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【発明の名称】 車両用灯具
【発明者】 【氏名】村上 友一
【住所又は居所】静岡県清水市北脇500番地 株式会社小糸製作所静岡工場内

【要約】 【課題】リフレクターへのシェードの取着が簡単でその取着部にがたが発生しない車両灯具を提供すること。

【解決手段】ランプボディ10と前面レンズ11で画成した灯室S内に、光源22を装着したリフレクター20が収容され、リフレクター20にその脚部を取着したシェード30が光源22の前方に配置された車両用灯具において、シェード30の脚部を、光源22を挟んで後方に延出する一対の脚36,38で構成し、一方の脚36をリフレクター20にねじ締結し、他方の脚38の先端部に、左右の肩部37a,37bから延出する略L字型の係合片38を設け、係合片38のL字縦棒状部領域38aのL字横棒状部領域38bまでの前後長さHを係合孔24の前後長さhにほぼ等しくして、係合片38が係合孔24の周縁部25に係合して抜け止め保持される。係合片38を回動しながら係合孔24に挿入すると、スムーズに挿入でき、挿入された係合片38のL字横棒状部領域38bが肩部37a,37bと協働して係合孔24の周縁部を前後方向に挟持し、脚36が係合孔に対しがたなく抜け止め保持される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ランプボディと前面レンズで画成された灯室内には、光源を装着したリフレクターが収容され、前記光源の前方には、前記リフレクターにその脚部を取着したシェードが配置された車両用灯具において、前記シェードの脚部は、前記光源を挟んでそれぞれ後方に延出する一対の脚で構成され、一方の脚は前記リフレクターにねじ締結され、他方の脚の先端部には、肩部から略L字型の係合片が延出形成されるとともに、前記肩部から係合片のL字横棒状部領域までの前後長さが前記リフレクター側の係合孔の前後長さにほぼ等しく形成されて、係合片が係合孔の周縁部に係合して抜け止め保持されることを特徴とするリフレクター可動型ヘッドランプ。
【請求項2】 前記係合片の付け根部の幅が前記リフレクター側の係合孔の幅にほぼ等しく形成されるとともに、前記係合片のL字コーナ部外側が斜めにカットされて、前記係合片を係合孔に挿入できるように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の車両灯具。
【請求項3】 前記肩部は前記係合片の左右に設けられるとともに、前記係合片のL字横棒状部領域と対向する肩部と反対側の肩部が、係合片延出方向と直交する方向に対し傾斜するいかり肩形状に形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の車両灯具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脚部をリフレクターに取着することで光源の前方に配置できるシェードを備えた車両用灯具に係り、特にシェードの脚部が後方に延出する一対の脚で構成され、一方の脚がリフレクターにねじ締結され、他方の脚がリフレクター側の係合孔に係合して抜け止めされる構造の車両灯具に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の灯具としては、図7に示されるように、リフレクター1に装着された光源4の前方にシェード6が配置されている。シェード6には一対の脚7a,7bが設けられており、一方の脚7aはリフレクター1にねじ締結され、他方の脚7bはリフレクター1側の係合孔2に係合保持されている。そして振動などで脚7bが係合孔2に対しがたつかないように、脚7bの先端部7b1を折り曲げるようにしている。
【0003】
【発明の解決しようとする課題】しかし前記した従来技術では、係合孔2に挿入した脚7bの先端部を折り曲げる工程が必要で、それだけシェード6の取着に時間がかかるという問題があった。また、脚7bの先端部7b1を予め折り曲げた形状に成形しておくことで、脚挿入後の折り曲げ工程を省くことができるが、脚7bの係合孔2への係合(挿入)が困難となるため実現できなかった。
【0004】本発明は前記従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、リフレクターへのシェードの取着が簡単で取着部にがたが発生しない車両灯具を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するために、請求項1に係る車両灯具においては、ランプボディと前面レンズで画成された灯室内には、光源を装着したリフレクターが収容され、前記光源の前方には、前記リフレクターにその脚部を取着したシェードが配置された車両用灯具において、前記シェードの脚部を、前記光源を挟んでそれぞれ後方に延出する一対の脚で構成し、一方の脚を前記リフレクターにねじ締結し、他方の脚の先端部には、肩部から略L字型の係合片を延出形成するとともに、前記肩部から係合片のL字横棒状部領域までの前後長さを前記リフレクター側の係合孔の前後長さにほぼ等しく形成して、係合片が係合孔の周縁部に係合して抜け止め保持されるように構成した。
