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【発明の名称】 放電ランプの光軸調整装置および光軸調整方法
【発明者】 【氏名】幡手 伸太郎
【住所又は居所】福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1号 東陶機器株式会社内

【氏名】松原 信次
【住所又は居所】福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1号 東陶機器株式会社内

【氏名】梅本 歩
【住所又は居所】福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1号 東陶機器株式会社内

【要約】 【課題】リフレクタと放電ランプとの光軸調整を正確、短時間且つ低コストで行える装置と方法を提供する。

【解決手段】リフレクタに対し放電ランプを相対的に位置調整可能とした状態で点灯し、複数のスリット穴を通過した光を照度計にて、照度が最大になるように放電ランプを光軸に直交するX軸及びY軸方向に位置調整した後、Z軸方向に放電ランプを移動させることにより得られる2つの照度のピーク間の中心に放電ランプが位置されるようZ軸の調整を行うことを特徴とする放電ランプの光軸調整方法とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 リフレクタの焦点位置に放電ランプの発光点を位置せしめる光軸調整装置において、この光軸調整装置は放電ランプの反射光と平行なZ軸、このZ軸に直交するX軸およびY軸に沿って位置調整するランプホルダを移動自在に配置し、前記リフレクタの前面側に、リフレクタの所定の反射点からの平行な反射光を通過させる複数のスリット穴を形成したスリット板と、このスリット穴を通過した光の照度を測定する照度計を配置したことを特徴とする放電ランプの光軸調整装置。
【請求項2】 請求項1に記載の放電ランプの光軸調整装置において、スリット板に形成されるスリット穴は、光軸を中心にした円上にX軸方向及びY軸方向にそれぞれ少なくとも2ケの計4ケ設けることを特徴とする放電ランプの光軸調整装置。
【請求項3】 請求項1又は2に記載の放電ランプの光軸調整装置において、前記リフレクタの鏡面形状をy=P×xで表すと光軸を中心とする円上に形成されるスリット板上のスリット穴の中心からの距離は、(2×P)−1とすることを特徴とする放電ランプの光軸調整装置。
【請求項4】 請求項1に記載の放電ランプの光軸調整装置において、前記スリット穴を通過する光に他のスリット穴からの光が入射しないよう遮蔽手段を設けたことを特徴とする放電ランプの光軸調整装置。
【請求項5】 請求項4に記載の放電ランプの光軸調整装置において、前記遮蔽手段は、複数配置されるスリット板によることを特徴とする放電ランプの光軸調整装置。
【請求項6】 リフレクタに対し放電ランプを相対的に位置調整可能とした状態で点灯し、複数のスリット穴を通過した光を照度計にて、照度が最大になるように放電ランプを光軸に直交するX軸及びY軸方向に位置調整した後、Z軸方向に放電ランプを移動させることにより得られる2つの照度のピーク間の中心に放電ランプが位置されるようZ軸の調整を行うことを特徴とする放電ランプの光軸調整方法。
【請求項7】 リフレクタに対し放電ランプを相対的に位置調整可能とした状態で点灯し、複数のスリット穴を通過した光を照度計にて、照度が最大になるように放電ランプを光軸に直交するX軸及びY軸方向に位置調整した後、Z軸方向に放電ランプを移動させることにより得られる2つの照度のピーク間の照度の極小の位置に放電ランプが位置されるようZ軸の調整を行うことを特徴とする放電ランプの光軸調整方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は平行光を必要とする各種プロジェクタ装置に用いられる超高圧水銀ランプなどの放電ランプの光軸調整装置と光軸調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】放電ランプを組み込んだ光源装置の構造は、特開2000−260214号公報に開示されるようにリフレクタの焦点位置に放電ランプの発光点が位置するように固定されている。
