| 【発明の名称】 |
高拡散板 |
| 【発明者】 |
【氏名】宮内 雅弘 【住所又は居所】神奈川県川崎市川崎区夜光1丁目3番1号 旭化成株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】直下式光源装置の薄型化や高輝度化の動きに対し、ランプイメージを消しこみなおかつ高輝度を実現する高拡散板を提供する。
【解決手段】光拡散剤を配合した拡散板の表面にプリズム列形状を賦形し、なおかつプリズム列の凸部凹部の形状を特定の曲面にすることでランプイメージを消しこみかつ高輝度という相反する課題を解決できる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 直下式光源装置に用いる拡散板において、光拡散剤が配合された樹脂板の表面にプリズム列が賦形されてなり、該プリズム列の凸部と凹部がともに曲面形状であり、かつ凹部曲率半径が凸部曲率半径より小さいことを特徴とする高拡散板。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は直下式光源装置に用いられる拡散板に関する。 【0002】 【従来の技術】照明器具や電照看板、液晶表示装置など直下式の光源装置には光源からの光を散乱させるため拡散板と呼ばれる乳白色の樹脂板が敷設されている。その多くは耐候性の良さと剛性の高さなどからアクリル樹脂板が用いられ、光を散乱させるために炭酸カルシウムや硫酸バリウム、酸化チタンといったいわゆる白色系顔料が配合されてきた。近年このような光源装置では光源の高輝度化と装置の薄肉化によってその構造上光源が透けて見えるいわゆるランプイメージが見えることが問題となっている。そこで拡散板の拡散性能を向上させるため、例えば登録2120343号公報、特開平10−3811号公報、特開平11−5241号公報や特願2000−324370号公報などで報告されているように従来の白色系顔料だけでなく有機系/無機系様々な光拡散剤を配合する検討が多数行われてきた。 【0003】また近年微細加工技術が進歩し樹脂板へレンズ形状を精密に賦形することが可能になってきており、上述のランプイメージの問題においても、拡散板のかわりにレンズ形状を賦形したレンズシートを設置することによって光源からの出光パターンを光学的に制御する技術も検討されている。例えば特開平2−257188号公報、特開平5−45505号公報、特開平5−333333号公報、特開平6−18707号公報などではプリズム形状の頂角を設計することで出光パターンを制御しており、また特開平7−230001号公報、特開平7−294709号公報、特開平8−211230号公報などでは賦形するプリズムの頂角に丸みを持たせる検討が行われている。 【0004】これらの方法により直下式光源装置はずいぶんランプイメージを消すことができるようになってきたが、まだ市場で満足頂けるレベルには達していない。最近では構造が単純で薄型化が可能になるサイドライト式の光源装置が避難誘導用照明装置や液晶背面光源装置などに用いられてきている。サイドライト式光源装置は光源が直接見えないため、ランプイメージの面でも直下式光源装置より市場での評価が高いのだが、大型の光源装置、照明装置にはサイドライト式光源装置は重たく暗くなってしまう問題があった。 【0005】近年直下式光源装置でもサイドライト式同様に薄型化、高輝度化のため光源と拡散板の距離を更に接近させる検討が行われ、さらにランプそのものの高輝度化もあってランプイメージがこれまで以上に目立ちやすい設計になってきており、従来の拡散剤処方設計やプリズム形状による出光パターン設計だけでは解決が困難になってきている。つまり、拡散剤処方による設計でランプイメージを消すためには拡散剤を大量に入れる必要があるが、拡散剤を入れれば入れるほど透過率を下げることになってしまい、高輝度化の目的が達成できなくなってしまうし、プリズム形状を賦形する方法では一本のランプがプリズム形状により光路が分かれランプの径が拡幅され見えるはずなのだが、ランプとプリズム賦形板の距離が近すぎるためランプがすっきりと2本に分かれて見えてしまう。またプリズム形状の凸部や凹部が黒いスジのように見えてしまうためランプイメージが強調され問題である。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は直下式光源装置の薄型化や高輝度化に対応し、ランプイメージを消しこみなおかつ高輝度を実現する高拡散板を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため本発明者らは鋭意検討の結果、光拡散剤を配合した拡散板の表面にプリズム列形状を賦形し、なおかつプリズム列の凸部凹部の形状を特定の曲面にすることでランプイメージを消しこみ更に高輝度の相反する課題を解決できることを見出し本発明を完成させるに至った。