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【発明の名称】 昆虫の可視領域を吸収する機能を有する蛍光灯管被覆用チューブ
【発明者】 【氏名】森 光弘
【住所又は居所】香川県丸亀市川西町南甲284番地2 株式会社フジコー内

【要約】 【課題】蛍光灯管にかぶせるだけで蛍光灯管の照明機能を維持させたままで、昆虫の可視領域を吸収する機能を付加させた蛍光灯管被覆用チューブを提供すること。

【解決手段】芯層に昆虫の可視領域を吸収する機能を有する層および外層にポリエステルフィルム層を配置した多層フィルムで構成したチューブ、好ましくは蛍光灯管被覆用チューブ。芯層が波長360nm以下の波長の紫外線を吸収する機能を有する層、好ましくは紫外線吸収剤を含む層である。多層フィルムが人間の目で感じる400〜750nm前後の可視光線には影響を与えず、昼光色を保つことのできるフィルムである。多層フィルムを縁部にてシールして管状にしたものである。蛍光灯管をチューブ内に通すだけで被覆できる。ポリエステルフィルム層の片面に帯電防止剤を塗布している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 芯層に昆虫の可視領域を吸収する機能を有する層および外層にポリエステルフィルム層を配置した多層フィルムで構成したチューブ。
【請求項2】 芯層が波長360nm以下の波長の紫外線を吸収する機能を有する層である請求項2のチューブ。
【請求項3】 芯層が紫外線吸収剤を含む層である請求項2のチューブ。
【請求項4】 多層フィルムが人間の目で感じる400〜750nm前後の可視光線には影響を与えず、昼光色を保つことのできるフィルムである請求項3のチューブ。
【請求項5】 多層フィルムを縁部にてシールして管状にしたものである請求項1ないし4のいずれかのチューブ。
【請求項6】 蛍光灯管被覆用チューブである請求項1ないし5のいずれかのチューブ。
【請求項7】 蛍光灯管をチューブ内に通すだけで被覆できる請求項1ないし6のいずれかのチューブ。
【請求項8】 ポリエステルフィルム層の片面に帯電防止剤を塗布している請求項6または7のチューブ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蛍光灯管被覆材料に関し、詳しくは、点灯時の昆虫類の飛来を低減するための蛍光灯管被覆材料に関する。
【0002】
【従来の技術】蛍光灯管は、照明器具として広く使用されているが、点灯時には蛍光灯管の発する紫外線を感知して昆虫が飛来し不快感を与え、また、蛍光灯管のカバー内に侵入し汚染の原因となっている。
【0003】例えば、配送車による食品の配送は昼夜を問わず行われる昨今、特に夏期には、昆虫の種類、数がともに多くなる時期に当たるところ、屋外蛍光灯管に昆虫が集まる現象がみられる。昨年は屋外蛍光灯管下近傍に載置された食品配送箱から昆虫が入り込むという不具合が多発し、消費者に不愉快感を与えるのみならず、補償の問題、商品に対するイメージの悪化等による売上の減少など、昆虫による食品業界の被害は多大な状況となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的は、蛍光灯管にかぶせるだけで蛍光灯管の照明機能を維持させたままで、昆虫の可視領域を吸収する機能を付加させた蛍光灯管被覆用チューブを提供することにある。より詳細には、本発明は、360nm以下の波長の紫外線を有効に吸収すると共に、人間の目で感じる400〜750nm前後の可視光線には影響を与えず、昼光色を保つことのできる蛍光灯管被覆用チューブを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、芯層に昆虫の可視領域を吸収する機能を有する層および外層にポリエステルフィルム層を配置した多層フィルムで構成したチューブ、好ましくは蛍光灯管被覆用チューブを要旨としている。
【0006】芯層が波長360nm以下の波長の紫外線を吸収する機能を有する層であり、その場合、本発明は、芯層に360nm以下の波長の紫外線を吸収して昆虫の可視領域を吸収する機能を有する層および外層にポリエステルフィルム層を配置した多層フィルムで構成したチューブ、好ましくは蛍光灯管被覆用チューブを要旨としている。
【0007】芯層が紫外線吸収剤を含む層であり、その場合、本発明は、芯層に紫外線吸収剤を含むことで360nm以下の波長の紫外線を吸収して昆虫の可視領域を吸収する機能を有する層および外層にポリエステルフィルム層を配置した多層フィルムで構成したチューブ、好ましくは蛍光灯管被覆用チューブを要旨としている。
