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【発明の名称】 車両灯具用シェードの取付構造
【発明者】 【氏名】海江田 雄司
【住所又は居所】神奈川県伊勢原市板戸80番地 市光工業株式会社伊勢原製造所内

【要約】 【課題】シェードを正規位置に容易に締結することができること。

【解決手段】シェード1が、立壁2と、立壁2の先端の一側面側にバルブの先端を覆うように傘状に突出させて形成されるシェード本体部3と、スクリュウ孔5を有して立壁2の基端の他側面側に突出させて形成される取付腕部4とを備え、取付腕部4を、リフレクタ6内に設けられた取付ベース7にスクリュウ8止めすることにより取り付けられており、立壁2の一側面の内少なくともスクリュウ止めの際に負荷の上流側となる側面部分(端壁2b)が、取付ベース7に突設されたボス部9に当接されている。これにより取付腕部4を取付ベース7に締結する際の回転トルク方向の位置ずれを防ぐことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 シェードが、立壁と、前記立壁の先端の一側面側にバルブの先端を覆うように傘状に突出させて形成されるシェード本体部と、スクリュウ孔を有して前記立壁の基端の他側面側に突出させて形成される取付腕部とを備えて構成されると共に、前記取付腕部を、リフレクタ内に設けられた取付ベースに前記スクリュウ孔を介してスクリュウ止めすることにより取り付けられている車両灯具用シェードの取付構造であって、前記立壁の一側面の内少なくとも前記スクリュウ止めの際に負荷の上流側となる側面部分が、前記取付ベースに突設されたボス部に当接されていることを特徴とする車両灯具用シェードの取付構造。
【請求項2】 請求項1記載の車両灯具用シェードの取付構造であって、前記立壁の一側面は、その幅方向の両側に対応する部位に、それぞれ窪み部を有して形成されており、前記ボス部は、前記窪み部の各々に当接するように前記取付ベースに2個突設されていることを特徴とする車両灯具用シェードの取付構造。
【請求項3】 請求項2記載の車両灯具用シェードの取付構造であって、前記2個のボス部は、前記取付ベースに穿設されるスクリュウ螺合孔との距離がそれぞれ同一となるように形成されていることを特徴とする車両灯具用シェードの取付構造。
【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項記載の車両灯具用シェードの取付構造であって、前記立壁は、前記取付腕部の工具スペース部の周縁部に沿うように立壁の一側面側が凸円弧状となる中央壁を有して形成されていることを特徴とする車両灯具用シェードの取付構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、ヘッドランプ、フォグランプ等に適用されるシェードで、特にリフレクタ内に設けられた取付ベースにスクリュウ止めされて取り付けられている車両灯具用シェードの取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に車両用灯具は、バルブの直射光を前方に照射するのを防止するために、バルブを覆うシェードを取り付けて構成されている。
【0003】このときシェードは、立壁と、前記立壁の先端の一側面側にバルブの先端を覆うように傘状に突出させて形成されるシェード本体部と、スクリュウ孔を有して前記立壁の基端の他側面側に突出させて形成される取付腕部とを備えて構成されると共に、前記取付腕部を、リフレクタ内に設けられた取付ベースに前記スクリュウ孔を介してスクリュウ止めすることにより取り付けられている。
【0004】そして通常、シェードは、そのシェード本体部の周縁部を、リフレクタの反射面の形状に相応して細かくカットすることにより、前記周縁部へのリフレクタの反射光の照射によるグレア光の発生を防止している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、シェードは、スクリュウ止めにより取り付けられるものであるから、締結の終段におけるスクリュウの回転トルクにより締結位置がずれる虞がある。
