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【発明の名称】 自動車用電球の接続構造
【発明者】 【氏名】大住 英樹
【住所又は居所】静岡県榛原郡榛原町布引原206−1 矢崎部品株式会社内

【要約】 【課題】ソケットの部品点数を減らすことにより、コストを低減することができる自動車用電球の接続構造を提供する。

【解決手段】電球10のフィラメント15の両端部にリード線16,17を接続し、電球10の外側に導出されるリード線16,17の延長部に端子部16a,17aを設け、ソケット20をコネクタに嵌合することにより端子部16a,17aと端子とを中継端子を介さずに直に接続する。ソケット20は、電球10を取り付けるためのバルブ取付部23と、コネクタに嵌合するためのコネクタ嵌合部30とを備えるが、電球10の端子部16a,17aとコネクタの端子とを接続させる中継端子を備えない構成とする。リード線16,17が導出される電球10のベース部12に係止部を設け、ソケット20に係止部と係合する係合部を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電球が取り付けられたソケットを、端子が収容されたコネクタに嵌合し、該電球を点灯させるための自動車用電球の接続構造において、前記電球のフィラメントの両端部にリード線が接続され、該電球の外側に導出される該リード線の延長部に端子部が設けられ、前記ソケットを前記コネクタに嵌合することにより、該端子部と前記端子とが接続されることを特徴とする自動車用電球の接続構造。
【請求項2】 前記ソケットは、前記電球を取り付けるためのバルブ取付部と、前記コネクタに嵌合するためのコネクタ嵌合部とを備えていることを特徴とする請求項1記載の自動車用電球の接続構造。
【請求項3】 前記電球は、二つのフィラメントを有しており、該二つのフィラメントの両端部には、正極側と負極側のリード線が接続されていて、電源の負極側と接続する該リード線同士が直に接続されていることを特徴とする請求項1又は2記載の自動車用電球の接続構造。
【請求項4】 電源の負極側と接続する前記リード線同士が、前記ソケットに形成された導通部を介して接続されていることを特徴とする請求項1又は2記載の自動車用電球の接続構造。
【請求項5】 前記リード線が導出される前記電球のベース部には、係止部が設けられ、前記ソケットには、該係止部と係合する係合部が設けられていて、該係止部に該係合部が係合することにより該電球が該ソケットに保持されることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の自動車用電球の接続構造。
【請求項6】 前記ソケットには係止部が設けられ、前記コネクタには該係止部と係合する係合部が設けられていて、該係止部と該係合部とが係合することにより、該ソケットと該コネクタの嵌合状態が保持されることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の自動車用電球の接続構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両のヘッドランプやテールランプ、計器類などに適用される自動車用電球の接続構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ヘッドランプやテールランプ、計器類などに光源として用いられるバルブには、口金部がないタイプ、いわゆるウエッジベース型のバルブが多数用いられている。今では、このようなバルブが主流となっている。ウエッジベース型のバルブは、ベース部がソケットに挿入され、ソケットが相手側のコネクタ等と嵌合することで、バッテリから電気の給電を受けることができるようになっている。
【0003】ウエッジベース型のバルブは、口金部がないため、フィラメントに接続されたリード線を、ソケットに設けられた中継端子に接続し、この中継端子をコネクタに収容された端子に接続することにより、照明回路が形成されるようになっている。このような自動車用電球の接続構造としては、図7に示す特開平9−55272号公報に記載されたものが知られている。
