トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F21 照明




【発明の名称】 無電極放電ランプ光源装置
【発明者】 【氏名】佐伯 隆昭
【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区守屋町3丁目12番地 日本ビクター株式会社内

【要約】 【課題】発光管にマイクロ波の電界を集中させて、高効率な放電を行う無電極放電ランプ光源装置を提供する。

【解決手段】内部が中空、かつ上面部2bに第1開口部2cを有する導体ケース2と、導体ケース2内部の一側面2a及び他側面2dに固定され、かつ所定の間隙を有して対向配置された一対の共振器4、4と、前記所定の間隙に収納された発光管3と、第1開口部2cに設けられ、発光管3を挿入する第2開口部5aを有しており、発光管3からの放電発光を反射するリフレクタ5と、導体ケース2の内側底面2fに設けられた金属製支持台10と、金属製支持台10表面に誘電体基板11を介して一対の共振器4、4に対向して、平行となるように設けられたマイクロストリップ線路12と、マイクロストリップ線路12にマイクロ波を供給する高周波電源23と、からなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】内部が中空、かつ上面に第1開口部を有する接地用導体ケースと、前記接地用導体ケース内部の一側面及び他側面に固定され、かつ所定の間隙を有して対向配置された一対の共振器と、前記所定の間隙に収納された発光管と、前記第1開口部に設けられ、前記発光管を挿入する第2開口部を有しており、前記発光管からの放電発光を反射するリフレクタと、前記接地用導体ケースの内側底面に設けられた金属製支持台と、前記金属製支持台表面に誘電体基板を介して前記一対の共振器に対向して、平行となるように設けられたマイクロストリップ線路と、前記マイクロストリップ線路にマイクロ波を供給する高周波電源と、からなることを特徴とする無電極放電ランプ光源装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ波で放電する無電極放電ランプ光源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】無電極放電ランプ光源装置は、発光部に電極を有していないので、メタルハライド、キセノンランプ等の有電極放電ランプのように、発光時のプラズマによって電極が消耗しランプの寿命を短縮させてしまう問題がなく、長寿命、高効率、高演色が図れるという特徴を有している。そして、2GHz帯のISM(Industrial Scientific and Medical)バンド周波数を利用した半導体製造用照射装置に用いられ、大電力マグネトロンにより励起して導波管を経てキャビティで空洞共振させ、発光管の放電を行うものであるが、高コスト等の問題があった。この対策として、共振器にマイクロ波を結合させ共振器内の最も高い電界位置に無電極ランプを配置させることが考えられた。
【0003】図2は、従来の無電極放電ランプ光源装置を示す断面図を示し、(A)は側面図、(B)は(A)のMM方向から見た正面図である。図2において、この無電極放電ランプ共振装置7は、内部が中空、かつ前面部2aの中央部に開口部2eを有し、アルミニウム(Al)や銅(Cu)などの良導電性の金属を用いて形成された箱状または円筒状の接地用導体ケース(シールドケース)2と、先端が前面部2aの開口部2e側に向かい、他端が接地用導体ケース2の背面部2dの中央部に固着接地された電気伝導性および熱伝導性の良好なアルミニウムや銅または銅合金からなる棒状の共振器8と、湾曲面側が共振器8の先端側になるように配置され、かつ共振器8が貫通する開口部9aを有し、接地用導体ケース2の開口部2eに固定されたリフレクタ9と、リフレクタ9の焦点F1に配置された共振器8の先端に取り付けられ、希ガス及び発光物質を封入した石英ガラス等からなる発光管3と、接地用導体ケース2の内側底面2fに載置された金属製支持台10と、その表面にアルミナ等の誘電体基板11を介して共振器8に対向し、略平行となるように設けられた良導電性の銅箔または金箔等の金属箔からなるマイクロストリップ線路12と、を有して構成されている。
【0004】ここで、図3に示すように、発光管3は、円柱状凹部を有した石英ガラスからなる発光管半体13と、凹部を閉じるように発光管半体13に接合された部材14と、この部材14を接合することによって形成された中空部15に封入された放電始動ガスを含む発光物質16と、からなる。
【0005】なお、上記共振器8の長さは、マイクロストリップ線路12から放出されるマイクロ波の波長をλgとした場合、λg/4となるように形成される。例えば、マイクロ波の周波数が2.45GHzである場合には、λg=12.24cmであるので、共振器8の長さは、略30.6mmとなる。また、上記マイクロストリップ線路12は、インピーダンスが略50Ωとなるように、誘電体基板11の誘電率を考慮して適当な線幅、厚さでもって形成される。例えば、誘電体基板11として誘電率が8〜10で厚さが1.5mmのアルミナを用いた場合には、マイクロストリップ線路12は、幅が2mmで厚さが0.17mmとなるように設定される。
【0006】また、接地用導体ケース2の背面部2dには穿設した孔17が形成されている。この孔17を介して、マイクロストリップ線路12とインピーダンス整合回路18とが同軸ケーブルまたは硬質のマイクロ波ケーブルを用いた第1給電線19によって接続されている。
【0007】このインピーダンス整合器18は、さらに第1給電線19と同種の第2給電線20によって、共振器8からの反射波を検出して駆動周波数や整合条件を可変させる方向性結合器21に接続されている。この方向性結合器21は、第1及び2給電線19、20と同種の第3給電線22によって、マイクロ波を発生する高周波電源23に接続されている。上記インピーダンス整合器18は、高周波電源23のインピーダンスと、共振器8側のインピーダンスとのマッチングをとるために設けられるものであり、マッチングをとる必要がない場合には第1給電線19の一端を直接高周波電源23に接続してもよい。
