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【発明の名称】 自動車用信号灯
【発明者】 【氏名】川村 直子
【住所又は居所】東京都目黒区中目黒2−9−13スタンレ−電気株式会社内

【氏名】勝俣 伸一
【住所又は居所】東京都目黒区中目黒2−9−13スタンレ−電気株式会社内

【氏名】松野 浩樹
【住所又は居所】東京都目黒区中目黒2−9−13スタンレ−電気株式会社内

【氏名】田島 政美
【住所又は居所】東京都目黒区中目黒2−9−13スタンレ−電気株式会社内

【要約】 【課題】本発明は、各種配光規格に対応して、何れの配光規格においても良好な点灯フィーリングが得られるようにした、自動車用信号灯を提供することを目的とする。

【解決手段】ハウジング11と、ハウジング内に配設された光源12と、光源からの光ビームを後方に向かって反射させるようにハウジング内面に備えられた多数の微小な凸状のカットを有する凹状の反射面13と、ハウジングの前面全体を覆うと共に、その光源から後方に延びる光軸の外側に位置する一部が光を透過させない反射器を有するカバー14と、を含む自動車用信号灯10において、上記反射面が、後方から見て少なくともカバーの反射器14aに対応する領域についてのみ、各種配光規格をそれぞれ満足するように、各カットの光軸に対する傾斜角度を変えた複数種類の反射部品13aとして、入れ子式に交換可能であるように、自動車用信号灯10を構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 自動車の車体の後部に取り付けられるハウジングと、上記ハウジング内に配設された光源と、上記光源からの光ビームを後方に向かって反射させるようにハウジング内面に備えられた全体として凹状であって、多数の微小な凸状のカットを有する反射面と、上記ハウジングの前面全体を覆うと共に、その光源から後方に延びる光軸の外側に位置する一部が光を透過させない反射器を有するように形成されたカバーと、を含んでいる、自動車用信号灯において、上記反射面が、後方から見て少なくとも反射器に対応する領域についてのみ、各種配光規格をそれぞれ満足する反射特性を有するように、各カットの曲率を変化させずに、各カットの光軸に対する傾斜角度を変えた複数種類の反射部品として、入れ子式に交換可能に構成されていることを特徴とする、自動車用信号灯。
【請求項2】 上記反射部品の各カットが、自動車の後方のストップランプ配光の最小値を増大させるために、光軸に対する傾斜角度が比較的大きく選定されていることを特徴とする、請求項1に記載の自動車用信号灯。
【請求項3】 上記反射部品の各カットが、自動車の後部から外側所定角度方向のテールランプ配光の最大値を低減させるために、光軸に対する傾斜角度が比較的小さく選定されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の自動車用信号灯。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車の後部に設けられて所謂ストップ・テールランプとして使用される自動車用信号灯に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、このような自動車用信号灯は、例えば図3に示すように構成されている。
【0003】図3において、自動車用信号灯1は、所謂ストップ・テールランプとして構成されており、自動車の車体(図示せず)の後部に対して取り付けられるハウジング2と、ハウジング2内に設けられた光源としてのバルブ3と、ハウジング2の内面に備えられた反射面4と、ハウジング2の前面全体を覆うように形成されたカバー5と、から構成されている。
【0004】上記ハウジング2は、バルブ3を前方から包囲するように後方に向かって、例えばバルブ3のフィラメント付近を焦点とする回転放物面を基準として、凹状に形成されている。
【0005】上記反射面4は、バルブ3からの光を反射して自動車の後方に導くように、上記ハウジング2の内面に備えられており、多数の微小反射面から構成されている。ここで、個々の微小反射面は、それぞれ所定の曲率を有する凸状に形成されている。
【0006】上記カバー5は、例えば透光性材料から構成されており、バルブ3を含むハウジング2の内側を密閉するように、ハウジング2の周縁に対して取り付けられている。さらに、上記カバー5は、そのバルブ3から後方に延びる光軸の外側にて、部分的に光を透過させないような凹凸形状を有する反射器5aを備えている。