【0004】図示するように、バルブ100は、2つのフィラメント101,101を有するウエッジベース型のバルブ100である。バルブ100は、石英ガラス管102の下部に略扁平状のベース部103を有し、ベース部103の下端からリード線104が導出されている。リード線104の端部は、ベース部103の板厚方向の両側に振り分けられ、ベース部103の側面に沿って石英ガラス管102側に折り返されて、接触片104aとなっている。
【0005】ソケット105は、ソケット本体106と、中継端子109とを備えている。ソケット本体106は、バルブ100を取り付けるために開口形成されたバルブ取付部107を有している。中継端子109は、バルブ取付部107の内面に沿って配設されている。中継端子109の端子部109aは、図示しないコネクタの端子と接続して、バルブ100に図示しないバッテリからの給電が行われるようになっている。
【0006】バルブ取付部107に取り付けられたバルブ100は、バルブ取付部107に形成された弾性係止片108がベース部103の係止部103aに係合することで、ソケット105からの抜けが防止されるようになっている。ベース部103は中継端子109に挟まれて、同時に各接触片104aが中継端子109に接触するようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の自動車用電球の接続構造では、解決すべき以下の問題点がある。
【0008】一つには、ベース部103の下端から導出されるリード線104を石英ガラス管102側に折り返して接触片104aとしなければならず、リード線104の端末処理に余計な手数がかかるという問題がある。
【0009】また、ソケット105がソケット本体106と中継端子109とを備えているため、ソケット105の構造が複雑化し、コストが高くなるという問題がある。中継端子109は、バルブ取付部107の内面に固定されているのではなく、内面に沿って配設されているだけであり、中継端子109が外れる心配もある。
【0010】さらに、ソケット105は中継端子109を有しているため、接点数が多くなり、接点の接触信頼性が低くなるという問題もある。すなわち、バッテリからバルブ100への給電が、中継端子109を経由して行われるため、接点が2点となって、どちらか一方の接点に接触不良があると、バルブ100を点灯することができなくなってしまう。
【0011】本発明は、上記した点に鑑み、ソケットの部品点数を減らすことにより、コストを低減することができ、また、接点数を減らすことにより、接点の電気的接続の信頼性を向上することができる自動車用電球の接続構造を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、電球が取り付けられたソケットを、端子が収容されたコネクタに嵌合し、該電球を点灯させるための自動車用電球の接続構造において、前記電球のフィラメントの両端部にリード線が接続され、該電球の外側に導出される該リード線の延長部に端子部が設けられ、前記ソケットを前記コネクタに嵌合することにより、該端子部と前記端子とが直に接続されることを特徴とする。
【0013】上記構成によれば、フィラメントの両端部に接続されたリード線の延長部に、コネクタの端子と電気的に接続する端子部が設けられているから、中継端子を介することなく、リード線がコネクタの端子と直に電気的に接続する。このため、ソケットの構造が簡素化して、コストが低減する。
【0014】また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の自動車用電球の接続構造において、前記ソケットは、前記電球を取り付けるためのバルブ取付部と、前記コネクタに嵌合するためのコネクタ嵌合部とを備えていることを特徴とする。
【0015】上記構成によれば、ソケットは、バルブ取付部とコネクタ嵌合部とを備えていて、中継端子を備えていないから、電球がソケットを介してコネクタに保持されるとともに、ソケットの構造が簡素となり、ソケットの成形が容易化する。
【0016】また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の自動車用電球の接続構造において、前記電球は、二つのフィラメントを有しており、該二つのフィラメントの両端部には、正極側と負極側のリード線が接続されていて、電源の負極側と接続する該リード線同士が直に接続されていることを特徴とする。
