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【発明の名称】 車両用前照灯
【発明者】 【氏名】渡邉 重之
【住所又は居所】静岡県清水市北脇500番地 株式会社小糸製作所静岡工場内

【氏名】横井 正一郎
【住所又は居所】静岡県清水市北脇500番地 株式会社小糸製作所静岡工場内

【要約】 【課題】可動式のシェードを備えたプロジェクタ型の灯具ユニットを有する車両用前照灯において、ホルダに対するシェードの組付けを簡単かつ精度良く行えるようにする。

【解決手段】プロジェクタ型の灯具ユニット20においてリフレクタ24と投影レンズ28との間に位置するホルダ26に、シェード32を回動可能に支持せしめる。この支持は、シェード32の回動軸線Ax1上における複数箇所で行い、これら複数箇所における支持を回動軸線Ax1方向に延びる単一のシャフト40を介して行う。これにより、ホルダ26に対するシェード32の組付けを一括して行えるようにし、従来のようにホルダによるシェードの支持をその回動軸線上における複数箇所の各々において回動ピンを介して個別に行う場合に比して、簡単に組付可能とし、かつ正確な回動軸線Ax1が得られるように精度良く組付けを行えるようにする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両前後方向に延びる光軸上に配置された光源と、この光源からの光を前方へ向けて上記光軸寄りに反射させるリフレクタと、このリフレクタの前方に設けられた投影レンズと、この投影レンズと上記リフレクタとの間に設けられ、これら投影レンズおよびリフレクタを支持するホルダと、このホルダに回動可能に支持され、上記リフレクタからの反射光の一部を遮蔽可能なシェードと、このシェードを上記反射光に対する遮蔽量が異なった値となる2つの所定位置間において回動させるアクチュエータと、を備えてなるプロジェクタ型の灯具ユニットを有する車両用前照灯において、上記ホルダによる上記シェードの支持が、該シェードの回動軸線上における複数箇所で行われており、これら複数箇所における支持が、上記回動軸線方向に延びる単一のシャフトを介して行われている、ことを特徴とする車両用前照灯。
【請求項2】 上記シャフトが、上記ホルダまたは上記シェードに圧入固定されている、ことを特徴とする請求項1記載の車両用前照灯。
【請求項3】 上記ホルダにおける上記シェードの前方近傍部位に、上記光源からの直射光および上記リフレクタからの反射光の一部を遮蔽する立ち壁部が形成されている、ことを特徴とする請求項1または2記載の車両用前照灯。
【請求項4】 上記立ち壁部に、上記シェードが上記各所定位置に移動したとき該シェードに当接する突起部が形成されている、ことを特徴とする請求項3記載の車両用前照灯。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、いわゆるプロジェクタ型の灯具ユニットを有する車両用前照灯に関するものであり、特に、可動式のシェードを備えた灯具ユニットを有する車両用前照灯に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プロジェクタ型の灯具ユニットは、車両前後方向に延びる光軸上に配置された光源からの光を、リフレクタにより前方へ向けて光軸寄りに反射させ、この反射光をリフレクタの前方に設けられた投影レンズを介して灯具前方へ照射するように構成されている。
【0003】特開2001−110213号公報には、このようなプロジェクタ型の灯具ユニットにおいて、投影レンズとリフレクタとの間にリフレクタからの反射光の一部を遮蔽可能なシェードを設けるとともに、このシェードを反射光に対する遮蔽量が異なった値となる2位置間において回動させることにより、ロービームとハイビームとのビーム切換えを行う構成が記載されている。
【0004】その際、上記公報記載の灯具ユニットにおいては、シェードが投影レンズとリフレクタとの間に設けられたホルダに回動可能に支持されている。このシェードは、平面視において左右両端部が前方へ回り込むように略円弧状に湾曲形成されており、その左右両端部の上端部近傍部位において各々回動ピンを介してホルダに組み付けられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公報記載の灯具ユニットにおいては、ホルダに対するシェードの組付作業を2箇所で別々に行う必要があるので、組付けが面倒で作業性が悪く、しかも正確な回動軸線が得られるように精度良く組付けを行うことが容易でない、という問題がある。
