| 【発明の名称】 |
自動二輪車の2灯式ヘッドライト装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】垣添 孝成 【住所又は居所】静岡県浜松市高塚町300番地 スズキ株式会社内
【氏名】津島 寿夫 【住所又は居所】静岡県浜松市高塚町300番地 スズキ株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】ロービーム点灯時に2灯点灯して前方からの視認性を向上させると共に、ライトの口径を小形に形成できカウリングの前投影面積を減少できる自動二輪車の2灯式ヘッドライト装置を提供する。
【解決手段】右,左対のヘッドライト10R,10Lの一方(10R)の右側路肩側にはロービームとハイビームとに切り換え自在なダブルフィラメント型のバルブ12を、他方(10L)の実施形態では左側対向車側にはロービーム専用シングルフィラメント型のバルブ14をそれぞれ備えており、前記一方および他方のヘッドライト10R,10Lに対して、ロービーム時には両者のロービームフィラメント12a,14に通電し、ハイビーム時には一方のヘッドライトのハイビームフィラメント12bと他方のヘッドライト14のロービームフィラメント14にそれぞれ通電する点灯制御回路を有している。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車体の前部をカウリングで覆い、このカウリングの前面に左右対のヘッドライトを並接した自動二輪車の2灯式ヘッドライト装置において、前記対のヘッドライトの一方にはロービームとハイビームとに切り換え自在なダブルフィラメント型のバルブを、他方にはロービーム専用シングルフィラメント型のバルブをそれぞれ備え、前記一方および他方のヘッドライトに対して、ロービーム時には両者のロービームフィラメントに通電し、ハイビーム時には一方のヘッドライトのハイビームフィラメントと他方のヘッドライトのロービームフィラメントにそれぞれ通電する点灯制御部を有していることを特徴とする特徴とする自動二輪車の2灯式ヘッドライト装置。 【請求項2】 前記2灯式ヘッドライトは、レンズ開口が短軸と長軸とを備えた略楕円形形状もしくは略平行四辺形形状としたことを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車の2灯式ヘッドライト装置。 【請求項3】 左右のヘッドライトの長軸が車両正面視で車両センターラインからそれぞれ斜め上方に延在する逆ハの字形状になるように配設され、所定配光に調節する光学部材を有することを特徴とする請求項1または2に記載の自動二輪車の2灯式ヘッドライト装置。 【請求項4】 2灯式ヘッドライトは、対面通行路を走行する場合に、路肩側にダブルフィラメント型のバルブを備えてロービームとハイビームとに切り換え自在なヘッドライトを、センターライン側にロービーム専用シングルフィラメント型のバルブを備えたロービーム用ヘッドライトをそれぞれ配設したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の自動二輪車の2灯式ヘッドライト装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、車体の前部をカウリングで覆い、このカウリングの前面に左右一対のヘッドライトを並接した自動二輪車の2灯式ヘッドライト装置に関する。 【0002】 【従来の技術】自動二輪車のヘッドライトのバルブ(電球)と配光との関係について説明する。この場合には、右側通行用を主体に考え、左側通行用は左右逆になる。ヘッドライトの一般例を図4に断面視する。図4に示すように、ヘッドライトaのリフレクター(反射鏡)bには、ほぼ放物面形状を呈しており、最近は前面部にカットの無い素通しの透明レンズcを用いてリフレクターbをマルチリフレクター(多鏡面反射板)とし、各小鏡面の配置・形状により所望する配光性能を出せるようにしたものがある。なお、図4で符号dはライトバルブ(電球)、eはライトハウジングである。 【0003】道路が一方通行でない対面通行の道路であると、ヘッドライトの投光で対向車の乗員が眩しく感じないように、照光方向を下向き(ロービーム)にする。左右対のヘッドライトを設けたものでは、例えば図5に示すように、右側通行の場合に、対向車側の左側のライトのみ投光方向をロービームにし反対側の右側のライトの投光方向をハイビームにするように右側上がりの配光規格が要求される。なお、左側通行のものでは、例えば上記の左右を逆にした配光規格が要求される。 