【0017】上記構成によれば、電源の負極側と接続する2本のリード線同士が直に接触するから、コネクタと接続するリード線の端子部を3極とすることができ、3極の端子を有する3極コネクタに、二つのフィラメントを有する電球を直に接続することができ、中継端子が不要となる。
【0018】また、請求項4記載の発明は、請求項1又は2記載の自動車用電球の接続構造において、電源の負極側と接続する該リード線同士が、前記ソケットに形成された導通部を介して接続されていることを特徴とする。
【0019】上記構成によれば、電源の負極側と接続する2本のリード線同士が、ソケットに形成された導通部を介して接触するから、リード線同士を予め接触させて導通させる必要がなく、ソケットに電球を取り付けるだけで、3極の端子部を形成することができる。
【0020】また、請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の自動車用電球の接続構造において、前記リード線が導出される前記電球のベース部には、係止部が設けられ、前記ソケットには、該係止部と係合する係合部が設けられて、該係止部に該係合部が係合することにより該電球が該ソケットに保持されることを特徴とする。
【0021】上記構成によれば、電球のベース部には係止部が設けられ、ソケットには係止部と係合する係合部が設けられているから、ソケットに取り付けられる電球が後抜けすることが防止されて、電球の電気的接続性が維持される。
【0022】また、請求項6記載の発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載の自動車用電球の接続構造において、前記ソケットには係止部が設けられ、前記コネクタには該係止部と係合する係合部が設けられていて、該係止部と該係合部とが係合することにより、該ソケットと該コネクタとの嵌合状態が保持されることを特徴とする。
【0023】上記構成によれば、ソケットには係止部が設けられ、コネクタには係合部が設けられているから、ソケットとコネクタとが不用意に外れることが防止されて、ソケットとコネクタとの嵌合状態が保持される。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態の具体例を図面を用いて詳細に説明する。図1及び図2は、本発明に係る自動車用電球の接続構造の第1の実施形態を示すものである。
【0025】図1に示すように、バルブ(電球)10が取り付けられるソケット20は、合成樹脂製の筒状をなすソケット本体21を備えている。ソケット本体21は、射出成形により一体的に成形されている。ソケット本体21は、バルブ嵌入方向の一側にバルブ取付部23を備え、他側にコネクタ嵌合部30を備えている。バルブ取付部23とコネクタ嵌合部30とは、内壁としての仕切壁32を介して一体的に連なっている。
【0026】バルブ取付部23は、バルブ10を取り付けるための開口24を有するとともに、開口24側の大孔部25と奥所側の小孔部26とを備えている。大孔部25と小孔部26とは、段部28を境として区分されている。大孔部25には、バルブ10の石英ガラス管11の下半部が保持され、小孔部26には、バルブ10のベース部12が保持されている。大孔部25を設けずに、小孔部26だけでもよいが、石英ガラス管11の下半部を囲繞するようにして大孔部25を設けることによって、石英ガラス管11が外部干渉から保護されて、バルブ10の損傷などが防止されるようになっている。
【0027】大孔部25は、バルブ10の石英ガラス管11との間に隙間が形成され得る寸法に形成されている。また、小孔部26も、バルブ10のベース部12との間に隙間が形成され得る寸法に形成されている。このように多少の隙間が形成されるように大孔部25と小孔部26とを形成することによって、バルブ取付部23に対するバルブ10の取り付けがスムーズに行われるようになっている。
【0028】また、図2に示すように、小孔部26の内壁には、対向して配置された一対の突部(係合部)27,27が形成されている。一対の突部27,27は、バルブ10のベース部12に設けられた凹部(係止部)12aに係合して、バルブ10の抜けを防止している。突部27は、半球状に形成されているため、ベース部12を容易に係合させることができ、また、バルブ10のフィラメント15,16が寿命により切れた際のバルブ10の取り外しを支障なく行うことができるようになっている。なお、突部27に代えて凹部(図示せず)を小孔部26の内壁に形成し、突部(図示せず)をバルブ10のベース部12に設けるようにしてもよい。また、小孔部26にばね片を設けて、ベース部12を挟持するようにしてもよい。