すなわち本発明は直下式光源装置に用いる拡散板において、光拡散剤が配合された樹脂板の表面にプリズム列が賦形されてなり、該プリズム列の凸部と凹部がともに曲面形状であり、かつ凹部曲率半径が凸部曲率半径より小さいことを特徴とする高拡散板に関する。 【0008】以下に本発明を詳細に説明する。本発明で用いられる拡散板の基材樹脂として用いられるのは例えばアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン樹脂、MS樹脂、MBS樹脂、PE、PET、SAN、脂環式アクリル樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、オレフィン・マレイミド交互共重合体、シクロヘキサジエン系ポリマー、非晶ポリエステル樹脂、非晶フッ素系樹脂などが挙げられる。 【0009】この基材樹脂に配合される光拡散剤としては無機系/有機系いずれの拡散剤でもかまわず、例えば炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、シリコーン系微粒子、アクリル系微粒子、スチレン系微粒子、MS系微粒子、ガラス系微粒子などが挙げられる。これら光拡散剤は単独でも併用されていてもかまわない。拡散剤の屈折率は特に限定はないが基材樹脂と屈折率があまり離れていると透過率が大きく下がる等光学的に問題があるため1.3〜1.7の屈折率が好ましい。 【0010】また拡散剤の粒径についても特に限定はないが、あまりに大きいとプリズム列の賦形が困難になりまた小さいと拡散効果が少ないので好ましくは0.5μm〜100μmの範囲である。配合される光拡散剤の量に限定はなく、光源装置として要求される透過率、例えば透過率30%〜90%に合わせ配合量を設計すればよく基材樹脂100部に対し拡散剤は0.1重量部〜30重量部が好ましい。本発明ではこのプリズム形状を賦形させる拡散板は単層の拡散板であっても光拡散材が基材層、皮膜層いずれかもしくは両方に配合されたいわゆる積層構造の拡散板であってもかまわない。 【0011】本発明では拡散板の表面に賦形されるプリズム列はプリズム形状が掘り込まれた金型により拡散板表面に熱転写により形状を賦形する。熱転写の方法としては金型と拡散板を熱プレスにより圧着しプリズム形状を転写させるいわゆるプレス賦形の方法や、形状が掘り込まれたロール金型を用いロール間隙に拡散板を通しロール賦形する方法などがある。プリズム列の山の高さやピッチ、列数は任意でかまわないが、凸部と凹部がいずれも測定可能な0ではない曲率半径を持った曲面形状を有していることが本発明での第一の特徴である。 【0012】プリズム形状は入射光を屈折させ光を高視野角に散乱させるための重要な光学的形状であるが全光線を同じ方向へ屈折させてしまうと正面方向に向かう光がなくなり逆に明暗がはっきりと見えてしまう。特に凹凸部の直上は凹凸のエッジが黒いスジとして見えてしまう。光を散乱させなおかつ正面へも光を透過させるためには黒いスジとして見えてしまう凹凸部を曲面形状にし、曲面を通して屈折角の小さいつまり正面方向へ透過していく光線を増大させることが本発明の重要な特徴である。正面方向への光が増えることによってこれまで高屈折つまり高拡散の相反する課題とされてきた高輝度化も同時に実現できるのである。凸部凹部の曲率半径の大きさに特に制限はないが好ましくは100μ以下である。曲率半径が大きくなるということはそれだけ曲面が緩やかになるということで、逆に高拡散を実現する肝心のプリズム面を小さくしてしまうことになり好ましくない。 【0013】本発明ではプリズム列の凹部曲率半径が凸部曲率半径より小さいことが第2の特徴である。凹部はもともと光が通過しにくい光路構造にありプリズムシートでスジの様に見えるのはまさに凹部の影の影響が大きいのである。このような場合光をより多く透過させるために曲率半径を大きくすべきと考えがちだが、これでは暗いスジを太くするだけで逆に明るい凸部との差を強調させてしまうことになり問題なのである。我々は検討の結果凹部曲率半径を凸部曲率半径より小さくすることがこの明暗を最も小さくすることができる視覚的に有効な方法であることを見出したのである。本発明では凹部曲率半径が凸部曲率半径より小さければよいのだがより好ましくは凹部曲率半径が凸部曲率半径の90%以下である。 【0014】賦形されるプリズム列のいわゆるプリズム面の傾きは拡散板の表面に対し30〜80度の傾きを持つことが好ましい。