| 【発明の名称】 |
車両用ヘッドランプユニット及び該ヘッドランプユニットを備えた車両用ヘッドライト |
| 【発明者】 |
【氏名】宇井 孝廣 【住所又は居所】群馬県前橋市西善町2004番地 アサヒライズ株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】ハイビーム用フィラメントとロービーム用フィラメントとが光軸Zとほぼ垂直方向の互い異なる位置に設けられているハロゲン電球と互換性を有しており、ロービーム/ハイビームの正しい配光を得ることができる車両用ヘッドランプユニット及びこのヘッドランプユニットを備えた車両用ヘッドライトを提供する。
【解決手段】車両用ヘッドランプユニットは、放電ランプと、この放電ランプが装着されているソケットと、このソケットを支持しており、ハイビーム用フィラメント及びロービーム用フィラメントを備えたハロゲン電球の口金と互換性を有する口金と、ハイビーム及びロービームに対応し、ソケットを放電ランプの光軸を傾けることなく車両用ヘッドランプユニットの光軸に対して垂直方向に平行移動可能な移動手段とを備えている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 放電ランプと、該放電ランプが装着されているソケットと、該ソケットを支持しており、ハイビーム用フィラメント及びロービーム用フィラメントを備えたハロゲン電球の口金と互換性を有する口金と、ハイビーム及びロービームに対応し、前記ソケットを前記放電ランプの光軸を傾けることなく当該車両用ヘッドランプユニットの光軸に対して垂直方向に平行移動可能な移動手段とを備えたことを特徴とする車両用ヘッドランプユニット。 【請求項2】 前記移動手段が、前記放電ランプの発光部の位置を前記ハイビーム用フィラメント及び前記ロービーム用フィラメントの位置にそれぞれ対応する位置間で直線的に移動するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用ヘッドランプユニット。 【請求項3】 前記移動手段が、前記互換性を有する口金と一体的に形成された筒状ハウジング内に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用ヘッドランプユニット。 【請求項4】 前記移動手段が、当該車両用ヘッドランプユニットの光軸と平行な方向に摺動自在な第1の摺動部材と、該第1の摺動部材を当該車両用ヘッドランプユニットの光軸と平行な方向に駆動する駆動手段と、前記ソケットと一体的に形成されており当該車両用ヘッドランプユニットの光軸と垂直な方向に摺動自在な第2の摺動部材と、前記第1の摺動部材の当該車両用ヘッドランプユニットの光軸と平行な方向の摺動を前記第2の摺動部材の当該車両用ヘッドランプユニットの光軸と垂直な方向の摺動に変換する変換手段とを備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の車両用ヘッドランプユニット。 【請求項5】 前記変換手段が、前記第2の摺動部材に形成されており前記垂直な方向及び前記平行な方向を含む平面内で当該車両用ヘッドランプユニットの光軸に対して傾斜する方向に伸長する少なくとも1つのスリットと、前記第1の摺動部材に設けられており前記少なくとも1つのスリット内を摺動自在な少なくとも1つのピンとを含んでいることを特徴とする請求項4に記載の車両用ヘッドランプユニット。 【請求項6】 前記変換手段が、前記第1の摺動部材に形成されており前記垂直な方向及び前記平行な方向を含む平面内で当該車両用ヘッドランプユニットの光軸に対して傾斜している少なくとも1つの第1の摺動面と、前記第2の摺動部材に形成されており前記垂直な方向及び前記平行な方向を含む平面内で当該車両用ヘッドランプユニットの光軸に対して傾斜していて前記少なくとも1つの第1の摺動面と摺動する少なくとも1つの第2の摺動面とをさらに含んでいることを特徴とする請求項5に記載の車両用ヘッドランプユニット。 【請求項7】 前記少なくとも1つの第1の摺動面及び前記少なくとも1つの第2の摺動面が、前記少なくとも1つのスリット及び前記少なくとも1つのピンより前方に設けられていることを特徴とする請求項6に記載の車両用ヘッドランプユニット。 【請求項8】 前記駆動手段が、前記第1の摺動部材の後方に設けられたソレノイドであることを特徴とする請求項4から7のいずれか1項に記載の車両用ヘッドランプユニット。 