【0008】多層フィルムが人間の目で感じる400〜750nm前後の可視光線には影響を与えず、昼光色を保つことのできるフィルムであり、その場合、本発明は、芯層に紫外線吸収剤を含むことで360nm以下の波長の紫外線を吸収して昆虫の可視領域を吸収する機能を有する層および外層にポリエステルフィルム層を配置した、人間の目で感じる400〜750nm前後の可視光線には影響を与えず、昼光色を保つことのできる多層フィルムで構成したチューブ、好ましくは蛍光灯管被覆用チューブを要旨としている。
【0009】
【発明の実施の形態】紫外線吸収剤の具体例及び使用方法本発明の蛍光灯管被覆用チューブは、特定の波長を有する光を吸収する機能を付加したものであり、好ましくは特定波長域での紫外線吸収能に優れた紫外線吸収剤を含有する層を配置して、昆虫の可視領域一部の波長の強度を低減させものである。前記紫外線吸収剤には、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾアトリアゾール系、シアノアクリノール系等の公知の化合物を使用し、後述する蛍光灯管被覆用チューブにおいて吸収する波長領域に最適なものが適宜選択されるものである。
【0010】また、前記紫外線吸収剤を含有する層は、紫外線を吸収する透明塗料を塗装する方法により形成される。あるいは、紫外線吸収剤を含有するポリエステル、アクリルスチレン樹脂、ポリカーボネード、アクリル等の透明樹脂の特定の波長を吸収するフィルムを使用する。吸収する波長領域を昆虫の可視領域の最大波長に近づけるにほど、人間の可視領域と重複する部分が多くなる。昆虫の可視領域の最大波長である570nm以下を吸収する構成とすれば、昆虫は光源からの光を認識できないこととなる。しかし、同時に人間の可視領域の光も併せて吸収することになる。これにより、大幅な照度の低下を招くだけでなく、短い波長側の光が吸収されるために、蛍光灯管から発せられる光は赤みを帯びた光となり、見た目が悪く商品価値が下がってしまう。蛍光灯管に係わる被覆用チューブは、昆虫が光源に寄ってくる割合と照度の低下率との関係、および被覆用チューブの着色度合いによる商品価値からの被覆用チューブにおいて吸収する波長域の最適値を検討したものである。好適には、昆虫が最も集まってくる波長360nm付近の光を吸収することにより、光源に群がる昆虫の数を減少させることができ、かつ商品的な価値の低下を防止することができる。
【0011】ポリエステルフイルムの製法は、通常の成形法であり、インフレーション法、Tダイ法が例示される。フイルムは、未延伸であってもよいが、Tダイ法またはインフレーション法の工程で延伸したフイルムが好ましい。多層フイルムの厚さは、透明度、強度、蛍光灯管の挿入のし易さ、光線遮断の効果などを勘案して選択すればよい。フイルムの厚さは30〜500μmの範囲内で選択することが好ましい。多層フィルムの構成は、芯層に昆虫の可視領域を吸収する機能を有する層を配置し、外層にポリエステルフィルム層を配置したものである。好ましくはポリエステルフィルムの片面に帯電防止剤を塗布する。片面に帯電防止剤を塗布したポリエステルフィルムを帯電防止剤塗布面が内側になるように積層し、紫外線吸収剤を混合したラミネート接着剤でラミネートする。
【0012】得られた多層フィルムを指定巾にスリットし、端面をホットメルト接着剤により貼り合わせ管状にする。チューブを蛍光灯管に被覆するには、蛍光灯管をチューブ内に通すだけで被覆できるようにする。
【0013】
【作用】上記昆虫の飛来の原因は、昆虫は光源から発せられる光を認識し、これに反応するために光源に引き寄せられる。周囲全体が明るい昼間時には光源を点灯させても昆虫は光源の近傍に集まることはなく、夜間時に周囲の明るさが減少し照明器具からの光のみが照射される状態にある時に、光に反応した昆虫が器具へ集まることによる。
【0014】昆虫が光源からの光に反応し、最も多く集まってくる光の波長は、波長360nmをピークにして、約220〜570nmである。この波長域は昆虫の可視領域の相当し、放出される光の波長がこの波長域にあるときに光を認識することができる。これに対して、暗所における人間の可視領域は400〜750nmであり、昆虫は人間に比べ紫外線領域の光に反応する。