【0003】リフレクタの焦点位置に放電ランプの発光点Pを位置せしめる従来の光軸調整を図19及び図20に基づいて説明する。尚、図19は従来の光軸調整装置の作用を説明した図、図20は図19のC方向から見た図である。従来にあっては、リフレクタ100に対し放電ランプ101を相対的に位置調整可能とした状態で保持し、この状態で放電ランプ101を点灯し、反射光をインテグレータレンズ102を介してスクリーン103に投影し、スクリーン103上の照度が最大になるようにX軸(光軸と直交する軸)、Y軸(光軸及びX軸と直交する軸)及びZ軸(光軸と平行な軸)に沿って位置調整している。尚、スクリーン103は、実際1m2程度の大きなものであるが、図では、説明のため模式的に記載している。また、同様に、インテグレータレンズ102を通過した光は、通常、投影レンズ等の光学系を介して、スクリーン103に投影されるが、省略している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の光軸調整方法では、リフレクタの形状及びサイズに応じてインテグレータレンズ102を用意しなければならず、コストがかかるとともに汎用性に劣る。
【0005】さらに、従来の光軸調整方法では、1m2程度の大きさのスクリーンに実際に光を照射する必要が有り大きな場所を必要としていた。
【0006】また、リフレクタ、放電ランプ及びインテグレータレンズの光軸がずれた状態でも、その状態でスクリーン上の照度が最大となるポイントが存在するので、実際にリフレクタ及び放電ランプの光軸が一致しているかの確認ができない。
【0007】同様に、ランプの熱によってインテグレータレンズが変形、変質し、光の屈折率が変化する場合がある。この場合でもスクリーン上の照度が最大となるポイントが存在するので、前記同様の問題がある。
【0008】さらに、従来の光軸調整装置ではインテグレータレンズの熱による変形、変質が経時的に起こるので、リフレクタ及び放電ランプの光軸も経時的にずれていく。このため、従来の光軸調整装置では定期的なメンテナンスや補正を行わなければならず、不便であった。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく本発明に係る放電ランプの光軸調整装置は、リフレクタの焦点位置に放電ランプの発光点を位置せしめる光軸調整装置において、この光軸調整装置は放電ランプの反射光と平行なZ軸、このZ軸に直交するX軸およびY軸に沿って位置調整するランプホルダを移動自在に配置し、前記リフレクタの前面側に、リフレクタの所定の反射点からの平行な反射光を通過させる複数のスリット穴を形成したスリット板と、このスリット穴を通過した光の照度を測定する照度計を配置したことを特徴とする放電ランプの光軸調整装置とした。
【0010】スリット板に形成されるスリット穴は光軸を中心にした円上にX軸方向及びY軸方向にそれぞれ少なくとも2ケの計4ケ設けることを特徴とする。リフレクタの反射点からの平行な反射光の照度の変化を各軸の位置の情報として把握できるため、ランプの発光点位置を光軸位置に調整可能となる。
【0011】平行光を得るためのリフレクタの鏡面形状は一般的に放物線であり、その式をy=P×x2で表すと、光軸を中心にした円上に形成されるスリット板上のスリット穴の中心からの距離を(2×P)−1とすることを特徴とする。スリット板上のスリット穴の中心からの距離が(2×P)−1であれば、Z軸の調整も可能となる。
【0012】また、前記スリット穴を通過する光に他のスリット穴からの光が入射しないよう遮蔽手段を設けることで、他のスリット穴から斜め方向に入ってくる可能性のある光を遮蔽し、リフレクタから反射される平行光のみの照度を計測できる。
【0013】遮蔽手段としては、複数配置されるスリット板によることを特徴とする。平行光を得るために、少なくとも2枚のスリット板を用いる場合、2枚の場合、平行光以外の斜めの光成分もスリット穴を通過してしまう可能性がある。この斜めの光成分をカットするため、もう1枚のスリット板が必要となる。4枚以上のスリット板を使用しても構わないが、スリット板を増やした効果は特に得られない。最も効果的に斜めの光成分をカットするためには3枚のスリット板を等間隔に並べることが望ましい。
