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【発明の名称】 車両用灯具
【発明者】 【氏名】達川 正士
【住所又は居所】静岡県清水市北脇500番地 株式会社小糸製作所静岡工場内

【要約】 【課題】車両前方路面へ向けてビーム照射を行う第1灯具ユニットの他に、車両斜め前方路面へ向けてビーム照射を行う第2灯具ユニットが収容された車両用灯具において、第2灯具ユニットから車両前方路面の近距離領域へ向かう照射ビームを十分に確保可能とする。

【解決手段】ランプボディ12と透光カバー14とで構成される灯室内に、第1灯具ユニット16と灯具ユニット18とを、第2灯具ユニット18を上にして上下2段で配置し、かつ、第2灯具ユニット18を、そのリフレクタ34からの反射光の一部が透光カバー14における第1灯具ユニット16の前方部位を透過するように構成する。これにより第2灯具ユニット18のビーム照射方向をかなり下向きに設定可能とし、車両前方路面の近距離領域へ向かう照射ビームを十分に確保可能とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ランプボディと透光カバーとで構成される灯室内に、車両前方路面へ向けてビーム照射を行う第1灯具ユニットと、車両斜め前方路面へ向けてビーム照射を行う第2灯具ユニットとが収容されてなる車両用灯具において、上記両灯具ユニットが、上記第2灯具ユニットを上にして上下2段で配置されており、上記第2灯具ユニットが、光源と、この光源からの光を拡散偏向反射させるリフレクタとを備えてなり、該リフレクタからの反射光の少なくとも一部を、上記透光カバーにおける上記第1灯具ユニットの前方部位を透過させるように構成されている、ことを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】 上記第1灯具ユニットが、光源と、この光源からの光を拡散偏向反射させるリフレクタとを備えてなり、上記両灯具ユニットのリフレクタが一体的に形成されている、ことを特徴とする請求項1記載の車両用灯具。
【請求項3】 上記第1灯具ユニットが、光源と、この光源からの光を集光反射させるリフレクタと、このリフレクタの前方に設けられた投影レンズとを備えてなる、ことを特徴とする請求項1記載の車両用灯具。
【請求項4】 上記第2灯具ユニットの光軸が、車両前後方向に対して所定角度車幅方向外側を向いている、ことを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の車両用灯具。
【請求項5】 上記第2灯具ユニットが、車両が旋回走行する際に旋回方向前方路面を照射するベンディングランプとして構成されている、ことを特徴とする請求項1〜4記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、ビーム照射方向が異なる複数の灯具ユニットを備えた車両用灯具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ランプボディと透光カバーとで構成される灯室内に、ヘッドランプ等のように車両前方路面へ向けてビーム照射を行う灯具ユニット(以下「第1灯具ユニット」という)の他に、ベンディングランプ等のように車両斜め前方路面へ向けてビーム照射を行う灯具ユニット(以下「第2灯具ユニット」という)が収容された車両用灯具が知られている。
【0003】このような車両用灯具における第2灯具ユニットは、光源からの光をリフレクタにより拡散偏向反射させるように構成されているのが一般的である。
【0004】また、このような車両用灯具においては、第1灯具ユニットが車両前方路面の比較的遠距離領域を照射するように構成されているのに対し、第2灯具ユニットは車両前方路面の比較的近距離領域を照射するように構成されている場合が多い。そしてこのような場合には、第2灯具ユニットのビーム照射方向は、第1灯具ユニットのビーム照射方向に比して下向きに設定されることとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第2灯具ユニットのビーム照射方向をある程度大きい角度で下向きに設定しようとすると、そのリフレクタからの反射光が該リフレクタの下壁面やランプボディの下壁面に入射してしまうので、車両前方路面の近距離領域へ向かう照射ビームを十分に確保することができなくなってしまう、という問題がある。