【0007】このような構成の自動車用信号灯1によれば、バルブ3が点灯することにより、バルブ3から出射した光が、直接に、あるいはハウジング2内面の反射面4により反射された後、後方に進むことにより、カバー5を介して、自動車の車体後方に向かって光ビームを照射するようになっている。その際、反射面4の個々の微小反射面で反射された光は、その凸状の形状に基づいて拡散することにより、後方に対して比較的広い角度範囲に対して照射される。これにより、後方の広い角度範囲からの視認性が確保され得るようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような構成の自動車用信号灯1に関しては、各種配光規格があり、これらの配光規格に対応するために、例えば少なくとも米国向けと欧州・国内向けの仕様を用意する必要がある。これに対して、同一仕様のストップ・テールランプを使用しようとすると、米国向けに、ストップランプ配光の最小値を満足させるように形成した反射面4を、そのまま欧州・国内向けとして使用すると、テールランプ配光の最大値が、欧州・国内の配光規格を越えてしまうことになる。このため、従来は、図4にて符号Aで示すように、上述した反射面4全体を入れ子式に構成して、それぞれの仕様に対応した微小反射面形状を備えた反射面4を用意しておき、仕様毎に、対応した反射面4をハウジング2内に取り付けるようにしている。
【0009】これにより、欧州・国内向け仕様の場合には、反射面4の各微小反射面を図5にて符号4aで示すように、図5にて符号4bで示された米国向け仕様の微小反射面(点線図示)と比較して、曲率を小さくすることにより、反射時の拡散をより広くして、テールランプ配光の最大値を低減させるようにしている。尚、テールランプ配光の最大値は、図3(B)にて後方に対する反射面の幅αに対して、より大きな幅βを有するγ方向となる。
【0010】しかしながら、このような米国向け仕様及び欧州・国内向け仕様においては、後方から見た場合に、反射面4における各微小反射面4a,4bの曲率の違いによる反射時の拡散状態の差から、点灯フィーリングが異なることになってしまう。即ち、米国向け仕様の場合には、図6(A)に示すように、微小反射面4aの曲率が大きいことから、比較的大きな輝点として観察され得るが、欧州・国内向け仕様の場合には、図6(B)に示すように、微小反射面4bの曲率が小さいことから、比較的小さな輝点として観察されることになってしまい、あまり好ましくない。
【0011】本発明は、以上の点から、各種配光規格に対応して、何れの配光規格においても良好な点灯フィーリングが得られるようにした、自動車用信号灯を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明によれば、自動車の車体の後部に取り付けられるハウジングと、上記ハウジング内に配設された光源と、上記光源からの光ビームを後方に向かって反射させるようにハウジング内面に備えられた全体として凹状であって、多数の微小な凸状のカットを有する反射面と、上記ハウジングの前面全体を覆うと共に、その光源から後方に延びる光軸の外側に位置する一部が光を透過させない反射器を有するように形成されたカバーと、を含んでいる、自動車用信号灯において、上記反射面が、後方から見て少なくとも反射器に対応する領域についてのみ、各種配光規格をそれぞれ満足する反射特性を有するように、各カットの曲率を変化させずに、各カットの光軸に対する傾斜角度を変えた複数種類の反射部品として、入れ子式に交換可能に構成されていることを特徴とする、自動車用信号灯により、達成される。
【0013】本発明による自動車用信号灯は、好ましくは、上記反射部品の各カットが、自動車の後方のストップランプ配光の最小値を増大させるために、光軸に対する傾斜角度が比較的大きく選定されている。
【0014】本発明による自動車用信号灯は、好ましくは、上記反射部品の各カットが、自動車の後部から外側所定角度方向のテールランプ配光の最大値を低減させるために、光軸に対する傾斜角度が比較的小さく選定されている。
【0015】上記構成によれば、反射面の後方から見て少なくとも反射器に対応する領域についてのみ、各種配光規制に対応した傾斜角度のカットを備えた反射部品を、ハウジングに入れ子式に装着することにより、共通のハウジング及びカバーを使用して、各種配光規制に対応する自動車用信号灯を構成することができるので、自動車用信号灯全体のコストを低減することができる。
【0016】ここで、何れの種類の反射面を装着した場合であっても、光源から当該反射部品の各カットで反射される光は、何れの種類の反射面における各カットの曲率も同じであることから、同様に拡散されることになる。また、反射部品が後方から見えないので、何れの種類の反射面の場合にも、複数種類の反射部品の交換による点灯フィーリングは変化せず、何れの反射部品においても良好な点灯フィーリングが得られることになると共に、入れ子式の部分が小さくて済むので、コストが低減され得ることになる。