【0014】本発明に係る放電ランプの光軸調整方法は、リフレクタに対し放電ランプを相対的に位置調整可能とした状態で点灯し、複数のスリット穴を通過した光の照度が最大になるように放電ランプを光軸に直交するX軸およびY軸方向に位置調整した後、Z軸方向に放電ランプを移動させることにより得られる2つの照度のピーク間の中心もしくはピーク間の照度の極小の位置に放電ランプが位置されるようZ軸の調整を行うことを特徴とする。
【0015】リフレクタに対し放電ランプを相対的に位置調整可能とした状態で点灯し、複数のスリット穴を通過した光を照度計にて、照度が最大になるように放電ランプを光軸に直交するX軸及びY軸方向に位置調整した後、Z軸方向に放電ランプを移動させることにより得られる2つの照度のピーク間の照度の極小の位置に放電ランプが位置されるようZ軸の調整を行うことを特徴とする放電ランプの光軸調整方法とする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。ここで、図1は本発明に係る光軸調整装置の正面図、図2は同光軸調整装置の側面図、図3はスリット板Sを示す図である。
【0017】光軸調整装置は、垂直に設置されたベースBに保持具1〜7を係合している。ベースBは垂直に設置されているが、これは放電ランプとリフレクタを固定用接着剤で固定するのに便利なため垂直に設置したものであり、光軸を調整する上においては垂直である必要は無く、場合によっては水平であっても良い。また保持具1〜7は全て同一の形状でも良く、あるいは全て異ならせてもよい。放電ランプAを点灯させると、光はリフレクタRにより反射される。この反射光の方向をZ軸とし、Z軸に直交し且つベースBと放電ランプAを結ぶ方向をY軸、Z軸及びY軸と直交する方向をX軸とする。
【0018】保持具1にはランプホルダ10を固定している。このランプホルダ10はX方向移動ステージ11、Y方向移動ステージ12、Z方向移動ステージ13、X方向回転ステージ14、Y方向回転ステージ15及びチャック16を備え、チャック16で放電ランプAを保持し、リフレクタR内に保持される。
【0019】保持具2にはリフレクタRを固定している。リフレクタRは焦点位置から発せられた光の反射光が平行になるように設計されており、その反射面はy=P×xで表せる放物線となっている。この場合焦点位置すなわちリフレクタ底面から焦点までの距離は(4×P)−1となる。
【0020】保持具3〜5にはスリット板Sを固定している。使用するスリット板は3枚であり、それぞれのスリット板Sの間隔及びリフレクタRからスリット板Sまでの距離は任意であるが、間隔及び距離が近すぎると光軸調整の精度が低くなり、間隔及び距離が長すぎるとリフレクタRと3枚のスリット板SのZ軸を合わせることが困難になる。本実施例では、リフレクタRからスリット板Sまでの距離を70mmとし、それぞれのスリット板Sの間隔を200mmとした。またスリット板Sに設けられるスリット穴31の径は、大きくなると光軸調整の精度が低くなり、小さくなるとスリット板Sを通過する光の量が少なくなり、誤差を生じ易くなる。本実施例ではスリット板Sに設けられるスリット穴31の径をφ2mmとした。
【0021】保持具6にはレンズLを固定している。スリット板SからレンズLまでの距離は任意であり、本実施例では70mmとした。
【0022】保持具7には照度計Mを固定している。保持具7はZ軸方向に30mm程度可変になっており、レンズLにより集光された光の集光点に、照度計Mを設置している。尚、レンズは、複数のスリット穴を通過した光を集光させて一つの照度計で計測できるので、望ましい形態とあるが、複数のスリット穴に対向する照度計を複数設けることで、レンズを利用しないことも可能である。
【0023】本発明に係る光軸調整方法は放電ランプの電極間の照度分布を測定することにより光軸を調整する。まず以上の構成からなる光軸調整装置を用いることにより、電極間の照度分布を測定することが可能であることを図面を用い説明する。
【0024】図4は発光点の位置によりリフレクタRによる反射光がどのような角度を持つか示したものである。発光点41がリフレクタRの焦点位置Fより底面側に在る場合(a)は、反射光は光軸より外側に広がる。また発光点41がリフレクタRの焦点位置Fに在る場合(b)は、反射光は光軸に平行となる。さらに発光点41がリフレクタRの焦点位置Fより開口側に在る場合(c)は、反射光は光軸の内側に集光される。