【0006】本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、車両前方路面へ向けてビーム照射を行う第1灯具ユニットの他に車両斜め前方路面へ向けてビーム照射を行う第2灯具ユニットが灯室内に収容された車両用灯具において、第2灯具ユニットから車両前方路面の近距離領域へ向かう照射ビームを十分に確保することができる車両用灯具を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願発明は、第2灯具ユニットの配置等に工夫を施すことにより、上記目的達成を図るようにしたものである。
【0008】すなわち、本願発明に係る車両用灯具は、ランプボディと透光カバーとで構成される灯室内に、車両前方路面へ向けてビーム照射を行う第1灯具ユニットと、車両斜め前方路面へ向けてビーム照射を行う第2灯具ユニットとが収容されてなる車両用灯具において、上記両灯具ユニットが、上記第2灯具ユニットを上にして上下2段で配置されており、上記第2灯具ユニットが、光源と、この光源からの光を拡散偏向反射させるリフレクタとを備えてなり、該リフレクタからの反射光の少なくとも一部を、上記透光カバーにおける上記第1灯具ユニットの前方部位を透過させるように構成されている、ことを特徴とするものである。
【0009】上記「車両用灯具」は、第1および第2灯具ユニットのみが灯室内に収容されたものであってもよいし、これら以外の灯具ユニットも灯室内に収容されたものであってもよい。
【0010】上記「第1灯具ユニット」の具体的構成は特に限定されるものではなく、例えば、光源と、この光源からの光を拡散偏向反射させるリフレクタとを備えてなる灯具ユニット(いわゆるパラボラ型の灯具ユニット)、あるいは、光源と、この光源からの光を集光反射させるリフレクタと、このリフレクタの前方に設けられた投影レンズとを備えてなる灯具ユニット(いわゆるプロジェクタ型の灯具ユニット)等として構成することが可能である。
【0011】上記「第2灯具ユニット」は、第1灯具ユニットが点灯しているときのみ点灯するように構成されたものであってもよいし、第1灯具ユニットとは独立して単独で点灯し得るように構成されたものであってもよく、また、例えば旋回走行時等のような所定の車両走行状況下においてのみ点灯するように構成されたものであってもよいし、常時点灯するように構成されたものであってもよい。
【0012】上記「拡散偏向反射させる」とは、反射光が拡散するように反射させる態様、反射光が偏向するように反射させる態様、反射光が偏向しつつ拡散するように反射させる態様、のいずれかであることを意味するものである。
【0013】
【発明の作用効果】上記構成に示すように、本願発明に係る車両用灯具は、ランプボディと透光カバーとで構成される灯室内に、車両前方路面へ向けてビーム照射を行う第1灯具ユニットと、車両斜め前方路面へ向けてビーム照射を行う第2灯具ユニットとが収容されているが、両灯具ユニットは第2灯具ユニットを上にして上下2段で配置されており、かつ、第2灯具ユニットは、そのリフレクタからの反射光の少なくとも一部を透光カバーにおける第1灯具ユニットの前方部位を透過させるように構成されているので、第2灯具ユニットのビーム照射方向をかなり下向きに設定することが可能となる。
【0014】したがって本願発明によれば、車両前方路面へ向けてビーム照射を行う第1灯具ユニットの他に車両斜め前方路面へ向けてビーム照射を行う第2灯具ユニットが灯室内に収容された車両用灯具において、第2灯具ユニットから車両前方路面の近距離領域へ向かう照射ビームを十分に確保することができる。
【0015】上記構成において、第1灯具ユニットが、光源とこの光源からの光を拡散偏向反射させるリフレクタとを備えた構成である場合には、両灯具ユニットのリフレクタを一体的に形成すれば、灯具の構成簡素化を図ることができる。
【0016】また上記構成において、第2灯具ユニットを、その光軸が車両前後方向に対して所定角度車幅方向外側を向くように構成しておけば、次のような作用効果を得ることができる。
