。又、図4などに示すように底壁2bの内面には板金製の反射板20が取付けられている。この反射板20は器具本体2の長手方向に延びており、取付け孔12、引込み孔17、端子台18、及び点灯装置19を開口部2d側から覆っている。更に、底壁2bの内面には、器具本体2の幅方向に延びる一対のソケット取付け台21(一方のみ図示)が、器具本体2の長手方向両端に位置して夫々取付けられ、これらの取付け台21には反射板20を間に置いて2個のランプソケット22が、開口部2d側に突出して取付けられている。器具本体2の長手方向に対向するランプソケット22には、これらに渡って直管型蛍光ランプ23が着脱可能に支持されている。
【0029】図2及び図3(A)に示すように底壁2bの長手方向両端部の夫々には、器具本体2に収容された蛍光ランプ23の背後に対向して位置するホルダ固定孔25が、反射板20で被われることがないように設けられている。これらの固定孔25は、例えば未使用時には底壁2bと一体の孔塞ぎ部分(図示しない)で閉鎖されており、使用時には前記孔塞ぎ部分をノックアウトにより除去して形成されるノックアウト孔で形成される。このような固定孔25を用いることは、このホルダ固定孔25を使用しないで、図6に示す内枠式制光体31(後述する)を器具本体2に取付けて照明器具1を構成した場合に、その内枠式制光体31及び蛍光ランプ23を除去して器具本体2内を覗いたときに、ホルダ固定孔25が開いていないから、体裁がよい点で優れている。
【0030】図4、図6から図8に示すように器具本体2の開口部2dの縁部には、一方の側壁2aの開口部側縁部2eに位置して複数例えば一対の第1制光体取付け孔26が開けられているとともに、他方の側壁2aの開口部側縁部2eに位置して複数例えば一対の第2制光体取付け孔27が開けられている。第1制光体取付け孔26は器具本体2の長手方向に延びるスリット状の孔で形成されている。第2制光体取付け孔27も器具本体2の長手方向に延びるスリット状の孔で形成されているが、この孔27は長手方向中央部に図8に示すように落とし込み部27aを有している。
【0031】図6中31は器具本体2にその開口部2dを塞ぐように配置された内枠式制光体を示している。この制光体31は、互いに直角をなして連結された枠部により形成された四角枠状の枠体32の内側に、拡散透過性の制光板33を取付け、かつ、器具本体2の長手方向に沿って延びる一対の枠部の一方に、一対の取付け片34(図7参照)を突設するとともに、他方の枠部に一対の係合片35(図7及び図8参照)を取付けて構成されている。固定の取付け片34は第1制光体取付け孔26に挿入されるものである。係合片35はねじ回し36を用いて回動操作されるものである。この係合片35は、図7に示す枠部内への格納位置と、枠部に対して直角となって外部に突出しかつ第2制光体取付け孔27に挿入される使用位置とに渡り回動されるとともに、使用位置において前記落とし込み部27aに入り込んで回り止めされるものである。
【0032】この内枠式制光体31は前記外枠式制光体3に代えて開口部2dに被着されるものであって、以下の手順で天井部にすでに設置された器具本体2に取付けられる。まず、一対の取付け片34の夫々を、器具本体2の一方の側壁2aに形成された第1制光体係合孔26に夫々挿通させて引掛ける。次に、この引掛かり部を支点として内枠式制光体31を押上げて器具本体2の開口部2dに収め、係合片35と第2制光体取付け孔27とを位置合わせする。この状態で、ねじ回し36を用いて一対の係合片35を夫々格納位置から使用位置に回動させて、これら係合片35を第2制光体取付け孔27に挿通させるとともに、この孔27の落とし込み部27aに制光体31の自重を利用して落とし込む。以上の手順によって、図6に示すように内枠式制光体31は、前記開口部2dの内側に収容された状態でその幅方向両側を器具本体2の開口部側縁部2eに引掛け支持されて、開口部2dに被着される。
【0033】なお、この内枠式制光体31を器具本体2から取外すには、制光体31を多少押上げて前記落とし込み部27aから係合片35を外した状態で、既述の取付けの手順とは逆の手順で実施できる。