【0025】図4は理想的な点光源の場合の説明であるが、実際の放電ランプは図5に示すように一対の電極51の間に形成される長さを持ったアークから光が発せられている。電極間距離は放電ランプの種類によって様々であり、1mm程度のものから数mmになるものもある。このように理想上の点光源では無く長さを持った光源すなわちアーク61の場合、リフレクタRによる反射光がどのような角度を持つのかを図6に示す。図6には光軸に平行な位置にスリット穴31を持つ2枚のスリット板Sを反射光がどのように通過するのかも合わせて示した。
【0026】アーク61の両端がいずれもリフレクタRの焦点位置Fより底面側に在る場合(a)はすべての光は光軸より外側に広がり、2枚のスリット板Sを通過する光は得られない。アーク61の片側端がリフレクタRの焦点位置Fより底面側に在り他端がリフレクタRの焦点位置Fより開口側に在る場合(b)は光軸より外側に広がる光と集光される光が混在し、その一部は2枚のスリット板Sを通過する。アーク61の両端がいずれもリフレクタRの焦点位置Fより開口側に在る場合(c)はすべての光は集光され、2枚のスリット板Sを通過する光は得られない。以上のようにアーク61をリフレクタRの底面側から開口側へ移動させながら、2枚のスリット板Sを通過する光の照度を測定することにより、アークの長さ方向の照度分布を見ることが可能である。
【0027】スリット板Sが2枚の場合、図7(a)に示すように、光軸に平行でない成分の光もスリット板Sを通過してしまう場合がある。そこで図7(b)に示すように2枚のスリット板Sの真ん中にもう1枚スリット板Sを設置することで光軸に平行でない成分の光をカットすることが可能となる。尚、カット手段として、光軸に平行な位置に配置した遮蔽板で構成することもできる。
【0028】図3に示すスリット板Sのスリット穴31の位置は、光軸を中心とした円上にX軸及びY軸方向にそれぞれ2ケの計4ケ設けている。光軸を中心とした円の半径は(2×P)−1とした。これはリフレクタRの反射面がy=P×xで表せる放物線の場合、焦点位置Fに存在する発光点41から光軸に垂直に発せられた光がリフレクタにより反射され、光軸に平行になる場合、図8(a)に示すように焦点位置Fは(4×P)−1であり、光軸から反射面までの距離は(2×P)−1となる。スリット穴31が光軸を中心とした半径(2×P)−1の円上にあれば、発光点41から光軸に対し垂直に発せられた光がリフレクタにより直角に反射され、スリット穴31を通過することになる。スリット穴31が光軸を中心とした半径(2×P)−1の円からずれていれば、図8(b)、(c)のように、スリット穴31を通過する光は発光点41から光軸に対し垂直で無い角度を持った光が、リフレクタにより直角で無い角度に反射された光である。このような場合、電極間の照度分布を正しく測定することが困難となる。
【0029】上記説明のように本光軸調整装置を用い、放電ランプの電極間の照度分布を測定することが可能であることを実際に放電ランプを点灯させて確認した。その結果を図を用い説明する。
【0030】本光軸調整装置を用い交流放電ランプを点灯させると、真ん中のスリット板Sには図9に示すような電極とアークの投影像が映し出される。スリット穴31の方向すなわちX方向及びY方向にそれぞれ電極とアークが放射状に見える。図9(a)はX方向、Y方向ともに放電ランプがリフレクタの焦点位置からずれている例である。また(b)はZ方向に放電ランプがリフレクタの焦点位置からずれている例である。(c)は放電ランプがリフレクタの焦点位置に位置する場合の図である。まず保持具1のX方向移動ステージにより、照度が最大になるようX方向に調整する。同様に保持具1のY方向移動ステージにより、照度が最大になるようY方向に調整する。X方向、Y方向の操作の順序はどちらが先でも良く、繰り返し行えばさらに良い。この操作により、リフレクタに対する放電ランプのX及びY方向の位置が決定される。
【0031】次に保持具1のZ方向移動ステージにより、Z方向に放電ランプを移動させる。Z方向にランプを移動させながら照度を測定した結果を図10に示す。
