| 【発明の名称】 |
赤外光照射ランプ兼用投射型前照灯 |
| 【発明者】 |
【氏名】小林 正自 【住所又は居所】静岡県清水市北脇500番地 株式会社小糸製作所静岡工場内
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| 【要約】 |
【課題】車両前方への十分な赤外照射光量を確保し、対向車にグレア光を与えない赤外光照射ランプ兼用投射型前照灯を提供する。
【解決手段】楕円体形状リフレクタ20と、光源22と、可視光を反射し赤外光を透過させるシェード(赤外光透過膜32A)と、投射レンズ26とを備え、所定の可視光ビームパターンP1と、所定の赤外光ビームパターンP2の双方を同時に形成する赤外光照射ランプ兼用投射型前照灯であって、シェード(赤外光透過膜32A)の上縁部32A1がリフレクタ20の光軸Lより上方となるように構成して、可視光ビームパターンのカットラインCLおよびホットゾーンPH1を配光スクリーン上のH線より下にして、可視光ビームが対向車にグレア光とならず、赤外光ビームパターンP2のホットゾーンPH2を配光スクリーン上のH線上にして、遠方まで赤外光ビームが届き、赤外光対応暗視カメラによる撮像性能が高められる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 楕円体形状のリフレクターと、前記リフレクターの第1焦点に設けられた光源と、前記リフレクターの前方に設けられた投射レンズと、前記リフレクターの第2焦点近傍に設けられ、可視光を遮光し赤外光を透過するシェードとを備え、カットラインをもつ所定の可視光ビームパターンと、所定の赤外光ビームパターンの双方を同時に形成する赤外光照射ランプ兼用投射型前照灯であって、前記シェードの上縁部が前記リフレクタの光軸より上方に位置することを特徴とする赤外光照射ランプ兼用投射型前照灯。 【請求項2】 前記シェードの上縁部は、上方凸に湾曲する形状に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の赤外光照射ランプ兼用投射型前照灯。 【請求項3】 前記シェードの上方には、可視光を遮光する第2のシェードが設けられたことを特徴とする請求項1または2に記載の赤外光照射ランプ兼用投射型前照灯。 【請求項4】 前記シェードの上縁部近傍における可視光透過率が縁部側ほど大きくなるように調整されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の赤外光照射ランプ兼用投射型前照灯。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、自動車に搭載して近赤外までの感度を有するCCDカメラと共用する赤外光照射ランプ兼用投射型前照灯に係わり、特に、可視光成分を反射し赤外光成分を透過させるシェードによって、シェード上縁に対応するカットラインをもつ可視光ビームパターンと、所定の赤外光ビームパターンの双方を同時に形成できる赤外光照射ランプ兼用投射型前照灯に関する。 【0002】 【従来の技術】例えば、この種のランプの従来技術として特開2001−60403号がある。これは、図14,15に示すように、ランプボディ1と前面カバー2で画成された灯室内に、楕円体形状リフレクター3と投射レンズ4が設けられ、リフレクター3の第1焦点f1には光源5が、リフレクター3の第2焦点f2近傍には可視光カット遮光シェード6がそれぞれ配置された赤外光照射ランプ兼用投射型前照灯で、遮光シェード6では可視光がカットされて赤外光を透過させることから、図16に示すように、遮光シェード6の上縁部6aに対応するクリアカットラインをもつすれ違いビームパターンPsと、すれ違いビームパターンPsを含む横長円形状の赤外光ビームパターンPaの双方が形成される。 【0003】したがって、同ランプは、市街地走行時等のおけるすれ違いビームとして機能するとともに、赤外線対応カメラ等を備えた赤外暗視監視装置の赤外光照明ランプとしても機能する。即ち、車輌前方の赤外光照射エリア(ビームパターンPaで照明される領域)を、自動車前部に設けられた近赤外までの感度を有するCCDカメラで撮影し、画像処理装置で処理して、車室内のモニタ画面に映し出す。ドライバーは、車輌前方の視界を映すモニタ画面上で、人やレーンマークや障害物といったものを遠方まで確認できる。 