【0004】上記のような配光を実現するためのバルブは、図6で示すような、ダブルフィラメントタイプと、図7に示すような、シングルフィラメントタイプに大別される。図6に示すような、一般的なダブルフィラメントタイプバルブでは、ロービーム用とハイビーム用のフィラメントf1およびf2がガラス管内に設けられている。ロービーム用フィラメントf1の直下にカップgが設けられて、このフィラメントf1から発せられた光をカップgで遮り、リフレクターの約下半分に光が届かないように設計されている。カップgは所定の配光規格を満足させるためのものである。 【0005】一方、図7に示すように、シングルフィラメントバルブは、カップは設けられておらず、フィラメントhから発せられた光はリフレクターの全面に届くように設計されている。前記の図5に示すような、配光規格を満足させるために、シングルフィラメントバルブとダブルフィラメントバルブでは、図8(a)と(b)に示す斜線部の領域がリフレクターで必要になることが一般的に知られている。図8に示すように、ダブルフィラメント用では光がカップgで遮られているため、シングルフィラメントに対して斜線部が広く必要になっている。特に、ダブルフィラメント用は、中心よりH点の距離がシングルフィラメント用のK点に比べて遠くに位置している。 【0006】以上がバルブと配光との関係であるが、簡単にまとめると、ダブルフィラメント用リフレクターは、ハイ/ロー切替えのできるリフレクターであるが、配光規格を満足するために、斜線部で示す必要な領域が大きい。また、シングルフィラメント用リフレクターは、ハイまたはロー専用のリフレクターであり、斜線部で示すように必要な領域を小さく設定できるということである。 【0007】次に、図9、図10に示すように、ヘッドランプのキャラクターラインについて説明する。図9はヘッドライトの外形であるキャラクターラインを示し、図10、図11は自動二輪車の正面視図、部分側面図である。図10、図11に示すように、図示しないステアリングヘッドパイプの前方を覆うレッグシールドjは前輪上方に向けて前方に突出した箇所であり、この部分に形成された左右対の切欠き孔k(縁がキャラクターラインになる)に左右対のヘッドライトa,aがはめ込まれている。レッグシールドjのヘッドライトa,aの上側にはカバーmが設けられ、下側にレッグシールドjの(下縁部)キャラクターラインnが形成される。レッグシールドjの上縁には、シールドスクリーンnが、左右にはバックミラーo,oがそれぞれ設けられる。バックミラーo,oの前面には、フロントターンシグナルo1,o1がある。また、符号pは前輪、p1はフロントフォーク、qはハンドル、rはフロントレッグシールドリヤである。近年、図10に示すように外観上、レンズが2つ独立している2灯式ヘッドランプが多く、さらに、精悍な顔立ち(外観)に見えるように、「つり目」にして外観性を向上させている。図9において、「つり目」にするには、レンズキャラクターの4つの頂点間の距離が少なくともA−B間>C−D間となっており、C位置に対してD位置がよりCに向うほど、「つり目」に見える。ここで、図8と図9を比較して見比べると、右上がり配光(右側通行では、路肩側上がりの配光)を出すためには、リフレクターはシングルフィラメント用もダブルフィラメント用もそれぞれP−K間、R−S間にはそれ程距離は必要ではない。 【0008】「つり目」のキャラクターライン(符号kで示す)に重ねて、左右ともにシングルフィラメント用リフレクターを設けたものを図12に示し、左右ともにダブルフィラメント用のリフレクターを設けたものを図13にそれぞれ示す。これらの図12と図13とに示されるように、斜線部とキャラクターラインkの位置を比較すると、右側のリフレクターは余裕があるが、左側のリフレクターはシングルフィラメント用もダブルフィラメント用も斜線部とキャラクターラインが近く、図13ではH部が採用したいつり目キャラクターラインk0の外に有り、このままでは、配光規格を成立させることができない。そのため、図13にあるように、キャラクターラインをk1で示すように外側に広げればならないが、反射鏡の右下D1の位置D1も右下外側にずれて、つり目の精悍さが薄れてしまうものである。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図12、図13に示すように、シングルフィラメント用リフレクターを左右に設けた従来技術では、図5の配光を得るためには、左側(対向車側)をロービーム専用リフレクターにし、右側(路肩側)をハイビーム専用にする必要があり、ロービーム走行の時に左側のロービームのみを点灯し、ハイビーム走行の時に左側のハイビームと右側のロービームを点灯する。