【0032】この図より、Z方向へ放電ランプを移動させると、2つのピークを持った照度分布が得られた。この結果について説明する。交流放電ランプの電極間のアークの様子は一般的に図11に示すようになっていると考えられている。この図よりアーク61は電極51の近傍で最も細くなっている。このことは電極51の近傍で光束が最も高く、単位面積当たりの照度すなわち輝度も最も高いと言える。一方電極間の中心ではアーク61がもっとも広がっている。このことは電極間の中心で光束が最も低く、単位面積当たりの照度すなわち輝度も最も低いと言える。本発明に係る光軸調整装置は図12に示すように電極間のアーク61の微小面積部分をスリットにより通過させ照度を測定するものであるので、放電ランプをZ方向に移動させた場合、電極間中心がリフレクタの焦点位置に来た時(A)に照度は極小となる。一方電極間中心がリフレクタの焦点位置からずれた場合照度は次第に高くなるが、ずれが大きい場合(B)はスリット穴に電極51が映り込むようになり照度は低下する。このため図10に示すように2つのピークを持ちその外側で照度は急速に低下する。
【0033】交流放電ランプの場合、Z方向に移動させた場合、照度が極小となる位置とピーク間の中心位置は一致している。すなわち、照度が極小となる位置もしくはピーク間の中心の位置に交流放電ランプのZ方向の位置を調整させることにより、電極間の中心をリフレクタの焦点位置に合わせることが可能となる。
【0034】次に直流放電ランプの場合について説明する。直流放電ランプも上記交流放電ランプの場合と同様にX方向及びY方向の調整を行い、Z方向へ放電ランプを移動させ照度分布を測定した。その結果を図13に示す。
【0035】この結果直流放電ランプの照度分布から1つの大きなピークと1つの小さなピークが確認される。またピーク間の中心と、照度の極小位置はずれていることも判る。このことを図14を用いて説明する。
【0036】直流放電ランプの場合、一般に対をなす電極の大きさが異なっている。小さい電極が陰極52であり、大きい電極が陽極53である。陰極52の近傍と、陽極53の近傍では陰極52の近傍の方がアーク61が細くなっているため、陰極52の近傍で照度は大きなピークを持ち、陽極53の近傍で照度は小さなピークとなる。またアーク61の形状は電極間中心からの対称形状とならずに、アーク61の最も広がっている場所は陽極53の側にずれる。このため照度の極小は電極間中心から陽極53の側にずれることになる。従って照度が極小となる位置に直流放電ランプをの位置を調整しても、電極間の中心がリフレクタの焦点には合っていないことになる。ところで、ピークの外側はスリット穴に電極が映り込むために照度が低下するものである。したがって、ピーク間の中心は電極間の中心と一致するはずである。直流放電ランプの場合、ピーク間の中心の位置にZ方向の位置を調整させることにより、電極間の中心をリフレクタの焦点位置に合わせることが可能となる。
【0037】本光軸調整装置は放電ランプの光軸を調整する目的以外に、アーク間の照度分布を測定する目的にも使用できる。アークの長さ方向(Z方向)の照度分布については前述したとおりである。一方アークの幅方向(X方向及びY方向)についても同様に可能である。この場合のスリット板Sの形状は図15に示すように、光軸を中心とした半径(2×P)−1の円上にX方向あるいはY方向に2ケのスリット穴31を設けている。X方向の照度分布を見る時はY方向に2ケのスリット穴31を設け、Y方向の照度分布を見る時はX方向に2ケのスリット穴31を設けている。照度分布を見る方法はX方向、Y方向同様であるので、ここではX方向の照度分布を見る方法について説明する。
【0038】光軸調整の場合と同様に、放電ランプを点灯させ、Z方向にランプを移動させ、照度分布を見たいZ位置に放電ランプ位置を調整する。このままX方向にランプを移動させるとX方向の照度分布が確認できる。
【0039】実際に交流放電ランプを用い測定した結果を図によって説明する。図16に測定したZ位置を示す。Z1はランプをZ方向に移動させた時の照度のピーク間の中心である。またZ3は照度のピーク位置である。Z1〜Z4までのX方向の照度分布を図17に示す。同時にピーク高さすなわち最高照度および半値幅も示す。この結果、照度のピーク間の中心から照度のピークに向けて、最高照度が高くなり、半値幅が小さくなっていくことが判る。またこの間においてピークの面積(半値幅×最高照度)は略一定になっている。すなわち照度のピーク間においては、アークのどのZ位置においても光束量は一定と考えられる。そしてアーク幅が小さくなるに従って、光束密度が高くなり輝度も高くなると考えられる。Z4は照度のピーク位置(Z3)よりも電極先端に近い位置である。ここではアーク幅はZ3より小さくなっているが、照度もZ3より小さくなっている。このことから、Z4ではZ3より輝度は高くなっているものの、電極先端がスリットに映り込むために、本装置で測定される照度が低下するものと考えられる。