【請求項9】 前記口金に固着されており、前記放電ランプから放射される光の一部を遮光する第1のシェードをさらに備えたことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の車両用ヘッドランプユニット。 【請求項10】 前記第1のシェードの先端部に脱着自在に取り付けられており、前記放電ランプから前方に放射される光の一部を遮光する第2のシェードをさらに備えたことを特徴とする請求項9に記載の車両用ヘッドランプユニット。 【請求項11】 前記互換性を有する口金が、HB−5タイプのハロゲン電球の口金と互換性を有する口金であることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の車両用ヘッドランプユニット。 【請求項12】 反射鏡と、該反射鏡の前方に設けられたレンズと、発光部が前記反射鏡の前方に位置するように装着された請求項1から11のいずれか1項に記載の車両用ヘッドランプユニットとを備えていることを特徴とする車両用ヘッドライト。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、放電ランプを光源とする車両用ヘッドランプユニット及びこのヘッドランプユニットを備えた車両用ヘッドライトに関する。なお、本明細書において、車両用ヘッドライトとは光源部分、反射鏡及びレンズなどを含んだ灯具と称されるいわゆる車両用前照灯であり、車両用ヘッドランプユニットとは車両用ヘッドライト内に装着される光源部分であり、ハロゲン電球の場合はそのハロゲンバルブ、口金及びソケットなどを含み、放電ランプの場合は、放電ランプバルブ、口金、ソケット、移動機構、シェード(必要に応じて)及びハウジングなどを含んでいる。 【0002】 【従来の技術】現在の車両用ヘッドライトは、消費電力35〜60W、約20ルーメン/ワットの高効率で点光源に近いハロゲン電球(よう素電球)の周りに反射鏡を配設することにより高精度に集光したプロジェクタ式ヘッドライトやマルチリフレクタ式ヘッドライトが主流である。 【0003】プロジェクタ式ヘッドライトは規格化されたPE(poiyellipsoid;多楕円体)反射鏡又はDE(three dimensional ellipsoid;三次元楕円体)反射鏡を用いており、マルチリフレクタ式ヘッドライトはMS(mulch surface)反射鏡を用いている。 【0004】ヘッドライト用のハロゲン電球は、特別の絶縁手段を必要としない12V又は24Vという低い印加電圧で点灯し、平均寿命は400時間程度である。ハロゲン電球には、その形状の相違から、H−1タイプ、HB−1タイプ、H−4タイプ、HB−4タイプ、HB−5タイプ及びH−7タイプ等と称される複数種類の仕様があり、各仕様について口金(プラスチック製、セラミック製等)の形状及び寸法が規格化されている。 【0005】ハロゲン電球を光源とする車両用ヘッドライトにおいて、ハイビーム/ロービームの切り替えは、従来は、2つのハロゲン電球をハイビーム用反射鏡及びロービーム用反射鏡の中心にそれぞれ配設しこれらを選択的に点灯することによって行われていた。近年は、H−4タイプ、HB−1タイプ及びHB−5タイプのように1つのハロゲン電球の中にハイビーム用及びロービーム用の2つのフィラメントを互いに数ミリ離れた位置に併設し、これらを選択的に点灯させることが行われている。即ち、ハイビームの場合はハイビーム用フィラメントのみを点灯し、反射鏡でハイビームの配光を実現し、ロービームの場合は位置の異なるロービーム用フィラメントのみを点灯し、同じ反射鏡による集光の度合いを変えることで最適なロービームの配光を実現している。 【0006】図1の(A)及び(B)はハイビーム用及びロービーム用の2つのフィラメントを有するHB−1タイプのハロゲン電球の軸断面図及び側面図であり、図2はこのハロゲン電球をソケットに装着しさらに口金に固着した状態を示す側面図である。 【0007】これらの図に示すように、HB−1タイプのハロゲン電球10はガラスカプセル11内にハイビーム用フィラメント12とロービーム用フィラメント13とを備えており、これらハイビーム用フィラメント12及びロービーム用フィラメント13は光軸Zとほぼ垂直方向の互い異なる位置に設けられている。