(作用)係合片を回動しながらリフレクター側の係合孔に挿入することで、係合片を係合孔にスムーズに挿入でき、挿入された係合片のL字横棒状部領域が肩部と協働して係合孔の周縁部を前後方向に挟持し、脚が係合孔に対しがたなく抜け止め保持される。
【0006】請求項2においては、請求項1記載の車両灯具において、前記係合片の付け根部の幅を前記リフレクター側の係合孔の幅にほぼ等しく形成するとともに、前記係合片のL字コーナ部外側を斜めにカットして、前記係合片を係合孔に挿入できるように構成した。
(作用)係合片を回動しながらリフレクター側の係合孔に挿入するに際し、係合片のL字コーナ部外側が挿入の邪魔になるが、挿入の邪魔をするL字コーナ部外側を斜めにカットすることで、係合片のスムーズな挿入が可能となる。
【0007】係合片付け根部の左右の側縁部がリフレクター側の係合孔の内周面に当接して、係合片が係合孔に対し左右方向がたなく保持される。
【0008】請求項3においては、請求項1または2に記載の車両用灯具において、前記肩部を前記係合片の左右に設けるとともに、前記係合片のL字横棒状部領域と対向する肩部と反対側の肩部を、係合片延出方向と直交する方向に対し傾斜するいかり肩形状に形成するようにした。
(作用)いかり肩形状の肩部では、肩部の先端部だけが係合孔の周縁部に当接して、ほぼL字型の係合片が係合孔の周縁部に係合する際の寸法上の誤差を吸収する。また、係合片のL字横棒状部領域と左右の肩部が協働して係合孔の周縁部を前後方向に挟持するが、いかり肩形状の肩部では鋭角状の肩部先端だけが係合孔周縁部に当接して、係合片における係合孔周縁部の挟持力を高めるべく作用する。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。
【0010】図1〜図6は本発明の一実施例を示すもので、図1は本発明の一実施例であるフォグランプの正面図、図2は同フォグランプの水平面図(図1に示す線II−IIに沿う断面図)、図3は同フォグランプの縦断面図(図1に示す線III−IIIに沿う断面図)、図4は要部であるシェードの拡大斜視図、図5は脚先端の係合片がリフレクター側の係合孔に係合した状態の断面図、図6は係合片がリフレクター側の係合孔に係合する様子を説明する図である。
【0011】これらの図において、本実施例のランプは、フロントバンパーBの開口部B1内に収容される、上下に低く左右に長い形状のフォグランプで、容器状のランプボディ10の前面開口部に前面レンズ11が組み付けられて灯室Sが画成され、灯室S内には、エイミング機構を構成する1本のエイミングスクリュー14と2個の玉継手16,18によって、光源を装着したリフレクター20が傾動可能に支持されている。
【0012】エイミングスクリュー14は、ランプを正面視した車両幅方向内側寄りの下方位置において、ランプボディ10の背面壁に設けられたスクリュー挿通孔(図示せず)に回転可能に支承されて前方に延出し、スクリュー14の前端部はリフレクター20の裏側に嵌着されたナット15(図1参照)に螺合している。玉継手16,18は、ランプボディ10の背面壁に突設された玉部16a(18a)と、リフレクター20の裏側のブラケットに嵌着された玉部支承用の玉受け部16b(18b)で構成された構造で、正面視同一レベルに設けられている(図1,2参照)。
【0013】そして、スクリュー14の回動によりナット15がスクリュー14に沿って進退して、リフレクター20が玉継手16,18を通る水平軸Lx回りに傾動し、これによってランプの光軸Lを上下方向に調整(エイミング)できる。
【0014】エイミング機構に支持されているリフレクター20の前面には、有効多重反射面21が形成され、リフレクター20後頂部のバルブ挿着孔20aには、光源であるバルブ22が装着されている。
【0015】また、バルブ22の前方には、リフレクター20にその脚部を取着した金属製のシェード30が配置されている。シェード30は、リフレクター20の有効多重反射面21以外の領域に向かう光をカットしてグレア光の発生を阻止するためのもので、バルブ22の前方に配置されるキャップ型のシェード本体32と、シェード本体32からそれぞれ後方に延出する一対の脚34,36とを備えて構成されている。
【0016】脚34,36は、バルブ22を挟んで上下に対向するように設けられ、上側の脚34の先端部35は外側上方にほぼ直角に屈曲して、リフレクター20側のボス孔22にねじ23によって締結される。一方、下側の脚36の先端部には、左右の肩部37a,37bから略L字型の係合片38が延出形成されて、この係合片38がリフレクター20側の係合孔24に係合して抜け止め保持される。
【0017】即ち、略L字型の係合片38は、図5に拡大して示すように、左右の肩部37a,37bに連続する付け根側のL字縦棒状部領域38aと、先端側のL字横棒状部領域38bから構成されている。そして、肩部37a,37bからL字横棒状部領域38bまでの前後長さHが係合孔24の前後長さhにほぼ等しく形成されており、係合孔24に挿入された係合片38は、L字横棒状部領域38bと肩部37a,37bが係合孔24の周縁部25を前後方向に挟持することで、前後方向にがたつくことなく抜け止め保持される。