【0015】照明器具から照射される光の波長は、光源の種類によって異なるが、人間の可視領域を中心として紫外領域から赤外領域まで拡がっており、光源の種類に応じたピーク値を有する。従って、広範囲にわたる波長の中で、昆虫の可視領域に相当する波長を選択する構成にすることで、照明器具への昆虫の寄りつきを減少させることができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例において説明するが、本発明の要旨を超えない限り、以下の実施例によって限定されるものではない。
【0017】実施例A層をポリエステルフィルム(一般工業用フィルム)、C層を帯電防止剤塗布層、B層を紫外線吸収剤(・ディックドライ LX−901 ・UV添加剤 SP ・KW−75)混入の接着剤層を採択し、図1に示すように、A−C−B−C−Aの順に積層して厚さ76μmフィルムを得た。このフィルムの紫外線透過率を計測したところ図2の結果が得られた。
【0018】上記のフィルムを用いて、40ワットタイプの蛍光灯管用の直径55mm、長さ1195mmのチューブを、110ワットタイプの蛍光灯管用の直径68mm、長さ2355mmのチューブを得た。このチューブをナショナルFLR403・W/M−X蛍光灯管に被せてチューブ被覆蛍光灯管を作成し、この蛍光灯管を用いて図3に示す測定条件のもとで照度試験を行った。その結果を表1に示す。なお、照度計には、横河M&C(株)製携帯用照度計(3281A)を用いた。
【0019】
【表1】
単位:ルクス 平 均 ─────────────────────────────── 適用無し 540 530 490 495 513.75 ─────────────────────────────── 適用有り 530 520 490 490 507.50 ───────────────────────────────【0020】このチューブ被覆蛍光灯管の照度試験の結果は、照度の減少率は約1.2%であり、照度が減少したことにはほとんど気が付かず、また、蛍光灯管の光線の色調は、人間の可視範囲の波長の吸収を極力抑え昼光色を保つことができ、物品の紫外線障害防止、昆虫の飛来防止に有効であった。
【0021】さらに、上記チューブ被覆蛍光灯管と無被覆の蛍光灯管を用いて、蛍光灯管の中央部及び左右端部の温度の経時変化を計測したところ表2及び図4に示す結果が得られた。なお、温度計には、(株)キーエンス製ポイントマーカー付ハンディ温度計IT−60を用いた。
【0022】
【表2】
──────────────────────────────── 単位:℃ 1時間後 2時間後 5時間後 8時間後 ──────────────────────────────── 左端部 被覆 有 66.3 65.3 66.1 64.6 被覆 無 60.1 54.8 64.4 58.9 ──────────────────────────────── 1時間後 2時間後 5時間後 8時間後 ──────────────────────────────── 中央部 被覆 有 41.6 41.3 40.6 40.9 被覆 無 41.6 39.4 41.0 40.8 ──────────────────────────────── 1時間後 2時間後 5時間後 8時間後 ──────────────────────────────── 右端部 被覆 有 65.6 57.8 55.6 58.0 被覆 無 66.0 56.7 65.0 61.1 ────────────────────────────────【0023】上記表2に示すように、被覆チューブの適用有りでも無しでも格別の差異は認められず、また、時間経過による温度上昇は認められなかった。
【0024】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、照度を低下させることが無く昼光色を維持でき、昆虫の飛来防止に有効な蛍光灯管被覆チューブを提供することができる。
【出願人】 【識別番号】599049808
【氏名又は名称】株式会社フジコー
【住所又は居所】香川県丸亀市川西町南甲284番地の2
【出願日】 平成13年7月3日(2001.7.3)
【代理人】 【識別番号】100102314
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 阿佐子 (外1名)
【公開番号】 特開2003−16824(P2003−16824A)
【公開日】 平成15年1月17日(2003.1.17)
【出願番号】 特願2001−201569(P2001−201569)