このハロゲン電球10は専用のソケット14に装着されそのソケット14は専用の口金15に固着されている。ガラスカプセル11の先端部には、グレア防止用の黒色の遮光塗料16が塗布されている。さらに、図2に示されているように、ロ金15の後方には2つのフィラメント用の3本の電極17(マイナス電極は共通)が配設され、図示されていないコネクタとグランドとによって点灯回路に電気的に接続される。 【0008】図3の(A)及び(B)は同じくハイビーム用及びロービーム用の2つのフィラメントを有するHB−5タイプのハロゲン電球の軸断面図及び側面図である。 【0009】これらの図に示すように、HB−5タイプのハロゲン電球30もガラスカプセル31内にハイビーム用フィラメント32とロービーム用フィラメント33とを備えており、これらハイビーム用フィラメント32及びロービーム用フィラメント33は光軸Zとほぼ垂直方向の互い異なる位置に設けられている。ガラスカプセル31の先端部には、グレア防止用の黒色の遮光塗料36が塗布されている。 【0010】上述したハロゲン電球10及び30の何れにおいても、ハイビーム用フィラメント12及び32とロービーム用フィラメント13及び33とは、光軸Zにほぼ垂直な方向に数mmだけ互いに離れた位置にある。ただし、HB−1タイプのハロゲン電球10では、各フィラメントのコイルは光軸Zに垂直な方向に伸長しており、その長さは5mm程度である。また、HB−5タイプのハロゲン電球30では、各フィラメントのコイルは光軸Zに平行な方向に伸長しており、その長さは5mm程度である。 【0011】最近、ハロゲン電球を用いた車両用ヘッドライトに替わる次世代の車両用ヘッドライトとして高輝度放電ランプ(HIDランプ)を光源とするヘッドランプユニットの採用が検討されてきており、一部では実用段階にある。 【0012】この種の車両用ヘッドランプユニットに用いられる放電ランプは、約2万Vと高電圧で点灯し、例えば約l00ルーメン±15%/ワットと高効率で光を放射する。従って、ハロゲン電球よりも約2倍の大きな光束を得ることができ、かつ消費電力が35W程度ですみ、さらに寿命も4倍以上なので、省エネルギに最適であり、車両用ヘッドライトとして非常に理想的な光源といえる。 【0013】しかしながら、この種の放電ランプは、(1)H4タイプ、HB−1タイプ及びHB−5タイプのハロゲン電球のように、ランプ自身の中に2つの光源を設けるのは不可能である、(2)2つの別個の放電ランプを反射鏡の中央近傍に設けることはスペース的に困難であると共に反射鏡の構成も難しくコストも割高になる、(3)ハロゲン電球に代えてそのまま放電ランプを使用するのでは新たにグレア(眩しさ)防止対策が必要となるなどの問題点を有している。 【0014】本願出願人は、特許文献1において、放電ランプを用いた車両用ヘッドライトのハイビーム/ロービームを、放電ランプ近傍に配置したシェードと放電ランプとの相対的位置を光軸と平行に移動させるか回転移動させることによって切り替える構造を提案している。 【0015】 【特許文献1】特開2001−35211号公報【0016】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特許文献1に示した構造は、HB−5タイプやHB−1タイプのハロゲン電球のように、ハイビーム用フィラメントとロービーム用フィラメントとが光軸Zとほぼ垂直方向の互い異なる位置に設けられているハロゲン電球とは互換性がない。即ち、シェードと放電ランプとの相対的位置を光軸と平行に移動させる構造では光源の位置がフィラメント位置と異なってしまうので互換性がないことは当然であり、シェードと放電ランプとの相対的位置を回転移動させる構造の場合も放電ランプの光軸方向が変化してしまうので配光特性がハロゲン電球の場合と変わってしまうから互換性がない。 【0017】また、ハロゲン電球は、図1の(B)、図2及び図3の(B)に示したように、ガラスカプセルの先端部に黒色の遮光塗料が塗布されており、光軸Z方向への光を遮光してグレア防止対策が施されているが、放電ランプではその形状及び寸法ゆえにハロゲン電球のように遮光塗料をランプに塗布してグレア防止を図ることは困難である。 【0018】従って本発明の目的は、ハイビーム用フィラメントとロービーム用フィラメントとが光軸Zとほぼ垂直方向の互い異なる位置に設けられているハロゲン電球と互換性を有しており、ロービーム/ハイビームの正しい配光を得ることができる、放電ランプを光源とする車両用ヘッドランプユニット及びこのヘッドランプユニットを備えた車両用ヘッドライトを提供することにある。 