【0018】また、係合片38におけるL字縦棒状部領域38a付け根部38a1の幅Dが係合孔24の幅dにほぼ等しく形成されており、係合孔24に挿入されたL字縦棒状部領域付け根部38a1が係合孔24の内周面に当接して、係合片38が係合孔24に対し左右方向にも、がたなく保持される。
【0019】また、係合片38のL字コーナ部外側が符号38cに示すように斜めにカットされて、ほぼL字型の係合片38をスムーズに係合孔24に挿入係合できるように構成されている。即ち、図5仮想線に示すような直角コーナ部をもつ係合片38'をリフレクター側の係合孔24に挿入するには、係合片38'を真っ直ぐに挿入する場合は勿論、たとえ係合片を回動しながら挿入しても、係合片のL字直角コーナ部外側が挿入の邪魔になる。しかるに本実施例では、挿入の邪魔をするL字コーナ部外側が符号38cに示すように斜めにカットされており、これによって、図6矢印Aに示すように、斜めカット部38cが係合孔24の開口方向(前後方向)と一致するように、係合孔24に対し斜めに係合片38を挿入し、L字横棒状部領域38b先端部が係合孔24を通過した時点で、図6矢印Bに示すように、係合片38を回動させつつ挿入することで、係合片38を係合孔24にスムーズに係合させることができる。
【0020】また、係合孔24の周縁部に係合するL字横棒状部38bの側縁部38b1は、図5に示すように、係合片延出方向Xと直交する方向Yに対して僅かに(θ1だけ)傾斜した形状に形成され、L字横縦状部領域38a付け根部の側縁部38a1が係合片延出方向Xに対して僅かに(θ2だけ)傾斜した形状に形成されて、係合片38を回動させて係合孔24に係合させ易いようになっている。
【0021】また、L字横棒状部38b非形成側の肩部(L字横棒状部38bの側縁38b1と対向する肩部37aと反対側の肩部)37bは、係合片延出方向Xと直交する方向Yに対して僅かに(θ3だけ)傾斜するいかり肩形状に形成されており、いかり肩形状の肩部37bでは、肩部の先端部37b1だけが係合孔周縁部に当接して、係合片38と係合孔24の寸法上の誤差が吸収されて、係合片38と係合孔24間の適正な係合が確保される。さらに、係合片のL字横棒状部領域38bと左右の肩部37a,37bが協働して係合孔周縁部25を前後方向に挟持するが、いかり肩形状の肩部37bでは鋭角状の肩部先端37b1だけが係合孔周縁部25に当接して、係合片38における係合孔周縁部25の挟持力が高められて、係合片38の抜け止め保持が確保されて、それだけ脚36の取り付け強度が高くなっている。
【0022】また、前記した実施例では、光源を挟んで上下に対向する上側の脚34がリフレクター20にねじ締結され、下側の脚36が係合孔24に係合して抜け止め保持されているが、下側の脚36がリフレクターにねじ締結され、上側の脚34が係合孔に係合して抜け止め保持された構造であってもよい。
【0023】また、前記した実施例では、ねじ締結される脚と係合孔に係合して抜け止め保持される脚が光源を挟んで上下に対向して設けられているが、光源を挟んで左右方向や斜め方向に対向して設けられていてもよい。
【0024】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項1に係る車両用灯具によれば、シェードをリフレクターに取着するには、一方の脚先端(係合片)を係合孔に挿入し、他の脚をリフレクターにねじ締結するだけでよいので、シェードのリフレクターへの取着が簡単である。
【0025】また、脚先端の係合片が係合孔に対しがたなく抜け止め保持されて、シェードがリフレクターに対しがたつかないので、振動により配光がぶれるなどの不具合もない。
【0026】請求項2によれば、係合片形成側の脚を係合孔にスムーズに係合させることができるので、シェードのリフレクターへの取着が非常に簡単である。
【0027】また、脚先端の係合片が係合孔に対し左右方向にがたなく保持されて、シェードがリフレクターに対し全くがたつかないので、振動により配光がぶれるなどの不具合が全くない。
【0028】請求項3によれば、係合片による係合孔周縁部の挟持力が大きいので、シェードがリフレクターに対しより一層がたつかないように保持されて、配光がぶれるなどの不具合が一掃される。
【出願人】 【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
【住所又は居所】東京都港区高輪4丁目8番3号
【出願日】 平成14年3月13日(2002.3.13)
【代理人】 【識別番号】100087826
【弁理士】
【氏名又は名称】八木 秀人
【公開番号】 特開2003−272419(P2003−272419A)
【公開日】 平成15年9月26日(2003.9.26)
【出願番号】 特願2002−67892(P2002−67892)