【0017】すなわち、第2灯具ユニットは車両斜め前方路面へ向けてビーム照射を行うように構成されているが、このビーム照射をリフレクタの拡散偏向反射制御のみにより行うようにした場合には、その水平方向偏向角度を大きい値に設定する必要があるので、車両斜め前方路面に照射された配光パターンに光ムラが発生しやすくなり、しかも灯具効率が低下してしまう。
【0018】その点、第2灯具ユニットの光軸が車両前後方向に対して所定角度車幅方向外側を向くようにしておけば、リフレクタからの反射光の水平方向偏向角度を大きい値に設定する必要がなくなるので、車両斜め前方路面に照射された配光パターンに光ムラが発生しにくくなるようにすることができ、しかも灯具効率を高めることができる。
【0019】また、車両用灯具は車体コーナ部に設けられることが多く、この車体コーナ部の上部は丸みを帯びた曲面形状に形成されることが多いが、第2灯具ユニットの光軸が車両前後方向に対して所定角度車幅方向外側を向くようにしておけば、第2灯具ユニットを車体コーナ部の曲面形状に沿って配置することが容易に可能となる。
【0020】ここで「所定角度」の具体的な値は特に限定されるものではないが、例えば、10〜60°程度の範囲内の値、より好ましくは20〜50°程度の値、さらに好ましくは30〜40°程度の値に設定することが可能である。
【0021】上記「第2灯具ユニット」の具体的構成は特に限定されるものではないが、車両が旋回走行する際に旋回方向前方路面を照射するベンディングランプとして構成されている場合には、該第2灯具ユニットからのビームにより旋回方向前方路面における近距離領域を十分に照射して、その視認性を高めることができるので、旋回走行時の走行安全性を高めることができる。
【0022】ここでいう「旋回走行する際」に、実際に旋回走行している状態が該当することはもちろんであるが、現時点ではまだ旋回走行してはいないが、近い将来旋回走行することが明らかな状態(例えば方向指示器が作動している状態)も「旋回走行する際」に含めるようにしてもよい。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。
【0024】図1は、本願発明の一実施形態に係る車両用灯具を、その制御システムと共に示す正面図である。
【0025】図示のように、本実施形態に係る車両用灯具10L、10Rは、車両前端部の左右コーナ部に設けられるように構成されており、コントロールユニット102により、ビーム切換えスイッチ104、方向指示器スイッチ106および舵角センサ108からの検出信号に基づいて、車両走行状況に応じたビーム照射制御が行われるようになっている。
【0026】両車両用灯具10L、10Rの構成は、いずれも同様であるので、以下、左側の車両用灯具10Lについて説明する。
【0027】図2は、車両用灯具10Lを示す正面図であり、図3および4は、そのIII-III 線断面図およびIV-IV 線断面図である。
【0028】これらの図に示すように、車両用灯具10Lは、ランプボディ12と素通し状の透光カバー14とで形成される灯室内に、第1灯具ユニット16と第2灯具ユニット18とが収容されてなっている。両灯具ユニット16、18は、第2灯具ユニット18を上にして上下2段で配置されている。そして、両灯具ユニット16、18と透光カバー14との間には、エクステンションリフレクタ20が設けられている。
【0029】第1灯具ユニット16は、車両前方路面へ向けてビーム照射を行うヘッドランプとして構成された灯具ユニットであって、光源バルブ(H4ハロゲンバルブ)22と、リフレクタ24と、シェード26とを備えてなっている。
【0030】リフレクタ24は、車両前後方向に延びる光軸Ax1を中心軸とする回転放物面上に複数の反射素子24sが形成されてなる反射面24aを有しており、該反射面24aにより光源バルブ22のロービーム用フィラメント22a(光源)またはハイビーム用フィラメント22b(光源)からの光を前方へ拡散偏向反射させるようになっている。
【0031】一方、第2灯具ユニット18は、車両斜め前方路面へ向けてビーム照射を行うベンディングランプとして構成された灯具ユニットであって、光源バルブ(H7ハロゲンバルブ)32と、リフレクタ34とを備えてなっている。
【0032】リフレクタ34は、車両前後方向に対して所定角度(30°程度)車幅方向外側(左方向)を向くよう延びる光軸Ax2を中心軸とする回転放物面上に、複数の反射素子34sが形成されてなる反射面34aを有しており、該反射面34aにより光源バルブ32のフィラメント32a(光源)からの光を斜め前方へ下向きに拡散偏向反射させるようになっている。