【0019】本発明の他の目的は、容易にグレア防止を実現することができる、放電ランプを光源とする車両用ヘッドランプユニット及びこのヘッドランプユニットを備えた車両用ヘッドライトを提供することにある。 【0020】 【課題を解決するための手段】本発明によれば、放電ランプと、この放電ランプが装着されているソケットと、このソケットを支持しており、ハイビーム用フィラメント及びロービーム用フィラメントを備えたハロゲン電球の口金と互換性を有する口金と、ハイビーム及びロービームに対応し、ソケットを放電ランプの光軸を傾けることなく車両用ヘッドランプユニットの光軸に対して垂直方向に平行移動可能な移動手段とを備えた車両用ヘッドランプユニットが提供される。 【0021】さらに本発明によれば、反射鏡と、反射鏡の前方に設けられたレンズと、発光部が反射鏡の前方に位置するように装着された車両用ヘッドランプユニットとを備えており、車両用ヘッドランプユニットが、放電ランプと、放電ランプが装着されているソケットと、このソケットを支持しており、ハイビーム用フィラメント及びロービーム用フィラメントを備えたハロゲン電球の口金と互換性を有する口金と、ハイビーム及びロービームに対応し、ソケットを放電ランプの光軸を傾けることなく車両用ヘッドランプユニットの光軸に対して垂直方向に平行移動可能な移動手段とを備えている車両用ヘッドライトが提供される。 【0022】口金がハイビーム用フィラメント及びロービーム用フィラメントを備えたハロゲン電球の口金と互換性を有しており、ハイビーム及びロービームに対応してソケット及びこれに装着されている放電ランプを放電ランプの光軸を傾けることなく車両用ヘッドランプユニットの光軸に対して垂直方向に平行移動可能であるため、ハロゲン電球を光源とする現行の車両用ヘッドライトに、そのハロゲン電球に代えてそのまま適用でき、しかもハイビーム/ロービームの配光制御もハロゲン電球と同様に正しく行うことができる。 【0023】さらに、放電ランプの光軸を傾けることなく車両用ヘッドランプユニットの光軸の垂直方向に平行移動するので配光特性の変化することがなく、通常のハロゲン電球の場合と全く同じ配光特性を得ることができる。 【0024】移動手段が、放電ランプの発光部の位置をハイビーム用フィラメント及びロービーム用フィラメントの位置にそれぞれ対応する位置間で直線的に移動するように構成されていることが好ましい。 【0025】移動手段が、互換性を有する口金と一体的に形成された筒状ハウジング内に設けられていることも好ましい。移動手段が口金と一体化されたハウジングに内蔵されており小型化されているので、ヘッドランプユニットのヘッドライトへの取り付けが容易となる。 【0026】移動手段が、車両用ヘッドランプユニットの光軸と平行な方向に摺動自在な第1の摺動部材と、この第1の摺動部材を車両用ヘッドランプユニットの光軸と平行な方向に駆動する駆動手段と、ソケットと一体的に形成されており車両用ヘッドランプユニットの光軸と垂直な方向に摺動自在な第2の摺動部材と、第1の摺動部材の車両用ヘッドランプユニットの光軸と平行な方向の摺動を、第2の摺動部材の車両用ヘッドランプユニットの光軸と垂直な方向の摺動に変換する変換手段とを備えていることも好ましい。 【0027】この変換手段が、第2の摺動部材に形成されており、第2の摺動部材の摺動する垂直な方向及び平行な方向を含む平面内で車両用ヘッドランプユニットの光軸に対して傾斜する方向に伸長する少なくとも1つのスリットと、第1の摺動部材に設けられており上述の少なくとも1つのスリット内を摺動自在な少なくとも1つのピンとを含んでいることがより好ましい。 【0028】さらにこの変換手段が、第1の摺動部材に形成されており第2の摺動部材の摺動する垂直な方向及び平行な方向を含む平面内で車両用ヘッドランプユニットの光軸に対して傾斜している少なくとも1つの第1の摺動面と、第2の摺動部材に形成されており第2の摺動部材の摺動する垂直な方向及び平行な方向を含む平面内で車両用ヘッドランプユニットの光軸に対して傾斜していて少なくとも1つの第1の摺動面と摺動する少なくとも1つの第2の摺動面とをさらに含んでいることも好ましい。 【0029】少なくとも1つの第1の摺動面及び少なくとも1つの第2の摺動面が、少なくとも1つのスリット及び少なくとも1つのピンより前方に設けられていることが好ましい。 