【0034】次に、前記器具本体2の開口部2dに被着される外枠式制光体3について説明する。図2及び図4に示すように制光体3は、四角枠状をなす例えば木製の枠体41と、この枠体41の内側に取付けられた制光体要素としての拡散透過性の制光板42と、枠体41の平行な一対の枠部に夫々複数例えば2個ずつ取付けられたV字状のばね43とを有して形成されている。制光板42には乳白色のアクリル樹脂板等を好適に使用できる。
【0035】枠体41は器具本体2の開口部側縁部2e、2fが作る枠形状より大形である。この枠体41の背面には、前記開口部側縁部2e、2fが嵌り込む環形の溝41aが形成されているとともに、裏側方向に突出して遮光壁を兼ねる四角枠状の壁部41bが一体に設けられている。この壁部41bの内の互いに平行な一対の壁部の根元には、ばね43に対応してばね取付け孔41cが開けられている。そして、このばね取付け孔41cには金属製のばねベース44の一辺が挿通されていて、この一辺はねじ45により枠体41に固定されている。なお、前記一辺45及びねじ45は、溝41aへの前記開口部側縁部2eの収納を妨げないように溝41aの底面41abより下がって位置されている。ばねベース44の他辺は壁部41bの内面に沿って設けられていて、その略円形状に曲成された先端部にばね43の中央リング状部が支持されている。
【0036】次に、図4及び図5を参照して制光体ホルダ4について説明する。このホルダ4は、金属製のホルダ本体51と、引掛け部52と、ばね受け部53とを備えて形成されている。
【0037】ホルダ本体51は、前記側壁2bよりも厚く強度が大きい第1、第2のホルダ板54、55を連結して形成されている。詳しくは、第1ホルダ板54の一端には引掛け部52が一体に突設され、他端にはばね受け部53が折り曲げられている。第2ホルダ板55の一端部はばね受け部53の根元に重なる連結片55aが折り曲げられ、他端には例えば単一のねじ通孔56を有した折り曲げ片55bが折り曲げられている。そして、ばね受け部53の根元と連結片55aとはねじ止めや溶接止めにより連結されている。このホルダ本体51において、第2ホルダ板55の連結片55aと折り曲げ片55bとの間の部分55c及びこれに面一に連続した第1ホルダ板54とは、前記側壁2aの内面に添接される側壁添接部を形成している。
【0038】引掛け部52は前記制光体取付け孔26、27のいずれかに挿通されるものであって、その先端部は、挿通状態で側壁2bの背面に重なることができるように曲げられている。ばね受け部53は、前記ばね43の中央リング状部から一体に延びた拡開部が出し入れ可能に開放された奥広の係止溝53aを有して形成され、前記折り曲げによって使用時に器具本体2の内側に向けて突設されている。
【0039】なお、前記制光体ホルダ4において、ばね受け部53を第2ホルダ板55から折り曲げて設けるとともに、連結片55aを第1ホルダ板54から折り曲げて設けることもでき、或いは、両ホルダ板54、55の双方に連結板を兼ねる同形状のばね受け部53を折り曲げて設けて、これらを互いに連結して制光体ホルダ4を構成することもできる。又、ばね受け部53及び連結片55aは夫々両ホルダ板54、55から切り起こして設けることもできる。そして、前記のようにばね受け部53の根元に連結片55aを連結することによって、前記根元を補強した構成によれば、ばね43を介して制光体3の重さを支持するばね受け部53がその根元から変形することを防止して、制光体3の器具本体2への取付け状態をより安定させ得る点で優れている。
【0040】前記構成の制光体ホルダ4は以下の手順で器具本体2の内面に装着される。まず、蛍光ランプ23が取付けられていない状態で、前記底壁2bのホルダ取付け孔25を閉じている孔塞ぎ部分に打撃を加えて、この孔塞ぎ部分を除去する。次に、前記開口部側縁部2eに設けられている第1、又は第2の制光体取付け孔26又は27に、引掛け部52を器具本体2の内側から挿通させ、引き続いて制光体ホルダ4を側壁2aの内面に沿わせるように前記取付け孔26又は27を支点として回動させる。更に、この状態で器具本体2の内側から制光体ホルダ4のねじ通孔56に取付けねじ57を通して、このねじ57を前記ホルダ取付け孔25にねじを切りながらねじ込む。