【0033】両灯具ユニット16、18のリフレクタ24、34は、単一部材で一体的に形成されており、図示しないエイミング機構を介してランプボディ12に上下方向および左右方向に傾動可能に支持されている。リフレクタ34における反射面24aの下側には壁面部24bが形成されているが、リフレクタ24における反射面34aの上側および両反射面24a、34aの境界部分には壁面部は形成されていない。そして、エクステンションリフレクタ20は、両リフレクタ24、34の外周縁部を囲むようにして設けられている。
【0034】図2および4に示すように、第2灯具ユニット18は、そのリフレクタ34の反射面34aにより、光源バルブ32のフィラメント32aからの光を、下向きに偏向させるようにして水平方向に拡散反射させるようになっている。その際、両リフレクタ24、34の反射面24a、34aの境界部分には壁面部が形成されていないので、リフレクタ34の反射面34aからの反射光の一部は、透光カバー14における第1灯具ユニット16の前方部位(リフレクタ24の反射面24aの前方部位)を透過することとなる。
【0035】図1に示すように、右側の車両用灯具10Rは、その第1灯具ユニット16が左側の車両用灯具10Lの第1灯具ユニット16を平行移動させた構成となっており、また、その第2灯具ユニット18が左側の車両用灯具10Lの第2灯具ユニット18を左右反転させた構成となっている。
【0036】図5(a)は、左側の車両用灯具10Lの各灯具ユニット16、18からのビーム照射により、灯具前方25mの位置に配置された仮想鉛直スクリーン上に形成される配光パターンを示す図である。
【0037】図示のように、第1灯具ユニット16は、光源バルブ22のロービーム用フィラメント22aが点灯した状態では、カットオフラインCLを有する左配光用のロービーム配光パターンPL(L)を形成するようになっている。なお、光源バルブ22のハイビーム用フィラメント22bが点灯した状態では、2点鎖線で示すようなハイビーム配光パターンPH(L)を形成するようになっている。
【0038】一方、第2灯具ユニット18は、ロービーム配光パターンP(L)の左下方において該ロービーム配光パターンP(L)と一部重複する補助配光パターンPa(L)を形成するようになっている。
【0039】図5(b)は、右側の車両用灯具10Rの各灯具ユニット16、18からのビーム照射により、灯具前方25mの位置に配置された仮想鉛直スクリーン上に形成される配光パターンを示す図である。
【0040】図示のように、第1灯具ユニット16からのビーム照射により形成されるロービーム配光パターンPL(R)およびハイビーム配光パターンPH(R)は、左側の車両用灯具10Lの場合と同様であるが、第2灯具ユニット18からのビーム照射により形成される補助配光パターンPa(R)は、ロービーム配光パターンP(R)の右下方において該ロービーム配光パターンP(R)と一部重複して形成されるようになっている。
【0041】左側の車両用灯具10Lの第2灯具ユニット18は、該車両用灯具10Lの第1灯具ユニット16がロービーム照射モードで点灯している状態において、車両が左方向へ旋回走行する際に点灯するようになっている。一方、右側の車両用灯具10Rの第2灯具ユニット18は、該車両用灯具10Lの第1灯具ユニット16がロービーム照射モードで点灯している状態において、車両が右方向へ旋回走行する際に点灯するようになっている。
【0042】コントロールユニット102は、舵角センサ108からの入力信号によりステアリング操作が行われたことを検知したとき、あるいは方向指示器スイッチ106からの入力信号によりウインカ操作が行われたこと(方向指示器が作動したこと)を検知したとき、車両旋回方向に位置する車両用灯具10Lまたは10Rの第2灯具ユニット18を点灯させるようになっている。
【0043】図6、7および8は、コントロールユニット102による両車両用灯具10L、10Rの具体的なビーム照射制御例を示す平面図である。
【0044】図6に示すように、車両2が直線走行路Aに沿って走行している場合には、両車両用灯具10L、10R共に、第2灯具ユニット18は点灯させることなく、第1灯具ユニット16のみを点灯させ、ロービーム配光パターンPL(L)、PL(R)でビーム照射を行う。