【0006】本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、可動式のシェードを備えたプロジェクタ型の灯具ユニットを有する車両用前照灯において、ホルダに対するシェードの組付けを簡単かつ精度良く行うことができる車両用前照灯を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願発明は、ホルダによるシェードの支持構造に工夫を施すことにより、上記目的達成を図るようにしたものである。
【0008】すなわち、本願発明に係る車両用前照灯は、車両前後方向に延びる光軸上に配置された光源と、この光源からの光を前方へ向けて上記光軸寄りに反射させるリフレクタと、このリフレクタの前方に設けられた投影レンズと、この投影レンズと上記リフレクタとの間に設けられ、これら投影レンズおよびリフレクタを支持するホルダと、このホルダに回動可能に支持され、上記リフレクタからの反射光の一部を遮蔽可能なシェードと、このシェードを上記反射光に対する遮蔽量が異なった値となる2つの所定位置間において回動させるアクチュエータと、を備えてなるプロジェクタ型の灯具ユニットを有する車両用前照灯において、上記ホルダによる上記シェードの支持が、該シェードの回動軸線上における複数箇所で行われており、これら複数箇所における支持が、上記回動軸線方向に延びる単一のシャフトを介して行われている、ことを特徴とするものである。
【0009】上記「光源」の種類は特に限定されるものではなく、例えば、放電バルブの放電発光部や、ハロゲンバルブ等の白熱バルブのフィラメント等が採用可能である。
【0010】上記「入射光に対する遮蔽量が異なった値となる2つの所定位置」は、該所定位置に可動シェードが位置することによりロービーム配光パターンまたはハイビーム配光パターンを形成する位置であってもよいし、それ以外の配光パターンを形成する位置であってもよい。
【0011】上記「アクチュエータ」は、シェードを上記2つの所定位置間において回動させるように構成されたものであれば、その具体的構成は特に限定されるものではなく、例えば、ソレノイド、ステップモータ、液圧シリンダ等が採用可能である。
【0012】上記「上記ホルダによる上記シェードの支持が、該シェードの回動軸線上における複数箇所で行われており」とは、シェードとホルダとが回動軸線方向に関して互いに向かい合う箇所が複数存在する態様で、シェードがホルダに支持されていることを意味するものである。
【0013】上記「回動軸線」の延びる方向は、光軸に対して平行でない方向であれば、特定の方向に限定されるものではない。
【0014】上記「シャフト」は、シェードまたはホルダに固定する必要があるが、その具体的固定方法は特に限定されるものではなく、例えば、ネジ締め固定、溶接固定、圧入固定等が採用可能である。
【0015】
【発明の作用効果】上記構成に示すように、本願発明に係る車両用前照灯は、プロジェクタ型の灯具ユニットを有しており、この灯具ユニットのホルダにはシェードが回動可能に支持されているが、この支持がシェードの回動軸線上における複数箇所で行われており、これら複数箇所における支持が回動軸線方向に延びる単一のシャフトを介して行われているので、ホルダに対するシェードの組付けを一括して行うことができる。
【0016】このため、従来のように、ホルダによるシェードの支持が、シェードの回動軸線上の複数箇所の各々において回動ピンを介して個別に行われる場合に比して、シェードをホルダに簡単に組み付けることができ、しかも正確な回動軸線が得られるように精度良く組み付けることが容易に可能となる。
【0017】このように本願発明によれば、可動式のシェードを備えたプロジェクタ型の灯具ユニットを有する車両用前照灯において、ホルダに対するシェードの組付けを簡単かつ精度良く行うことができる。
【0018】上記「シャフト」のシェードまたはホルダに対する固定方法が特に限定されないことは上述したとおりであるが、シャフトをホルダまたはシェードに圧入固定するようにすれば、ホルダに対するシェードの組付けを極めて簡単に行うことができる。