【0017】上記反射部品の各カットが、自動車の後方のストップランプ配光の最小値を増大させるために、光軸に対する傾斜角度が比較的大きく選定されている場合には、光源から各カットに入射した光が、各カットの比較的大きな傾斜角度に基づいて、全体としてやや後方から外側所定角度方向に向かって反射され、拡散されるので、自動車の後方のストップランプ配光の最小値を十分に満足させることができる。
【0018】上記反射部品の各カットが、自動車の後部から外側所定角度方向のテールランプ配光の最大値を低減させるために、光軸に対する傾斜角度が比較的小さく選定されている場合には、光源から各カットに入射した光が、各カットの比較的小さな傾斜角度に基づいて、全体としてやや後方に向かって反射され、拡散されるので、外側所定角度方向の配光が低減されることになり、自動車の後方のテールランプ配光の最大値を低減させることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施形態を図1乃至図2を参照しながら、詳細に説明する。尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0020】図1は、本発明による自動車用信号灯の一実施形態の構成を示している。図1において、自動車用信号灯10は、所謂ストップ・テールランプとして構成されており、自動車の車体(図示せず)の後部に対して取り付けられるハウジング11と、ハウジング11内に設けられた光源としてのバルブ12と、ハウジング11の内面に備えられた反射面13と、ハウジング11の前面全体を覆うように形成されたカバー14と、から構成されている。
【0021】上記ハウジング11は、バルブ12を前方から包囲するように後方に向かって、例えばバルブ12のフィラメント付近を焦点とする回転放物面を基準として、凹状に形成されている。
【0022】上記反射面13は、バルブ12からの光を反射して自動車の後方に導くように、上記ハウジング11の内面に備えられており、多数の微小反射面から構成されている。ここで、個々の微小反射面は、それぞれ所定の曲率を有する凸状に形成されている。
【0023】上記カバー14は、例えば透光性材料から構成されており、バルブ12を含むハウジング11の内部を保護するために、その周縁がハウジング11の周縁に対して溶着等によって取り付けられることにより、ハウジング11の内部空間を密閉している。さらに、上記カバー14は、そのバルブ12から後方に延びる光軸の外側にて、部分的に光を透過させないような凹凸形状を有する反射器14aを備えている。
【0024】以上の構成は、図3に示した従来の自動車用信号灯1とほぼ同様の構成であるが、本発明実施形態による自動車用信号灯10においては、反射面13が異なる構成になっている。即ち、上記反射面13は、後方から見て、カバー14の反射器14aに対応する領域の一部が、入れ子式に交換可能な反射部品13aとして構成されている。
【0025】この反射部分13aは、それぞれ各種配光規制に対応するように構成された複数種類が用意されており、これらの反射部分13aのうち、適宜の種類の反射部分13aをハウジング11に対して入れ子式に装着することにより、当該反射部分13aが対応する配光規制に適合した自動車用信号灯10が構成され得ることになる。
【0026】ここで、例えば米国向け仕様では、上記反射部分13aは、図2(A)に示すように、各カットがハウジング11の内面に沿って、即ちバルブ12から後方に延びる光軸に対して比較的大きな傾斜角度で形成されている。これにより、バルブ12から各カットに入射した光は、全体として基本的に外側所定方向(後述するγ方向)に向かって反射され、拡散されるようになっている。
【0027】これに対して、例えば欧州・国内向け仕様では、上記反射部分13aは、図2(B)に示すように、各カットがハウジング11の内面からやや後方に向くように、即ちバルブ12から後方に延びる光軸に対して比較的小さな傾斜角度で形成されている。これにより、バルブ12から各カットに入射した光は、全体として基本的に後方に向かって反射され、拡散される。
【0028】本発明実施形態による自動車用信号灯10は、以上のように構成されており、バルブ12が給電されることにより点灯する。そして、バルブ12から出射した光は、一部が直接に、また一部は反射面13でそれぞれ反射されて、カバー14を介して後方に照射される。その際、反射面13の各カットにて、バルブ12からの入射光は、カットの凸状の形状に基づいて拡散して反射され、バルブ12から後方に延びる光軸に関して、横方向及び縦方向に関して拡散して照射されることにより、配光規格を満足するようになっている。