【0004】特に、赤外光照明ランプとしては、走行用ビームパターンと同様の照射エリアをもつ、すれ違いビームパターンPsを含む長円形状の赤外光ビームパターンPaが形成されるので、赤外線対応カメラが撮像できるに十分な赤外光量が確保されて、モニタに映し出される映像の認識も容易となっている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記した従来の赤外光照射ランプ兼用投射型前照灯では、図14に示すように、リフレクタ3,光源5および投射レンズ4の光軸L上にシェード上縁部6aが位置し、配光スクリーンにおけるH線とV線の交点位置にすれ違いビームパターンPsのホットゾーンPsHがくる。 【0006】このため、同ランプを点灯して走行中のドライバから見た前方の視認性は良好であるものの、対向車のドライバにはグレア光となって、安全上問題である。 【0007】そこで、図16に示すように、すれ違いビームパターンPsのクリアカットラインがH線の下方になるようにエイミングすれば、グレア光の問題は解決できるものの、赤外光ビームパターンPaのホットゾーンもH線の下方にきてしまって、遠方における照射赤外光量が不足し、モニタ画面上における遠方領域の視認性が低下するという問題がある。 【0008】本発明は、前記従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、車両前方への十分な赤外照射光量を確保できるとともに、対向車に可視光がグレア光として作用しない赤外光照射ランプ兼用投射型前照灯を提供することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段および作用】前記目的を達成するために、請求項1に係る赤外光照射ランプ兼用投射型前照灯においては、楕円体形状のリフレクターと、前記リフレクターの第1焦点に設けられた光源と、前記リフレクターの前方に設けられた投射レンズと、前記リフレクターの第2焦点近傍に設けられ、可視光を遮光し赤外光を透過するシェードとを備え、カットラインをもつ所定の可視光ビームパターンと、所定の赤外光ビームパターンの双方を同時に形成する赤外光照射ランプ兼用投射型前照灯であって、前記シェードの上縁部を前記リフレクタの光軸より上方に位置するように構成した。 【0010】シェードとしては、例えば赤外光透過膜が考えられ、透明ガラスプレートに赤外光透過膜を一体に形成した赤外光透過フィルタとして、所定位置に配置固定できる。 (作用)シェードの上縁部がリフレクタの光軸より上方に位置することで、可視光ビームパターンのカットラインおよびホットゾーンが配光スクリーン上のH線より下方にくるため、可視光ビームが対向車にグレア光として作用しない。また、シェードに影響されない赤外光ビームパターンのホットゾーンが配光スクリーン上のH線上にくるため、遠方まで赤外光ビームが届き、赤外光対応暗視カメラによる撮像性能が高まる。 【0011】請求項2においては、請求項1に記載の赤外光照射ランプ兼用投射型前照灯において、前記シェードの上縁部を上方凸に湾曲する形状に形成するようにした。 (作用)シェードの上縁部が左右方向に真っ直ぐであると、レンズの収差の影響を受けて、配光スクリーンにおける可視光ビームパターンのカットラインが下方凸に湾曲した形状となって、視認性が悪いが、シェードの上縁部は上方凸に湾曲する形状に形成されているため、可視光ビームパターンのカットラインは、レンズの収差の影響を受けることで左右方向にほぼ真っ直ぐとなり、視認性が良好なる。 【0012】請求項3においては、請求項2に記載の赤外光照射ランプ兼用投射型前照灯において、前記シェードの上方に可視光を遮光する第2のシェードを設けるように構成した。 (作用)自動車には、赤外光対応暗視CCDカメラとして、一般に赤外光対応CCDカメラと可視光対応CCDカメラが並設され、両カメラで撮像した映像が合成されて車室内のモニタに映し出されるように構成される。そして、可視光対応CCDカメラは、カメラ前方の視野の輝度を計測し、その輝度に応じて、カメラの受光素子のゲインを調整したり、あるいはカメラのオートアイリス(自動絞り)の開口を調整(以下、カメラの受光素子のゲイン等の調整という)することで、映像出力が高すぎたり低すぎたりしない最適値となるように自動調整するオートゲインコントロール機能を備えているが、このオートゲインコントロール機能が立体角の大きい車両近傍照明領域の光量(明るさ)の影響を強く受けて、カメラの受光素子のゲイン等を絞り過ぎる傾向にあるため、立体角の小さい遠方領域における撮像性能が低下し、モニタに映し出される遠方領域の映像が不鮮明となるおそれがある。