【0019】上記構成において、ホルダにおけるシェードの前方近傍部位に、光源からの直射光およびリフレクタからの反射光の一部を遮蔽する立ち壁部を形成するようにすれば、光源からの直射光およびリフレクタからの反射光に対する遮蔽をシェードのみによって行うのではなく、立ち壁部をも利用して行うことが可能となる。そして、このようにすることにより、立ち壁部によって光源からの直射光およびリフレクタからの反射光の遮蔽が行われる部分についてはシェードによる遮光が不要になるので、その分だけシェードを削って軽量化を図ることができ、これによりシェードの回動を小さな駆動力で行わせることができる。なお、上記「立ち壁部」の具体的形状は特に限定されるものではなく、例えば、シェードに略沿うようにして延びる形状に設定することが可能である。ここで、「光源からの直射光およびリフレクタからの反射光の一部」とは、光源からの直射光の一部のみ、リフレクタからの反射光の一部のみ、光源からの直射光の一部およびリフレクタからの反射光の一部、のいずれかを意味するものである。
【0020】この場合において、上記立ち壁部に、シェードが各所定位置に移動したとき該シェードに当接する突起部を形成しておけば、シェードを各所定位置において正確に位置決めすることができるので、灯具ユニットから照射される配光パターンが車両振動等によりブレてしまうのを効果的に抑制することができ、かつ、アクチュエータに無理な力が作用してしまうのを未然に防止することができる。
【0021】また上記構成において、アクチュエータをホルダによって固定支持するようにすれば、アクチュエータとシェードとの位置関係精度を高めることができ、これによりアクチュエータによるシェードの駆動を円滑に行わせることができる。
【0022】ところで、一般に車両用前照灯においては、灯具ユニットが透光カバーとランプボディとで形成される灯室内に収容された構成となっているが、その際、灯具ユニットをランプボディに取り付けるためのブラケットをホルダに形成するようにすれば、灯具ユニットの支持強度を高めることが容易に可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。
【0024】図1は、本願発明の一実施形態に係る車両用前照灯を示す側断面図である。
【0025】図示のように、この車両用前照灯10は、素通し状の透光カバー12とランプボディ14とで形成される灯室内に灯具ユニット20が収容されてなっている。その際、灯具ユニット20は、ランプボディ14に対してエイミング機構50を介して上下方向および左右方向に傾動可能に支持されている。
【0026】図2は、灯具ユニット20を単品で示す側断面図であり、図3は、その底面図であり、図4は、図3の要部詳細図である。また、図5は、灯具ユニット20の主要構成要素を分解して示す底面図である。
【0027】これらの図にも示すように、灯具ユニット20は、プロジェクタ型の灯具ユニットであって、放電バルブ22と、リフレクタ24と、ホルダ26と、投影レンズ28と、リテーニングリング30と、シェード32と、アクチュエータ34とを備えてなっている。
【0028】放電バルブ22は、メタルハライドバルブであって、その放電発光部22a(光源)が車両前後方向に延びる光軸Axと同軸で配置されるようにしてリフレクタ24に取り付けられている。
【0029】リフレクタ24は、光軸Axを中心軸とする略楕円球面状の反射面24aを有している。この反射面24aは、光軸Axを含む断面形状が楕円で形成されており、その離心率が鉛直断面から水平断面へ向けて徐々に大きくなるように設定されている。ただし、これら各断面を形成する楕円の後方側頂点は同一位置に設定されている。上記光源22aは、この反射面24aの鉛直断面を形成する楕円の第1焦点F1に配置されている。そしてこれにより、反射面24aは、光源22aからの光を前方へ光軸Ax寄りに反射させるようになっており、その際、光軸Axを含む鉛直断面内においては上記楕円の第2焦点F2に略収束させるようになっている。このリフレクタ24の前端開口部の下端部には、円弧状切欠き部24bが形成されている。
【0030】ホルダ26は、ダイカスト成形品であって、リフレクタ24と投影レンズ28との間に設けられている。
【0031】このホルダ26は、リフレクタ24の前端開口部から前方へ向けてやや狭まるように延びる筒状部26Aと、この筒状部26Aの下端部から下方へ延びる左右1対のシャフト支持部26Bと、これらシャフト支持部26Bから斜め下後方へ延びるアクチュエータ支持部26Cと、筒状部26Aの後端部の所定位置から外周側へ突出する複数のユニット取付用ブラケット26Dと、筒状部26Aの前端部における下半部から筒状部26Aの内部空間へ向けて湾曲するように形成された立ち壁部26Eとからなり、その筒状部26Aの下端部における両シャフト支持部26Bの間には開口部26aが形成されている。
【0032】そして、ホルダ26は、筒状部26Aの前端部においてリテーニングリング30を介して投影レンズ28を固定支持するとともに、筒状部26Aの後端部においてリフレクタ24を固定支持するようになっている。また、ホルダ26は、各ユニット取付用ブラケット26Dにおいて、エイミング機構50を構成するエイミングスクリュウ52に対してエイミングナット54を介して係合しており、これによりランプボディ14に対する灯具ユニット20の取付けを行うようになっている。