【0041】それにより、制光体ホルダ4の一端が開口部側縁部2eに引掛けられるとともに他端が底壁2bにねじ止めされて、器具本体2に制光体ホルダ4が取付けられる。この場合、取付けねじ57のねじ込みに伴って、制光体ホルダ4の折り曲げ片55bが底壁2b側に寄せられるから、制光体ホルダ4の前記側壁添接部が側壁2aの略全幅(開口部側縁部2eから底壁2bの近傍に渡る範囲)に強く密接される。なお、折り曲げ片55bは底壁2bに直接密接するように折り曲げて設けることもできる。又、前記ねじ止めにおいて、本実施形態では図2及び図4に示すように折り曲げ片55bと底壁2bとの間に挟設されるゴムリベット58が使用される。このリベット58は、円筒部の一端に外周に張り出す鍔を有したものであって、その軸方向に貫通する中心孔に取付けねじ57が挿通する。したがって、取付けねじ57の締め付けに伴い図4に示すように前記円筒部が太鼓状に膨らんで弾性変形するから、取付けねじ57の緩み止めができる。
【0042】以上の手順で4個の制光体ホルダ4が装着された器具本体2には、外枠式制光体3が各制光体ホルダ4を介して取付けられる。つまり、図4において中心線より左側に示すように制光体3の各V字状ばね43が、制光体ホルダ4から離れた状態で、各ばね43の一対の拡開部を互いに近寄るように指で窄めて対応する制光体ホルダ4の係止溝53aの内側に導入して、指を離すことにより拡開部の中間部を係止溝53aの長手方向両端縁に夫々係合させる。この状態でばね43は弾性変形している。次に、制光体ホルダ4を器具本体2の開口部2dに寄るように上向きに移動させる。
【0043】それにより、ばね43の一対の拡開部が次第に開きながら制光体3が器具本体2にその開口部2dを被って取付けられる。この取付け状態では、図1に示すように制光体3の枠体41は開口部2dから外側に張り出すように配置される。又、前記取付け状態でのばね43と制光体ホルダ4との関係等は、図4において中心線より右側で示される。
【0044】図4に示した照明器具1の組立てにおいて、その器具本体2内に予め各制光体ホルダ4を既述の手順で装着した状態で、器具本体2を天井部に取付ける場合には、取付けボルト13に螺合されるナット15の締め付けに伴い、底壁2bが上向きに変形し、その影響が側壁2aに波及する。しかし、両側壁2aはその内面に強く接している高強度の制光体ホルダ4で補強されているので、前記波及力によって側壁2aが変形することを防止できる。そのため、側壁2aにおける開口部2dの縁部での変形が抑制されるだけではなく、ばね43の弾性変形による枠タイ41の吸い上げ作用(枠体41を開口部2dに引き寄せる作用)が損なわれる恐れがなくなることにより、この縁部と制光体3との間の隙間が大きくならないので、天井板16に光漏れにする恐れがない。
【0045】又、前記構成の照明器具1は、図6に示すように器具本体2の開口部2dの内側に内枠式制光体31を取付けた照明器具として構成できるにも拘わらず、その制光体31を取外し、器具本体2内に複数の制光体ホルダ4を取付けることで、これらのホルダ4を利用して、V字状ばね43を有した外枠式制光体3が既述の手順で開口部2dに被着された照明器具1として構成できる。
【0046】このように前記構成の制光体ホルダ4を備えことによって、内枠式制光体31を取付け可能な器具本体2に前記内枠式制光体31に代えて外枠式制光体3が取付けられた照明器具1を構成できるので、その器具本体2を制光体ホルダ4の使用の有無によって内枠式制光体31又は外枠式制光体3に対して共用できる。したがって、部品管理や在庫管理等が楽になり、製造コストが低減されるので、照明器具1のコストダウンを実現できる。
【0047】しかも、制光体ホルダ4を器具本体2に取付けるに際して、内枠式制光体31を支持するための制光体取付け孔26、27を利用したので、ねじ止め個所が引掛け部52と反対側だけでよい。加えて、本実施形態では取付けねじ57が通るねじ通孔56は単一であるので、最小のねじ止め個所で済む。従って、ねじの使用数及び作業コストを低減できるので、この点においてもコストダウンが可能である。