つまり、対向車とすれ違う時に、通常走行中のロービーム走行時、左側のロービーム1灯しか点灯しておらず、被視認性向上および外観性向上のために両灯を点灯させたい要求があるが未だ提案されていない。また、図13のヘッドライトでは、ロービーム走行時2灯点灯するが、前記のようにロービーム時の配光規格を得るためにキャラクターラインを外に広げており、つり目の幅が太くなりその分つり目の外観が損なわれてしまう。 【0010】本発明は、前記の問題点を解消するべくなされたものであって、ロービーム点灯時に2灯点灯して前方からの視認性を向上させると共に、ライトの口径を小形に形成できカウリングの前投影面積を減少できる自動二輪車の2灯式ヘッドライト装置を提供することを目的とする。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明は、上述した目的を達成するため、以下の特徴点を備えている。すなわち、本発明は、車体の前部をカウリングで覆い、このカウリングの前面に左右対のヘッドライトを並接した自動二輪車の2灯式ヘッドライト装置において、前記対のヘッドライトの一方にはロービームとハイビームとに切り換え自在なダブルフィラメント型のバルブを、他方にはロービーム専用シングルフィラメント型のバルブをそれぞれ備え、前記一方および他方のヘッドライトに対して、ロービーム時には両者のロービームフィラメントに通電し、ハイビーム時には一方のヘッドライトのハイビームフィラメントと他方のヘッドライトのロービームフィラメントにそれぞれ通電する点灯制御部を有していることを特徴とする特徴とする自動二輪車の2灯式ヘッドライト装置である。 【0012】本発明においては、前記2灯式ヘッドライトは、レンズ開口が短軸と長軸とを備えた略楕円形形状もしくは略平行四辺形形状としたことが好適である。また、本発明においては、左右のヘッドライトの長軸が車両正面視で車両センターラインからそれぞれ斜め上方に延在する逆ハの字形状になるように配設され、所定配光に調節する光学部材を有することが好適である。また、本発明においては、2灯式ヘッドライトは、対面通行路を走行する場合に、路肩側にダブルフィラメント型のバルブを備えてロービームとハイビームとに切り換え自在なヘッドライトを、センターライン側にロービーム専用シングルフィラメント型のバルブを備えたロービーム用ヘッドライトをそれぞれ配設したことが好適である。 【0013】 【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて、本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、実施形態にかかるヘッドライトのキャラクターラインを示す正面図、図2はこのヘッドライトの回路図である。なお、自動二輪車のレッグシールドは、前記の図10、図11と同様であり、その説明を省略する。 【0014】実施形態は、前記図10、図11に示すような、車体の前部をカウリングで覆い、このカウリングの前面に左右対のヘッドライト10R,10Lを並接した自動二輪車の2灯式ヘッドライト装置に本発明を実施したものであり、この実施形態の自動二輪車は右側通行用に右,左のヘッドライト10R,10Lが設定されている。 【0015】そして、図2に示すように、前記右,左対のヘッドライト10R,10Lの一方(10R)の右側路肩側にはロービームとハイビームとに切り換え自在なダブルフィラメント型のバルブ(例えば図6に示す)を、他方(10L)の実施形態では左側対向車側にはロービーム専用シングルフィラメント型のバルブ(例えば図7に示す)をそれぞれ備えており、前記一方および他方のヘッドライト10R,10Lに対して、ロービーム時には両者のロービームフィラメント12a,14に通電し、ハイビーム時には一方のヘッドライトのハイビームフィラメント12bと他方のヘッドライト14のロービームフィラメント14にそれぞれ通電する点灯制御回路を有している。図2の回路では、バッテリー16からヘッドランプスイッチ18で切替えて、フューズ16aまたは16bを介して各バルブのフィラメント14または12a、12bのいずれかに通電するようになっている。この場合、前記スイッチ18の一方側に切替えたときは、フューズ16aを介して前記シングルフィラメント型バルブのフィラメント14に通電する。