しかるに、請求項3では、車両近傍領域に照射される可視光が第2のシェードによって遮光される分だけ、オートゲインコントロール機能に影響を与える車両近傍照明領域の可視光量(明るさ)が低下し、それだけ可視光対応CCDカメラのオートゲインコントロール機能による受光素子のゲイン等の絞り過ぎ傾向が緩和されて、立体角の小さい遠方領域の撮像性能が改善される。一方、第2のシェードでは赤外光が遮光されず、赤外光照明領域における赤外光量は低下しないので、赤外光対応CCDカメラによる撮像性能が低下することはない。このためモニタには、可視光対応CCDカメラと赤外光対応暗視CCDカメラの映像が合成された、遠方領域の視認性の良好な車両前方視野の映像が映し出される。 【0013】請求項4においては、請求項1〜3のいずれかに記載の赤外光照射ランプ兼用投射型前照灯において、前記シェード上縁部における可視光透過率を縁部側ほど大きくなるように調整した。(作用)シェード上縁部における可視光透過率が縁部側ほど大きくなる具体的構成としては、シェードの上縁部における厚さを徐変させた構成や、シェードの上縁部に沿って形成する微小透孔の密度を縁部に近いほど密にした構成や、シェードの上縁部に微小凹凸を連続して形成した構成等が考えられる。 【0014】投射型前照灯では、可視光ビームのカットライン近傍の明暗隔差が大き過ぎる(カットライン境界の明暗差がシャープ過ぎる)と、ドライバーにとっての視認性がかえって悪いという傾向にあるが、シェード上縁部における可視光透過率が上下方向に徐変するため、可視光ビームのカットライン近傍の明暗隔差が緩和され(明暗差のシャープ過ぎが緩和され)て、ドライバーにとっての視認性が良好となる。 【0015】なお、請求項3における第2のシェード下側縁部の可視光透過率についても、路面に明暗差のシャープな筋ができて見にくいことがないように、カットラインを形成するシェード上縁部の可視光透過率と同様、徐変するように構成することが望ましい。 【0016】 【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。 【0017】図1〜図4は、本発明を夜間前方視界検出システムに適用した実施例を示し、図1は本発明の第1の実施例である赤外光照射ランプ兼用投射型前照灯を用いた夜間前方視界検出システムの全体構成を示す図、図2は赤外光照射ランプ兼用投射型前照灯の縦断面図、図3は要部であるシェードを構成する赤外光透過フィルターの背面図、図4は同前照灯の配光パターンを示す図である。 【0018】夜間前方視界検出システムは、図1に示すように、車輌前部に設けられたヘッドランプ10に一体化された赤外光照射ランプ兼用投射ランプユニット11Aと、例えば車室内上部に設けられて車輌前方の視界を撮影するCCDカメラCA,CBと、CCDカメラCA,CBの撮影した画像を解析する画像処理解析装置8と、画像処理解析装置8で解析したデータを表示するヘッドアップディスプレイ(HUD)9等とから主として構成されている。 【0019】車両前方を撮影するCCDカメラは、可視光域の感度をもつ可視光対応CCDカメラCAと、赤外光域までの感度をもつ赤外光対応CCDカメラCBとから構成されて、前方対象物までの距離を計測できるステレオカメラ方式とされている。そして、両CCDカメラCA,CBで撮影した画像は画像処理解析装置8に送られて、2つの映像が比較されるようになっている。 【0020】即ち、CCDカメラで撮影した映像(画像)から各走査線(フィールド)の映像出力電圧を取り出し、両カメラCA,CBのγ特性(光電変換特性)を考慮した上で、全画面(あるいは主要部)のデータとして保管する。この補正は、両カメラCA,CBの感度を合わせ、路上物体に対して両カメラCA,CBでほぼ同じ映像出力を得るために必要である。そして、2つの画像からその差分をとり、その差分がある閾値以上のものを映像から取り出せば、目に見えない遠方の歩行者や障害物そしてレーンマークなどの映像が得られる。そして、その差分の映像からエッジ処理やパターン認識を行うことで、歩行者や障害物そしてレーンマークなどを容易に認識することができる。 【0021】そして、歩行者や障害物そしてレーンマークなどの映像は、ヘッドアップディスプレイ(HUD)9でドライバーに示したり、形状認識で路上物体(歩行者や障害物やレーンマークなど)の特徴を判断し、音声でドライバーに知らせることができるように構成されている。 