【0006】このため従来のシェードの取付構造は、シェードを正規の位置に締結するのが難しいばかりでなく、締結位置がずれたときには、折角シェード本体部の周縁部を細かくカットしたにも拘わらず、所望のグレア光防止効果が得られない、という不具合を有している。
【0007】また、前記締結位置のずれを防止するために、前記取付腕部の周縁部に当接するボス部を取付ベースに突設することも考えられるが、この場合、素通しレンズを用いた灯具が多い昨今、前記ボス部が外部から視認できて外観上の品質を低下させるばかりでなく、前記ボス部が締結用工具に突き当たる等して締結作業効率の低下をも招く、という不具合を有している。
【0008】そこで本発明は、シェードを正規位置に容易に締結することができると共に、外観上の品質の低下を伴うことなく、締結作業の向上をも図ることができる車両灯具用シェードの取付構造を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記した目的を達成するため、請求項1記載の発明は、シェードが、立壁と、前記立壁の先端の一側面側にバルブの先端を覆うように傘状に突出させて形成されるシェード本体部と、スクリュウ孔を有して前記立壁の基端の他側面側に突出させて形成される取付腕部とを備えて構成されると共に、前記取付腕部を、リフレクタ内に設けられた取付ベースに前記スクリュウ孔を介してスクリュウ止めすることにより取り付けられている車両灯具用シェードの取付構造であって、前記立壁の一側面の内少なくとも前記スクリュウ止めの際に負荷の上流側となる側面部分が、前記取付ベースに突設されたボス部に当接されていることを特徴とする。
【0010】このため、請求項1記載の発明では、取付腕部を取付ベースに締結する際、締結の終段においてスクリュウの回転トルクが取付腕部に作用するが、立壁の一側面の内、回転トルクの上流側となる側面部分が、ボス部に当接しているので、前記回転トルク方向の位置ずれを防ぐことができる。
【0011】また、ボス部は、取付腕部が突設される他側面と反対側の立壁の一側面に当接するように突設されるものであるから、シェード本体部および立壁に遮られて外部から視認できないものとなっていると共に、前記取付腕部と干渉することがないので、取付腕部の上方空間を締結作業のための作業スペースとして確保することができる。
【0012】また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の車両灯具用シェードの取付構造であって、前記立壁の一側面は、その幅方向の両側に対応する部位に、それぞれ窪み部を有して形成されており、前記ボス部は、前記窪み部の各々に当接するように前記取付ベースに2個突設されていることを特徴とする。
【0013】このため、請求項2記載の発明では、立壁の両側の各窪み部を、2個のボス部の各々に当接させるだけで、シェードを位置決めすることができる。
【0014】また、請求項3記載の発明は、請求項2記載の車両灯具用シェードの取付構造であって、前記2個のボス部は、前記取付ベースに穿設されるスクリュウ螺合孔との距離がそれぞれ同一となるように形成されていることを特徴とする。
【0015】このため、請求項3記載の発明では、シェードは、2個のボス部がそれぞれ当接する立壁の2箇所の当接部位と、スクリュウの締結部位とが、二等辺三角形の各頂点に対応する位置関係を構成して強固に締結される。
【0016】また、請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項記載の車両灯具用シェードの取付構造であって、前記立壁は、前記取付腕部の工具スペース部の周縁部に沿うように立壁の一側面側が凸円弧状となる中央壁を有して形成されていることを特徴とする。
【0017】このため、請求項4記載の発明では、中央壁により立壁を含めたシェード全体の剛性を高めることができると共に、中央壁の他側面側の凹円弧状の部分で取付工具のガイド機能を奏することができ、かつシェード本体部の立壁からの突出程度を、中央壁を凸円弧状に形成した分少なくでき、これによりリフレクタの同一方向の開口部の幅を狭くすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0019】図1〜図3は、本発明の一実施形態としての車両灯具用シェード1を示す。また、図4および図6は、シェード1が取り付けられるリフレクタ6を示しており、図5は、シェード1を取り付けたリフレクタ6を示している。