【0033】投影レンズ28は、前方側表面が凸面で後方側表面が平面の平凸レンズからなり、その後方側焦点位置がリフレクタ24の第2焦点F2に一致するように配置されている。そしてこれにより、投影レンズ28は、リフレクタ24の反射面24aからの反射光を光軸Ax寄りに偏向させるようにして透過させるようになっている。
【0034】シェード32は、ホルダ26の筒状部26Aの内部空間における略下半部に位置するように配置されており、ホルダ26に対して左右方向に延びる回動軸線Ax1回りに回動可能に支持されている。そして、このシェード32は、図1および2において実線で示す遮光位置と2点鎖線で示す遮光解除位置との間において回動し得るようになっている。
【0035】シェード32の上端縁32aは、光軸Axに関して右側部分が光軸Axと同じ高さで左側部分が光軸Axよりも僅かに高い段違い水平面で構成されている。そして、このシェード32が遮光位置にあるときには、その上端縁32aの段差部が第2焦点F2を通るように配置され、これにより反射面24aからの反射光の一部を遮蔽して灯具ユニット20から出射される上向き照射光を除去し、光軸Axに対して下向きに照射されるロービーム用照射光(図1において実線で示すビーム)を得るようになっている。そしてこれにより、図6(a)に示すような左右段違いのいわゆるZ型のカットオフラインCLを有する左配光のロービーム配光パターンP(L)を形成するようになっている。
【0036】一方、シェード32が遮光解除位置にあるときには、該シェード32は反射面24aからの反射光に対する遮蔽を解除して、灯具ユニット20からの上向き照射光(図1において2点鎖線で示すビーム)の出射も許容し、これによりハイビーム用照射光を得るようになっている。そしてこれにより、図6(b)に示すようなハイビーム配光パターンP(H)を形成するようになっている。
【0037】シェード32は、ダイカスト成形品であって、左右両端部が前方へ回り込むように略円弧状に湾曲形成された円弧状鉛直部32Aと、この円弧状鉛直部32Aの中央部から下方へ延びるとともに下端部が前方へ回り込むように湾曲形成された中央ステー部32Bと、この中央ステー部32Bの前端部における左右両端部上面に形成された1対のシャフト係合用ブラケット32Cと、中央ステー部32Bの前端部における中央部下面に形成された左右1対のプランジャ係合用ブラケット32Dとを備えてなっている。
【0038】ホルダ26によるシェード32の支持は、回動軸線Ax1上における2箇所において行われている。これら2箇所における支持は、回動軸線Ax1方向に延びる単一のシャフト40を介して、次のようにして行われている。
【0039】すなわち、ホルダ26に形成された左右1対のシャフト支持部26Bのうち、一方のシャフト支持部26Bには、シャフト40の外径と略同じ内径のシャフト挿通孔26bが形成されており、他方のシャフト支持部26Bには、シャフト40の外径よりもやや小さい内径のシャフト圧入孔26cが形成されている。
【0040】一方、シェード32の各シャフト係合用ブラケット32Cには、これを左右方向に貫通する貫通孔32bが形成されている。そして、これら各貫通孔32bには、ブッシュ(メタル)42が左右方向外側から各々圧入固定されている。これら各ブッシュ42は、シャフト40の外径よりも僅かに大きい内径を有するフランジ付きスリーブとして構成されている。
【0041】そして、これら各ブッシュ42が圧入固定された両シャフト係合用ブラケット32Cを、ホルダ26の両シャフト支持部26Bの間に配置して、各ブッシュ42の孔と各シャフト支持部26Bのシャフト挿通孔26bおよびシャフト圧入孔26cとを位置合わせした状態で、シャフト40を、一方のシャフト挿通孔26bから回動軸線Ax1に沿って両ブッシュ42に挿入してこれらを貫通させた後、他方のシャフト圧入孔26cに圧入固定することにより、ホルダ26に対してシェード32を回動可能に支持せしめるようになっている。
【0042】ホルダ26の立ち壁部26Eは、遮光位置にあるときのシェード32に略沿うようにして形成されており、その上端縁26dの左右両端部はシェード32の上端縁32aと略同じ高さに設定される一方、その中央部はシェード32の上端縁32aよりもある程度低い位置に設定されている。そして、この立ち壁部26Eの上端縁26dにおける左右両端部と中央部との段差に対して、シェード32の円弧状鉛直部32Aの上下幅が僅かに大きい値となっている。