【0030】駆動手段が、第1の摺動部材の後方に設けられたソレノイドであることも好ましい。 【0031】口金に固着されており、放電ランプから放射される光の一部を遮光する第1のシェードをさらに備えることも好ましい。この場合、第1のシェードの先端部に脱着自在に取り付けられており、放電ランプから前方に放射される光の一部を遮光する第2のシェードをさらに備えることも好ましい。これにより、放電ランプのグレアを容易に防止することができる。 【0032】互換性を有する口金が、HB−5タイプのハロゲン電球の口金と互換性を有する口金であることがより好ましい。 【0033】本発明の他の目的及び効果は、添付図面で説明される本発明の好ましい実施態様に関する以下の記載から明らかとなるであろう。 【0034】 【発明の実施の形態】図4は本発明の好ましい実施形態として車両用ヘッドライト全体を概略的に示しており、図5及び図6はこの実施形態における車両用ヘッドランプユニットがロービーム状態にある場合の外観及び内部構造をそれぞれ示しており、図7及び図8はこの実施形態における車両用ヘッドランプユニットがハイビーム状態にある場合の外観及び内部構造をそれぞれ示しており、図9の(A)及び(B)はこの実施形態における車両用ヘッドランプユニットのロービーム/ハイビーム切り替え機構の構造を示している。この実施形態は、車両用ヘッドライトとして、HB−5タイプのハロゲン電球と互換性を有する放電ランプによるヘッドランプユニットを用いた例である。 【0035】図4に示すように、車両用ヘッドライトは、反射鏡40と、その反射鏡40の前面に設けられたレンズ41と、反射鏡40に口金の部分が装着されたヘッドランプユニット42とから主として構成されている。 【0036】反射鏡40及びレンズ41としては、従来のHB−5タイプのハロゲン電球を使用した車両用ヘッドライトの反射鏡及びレンズをそのまま使用することができる。ヘッドランプユニット42は、反射鏡40の中央部の中心軸上近辺に光源である放電ランプが配置されるように構成されており、これによって反射鏡40による反射光がレンズ41を介して前方に照射される。 【0037】図5〜図9に示すように、ヘッドランプユニット42は、放電ランプ50と、この放電ランプ50が装着されたソケット51と、HB−5タイプのハロゲン電球の口金と互換性を有する口金52と、放電ランプ50の基部を遮光するように口金52に固着された基本的に円筒形状の第1のシェード53と、第1のシェード53の先端に取り付けられた支持アーム部に脱着自在に取り付けられたキャップ形状の第2のシェード54と、ソケット51と一体的に形成されており、車両用ヘッドランプユニットの光軸Zと垂直の方向に摺動自在な第2の摺動部材55と、車両用ヘッドランプユニットの光軸Zと平行の方向に摺動自在な第1の摺動部材56と、第1の摺動部材56に可動鉄心57aが固着されたソレノイド57と、口金52と一体的に形成されておりソケット51、第2の摺動部材55、第1の摺動部材56及びソレノイド57を内部に収容する筒状のハウジング58とから主として構成されている。 【0038】放電ランプ50は、メタルハライドランプのごとき自動車用の筒状のHIDランプであり、その発光バルブ50aの外側にアウターバルブ50bが形成されている。 【0039】ソケット51は、プラスチック又はセラミックなどの絶縁体で形成されており、本実施形態では第2の摺動部材55と一体的に形成されている。 【0040】口金52は、HB−5タイプのハロゲン電球の口金と互換性のあるプラスチック又はセラミックなどの絶縁体で形成されており、本実施形態ではハウジング58と一体的に形成されている。口金52には、Oリング59が装着されており、防塵性及び防水性が高められている。口金52の後部に位置するハウジング58の後端からは放電ランプ50の電極に電気的に接続されているリード線60及び61が引き出されており、先端がコネクタ62及び63にそれぞれ接続されている。また、ソレノイド51を制御するためのリード線64も引き出されており、その先端がコネクタ65に接続されている。 【0041】第1及び第2のシェード53及び54は、金属板部材で形成されており、第1のシェード53は口金52に固定され、第2のシェード54はその先端に取り付けられた支持アーム部に脱着自在に取り付けられている。