また、前記スイッチ18を他方側に切替えたときには、ハイビーム/ロービーム切替えスイッチ20を介して各フィラメント12a,12bのいずれかに電流を流してそれぞれ点灯するようになっている。 【0016】そして、図1に示すように、前記2灯式ヘッドライトは、レンズ開口が短軸と長軸とを備えた略楕円形形状もしくは略平行四辺形形状としている。また、左右のヘッドライトの長軸が車両正面視で車両センターラインからそれぞれ斜め上方に延在する逆ハの字形状になるように配設され、所定配光に調節する光学部材(リフレクター、あるいはレンズ)を有する。 【0017】この場合、右側のつり目ヘッドライト10Rでは、前記図9に示したA2-B2間が長いため、ダブルフィラメント用ヘッドライトでもJ-H間が余裕をもって収めることができる。左側のつり目ヘッドライト10Lでは、C1-D1間は短く幅狭であるが、シングルフィラメント用ヘッドライトのK-Pがダブルフィラメント用ヘッドライトのJ-H間よりは小さいため,収めることができた。上記のヘッドライト装置の点灯方式は、ロービーム走行時には、左側ヘッドライト10Lのロービームフィラメント14と右側ヘッドライト10Rのロービームフィラメント12aを点灯する。つまりロービームで2灯点灯する。一方、ハイビーム走行時には、左側ヘッドライト10Lのロービームフィラメント14と右側ヘッドライト10Rのハイビームフィラメント12aを点灯する。つまり、この場合もロー・ハイと別向きに2灯点灯する。 【0018】図1に示した、リフレクターにおいて、例えば直径150mm、120mmの円を上下100mmでカットした面積は前記の配光規格を満たすために必要な最小面積としこれは大体の目安である。しかしながら斜線部は基本的にレンズのキャラクターライン22の板内側(破線部)よりは、若干内側に入っていなければならない。これは、エーミング調整で、レンズに対してリフレクターが動くからである。 【0019】図1の右側リフレクターではA部(密な斜線部分)がつり目キャラクターの外側にあるが、足りない配光は、リフレクターの異なる場所で補うことができる。実際のリフレクターの大きさは、図3の斜線で示す部分になる。前記実施形態では、右側通行を主体とした自動二輪車について説明したが、左側通行用には、左右,対向車側,路肩側が逆になる。また、前記実施形態では、リフレクターで配光を調整するマルチリフレクター式のヘッドライトについて説明したが、レンズカットで配光を調整するレンズカットタイプのものも本発明を実施したヘッドランプ装置とすることができる。 【0020】 【発明の効果】本発明は、上述の構成を備えているため、次の効果を有する。すなわち、従来の自動二輪車に採用された2灯式ヘッドライトのようにロービーム用とハイビーム用の専用ライトを左右に並設し、ロービーム点灯時にロービームライトのみ点灯するものと比べて、両方のライトが点灯するので前方からの視認性が向上する。 【0021】また、ロービーム点灯時に両方のライトを点灯するので、従来の片方のライトのみを点灯する構造のもの比べて、ロービーム専用ライトの口径を小形に形成することができるので、カウリングの前投影面積を減少させて小形にでき、カウリングの空力性能を高めることができる。 【0022】前記2灯式ヘッドライトは、レンズ開口が短軸と長軸とを備えた略楕円形形状もしくは略平行四辺形形状とすれば、ロービーム・ハイビーム切替えヘッドライトを車体のセンターライン側に配置するのに比較してヘッドライトの口径を小型にできる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002082 【氏名又は名称】スズキ株式会社 【住所又は居所】静岡県浜松市高塚町300番地
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| 【出願日】 |
平成14年1月17日(2002.1.17) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100112335 【弁理士】 【氏名又は名称】藤本 英介 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−217315(P2003−217315A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月31日(2003.7.31) |
| 【出願番号】 |
特願2002−8846(P2002−8846) |
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