30度より小さいと光源からの光をほとんど屈折させることができないためランプイメージを消すことができず、逆に80度を超えてしまうと全反射により透過する光が少なくなり暗くなってしまい明暗が強調されるためである。プリズム列のピッチおよびプリズム山の高さには制限はなく任意に設計してかまわないが、液晶パネルやランプとのモアレの防止や熱転写時の賦形性をよくするためピッチとしては10μm〜500μm、山の高さは1μm〜500μmが好ましい。プリズム形状は拡散板の片面もしくは両面ともに賦形されていてもかまわない。但し両面に賦形する場合表裏のプリズム列によるモアレを防止するため位相合わせが必要である。また片面のみに賦形する場合、プリズム面は直下式光源装置の光源側または光源と反対側いずれの面に賦形されていてもかまわない。 【0015】 【発明の実施の形態】以下に実施例、比較例を用いて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限されるものではない。評価用直下型光源装置としては直下型光源装置を背面に有する市販の液晶TV(シャープ株式会社製 形式LC−28HD1)を改造し光源と拡散板の距離を約15mmに近づけたものを用い、目視にてランプイメージの評価・判定をおこなった。また平均輝度は同装置において全面白画面での平均輝度を輝度計(ミノルタ株式会社製CS−1000)にて測定した。 【0016】 【実施例1】アクリル樹脂を基材樹脂とし光拡散剤としてシリコーン系微粒子(GE東芝シリコーン株式会社製 商品名トスパール)を5重量部配合された板厚2mmの拡散板の片方の表面に、ピッチ100μm、高さ約50μm、プリズム面の傾きが45度、プリズム列の凸部の曲率半径は30μm、凹部の曲率半径は5μmである連続的なプリズム列を持ったプレス用金型を使い熱プレス成形によってプリズム形状を賦形した。このプリズム列が賦形された拡散板を前述評価用直下式光源装置の既存の拡散板のかわりにプリズム面が光源側になるよう設置し、ランプイメージと平均輝度を評価した。その結果を表1に示す。 【0017】 【表1】
【0018】 【実施例2】実施例1同様アクリル樹脂を基材樹脂とし光拡散剤としてシリコーン系微粒子(GE東芝シリコーン株式会社製 商品名トスパール120)を5重量部配合された板厚2mmの拡散板の片方の面に、実施例1と同じ形状のプリズム列を持ったロール金型を用い、ロール賦形法によりプリズム列を賦形し、実施例1同様の評価を行った。表1の通りプリズム列の賦形方法にはよらず実施例1と同じ結果が得られた。 【0019】 【実施例3〜実施例7】光拡散剤の種類を表1に示すように変更した以外は実施例1同様に行った。その結果を表1に示す。使用した光拡散剤はMS系樹脂及びスチレン系樹脂は積水樹脂株式会社製 商品名テクポリマーを、炭酸カルシウムは白石カルシウム株式会社製のものを使用した。 【0020】 【実施例8〜実施例12、比較例1〜比較例5】プリズム形状を表1に示すように変更した以外は実施例1同様に行った。その結果を表1に示す。 【0021】 【比較例6】光拡散剤が配合されていない透明なアクリル樹脂板に実施例1と同じ形状のプリズム列を賦形し同様の評価を行った。その結果も表1に示す。 【0022】 【比較例7】プリズム賦形をせず実施例1で用いた拡散板単独で同様にランプイメージと平均輝度を評価した。その結果を表1に示す。 【0023】 【比較例8】配合される光拡散剤の量を倍にし比較例7同様に行った。その結果を表1に示す。 【0024】 【発明の効果】本発明によって近年の直下式光源装置の薄型化や高輝度化の動きに対し、ランプイメージを消しこみなおかつ高輝度を実現する高拡散板を提供でき、より軽くより明るい直下式光源装置が実現可能になった。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000033 【氏名又は名称】旭化成株式会社 【住所又は居所】大阪府大阪市北区堂島浜1丁目2番6号
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| 【出願日】 |
平成13年6月27日(2001.6.27) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2003−16819(P2003−16819A) |
| 【公開日】 |
平成15年1月17日(2003.1.17) |
| 【出願番号】 |
特願2001−194026(P2001−194026) |
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