【0029】ここで、入れ子式に装着された反射部品13aが図2(A)に示す米国向け仕様の反射部品である場合には、反射部品13aの各カットにて、バルブ12からの入射光は、カットにより基本的に外側所定方向(γ方向)に向かって反射されることになり、ストップランプ配光の後方の最小値を満足して、米国の配光規格を満たすようになっている。
【0030】これに対して、入れ子式に装着された反射部品13aが図2(B)に示す欧州・国内向け仕様の反射部品である場合には、反射部品13aの各カットにて、バルブ12からの入射光は、カットにより基本的に後方に向かって反射されることになり、テールランプのγ方向の最高値を低減させて、欧州・国内の配光規格を満たすようになっている。
【0031】この場合、上記反射部品13aは、その各カットの曲率が、米国仕様の反射部品13aと同じ曲率であるので、バルブ12からの入射光の拡散範囲が同じになり、点灯フィーリングが変わることはなく、良好な点灯フィーリングが得られることになる。さらに、上記反射部品13aは、後方から見たとき、カバー14の反射器14aに対応していることから観察され得ないので、米国仕様の反射部品13aが装着されている場合と点灯フィーリングが変化してしまうことはなく、良好な点灯フィーリングが得られることになる。
【0032】このようにして、本発明実施形態による自動車用信号灯10によれば、バルブ12からの光は、それぞれ直接にまたは反射面13で反射されて、自動車の後方に向かって拡散して照射されると共に、各種配光規格に対応して傾斜角度が変更された多数の微小なカットを有する反射部品13aにより、自動車の後方に向かって拡散して照射される。これにより、反射部品13aにより反射・拡散される光は、その傾斜角度に応じて、基本的に後方に向かって外側所定角度方向に照射されて、例えば後方における米国の配光規格におけるストップランプ配光の最小値を満たし、あるいはテールランプ配光の最高値を低減させて、欧州・国内の配光規格におけるテールランプの最高値を満たすようになっている。
【0033】上述した実施形態においては、自動車用信号灯として、ストップ・テールランプの場合について説明したが、これに限らず、例えばストップランプ及びテールランプを含む所謂コンビネーションランプ等の自動車用信号灯に本発明を適用し得ることは明らかである。また、上述した実施形態においては、反射部品13aは、米国仕様及び欧州・国内仕様の二種類について説明したが、これに限らず、反射部品13aは、三種類以上の複数の仕様について、それぞれ互いに異なる反射特性を有するように、後方に延びる光軸に対して異なる傾斜角度のカットを有するように形成されていてもよい。
【0034】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、反射面の後方から見て少なくとも反射器に対応する領域についてのみ、各種配光規制に対応した傾斜角度のカットを備えた反射部品を、ハウジングに入れ子式に装着することにより、共通のハウジング及びカバーを使用して、各種配光規制に対応する自動車用信号灯を構成することができるので、自動車用信号灯全体のコストを低減することができる。ここで、何れの種類の反射面を装着した場合であっても、光源から当該反射部品の各カットで反射される光は、何れの種類の反射面における各カットの曲率も同じであることから、同様に拡散されることになる。また、反射部品が後方から見えないので、何れの種類の反射面の場合にも、複数種類の反射部品の交換による点灯フィーリングは変化せず、何れの反射部品においても良好な点灯フィーリングが得られることになると共に、入れ子式の部分が小さくて済むので、コストが低減され得ることになる。このようにして、本発明によれば、テールランプ配光の最大値を低減させても、良好な点灯フィーリングが得られるようにした、自動車用信号灯が提供され得る。
【出願人】 【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
【住所又は居所】東京都目黒区中目黒2丁目9番13号
【出願日】 平成14年5月14日(2002.5.14)
【代理人】 【識別番号】100079094
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 輝緒
【公開番号】 特開2003−331609(P2003−331609A)
【公開日】 平成15年11月21日(2003.11.21)
【出願番号】 特願2002−137924(P2002−137924)