【0045】図7に示すように、車両2が左旋回走行路Bに沿って走行している場合には、左方向へのステアリング操作が行われた状態にあるので、左側の車両用灯具10Lの第2灯具ユニット18を追加点灯させ、ロービーム配光パターンPL(L)、PL(R)と補助配光パターンPa(L)とでビーム照射を行い、これにより左旋回走行路Bの進行方向前方路面を、その近距離領域から中距離領域にかけて十分に照射する。
【0046】なお、同図に2点鎖線で示すように、車両2が右旋回走行路B´に沿って走行している場合には、右方向へのステアリング操作が行われた状態にあるので、右側の車両用灯具10Rの第2灯具ユニット18を追加点灯させ、ロービーム配光パターンPL(L)、PL(R)と補助配光パターンPa(R)とでビーム照射を行い、これにより右旋回走行路B´の進行方向前方路面を、その近距離領域から中距離領域にかけて十分に照射する。
【0047】図8に示すように、車両2が直線走行路Aに沿って走行している場合において左方向へのウインカ操作が行われたときは、左側の車両用灯具10Lの第2灯具ユニット18を追加点灯させ、ロービーム配光パターンPL(L)、PL(R)と補助配光パターンPa(L)とでビーム照射を行い、これにより左折進入路Cの進行方向前方路面を十分に照射する。
【0048】なお、同図に2点鎖線で示すように、車両2が直線走行路Aに沿って走行している場合において右方向へのウインカ操作が行われたときは、右側の車両用灯具10Rの第2灯具ユニット18を追加点灯させ、ロービーム配光パターンPL(L)、PL(R)と補助配光パターンPa(R)とでビーム照射を行い、右折進入路C´の進行方向前方路面を十分に照射する。
【0049】以上詳述したように、本実施形態に係る各車両用灯具10L、10Rは、ランプボディ12と透光カバー14とで構成される灯室内に、車両前方路面へ向けてビーム照射を行う第1灯具ユニット16と、車両斜め前方路面へ向けてビーム照射を行う第2灯具ユニット18とが収容されているが、両灯具ユニット16、18は第2灯具ユニット18を上にして上下2段で配置されており、かつ、第2灯具ユニット18は、そのリフレクタ34からの反射光の一部を透光カバー14における第1灯具ユニット16の前方部位を透過させるように構成されているので、第2灯具ユニット18のビーム照射方向をかなり下向きに設定することが可能となる。したがって本実施形態によれば、第2灯具ユニット18から車両前方路面の近距離領域へ向かう照射ビームを十分に確保することができる。
【0050】また、本実施形態に係る各車両用灯具10L、10Rは、その第1および第2灯具ユニット16、18がいずれもパラボラ型の灯具ユニットとして構成されているが、両灯具ユニット16、18のリフレクタ24、34は一体的に形成されているので、灯具の構成簡素化を図ることができる。
【0051】さらに、本実施形態に係る各車両用灯具10L、10Rにおいては、その第2灯具ユニット18の光軸Ax2が車両前後方向に対して所定角度車幅方向外側を向いているので、車両斜め前方路面へ向けてビーム照射を行うようにするためにリフレクタ34からの反射光の水平方向偏向角度を大きい値に設定する必要がなくなる。このため、リフレクタ34の反射面34aを構成する各反射素子34sに大きな段差部が形成されてしまうのを未然に防止することができ、これにより車両斜め前方路面に照射された配光パターンに光ムラが発生しにくくなるようにすることができ、しかも灯具効率を高めることができる。また、このように第2灯具ユニット18の光軸Ax2が車両前後方向に対して所定角度車幅方向外側を向いていることにより、第2灯具ユニット18を車体コーナ部の曲面形状に沿って配置することが容易に可能となる。
【0052】本実施形態に係る各車両用灯具10L、10Rにおいては、第2灯具ユニット18が、車両が旋回走行する際に旋回方向前方路面を照射するベンディングランプとして構成されているので、該第2灯具ユニット18からのビームにより旋回方向前方路面における近距離領域を十分に照射して、その視認性を高めることができ、これにより旋回走行時の走行安全性を高めることができる。
【0053】なお、各車両用灯具10L、10Rの第2灯具ユニット18を、車両が旋回走行するときだけでなく、車両が低速で直進走行している場合等に点灯させるようにすることも可能であり、このようにすることにより車両前方路面の視認性を一層高めることができる。