【0029】再び図1に示すように、仕切壁32は、小孔部26に続いて設けられている。このため、仕切壁32の一方の壁面32aは、小孔部26の奥壁面となっている。仕切壁32の他方の壁面32bは、コネクタ嵌合部30の奥壁面となっている。仕切壁32には、バルブ10から導出されたリード線16,17を挿通させるための挿通孔33が貫通して形成されている。挿通孔33に挿通されたバルブ10のリード線16,17は、挿通孔33の内壁によって案内支持されて、相手側のコネクタ35(図3)に対して真直に延出するようになっている。
【0030】挿通孔33の孔径は、リード線16,17の太さと同等の寸法に形成されている。挿通孔33をリード線16,17の太さより大きい寸法に形成すると、挿通孔33の孔内でリード線16,17が遊んでしまい、リード線16,17にがた付きを生じるためである。逆に、挿通孔33をリード線16,17の太さより小さい寸法に形成すると、挿通孔33にリード線16,17を挿通することができないからである。
【0031】仕切壁32は、ソケット本体21の周壁22に比べて肉厚に成形されているが、これは、細くて曲がりやすいリード線16,17を案内支持してリード線16,17の曲がり抑制するためである。仕切壁32は、バルブ10のベース部12寄りに位置しているため、ベース部12から導出されるリード線16,17の曲がりが有効に抑制されるようになっている。
【0032】コネクタ嵌合部30は、相手側のコネクタ35(図3)に対するいわゆる雌型の嵌合部を形成している。他方、コネクタ35には、雄型の嵌合部が形成されていて、双方の嵌合部は緊密に嵌合する寸法に形成されている。コネクタ嵌合部30の奥壁には、挿通孔33の一側の開口が形成されている。
【0033】図2に示すように、コネクタ嵌合部30の壁部には、係止孔(係止部)31が形成されている。この係止孔31は、コネクタ35(図3)に形成された係止爪(係合部)46と係合して、ソケット20とコネクタ35の嵌合状態が保持されるようになっている。逆に、コネクタ嵌合部30の内壁に係止爪(図示せず)を形成し、コネクタ35に係止爪と係合する係止孔(図示せず)を形成してもよい。
【0034】また、コネクタ嵌合部30の壁部に、図示しない係止孔(係止部)を形成し、コネクタ35に図示しない係止突起を有する可撓性のロックアーム(係合部)を形成してもよい。このような係止構造によれば、ソケット20とコネクタ35の嵌合及び離脱をより一層スムーズに行うことができる。
【0035】リード線16,17の延長部に形成された端子部16a,17aは、コネクタ嵌合部30の外側に突出することなく、コネクタ嵌合部30内に位置している。このため、リード線16,17は、コネクタ嵌合部30の壁部によって保護されて不用意な外部干渉から保護されている。
【0036】バルブ10は、石英ガラス管11と、石英ガラス管11の下部に連なるベース部12と、石英ガラス管11の内側に封入されたフィラメント15(図1)とを備えている。石英ガラス管11は、半球状の上半部と、円筒状の下半部とから一体的に形成されていて、上半部がバルブ取付部23の外側に露出している。このため、フィラメント15から放出される光が、外部を照らしたり、図示しない計器類の指針などを照らすことができるようになっている。
【0037】ベース部12は、ソケット20に対する取付部であって、扁平状に形成されている。フィラメント15に接続されたリード線16,17は、ベース部12を貫通して真直に下方に導出されている。
【0038】図1に戻って説明すると、フィラメント15は、窒素やアルゴン等の不活性ガスが充填された石英ガラス管11内の中間部において、リード線16,17により水平に支持されている。不活性ガスが充填されているのは、タングステンなどを構成材料とするフィラメントが酸素と反応して蒸発することを防止するためである。