これら第1及び第2のシェード53及び54により、放電ランプ50の中央部のみが開口してその先端部及び基部が遮光され、放電ランプ50の発光部50cからの光が直接的に前方のレンズ41(図4)へ放射されず、光軸Zに主に垂直な方向へ放射される光が反射鏡40に当たって反射されて前方に配光制御されるよう構成されている。これによってグレアを効果的に防止することができる。なお、適用するヘッドライトの反射鏡やレンズの形状によっては、第2のシェード54を不要とする場合も想定されるので、この第2のシェード54は脱着自在に構成している。これら第1及び第2のシェード53及び54の形状及び寸法は、互換対象とするヘッドライトのレンズや反射鏡の構造及び口金の種類と放電ランプの配置などを考慮して適宜設計する。 【0042】第2の摺動部材55は、ソケット51と一体的に形成されており、その両方の端壁55a及び55bがハウジングの内壁58a及び58bに当たって規制されることから、車両用ヘッドランプユニットの光軸Zと垂直の方向70(図9の(A))にのみ摺動自在となっている。 【0043】第1の摺動部材56は、ハウジング58の内壁に沿って車両用ヘッドランプユニットの光軸Zと平行な方向71(図9の(B))に摺動自在となっている。この第1の摺動部材56には、ハウジング58に本体が固定されている磁気ソレノイド57の可動鉄心57aが固着されており、ソレノイド57が付勢されて可動鉄心57aが光軸Zと平行な方向に移動することによってこの第1の摺動部材56もその方向に駆動される。 【0044】第2の摺動部材55には、この第2の摺動部材の摺動する方向及び車両用ヘッドランプユニットの光軸方向を含む平面内でこの車両用ヘッドランプユニットの光軸Zに対して傾斜する方向に互いに平行に伸長する2つのスリット66及び67が設けられている。一方、第1の摺動部材56には、スリット66及び67をそれぞれ貫通しこれらスリット66及び67内を摺動自在でありかつ両端が第1の摺動部材56に固定されている2つのピン68及び69が設けられている。従って、ソレノイド57が駆動制御されて第1の摺動部材56が光軸Zと平行な方向71に摺動すると、ピン68及び69が移動してスリット66及び67内を摺動し、これにより、第2の摺動部材55は光軸Zと垂直な方向70に摺動することとなる。 【0045】第2の摺動部材55の光軸Zと垂直な方向への移動により放電ランプ50の発光部50cも光軸Zと垂直な方向に平行移動する。従って、図6に示すようにピン68及び69がスリット66及び67の左端にあるときの発光部50cの位置をHB−5タイプのハロゲン電球のロービーム用フィラメント(図3の(A)及び(B)の33)の位置に一致させ、図8に示すようにピン68及び69がスリット66及び67の右端にあるときの発光部50cの位置をHB−5タイプのハロゲン電球のハイビーム用フィラメント(図3の(A)及び(B)の32)の位置に一致させれば、ソレノイド57を前後に駆動制御するのみで、ロービーム/ハイビームの切り替え制御を行うことができる。 【0046】このように、本実施形態によれば、口金52がHB−5タイプのハロゲン電球の口金と互換性を有しており、ハイビーム及びロービームに対応してソレノイド57を駆動することにより放電ランプ50の発光部50cを平行移動してHB−5タイプのハロゲン電球のロービーム用フィラメント位置/ハイビーム用フィラメント位置に移動可能であるため、ハロゲン電球を光源とする現行の車両用ヘッドライトに、ハロゲン電球に代えてそのまま適用でき、しかもハイビーム/ロービームの配光制御もハロゲン電球と同様に正しく行うことができる。 【0047】さらに、放電ランプ50はその放電ランプの光軸を傾けることなく車両用ヘッドランプユニットの光軸Zの垂直方向に平行移動するので配光特性の変化することがなく、2フィラメント構成のハロゲン電球の場合と全く同じ配光特性を得ることができる。また、ソレノイド57はハウジング58内に収容されて全体が小型化されているので取り付けが容易という利点もある。 【0048】さらにまた、第1及び第2のシェード53及び54を設けることにより、放電ランプを光源とする車両用ヘッドランプユニットのグレア防止を図ることができる。 【0049】図10は本発明の他の実施形態における車両用ヘッドランプユニットがロービーム状態にある場合の内部構造を示しており、図11はこの実施形態における車両用ヘッドランプユニットがハイビーム状態にある場合の内部構造を示しており、図12の(A)及び(B)はこの実施形態における車両用ヘッドランプユニットのロービーム/ハイビーム切り替え機構の構造を示している。