【0054】また本実施形態においては、各車両用灯具10L、10Rの第1灯具ユニット16がロービーム照射モードで点灯している状態において、車両が旋回走行する際に車両用灯具10Lまたは車両用灯具10Rの第2灯具ユニット18が点灯するようになっているが、各車両用灯具10L、10Rの第1灯具ユニット16がハイビーム照射モードで点灯している状態においても、車両が旋回走行する際に車両用灯具10Lまたは車両用灯具10Rの第2灯具ユニット18が点灯するように構成することも可能である。
【0055】さらに本実施形態においては、各車両用灯具10L、10Rの第1灯具ユニット16がパラボラ型の灯具ユニットとして構成されている場合について説明したが、これをプロジェクタ型の灯具ユニットとして構成することも可能である。
【0056】図9は、プロジェクタ型の灯具ユニットとして構成された第1灯具ユニット46を有する左側の車両用灯具10L´を示す正面図であり、図10は、そのX-X線断面図である。
【0057】これらの図に示すように、車両用灯具10L´の第1灯具ユニット46は、光源バルブ(放電バルブ)52と、この放電バルブ52の放電発光部52a(光源)からの光を集光反射させる略楕円球面状の反射面54aを有するリフレクタ54と、このリフレクタ54の前方に設けられた投影レンズ56と、この投影レンズ56とリフレクタ54との間に設けられたシェード58と、このシェード58を前後方向に回動させるシェード駆動装置60とを備えてなっている。
【0058】なお、右側の車両用灯具は、その第1灯具ユニットが左側の車両用灯具10L´の第1灯具ユニット16を平行移動させた構成となっており、また、その第2灯具ユニットが左側の車両用灯具10L´の第2灯具ユニット18を左右反転させた構成となっている。
【0059】第1灯具ユニット46は、シェード58が図示実線位置にあるときには、該シェード58によりリフレクタ54の反射光の一部を遮蔽して第1灯具ユニット46から出射される上向き照射光を除去し、これにより光軸Ax1に対して下向きに照射されるロービーム用照射光(図10において実線で示すビーム)を得るようになっている。一方、シェード58が図示2点鎖線位置に移動したときには、該シェード58はリフレクタ54からの反射光の遮蔽を解除して第1灯具ユニット46からの上向き照射光の出射も許容し、これによりハイビーム用照射光(図10において実線および2点鎖線で示すビーム)を得るようになっている。
【0060】この車両用灯具10L´においては、第1灯具ユニット46のリフレクタ54の形状が、第2灯具ユニット18のリフレクタ34の形状と大きく異なっているので、両リフレクタ54、34は別体で形成されている。そして、エクステンションリフレクタ20には、第1灯具ユニット46の投影レンズ56を筒状に囲む投影レンズ囲繞部20aが延長形成されている。
【0061】この車両用灯具10L´においても、第2灯具ユニット18のリフレクタ34からの反射光の一部が透光カバー14における第1灯具ユニット46の前方部位を透過するように構成されているので、第2灯具ユニット18のビーム照射方向をかなり下向きに設定することができ、これにより第2灯具ユニット18から車両前方路面の近距離領域へ向かう照射ビームを十分に確保することができる。
【0062】なお、上記本実施形態およびその変形例においては、第1灯具ユニット16、46がロービーム照射およびハイビーム照射を行い得るように構成されているが、第1灯具ユニット16、46をロービーム照射専用灯具として構成し、ハイビーム照射用の灯具についてはこれを別の灯具ユニットとして構成することも可能である。
【出願人】 【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
【住所又は居所】東京都港区高輪4丁目8番3号
【出願日】 平成14年2月18日(2002.2.18)
【代理人】 【識別番号】100099999
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 隆
【公開番号】 特開2003−242812(P2003−242812A)
【公開日】 平成15年8月29日(2003.8.29)
【出願番号】 特願2002−39481(P2002−39481)