【0039】リード線16,17の一側は、フィラメント15の両端部に接続されている。リード線16,17の他側は、バルブ10のベース部12から外側に導出されて、真直に下方に延出している。ベース部12から導出されたリード線16,17の延長部には、端子部16a,17aが形成されている。端子部16a,17aは、コネクタ35(図3)のいわゆる雌型の端子50と電気的に接続して、図示しないバッテリ(電源)からの電気がフィラメント15に給電されるようになっている。
【0040】端子部16a,17aは、リード線16,17を折り返した先端側に形成されている。このように、リード線16,17を折り返すことにより、端子部16a,17aの強度が向上して、撓んだり不用意に折れ曲がったりすることが防止されている。
【0041】図3に示すように、ソケット20に嵌合するコネクタ35は、合成樹脂製のコネクタハウジング36と、コネクタハウジング36に収容された雌型の端子50とを備えていて、ソケット20(図2)の内側に嵌合する雄型のコネクタ35である。コネクタハウジング36は、箱状を成していて、内側には端子50を収容する端子収容室37が形成されている。コネクタハウジング36の外壁は、開口部41,44が形成された前壁40及び後壁43と、前壁40及び後壁43の周囲を連ねる角筒状の周壁45とからなっている。嵌合方向の前側の周壁45は、ソケット20のコネクタ嵌合部30に対する雄型の嵌合部となっている。
【0042】ここで、本実施形態の説明の都合上、コネクタ35の前後方向X、上下方向Yについて以下のように定めることとする。前後方向Xは、ソケット20と嵌合する方向をいうものとし、前側とはソケット20と嵌合する側、後側とは前側の反対側又は電線55の引き出される側とする。上下方向Yは、コネクタハウジング36の壁部に形成された一対の係止爪46の対向する方向をいうものとし、上側とは図面上の左側をいうものとし、下側とは上側の反対側をいうものとする。図示しない左右方向は、前後方向X及び上下方向Yに直交する方向又は紙面に垂直な方向をいうものとする。なお、前後方向Y及び上下方向Xは、実使用の方向を定めたものではなく、実使用時には、前後を逆にして使用することもあれば、上下を逆にして使用することもある。
【0043】再び図3に示すように、端子収容室37は、隔壁で仕切られて左右方向に2列(一方しか図示せず)に並んで配設されている。端子収容室37が2列に並んでいるのは、本実施形態のバルブ10がいわゆるシングルフィラメントを有するバルブだからである。ダブルフィラメント65,66,75,76を有するバルブ64,74の場合は(図4、図5)、左右方向に端子収容室37を3列に並べて配設する。なお、2個越える複数のフィラメントを有するバルブ(図示せず)のように、端子部の数が4個以上となる場合は、端子収容室37を端子部の数に対応させて4個以上に並べることも可能である。
【0044】端子50は、後壁43の開口部44から端子収容室37に挿入されて収容される。後壁43の開口縁部には、端子50を挿入する際に引っかかりを生じないようにする傾斜面44aが形成されている。端子収容室37に挿入された端子50は、前壁40の内側に当接することにより、挿入方向に位置決めされるようになっている。
【0045】前壁40の開口部41は、バルブ10(図1)の端子部16a,17aが挿入される挿通孔を兼ねている。開口部41の縁部には、テーパ状のガイド面41aが形成されている。端子部16a,17aは、ガイド面41aに案内されて端子50と接続する。
【0046】端子収容室37に挿入された端子50は、各端子収容室37の内壁に形成された係止突起38に電気接触部51に設けられた肩部51aを係合させることにより係止されるようになっている。一旦収容された端子50を抜き出す場合は、前壁40に形成された小孔42から図示しない抜き治具棒を挿入して、抜き治具棒の先端部で係止突起38と肩部51aとの係合を解除することにより、端子50を抜き出すことができるようになっている。
【0047】端子50は、導電性の金属板を打ち抜き、折り曲げ加工して形成されたものである。一方に、バルブ10側の端子部16a,17aに対する角筒状の電気接触部51が形成され、他の一方に電線接続部53が形成されている。電気接触部51の内部には、先端部を後ろ向きに折り返した上下一対の弾性接触片52a,52bが形成されており、端子部16a,17aに対する接触圧が維持されるようになっている。