【0022】また、ヘッドランプ10は、図1,2に示されるように、容器状の合成樹脂製ランプボディ12の前面開口部に前面カバー14が組み付けられて灯室Sが画成され、この灯室S内に、走行ビーム形成用ランプユニット10A,すれ違いビーム形成用ランプユニット10B,およびフォグランプとして機能する赤外光照射ランプ兼用投射型ランプユニット11Aが収容されており、それぞれのランプユニット10A,10B,11Aは、図示しないエイミング機構によって、それぞれの光軸を上下左右方向に傾動調整できるように構成されている。 【0023】投射型ランプユニット11Aは、光源を挿着した金属製の楕円体形状リフレクター20の前方に、筒型金属製レンズホルダー24を介して投射レンズ26が組み付け一体化された構造で、楕円体形状リフレクター20の第1焦点f1には、光源であるハロゲンバルブ22のフィラメントが位置し、リフレクター20の第2焦点f2の近傍で投射レンズ26の焦点位置には、配光制御用の遮光シェードを構成する赤外光透過フィルタ30Aが配置されている。そして、バルブ22の発光は、図2矢印で示すように、リフレクター20で反射されて第2焦点f2を通り、投射レンズ26によって光軸Lと平行な光となって前方に配光されて、遮光シェードに遮光されない所定の可視光ビームパターンP1(図4参照)が形成される。符号21は、バルブ挿着孔である。 【0024】即ち、赤外光透過フィルタ30Aは、可視光成分を反射し赤外光成分を透過させるシェード本体である赤外光透過膜32Aを円形状の透明ガラスプレート31に一体に形成した構造で、赤外光透過膜32Aにより可視光を遮光する遮光シェードが構成されている。このため、投射レンズ26からの出射光によって、自動車前方に配置した配光スクリーンには、図4に示すように、赤外光透過膜の上縁部32A1に対応するカットラインC.L.をもつ所定の可視光ビームパターンP1が形成されるとともに、遮光シェードである赤外光透過膜32Aが赤外光成分を透過させることから、可視光ビームパターンP1を含む目に見えない所定の赤外光ビームパターンP2も同時に形成される。 【0025】そして、フォグランプの配光パターンである可視光ビームパターンP1は、すれ違いビーム形成用ランプユニット10Bの補助ランプとして、即ち、すれ違いビーム形成用ランプユニット10Bと協働して、可視光対応CCDカメラCA照明用のランプとして機能する。一方、目に見えない赤外光ビームパターンP2は、走行ビーム形成用ランプユニット10Aが形成する走行ビームパターンと同様の照射エリアをもち、赤外光対応CCDカメラCB照明用のランプとして機能する。 【0026】また、赤外光透過フィルタ30Aにおける赤外光透過膜32Aの上縁部32A1は、ランプユニット11Aの光軸L1より上方位置となるように形成されて、図4に示すように、可視光ビームパターンP1のカットラインC.L.は配光スクリーン上のH線より下方(ホットゾーンPH1はV線上でH線より1.0度以下)となり、一方、赤外光ビームパターンP2のホットゾーンPH2は配光スクリーン上のV線とH線のちょうど交点上にくるように調整されている。 【0027】したがって、本実施例では、可視光ビームパターンP1ののカットラインC.L.およびホットゾーンPH1が配光スクリーン上のH線より下方にくるため、可視光ビームが対向車にグレア光として作用することがない。また、赤外光ビームパターンP2のホットゾーンPH2が配光スクリーン上のH線上にくるため、遠方まで赤外光ビームが届くこととなって、赤外光対応CCDカメラCBによる撮像性能が高められている。 【0028】また、赤外光透過フィルタ30Aにおける赤外光透過膜32Aの上縁部32A1は、図3に示すように、上方凸に湾曲する形状に形成されて、配光スクリーンにおける可視光ビームパターンP1のカットラインC.L.が左右方向にほぼ真っ直ぐとなる。即ち、赤外光透過フィルタ30Aにおける赤外光透過膜の上縁部32A1が左右方向に真っ直ぐであると、投射レンズ26の収差の影響を受けて、配光スクリーンにおける可視光ビームパターンP1のカットラインC.L.の左右が下方に垂れ下がって、側方における視認性が悪くなるが、本実施例では、赤外光透過膜の上縁部32A1が投射レンズ26の収差の影響を考慮した上方凸に湾曲した形状に形成されているため、配光スクリーン上の可視光ビームパターンP1のカットラインC.L.は、投射レンズ26の収差の影響を受けて、ちょうど左右方向にほぼ真っ直ぐとなり、可視光ビーム照射エリア側方の視認性が良好となっている。 