【0040】以上のことから、本光軸調整装置を用いて、X方向やY方向の照度分布も見ることができる。そして図17の結果は、図10〜図12で説明した電極間のアークの様子を裏付けていると言える。
【0041】X方向やY方向の照度分布を見るために、図15に示すような、光軸を中心とした半径(2×P)−1の円上にX方向あるいはY方向に2ケのスリット穴31を設けたスリット板Sを用いた。本光軸調整装置において光軸調整をする場合、X方向及びY方向の調整を行う際、図15のスリット板Sを用いても行える。しかし、1種類のスリット板を用いX方向、Y方向及びZ方向の調整を行うためには、図3に示すような光軸を中心とした半径(2×P)−1の円上にX方向及びY方向にそれぞれ2ケの計4ケのスリット穴31を設けたスリット板Sが必要になる。
【0042】1種類のスリット板のみを用いて、X方向、Y方向及びZ方向の調整をすべて行うためには、スリット板の光軸を中心にしたX方向及びY方向に対称な位置にスリット穴を設けることが望ましい。すなわち最低でも4ケ必要となる。X方向及びY方向に対称な位置を考えると、スリット穴は8ケ、12ケ、16ケなど4の倍数にすることが考えられるが、スリット穴を多くすればするほど、X方向及びY方向の調整を行う際、照度の変化量が小さくなり調整を行うのが困難になる。
【0043】本光軸調整装置及び光軸調整方法により光軸調整されたランプと、従来技術により光軸調整されたランプとの比較を行う。そこで同一ランプを用い、従来技術により光軸調整されたランプのスクリーン照度を100とした場合、本光軸調整装置及び光軸調整方法により光軸調整されたランプのスクリーン照度がどのようになったか図18に示す。この結果、本光軸調整装置及び光軸調整方法により光軸調整されたランプは、従来技術により光軸調整されたランプと、同等かやや上回るスクリーン照度となった。このことから、本光軸調整装置及び光軸調整方法により放電ランプとリフレクタの光軸を合わせることが可能であることが確認された。更に、スクリーン照度のバラツキは、本光軸調整装置及び光軸調整方法のものの方が少なく品質の安定したものを提供できた。
【0044】
【発明の効果】以上に説明したように本発明によれば、リフレクタと放電ランプとの光軸調整を行うにあたり、インテグレータレンズアレイを用いる必要がないので、汎用性に優れ、コスト的に有利である。
【0045】さらに、従来の光軸調整方法では、1m2程度の大きさのスクリーンに実際に光を照射する必要が有り大きな場所を必要としていたが、本発明によりスクリーンや大きな場所を必要とせず非常に便利である。
【0046】また、従来にあっては、リフレクタと放電ランプとの光軸がずれた状態でも、スクリーンの照度が最大となる個所があったので、光軸がずれたまま放電ランプをリフレクタに固定してしまうおそれがあったが、本発明によれば正確且つ簡単に光軸を一致させることができる。
【0047】同様に、従来技術ではランプの熱によってインテグレータレンズが変形、変質し、光の屈折率が変化する場合があり、前記同様の問題があったが、本発明により熱による影響を無くし正確に放電ランプとリフレクタの光軸を一致させることができる。
【0048】さらに、従来の光軸調整装置ではインテグレータレンズの熱による変形、変質が経時的に起こるので、リフレクタ及び放電ランプの光軸も経時的にずれていくことになり、装置の定期的なメンテナンスや補正が必要であったが、本発明によりこのような定期的なメンテナンスを必要とせずに放電ランプリフレクタの光軸を一致させることができる。
【出願人】 【識別番号】000010087
【氏名又は名称】東陶機器株式会社
【住所又は居所】福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1号
【出願日】 平成14年3月19日(2002.3.19)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−272408(P2003−272408A)
【公開日】 平成15年9月26日(2003.9.26)
【出願番号】 特願2002−76984(P2002−76984)