【0048】電線接続部53は、電線55の電線被覆部56と電線芯線部57を加締める各一対の被覆圧着片53aと芯線圧着片53bとからなっている。双方の圧着片53a,53bは、前後に間隔を空けて配置されていて、圧着片53a,53bをB形状に加締めることにより、電線55と端子50とが圧着されるようになっている。
【0049】次に、ソケット20をコネクタ35に嵌合する際の作用について説明する。先ず、ソケット20のバルブ取付部23にバルブ10を取り付けて、バルブ10がソケット20から抜け出ない状態とする。他方、コネクタ35には、端子収容室37の開口部44から電線付きの端子50を挿入して、端子50が抜け外れない状態とする。
【0050】そして、ソケット20のコネクタ嵌合部30を、コネクタ35の嵌合部に対向させる。通常、ソケット20は、図示しない自動車の取付側に固定されているため、コネクタ35を動かしてソケット20に嵌合させる。コネクタ35をソケット20に押し込むと、バルブ10の端子部16a,17aが前壁40の開口部44を挿通して端子50の中に挿入される。端子部16a,17aは、上下一対の弾性接触片52a,52bを押し広げるようにして奥側に進行する。ソケット20の奥壁がコネクタ35の前壁40に当接することで、端子部16a,17aの進行が停止して、端子部16a,17aと端子50との電気的接続状態が保持され、図示しないバッテリとバルブ10とが通電して、バルブ10が点灯する。
【0051】図4は、本発明に係る自動車用電球の接続構造の第2の実施形態を示したものである。本実施形態と第1の実施形態の同一構成部分については、同一符号を付して説明を省略する。本実施形態が第1の実施形態と相違する点は、バルブ64が二つのフィラメント65,66を備えている点と、図示しないバッテリの負極側と接続する2本のリード線69,70同士が直に接触して1極の端子部69aを形成している点である。
【0052】フィラメント65,66には、明るさを切り替えることができるように、ワット数の異なる2種類のフィラメント65,66が用いられている。このようなバルブ64は、フィラメント65,66を切り替えることで、広がり角度の異なるビーム(例えば、ヘッドライトのロービームとハイビーム)を放出することができる。
【0053】フィラメント65,66の両端部に接続された4本のリード線67,68,69,70の内、2本のリード線67,68はバッテリの正極側と接続し、残りの2本のリード線69,70はバッテリの負極側と接続するようになっている。正極側の2本のリード線67,68の延長部には、それぞれ端子部67a,68aが形成されている。負極側の2本のリード線69,70からは1極の端子部69aが形成されるように、一方のリード線70が内向きに曲げられて他方のリード線69に接続している。
【0054】以前は、負極側と導通する2本のリード線(図示せず)を、ソケットに設けられた中継端子(図示せず)を介して接続して、1極の端子部を形成していたため、ソケットの構造が複雑化するとともに、部品点数が増加してコスト高になるという問題があったが、本実施形態によれば、ソケット20に中継端子を設けないで、負極側と接続する1極の端子部69aを形成することができるため、ソケット71の構造が簡素化し、部品点数が減少して、コストを抑制することができる。
【0055】また、ソケット71は、第1の実施形態のソケット20と異なっていて、3極の端子部67a,68a,69aがコネクタ嵌合部30に突出するように成形されている。ソケット71に嵌合する図示しないコネクタも、第1の実施形態のコネクタ35と異なっていて、3極の雌型の端子が並んで配設された構造となっている。
【0056】図5は、本発明に係る自動車用電球の接続構造の第3の実施形態を示したものである。本実施形態が第1の実施形態と相違する点は、第2の実施形態と同様にして、バルブ74が二つのフィラメント75,76を備えている点と、バッテリの負極側と接続する2本のリード線79,80が導通部83を介して接触して1極の端子部79aを形成している点である。
【0057】負極側の2本のリード線79,80は、バルブ74のベース部12から導出される長さが異なっていて、一方のリード線79は、正極側のリード線77,78と同じ長さに形成されているのに対し、他の一方のリード線80は、一方のリード線79の半分より短い長さに形成されていて、かつリード線80の端部が仕切壁32の中に埋めこまれて仕切壁32からコネクタ嵌合部30側に突出しない長さに形成されている。