【0020】シェード1は、立壁2と、立壁2の先端の一側面側にバルブ(図示せず)の先端を覆うように傘状に突出させて形成されるシェード本体部3と、スクリュウ孔5を有して立壁2の基端の他側面側に突出させて形成される取付腕部4とを備えて構成されている。取付腕部4は、立壁2の基端にL字状に折曲されて一体に形成されている。
【0021】そして、シェード1は、取付腕部4を、リフレクタ6内に設けられた取付ベース7にスクリュウ孔5を介してスクリュウ8止めすることにより取り付けられている。
【0022】このときシェード1は、立壁2の一側面の内少なくともスクリュウ8止めの際に負荷の上流側となる側面部分2b(図1(d)参照)を、取付ベース7に突設されたボス部9に当接させて取り付けられている。
【0023】具体的には、リフレクタ6の反射面6aは、所望の配光パターンが得られるように横方向に複数に区分けされた曲率の異なる縦長の小反射面の集合体として構成されており、シェード1は、シェード本体部3の周縁部3aを、リフレクタ6の反射面6aの形状に相応して細かくカットすることにより構成されている。これにより、周縁部3aへのリフレクタ6の反射光の照射によるグレア光の発生を防止している。
【0024】取付腕部4は、スクリュウ孔5を略中央に設けた平坦部からなる工具スペース部11(図3(a)、(b)参照)を備えて構成されており、立壁2は、工具スペース部11の周縁部に沿う凸円弧状の中央壁2aと、この中央壁2aの両側にそれぞれ凹円弧状に延設される端壁2b、2cとを有して形成されている。この立壁2において、スクリュウ8止めの際の負荷方向は、図3(a)に示すように、スクリュウ8の回転方向である矢印a方向となるので、負荷の上流側となる側面部分は、端壁2bの内側面(一側面)となる。
【0025】また、取付ベース7は、図4および図6に示すように、リフレクタ6のバルブ装着孔12に近接させて反射面6a側に突出形成された突出部13の頂部を、平坦面に形成して構成されている。取付ベース7には、略中央部にスクリュウ8が螺合するスクリュウ螺合孔14が形成されている。
【0026】しかして、シェード1は、少なくとも端壁2bの内側面をボス部9に当接させた状態で、取付腕部4の工具スペース部11を取付ベース7に当接させ、かつスクリュウ8をスクリュウ孔5を介してスクリュウ螺合孔14に螺合させることにより取付腕部4を取付ベース7に締結して取り付けられている。
【0027】この取付構造によれば、取付腕部4を取付ベース7に締結する際、締結の終段においてスクリュウ8の回転トルクが取付腕部4に作用するが、立壁2の内側面の内、回転トルクの上流側となる端壁2bの内側面部分が、ボス部9に当接しているので、前記回転トルク方向(a矢印方向)の位置ずれを防ぐことができる。
【0028】また、ボス部9は、取付腕部4が突設される外側面(他側面)と反対側の立壁2の内側面(一側面)に当接するように突設されるものであるから、シェード本体部3および立壁2に遮られて外部から視認できないものとなっていると共に、取付腕部4と干渉することがないので、取付腕部4の上方空間を締結作業のための作業スペースとして確保することができる。
【0029】また、好ましくは、立壁2の内側面は、その幅方向の両側に対応する部位に、それぞれ窪み部15、16を有して形成されており、ボス部は、窪み部15、16の各々に当接するように取付ベース7に2個(ボス部9、10)突設される。
【0030】本実施形態では、窪み部15、16は、中央壁2aと、各端壁2b、2cとの境界部位に形成されている(図1(d)、図3(a)参照)。
【0031】この構成によれば、立壁2の両側の各窪み部15、16を、2個のボス部9、10の各々に当接させるだけで、シェード1を位置決めすることができる。
【0032】さらに好ましくは、2個のボス部9、10は、図4に示すように、取付ベース7に穿設されるスクリュウ螺合孔14との距離がそれぞれ同一となるように形成される。
【0033】この構成によれば、シェード1は、図5に示すように、2個のボス部9、10がそれぞれ当接する2箇所の当接部位と、スクリュウ8の締結部位とが、二等辺三角形Aの各頂点に対応する位置関係を構成して強固に締結される。