【0008】この無電極放電ランプ共振装置7は、以下のように動作する。高周波電源23で発生したISMバンド周波数帯のマイクロ波を、第3給電線22、方向性結合器21、第2給電線20、インピーダンス整合器18、第1給電線19を伝送してマイクロストリップ線路12に供給する。そして、方向性結合器21により、共振器8からの反射波を検出して共振器8の反射波が小さくなる反射波条件を高周波電源23に供給する。
【0009】この高周波電源23からは、上記したようにマイクロ波を供給する一方、前記した反射波条件に基づいて共振器8側のインピーダンスとマッチングする整合定数をインピーダンス整合器18に出力する。そして、インピーダンス整合器18では、上記した整合定数に基づいて共振器8側と高周波電源23のインピーダンスがマッチングするように調整する。インピーダンスマッチングしない場合には、反射波が増加する。ここで、伝送された波長λv(自由空間における波長)のマイクロ波を誘電体基板11、空気などの誘電媒体を介してマイクロストリップ線路12の表面より波長λgで空気中に放出する。
【0010】この場合、誘電体および空気の比誘電率を考慮した実効比誘電率をε1とすれば、自由空間におけるマイクロ波の波長λvと、マイクロストリップ線路12から放出されるマイクロ波の波長λgとは、次式で表される関係になる。即ち、波長λg=λv/(ε11/2となる。
【0011】更に、マイクロストリップ線路12から放出された波長λgのマイクロ波に対して、略λg/4の共振長のマイクロ波を共振器8で得る。このマイクロ波の強い電界が発光管3に供給され、希ガスの放電によって発光管3の管壁が熱せられ、発光物質を気化させて、発光物質特有の発光スペクトルの光を発光させる。発光管3で発光した光を、リフレクタ9で反射させ、接地用導体ケース2の外部に向けて放射する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、共振器8の先端は開放された構成になっているため、共振器8の先端から放出されるマイクロ波電界の一部が接地用導体ケース2の前面部2aやリフレクタ9に漏れるため、共振器8としてのQ(先鋭度)が小さくなる。そのため、効率良く、発光管3に電界を集中させることができず、高効率な放電を得ることができなかった。
【0013】そこで、本発明は、懸かる問題を解決するためになされたものであり、発光管にマイクロ波の電界を集中させて、高効率な放電を行う無電極放電ランプ光源装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、内部が中空、かつ上面に第1開口部を有する接地用導体ケースと、前記接地用導体ケース内部の一側面及び他側面に固定され、かつ所定の間隙を有して対向配置された一対の共振器と、前記所定の間隙に収納された発光管と、前記第1開口部に設けられ、前記発光管を挿入する第2開口部を有しており、前記発光管からの放電発光を反射するリフレクタと、前記接地用導体ケースの内側底面に設けられた金属製支持台と、前記金属製支持台表面に誘電体基板を介して前記一対の共振器に対向して、平行となるように設けられたマイクロストリップ線路と、前記マイクロストリップ線路にマイクロ波を供給する高周波電源と、からなることを特徴とする無電極放電ランプ光源装置を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】まず、本発明の実施形態の無電極放電ランプ光源装置について図1を用いて説明する。従来例と同一構成には同一符号を付し、その説明を省略する。図1は、本発明の実施形態の無電極放電ランプ光源装置を示す概略断面図である。
【0016】図1に示すように、本発明の実施形態の無電極放電ランプ光源装置1は、従来の無電極放電ランプ光源装置7において、接地用導体ケース2は、前面部2aに開口部2eが形成されずに、上面部2bに開口部2cが形成されたものであり、共振器8は、互いに一端が接地用導体ケース2の前面部2a、背面部2dに固定され、かつ発光管3を挟むようにした一対の共振器4、4であり、リフレクタ9は、発光管3を挿入する第1開口部5aを有し、接地用導体ケース2の上面部2bの開口部2cに向かって第1開口部5aよりも広い第2開口部5bを有し、発光管3からの放電発光を効率良く集光するリフレクタ5であり、それ以外は同様である。なお、接地用導体ケース2の開口部2cには、金属製のメッシュ6が形成され、マイクロ波が接地用導体ケース2から外部に飛び出さないようにしている。この際、一対の共振器4、4は、それぞれ直径6mm、長さがλg/4である。
【0017】以上のように、本発明の実施形態によれば、共振器としてのQ値が高まり、一対の共振器4、4の間にマイクロストリップ線12から供給される高周波電力の電界が他に漏れることなく集中するので、この一対の共振器4、4の間に発光管3を配置することにより、高効率な放電を行うことができる無電極放電ランプ光源装置1を得ることができる。
【0018】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、接地用導体ケース内部の一側面及び他側面に固定され、かつ所定の間隙を有して対向配置された一対の共振器と、前記所定の間隙に収納された発光管と、を有しているので、マイクロストリップ線路から供給されるマイクロ波の電界漏れを生じることなく発光管に供給することができる。このため、高効率な放電を行うことができる無電極放電ランプ光源装置を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】000004329
【氏名又は名称】日本ビクター株式会社
【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区守屋町3丁目12番地
【出願日】 平成14年3月15日(2002.3.15)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−272407(P2003−272407A)
【公開日】 平成15年9月26日(2003.9.26)
【出願番号】 特願2002−71562(P2002−71562)