【0029】図5および6は、本発明の第2の実施例である赤外光照射ランプ兼用投射型前照灯を示し、図5は同前照灯の縦断面図、図6は要部であるシェードを構成する赤外光透過フィルターの背面図である。 【0030】前記した第1の実施例における赤外光照射ランプ兼用投射ランプユニット11Aでは、レンズホルダ24内を前後に分離するように円形状の赤外光透過フィルター30Aが配置されて、赤外光透過フィルター30Aのほぼ上半分にクリアな素通し部が設けられていたが、この第2の実施例における赤外光照射ランプ兼用投射ランプユニット11Bでは、シェード本体である赤外光透過膜32Bを透明ガラスプレート31の裏面全体に形成したほぼ半円形状の赤外光透過フィルター30Bがレンズホルダ24の内側に配置されて、赤外光透過フィルター30Bの上側に素通し空間が設けられた構造で、レンズホルダ24内全体がフィルター30Bで仕切られていない分、それだけランプユニット11B内に熱がこもりにくい。 【0031】その他は前記第1の実施例と同一であり、同一の符号を付すことで、その重複した説明は省略する。 【0032】図7および8は、本発明の第3の実施例である赤外光照射ランプ兼用投射型前照灯を示し、図7は同前照灯の縦断面図、図8は要部であるシェード本体を構成する赤外光透過フィルターの背面図である。 【0033】この第3の実施例における赤外光照射ランプ兼用投射ランプユニット11Cでは、円形状の赤外光透過フィルタ30Cの赤外光透過膜32Cの上縁部32C1が、投射レンズ26の光軸L2と直角に交差する左右に延びる直線状に形成されている。そして、赤外光透過膜32Cの上縁部32C1に一致する投射レンズ26の光軸L2よりも、リフレクター20の光軸L1が所定距離dだけ下方にオフセットするように、レンズホルダ24とリフレクター20とが締結一体化されて、前記した第1の実施例の場合と同様に、可視光ビームパターンP1のカットラインC.L.が配光スクリーン上のH線より下方(ホットゾーンPH1はV線上でH線より下方)となり、赤外光ビームパターンP2のホットゾーンPH2が配光スクリーン上のV線とH線の交点上にくるように調整されている(図4参照)。 【0034】したがって、本実施例においても、図4に示すような配光パターンが形成され、可視光ビームパターンP1のホットゾーンPH1が配光スクリーン上のH線より下にくるため、可視光ビームが対向車にグレア光として作用することがない。また、赤外光ビームパターンP2のホットゾーンPH2が配光スクリーン上のH線上にくるため、遠方まで赤外光ビームが届き、赤外光対応CCDカメラCBによる撮像性能が高められている。 【0035】その他は前記第1の実施例と同一であり、同一の符号を付すことで、その重複した説明は省略する。 【0036】図9〜11は、本発明の第4の実施例である赤外光照射ランプ兼用投射型前照灯を示し、図9は同前照灯の縦断面図、図10は要部であるシェードを構成する赤外光透過フィルターの背面図、図11は同前照灯の可視光ビームパターンを示す図である。 【0037】この第4の実施例における赤外光照射ランプ兼用投射ランプユニット11Dでは、赤外光透過フィルター30Dに設けられているシェード本体である赤外光透過膜32Aの上方には、可視光ビームパターンを形成する帯状の赤外光透過膜非形成領域34を隔てて、可視光を遮光し赤外光を透過する第2のシェード本体である赤外光透過膜33が設けられて、配光スクリーンに形成される可視光ビームパターンP1の下側縁部が狭められるようになっている。 【0038】即ち、ガラスプレート31に形成された赤外光透過膜32Aは前記第1の実施例と同一であるが、この赤外光透過膜32Aの上方に離間させて、可視光成分を反射し赤外光成分を透過させる第2の赤外光透過膜33が形成されている。このため、赤外光透過膜非形成領域34によって形成される配光スクリーン上の可視光ビームパターンP1’は、第1の実施例におけるランプユニット11Aによって形成される可視光ビームパターンP1の下側縁を帯状(図11点線参照)に切り欠いた形状となっている。なお、可視光ビームパターンP1’ のカットラインC.L.が配光スクリーン上のH線より下方(ホットゾーンPH1はV線上でH線より下方)となり、赤外光ビームパターンP2のホットゾーンPH2(図11では図示せず)が配光スクリーン上のV線とH線のちょうど交点上にくることは、第1の実施例におけるランプユニット11Aの場合(図4参照)と同様である。 