【0058】負極側の2本のリード線79,80が、仕切壁32を挿通する部分には、2本のリード線79,80を導通させる導通部83が設けられている。導通部83は、導電性を有する金属をインサート成形にて設けてもよく、導電性を有する樹脂材料を一体的に設けてもよい。導通部83が、負極側の2本のリード線79,80を導通させることで、負極側の端子部79aを1極とすることができる。このため、ソケット81の内側に中継端子を設ける必要がなくなり、ソケット81の構造が簡素化する。
【0059】その他の構成部分については、上述した実施の形態と同様であるため、説明を省略することとする。
【0060】図6は、本発明に係る自動車用電球の接続構造の第4の実施形態を示したものである。本実施形態が第1の実施形態と相違する点は、第2、第3の実施形態と同様にして、バルブ84が二つのフィラメント85,86を備えている点と、バッテリの負極側と接続する2本のリード線89,90が接続し、1本のリード線になっている点である。
【0061】すなわち、2本のリード線89,90の端部は、折り返して重なる1極の端子部89aとなっている。この端子部89aは、他の2極の端子部87a,88aと同じ形状で、同じ長さに形成されている。
【0062】本実施形態によれば、2本のリード線89,90の端部が接続しているから、リード線89,90同士の接触不良を防止でき、電気的接続の信頼性を高めることができる。また、ソケット91の仕切壁32には、3つの挿通孔33,33,33を形成するだけでよいから、ソケット91の構造も簡素化して、成型コストが低減する。
【0063】ソケット91のその他の構成部分やソケット91に嵌合するコネクタ35の構成については、上述した実施の形態と同様であるため、説明を省略することとする。
【0064】
【発明の効果】以上の如く、請求項1又は請求項2記載の発明によれば、ソケットが中継端子を備えていないから、リード線の延長部に形成された端子部がコネクタの端子と直に電気的に接続する。従って、ソケットの構造が簡素化し、ソケットの部品点数が減少してコストが低減するとともに、ソケットの成形が容易化する。また、接点数が減り、接点の電気的接続の信頼性が向上する。
【0065】また、請求項3記載の発明によれば、電源の負極側と接続する2本のリード線同士が直に接続するから、コネクタと接続するリード線の端子部を3極とすることができ、ソケットに中継端子を設けることなく、3極の端子を有する3極コネクタに、二つのフィラメントを有する電球を直に接続することができる。従って、二つのフィラメントを有する電球であっても、請求項1記載の発明と同等の効果を奏し、ソケットの部品点数が減少することにより、コストを低減することができ、また、接点数を減らすことにより、接点の電気的接続の信頼性を向上することができる。
【0066】また、請求項4記載の発明によれば、電源の負極側と接続する2本のリード線が、ソケットに形成された導通部を介して接続するから、ソケットに電球を取り付けるだけで、3極の端子部を形成することができる。従って、請求項2記載の効果に加えて、接点の電気的接続の信頼性がより一層向上する。
【0067】また、請求項5記載の発明によれば、電球のベース部には係止部が設けられ、ソケットには係止部と係合する係合部が設けられているから、ソケットに取り付けられる電球が後抜けすることが防止される。従って、電球の電気的接続性を維持することができる。
【0068】また、請求項6記載の発明によれば、ソケットとコネクタとが不用意に外れることが防止されて、ソケットとコネクタとの嵌合状態が保持される。従って、電球の電気的接続の信頼性が向上する。
【出願人】 【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
【住所又は居所】東京都港区三田1丁目4番28号
【出願日】 平成14年5月17日(2002.5.17)
【代理人】 【識別番号】100060690
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 秀雄 (外3名)
【公開番号】 特開2003−331613(P2003−331613A)
【公開日】 平成15年11月21日(2003.11.21)
【出願番号】 特願2002−142721(P2002−142721)