この実施形態も、車両用ヘッドライトとして、HB−5タイプのハロゲン電球と互換性を有する放電ランプによるヘッドランプユニットを用いた例である。 【0050】本実施形態は、第2の摺動部材及び第1の摺動部材の構造が一部異なることを除いて、図4〜図9の実施形態の場合とほぼ同様の構造を有している。従って、図10、図11及び図12においては、図5、図7及び図9とほぼ同じ構成要素には同じ参照符号が用いられている。 【0051】本実施形態においては、図12の(A)及び(B)に明確に示されているように、第2の摺動部材55´は、スリット66及び67より前方に2つの第2の摺動面72を備えている。各摺動面72は、第2の摺動部材の摺動する方向及び車両用ヘッドランプユニットの光軸方向を含む平面内でこの光軸Zに対して傾斜する方向に拡がっている。さらに、第1の摺動部材56´も、ピン68及び69より前方に2つの第1の摺動面73を備えている。各摺動面73は、第2の摺動部材の摺動する方向及び車両用ヘッドランプユニットの光軸方向を含む平面内でこの車両用ヘッドランプユニットの光軸Zに対して傾斜する方向に拡がっており、第2の摺動部材55´の摺動面72と当接して摺動するように構成されている。その結果、第2の摺動部材55´は、第1の摺動部材56´の移動に対して図4〜図9の実施形態の場合に比してより安定してスムーズに移動することができる。 【0052】本実施形態のその他の作用効果は、図4〜図9の実施形態の場合とほぼ同様である。 【0053】なお、前述した実施形態では、HB−5タイプのハロゲン電球に互換性を有するヘッドランプユニットについて説明したが、本発明はその他の2フィラメント式のハロゲン電球、例えばHB−1タイプについても同様に適合され得るものであることは言うまでもない。 【0054】前述したスリット、ピン、第1の摺動面及び第2の摺動面の数は、2つに限定されるものではなく、1つ又は3つ以上であっても良い。また、ピンの代わりにスリット内に部分的に挿入された突起を用いても良い。 【0055】以上述べた実施形態は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。 【0056】 【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明によれば、口金がハイビーム用フィラメント及びロービーム用フィラメントを備えたハロゲン電球の口金と互換性を有しており、ハイビーム及びロービームに対応してソケット及びこれに装着されている放電ランプを放電ランプの光軸を傾けることなく車両用ヘッドランプユニットの光軸に対して垂直方向に平行移動可能であるため、ハロゲン電球を光源とする現行の車両用ヘッドライトに、そのハロゲン電球に代えてそのまま適用でき、しかもハイビーム/ロービームの配光制御もハロゲン電球と同様に正しく行うことができる。 【0057】さらに、放電ランプの光軸を傾けることなく車両用ヘッドランプユニットの光軸の垂直方向に平行移動するので配光特性の変化することがなく、通常のハロゲン電球の場合と全く同じ配光特性を得ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】593154296 【氏名又は名称】アサヒライズ株式会社 【住所又は居所】群馬県前橋市西善町2004番地
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| 【出願日】 |
平成14年11月29日(2002.11.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100074930 【弁理士】 【氏名又は名称】山本 恵一
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| 【公開番号】 |
特開2003−272418(P2003−272418A) |
| 【公開日】 |
平成15年9月26日(2003.9.26) |
| 【出願番号】 |
特願2002−347259(P2002−347259) |
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