【0043】立ち壁部26Eの後面中央部における上端部近傍部位には、シェード32が遮光解除位置から遮光位置まで回動したとき、該シェード32に当接する突起部26eが形成されている。また、立ち壁部26Eの下面中央部における前端部近傍部位には、シェード32が遮光位置から遮光解除位置まで回動したとき、該シェード32に当接する突起部26fが形成されている。一方、シェード32における中央ステー部32Bの前端面中央部には、立ち壁部26Eの突起部26fに当接する突起部32cが形成されている。
【0044】シェード32の中央ステー部32Bに形成された左右1対のプランジャ係合用ブラケット32Dは、その先端部が円弧状先端部32dとして大きめに形成されており、これら1対の円弧状先端部32dにおいてアクチュエータ34と係合するようになっている。
【0045】アクチュエータ34は、リターンスプリング内蔵型のソレノイドで構成されている。
【0046】すなわち、このアクチュエータ34は、リターンスプリングを内蔵するソレノイド本体34Aと、このソレノイド本体34Aから前方へ向けて突出するプランジャ34Bと、ソレノイド本体34Aを収容する本体ハウジング34Cと、この本体ハウジング34Cの後端部に取り付けられたコネクタ34Dとを備えてなり、そのプランジャ34Bをシェード32の1対のプランジャ係合用ブラケット32Dと係合させるようにして、ホルダ26のアクチュエータ支持部26Cに固定支持されている。プランジャ34Bは、その先端部近傍部位が小径部34aとして形成されており、この小径部34aに両プランジャ係合用ブラケット32Dの円弧状先端部32dが係合するようになっている。
【0047】そして、アクチュエータ34は、図示しないビーム切換えスイッチの切換え動作に応じて作動し、シェード32を上記遮光位置および遮光解除位置間において回動させてロービームとハイビームとのビーム切換えを行うようになっている。なお、アクチュエータ34は、非励磁状態では、その本体ハウジング34Cに内蔵されたリターンスプリングの弾性力によりプランジャ34Bを後方へ移動させ、これによりシェード32を遮光位置に保持するようになっている。
【0048】アクチュエータ34のホルダ26に対する取付けは、本体ハウジング34Cの上端部をアクチュエータ支持部26Cの上壁部26gに当接させるとともに、本体ハウジング34Cの両側部に形成された左右1対のフランジ部34bをアクチュエータ支持部26Cの両側壁部26hの下端面に当接させた状態で、ネジ44により各フランジ部34bと各側壁部26hとを固定することにより行われている。その際、本体ハウジング34Cとホルダ26との位置決めを図るため、各側壁部26hの下端面には位置決めピン26iが形成されており、フランジ部34bには位置決めピン26iが挿入される位置決め孔34cが形成されている。
【0049】次に本実施形態の作用効果について説明する。
【0050】本実施形態に係る車両用前照灯10は、プロジェクタ型の灯具ユニット20を有しており、この灯具ユニット20のホルダ26にはシェード32が回動可能に支持されているが、この支持がシェード32の回動軸線Ax1上における複数箇所(2箇所)で行われており、これら複数箇所における支持が回動軸線Ax1方向に延びる単一のシャフト40を介して行われているので、ホルダ26に対するシェード32の組付けを一括して行うことができる。
【0051】このため、従来のようにホルダによるシェードの支持がシェードの回動軸線上における複数箇所の各々において回動ピンを介して個別に行われる場合に比して、シェード32をホルダ26に簡単に組み付けることができ、しかも正確な回動軸線Ax1が得られるように精度良く組み付けることが容易に可能となる。
【0052】特に本実施形態においては、ホルダ26におけるシャフト支持部26Bのシャフト圧入孔26cに、シャフト40が圧入固定されるようになっているので、ホルダ26に対するシェード32の組付けを極めて簡単に行うことができる。
【0053】また本実施形態においては、ホルダ26におけるシェード32の前方近傍部位に、遮光位置にあるときのシェード32に略沿うようにして立ち壁部26Eが湾曲形成されているので、リフレクタ24からの反射光に対する遮蔽を、シェード32のみによって行うのではなく、立ち壁部26Eをも利用して行うことができる。そしてこれにより、立ち壁部26Eによって反射光の遮蔽が行われる部分についてはシェード32による遮光が不要になるので、その分だけシェード32を削って軽量化を図ることができる。