【0048】又、既述のように器具本体2への制光体ホルダ4の取付けにおいて、制光体ホルダ4の引掛け部52は器具本体2の内側から制光体取付け孔26又は27に挿通され、制光体ホルダ4のねじ通孔56に挿通される取付けねじ57を器具本体2のホルダ固定孔25にねじ込む作業も器具本体2の内側から行なえる。このように器具本体2に対する制光体ホルダ4の取付け作業は、すべて器具本体2の内側から行なうことができる。したがって、図6に示すように内枠式制光体31を備えて天井等に埋め込み設置された既設の照明器具1を、外枠式制光体3を備える照明器具1に改装する場合にも、器具本体2を天井部から取外すことなく、埋め込み状態のままで使用できるので、改装作業が容易であり、改装コストを低減できる。
【0049】又、前記構成の照明器具1では、その制光体ホルダ4のねじ通孔56及びこれに通された取付けねじ57は、蛍光ランプ23の背後に設けられて、このランプで開口部2d側から覆い隠されている。そのため、制光体3を取外した状態で取付けねじ57などが視認されることがなく、体裁がよい。
【0050】又、既述のように内枠式制光体31が取付け可能な器具本体2に外枠式制光体3の取付を可能とするための制光体ホルダ4は、既述のように第1、第2にホルダ板54、55を連結して、その一方のホルダ板からばね受け部53を折り曲げて設けたので、ばね受け部53を切り起こして形成する構成に比較して、制光体ホルダ4を容易に作ることができる。しかも、ばね受け部53を切り起こさないので、ばね受け部53を切り起こして形成する構成に比較して、制光体ホルダ4全体の幅を狭くできるので、使用材料が少なくコストを低減できる。さらに、切り起こされた部分に対応する孔が開くことがないので、制光体ホルダ4の強度低下がない。したがって、既述の側壁2aの補強作用を充分に発揮できる。
【0051】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0052】請求項1に係る発明によれば、内枠式制光体の取付けに用いられる器具本体の制光体取付け孔を利用し、かつ、ねじ止めにより内枠式制光体を取付け可能な器具本体に取付けて使用され、そのばね受け部には外枠式制光体のV字状ばねを係合させることができるので、内枠式制光体が取付け可能な照明器具の器具本体にその照射用開口部より大形でかつV字状ばねが取付けられた枠体を有する外枠式制光体を取付けるのに好適な制光体ホルダを提供できる。
【0053】請求項2に係る発明によれば、ばね受け部の幅がホルダ本体の幅と等しく狭いので、コストダウンを図れる。
【0054】請求項3に係る発明によれば、請求項1に記載の制光体ホルダを備えるので、内枠式制光体を取付け可能な器具本体に内枠式制光体に代えて外枠式制光体が取付けられた照明器具を提供でき、従って、その器具本体を制光体ホルダの使用の有無によって内枠式制光体又は外枠式制光体に対して共用できるので、コストダウンを図ることができる。
【0055】請求項4に係る発明によれば、器具本体の側壁の内面に接して取付けられた制光体ホルダによって、前記側壁を補強できるので、器具本体の変形が少ない照明器具を提供できる。
【0056】請求項5に係る発明によれば、ランプを利用して器具本体に制光体ホルダを取付けるためのねじ通孔及びそこに通される取付けねじを覆い隠したので、取付けねじなどが器具本体の照射用開口部側から視認されることがなくなり、体裁がよい照明器具を提供できる。
【0057】請求項6に係る発明によれば、器具本体に対する制光体ホルダの取付け作業のすべてを器具本体の内側から行えるので、内枠式制光体を備えて天井等に例えば埋め込み設置された既設の照明器具を、必要に応じて外枠式制光体を備える照明器具に改装する場合にも、器具本体の着脱を伴うことなく、制光体及びランプの着脱して改装でき、したがって、改装が容易な照明器具を提供できる。
【出願人】 【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
【住所又は居所】東京都品川区東品川四丁目3番1号
【出願日】 平成13年6月29日(2001.6.29)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外6名)
【公開番号】 特開2003−16825(P2003−16825A)
【公開日】 平成15年1月17日(2003.1.17)
【出願番号】 特願2001−199710(P2001−199710)