【0034】具体的には、図7に示すように、取付工具としてのドライバ20は、リフレクタ6の開口部21から取付腕部4の上方空間Sに挿入され、他部材との干渉の無い状態でスクリュウ8をスクリュウ螺合孔14に容易に螺合させることができ、これによりシェード1の取付腕部4を取付ベース7に締結することができる。図7中、符号30はバルブである。
【0035】また、立壁2は、取付腕部4の工具スペース部11の周縁部に沿うように立壁2の一側面側が凸円弧状となる中央壁2aを有して形成されているので、この中央壁2aにより立壁2を含めたシェード1の全体の剛性を高めることができ、これにより素材の厚みを減じて軽量化を図ることができる。
【0036】また、中央壁2aは、その他側面側の凹円弧状の部分で取付工具(ドライバ20)のガイド機能を奏することができるので、締結作業の容易化を図ることができる。
【0037】さらには、取付腕部4は、図7に示すように、立壁2からの突出程度(突出量d)を、中央壁2aを凸円弧状に形成した分少なくでき、これによりリフレクタ6の同一方向の開口部21の幅Dを狭くすることができるので、ひいては灯具全体の薄型化に寄与することができる。
【0038】また、前述した実施形態は、立壁2の短いタイプのシェード1を用いて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、長い立壁のシェードにも適用できることは勿論である。また、取付腕部4は、立壁2に必ずしも一体に形成する必要もなく、別部材として形成した後溶接等により立壁に後付けしても良い。
【0039】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば次の効果を奏することができる。
【0040】すなわち、請求項1記載の発明によれば、立壁の一側面の内、スクリュウの回転トルクの上流側となる側面部分をボス部に当接させた状態で、取付腕部を取付ベースに締結するようにしたので、スクリュウの回転トルクが取付腕部に作用しても、前記回転トルク方向の位置ずれを防ぐことができ、これによりシェードを正規位置に容易に締結することができる。
【0041】また、ボス部は、シェード本体部および立壁に遮られて外部から視認できないものとなっているので、外観上の品質の低下を招くこともない。
【0042】さらに、ボス部は、取付腕部と干渉することがないので、取付腕部の上方空間を締結作業のための作業スペースとして確保することができ、これにより締結作業の向上をも図ることができる。
【0043】また、請求項2記載の発明によれば、立壁の両側の各窪み部を、2個のボス部の各々に当接させるだけで、シェードを位置決めすることができ、これにより請求項1記載の発明の効果に加えて、シェードの正規位置への締結が一層容易になる。
【0044】また、請求項3記載の発明によれば、シェードは、2個のボス部がそれぞれ当接する立壁の2箇所の当接部位と、スクリュウの締結部位とが、二等辺三角形の各頂点に対応する位置関係を構成して強固に締結されることになり、これにより請求項2記載の発明の効果に加えて、耐振動性の優れた取付構造を提供することができる。
【0045】また、請求項4記載の発明によれば、中央壁により立壁を含めたシェード全体の剛性を高めることができ、これにより素材の厚みを減じて軽量化を図ることができる。
【0046】その上、中央壁は、その他側面側の凹円弧状の部分で取付工具のガイド機能を奏することができるので、締結作業の容易化を図ることができる。
【0047】さらには、シェードの取付腕部は、立壁からの突出程度を、中央壁を凸円弧状に形成した分少なくでき、これによりリフレクタの同一方向の開口部の幅を狭くすることができるので、ひいては灯具全体の薄型化に寄与することができる。
【出願人】 【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
【住所又は居所】東京都品川区東五反田5丁目10番18号
【出願日】 平成14年1月18日(2002.1.18)
【代理人】 【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和 (外7名)
【公開番号】 特開2003−217320(P2003−217320A)
【公開日】 平成15年7月31日(2003.7.31)
【出願番号】 特願2002−10755(P2002−10755)