【0054】すなわち、本実施形態における立ち壁部26Eは、その上端縁26dの左右両端部がシェード32の上端縁32aと略同じ高さに設定される一方、その中央部がシェード32の上端縁32aよりもある程度低い位置に設定されているので、シェード32が遮光位置にあるときには、立ち壁部26Eの上端縁26dがシェード32の上端縁32aの左右両端部から前方へ延長して延びるようにする一方、シェード32が遮光解除位置にあるときには、遮蔽が解除された反射面24aからの反射光が立ち壁部26Eによって遮蔽されてしまわないようにすることができる。
【0055】そして、シェード32の円弧状鉛直部32Aの上下幅は、立ち壁部26Eの上端縁26dにおける左右両端部と中央部との段差よりも僅かに大きい値に設定されているので、シェード32が遮光位置にあるときに、その円弧状鉛直部32Aと立ち壁部26Eとの間に、反射面24aからの反射光に対する光漏れを発生させる隙間が形成されないようにした上で、シェード32の軽量化を図ることができ、これによりシェード32の回動を小さな駆動力で行わせることができる。
【0056】なお、この立ち壁部26Eを設けることにより、光源22aからの直射光の一部についても該立ち壁部26Eによる遮蔽が可能となるので、その分だけシェード32を削って軽量化を図ることができる。
【0057】また本実施形態においては、立ち壁部26Eに、シェード32が遮光位置に移動したとき該シェード32に当接する突起部26eと、シェード32が遮光解除位置に移動したとき該シェード32に当接する突起部26fとが形成されているので、シェード32を遮光位置および遮光解除位置において正確に位置決めすることができる。そしてこれにより、灯具ユニット20から照射されるロービーム配光パターンP(L)あるいはハイビーム配光パターンP(H)が車両振動等によりブレてしまうのを(特にロービーム配光パターンP(L)のカットオフラインCLがブレてしまうのを)効果的に抑制することができ、かつ、アクチュエータ34に無理な力が作用してしまうのを未然に防止することができる。
【0058】さらに本実施形態においては、アクチュエータ34がホルダ26に固定支持されているので、アクチュエータ34とシェード32との位置関係精度を高めることができ、これによりアクチュエータ34によるシェード32の駆動を円滑に行わせることができる。
【0059】ところで本実施形態においては、灯具ユニット20を構成するホルダ26以外のすべての部材がホルダ26に支持されているが、灯具ユニット20はホルダ26に形成されたユニット取付用ブラケット26Dを介してランプボディ14に取り付けられているので、灯具ユニット20の支持強度を高めることが容易に可能となる。
【0060】本実施形態においては、シェード32の各シャフト係合用ブラケット32Cに形成された貫通孔32bに対してブッシュ42が圧入固定されているので、シャフト40を挿通させるためのシャフト挿通孔を各シャフト係合用ブラケット32Cに直に形成するようにした場合に比して、正確な孔径寸法を確保することが可能となる。したがって、各シャフト係合用ブラケット32Cの貫通孔32bに圧入固定されたブッシュ42に対してシャフト40を挿通させることにより、シェード32にガタツキをほとんど発生させることなく該シェード32を回動させることができる。もっとも、各シャフト係合用ブラケット32Cにシャフト挿通孔を所定の精度で形成することが可能であれば、ブッシュ42を廃止することも可能である。
【0061】なお本実施形態においては、シャフト40を、ホルダ26のシャフト支持部26Bに形成されたシャフト圧入孔26cに圧入固定するように構成されているが、このようにする代わりに、シェード32にシャフト圧入孔を形成して、このシャフト圧入孔にシャフト40を圧入固定するようにすることも可能である。
【0062】また本実施形態においては、ホルダ26に対するシェード32の支持が、回動軸線Ax1上における2箇所で行われている場合について説明したが、この支持が3箇所以上において行われる場合においても、本実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
【住所又は居所】東京都港区高輪4丁目8番3号
【出願日】 平成14年3月4日(2002.3.4)
【代理人】 【識別番号】100099999
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 隆
【公開番号】 特開2003−257218(P2003−257218A)
【公開日】 平成15年9月12日(2003.9.12)
【出願番号】 特願2002−57850(P2002−57850)