【0039】そして、夜間前方視界検出システムに用いる可視光対応CCDカメラCAには、カメラ前方の視野の輝度を計測し、その輝度に応じてカメラの受光素子のゲイン等を調整することで、映像出力が高すぎたり低すぎたりしない最適値となるように自動調整するオートゲインコントロール機能(図示せず)が備わっているが、このオートゲインコントロール機能が立体角の大きい車両近傍照明領域の光量(明るさ)の影響を強く受けて、カメラの受光素子のゲイン等を絞り過ぎる傾向にあるため、立体角の小さい遠方領域における撮像性能が低下し、モニタであるヘッドアップディスプレイ(HUD)9に映し出される遠方領域の映像が不鮮明となるおそれがある。しかるに、この実施例では、車両近傍領域に照射される可視光が第2のシェード本体である赤外光透過膜33によって遮光される分だけ、オートゲインコントロール機能に影響を与える車両近傍照明領域の可視光量(明るさ)が低下し、それだけ可視光対応CCDカメラCAのオートゲインコントロール機能による受光素子のゲイン等の絞り過ぎ傾向が緩和されて、立体角の小さい遠方領域の撮像性能が改善される。一方、第2のシェード本体である赤外光透過膜33では赤外光が遮光されず、赤外光照明領域における赤外光量は低下しないので、赤外光対応CCDカメラCBによる撮像性能が低下することはない。このためモニタであるヘッドアップディスプレイ(HUD)9の画面上には、可視光対応CCDカメラCAと赤外光対応暗視CCDカメラCBの映像が合成された、遠方領域の視認性の良好な車両前方視野の映像が映し出される。 【0040】なお、第2のシェード本体33を可視光および赤外光を遮光する、例えば金属製で構成したとしても、車両近傍照明領域からの入射赤外光量が低下するものの、可視光対応CCDカメラCAのオートゲインコントロール機能によるゲインの絞り過ぎ傾向が緩和されて、立体角の小さい遠方領域の撮像性能が改善され、ヘッドアップディスプレイ9の画面上に鮮明な映像が得られる点については同じである。 【0041】図12および13は、本発明の第5の実施例である赤外光照射ランプ兼用投射型前照灯を示し、図12は同前照灯の縦断面図、図13は要部であるシェードを構成する赤外光透過フィルターの背面図である。 【0042】この第5の実施例における赤外光照射ランプ兼用投射ランプユニット11Eでは、前記第3の実施例に示すランプユニット11Cと同様、赤外光透過膜32Cの上縁部32C1が、投射レンズ26の光軸L2と直角に交差する左右に延びる直線状に形成され、赤外光透過膜32Cの上縁部32C1に一致する投射レンズ26の光軸L2よりも、リフレクター20の光軸L1が所定距離dだけ下方にオフセットするように、レンズホルダ24とリフレクター20が配置されている。そして、赤外光透過フィルタ30Eには、シェード本体である赤外光透過膜32Cの上方に所定距離離間させて、第2シェード本体である赤外光透過膜35が形成されている。符号36は、赤外光透過膜非形成領域である。 【0043】このため、本実施例においても、第4の実施例におけるランプユニット11Dによって形成される可視光ビームパターンP1’と同様の可視光ビームパターン(図示せず)が形成され、可視光CCDカメラのオートゲインコントロール機能によるゲインの絞り過ぎ傾向が緩和されて、立体角の小さい遠方領域の撮像性能が改善され、ヘッドアップディスプレイ9の画面上に鮮明な映像が得られる。 【0044】また、赤外光透過膜32Cの上側縁部32C1および赤外光透過膜35の下側縁部35aの膜厚は、膜端に行くほど薄くなって可視光透過率が大きくなるように調整されている。 【0045】このため、可視光ビームのカットライン近傍の明暗隔差が大き過ぎる(カットライン境界の明暗差がシャープ過ぎる)という不具合や、自動車近傍の路面に明暗差のシャープな筋ができて見にくいという不具合が改善されて、ドライバーにとっての視認性が良好なものになっている。 【0046】なお、赤外光透過膜32Cの上側縁部32C1および赤外光透過膜33の下側縁部33aの可視光透過率を徐変させる構成としては、前記した膜厚を調整する方法に代えて、赤外光透過膜の縁部に沿って形成する微小透孔の密度を縁部に近いほど密にした構成や、赤外光透過膜の縁部に微小凹凸を連続して形成した構成等であってもよい。 【0047】また、前記した第1〜第5の実施例では、フォグランプとして機能する赤外光照射ランプ兼用投射型前照灯について説明したが、本発明はすれ違いビーム形成用のヘッドランプとして機能する赤外光照射ランプ兼用投射型前照灯にも適用でき、この場合には、可視光ビームパターン(すれ違いビームパターン)のカットラインおよびホットゾーンが配光スクリーン上のH線より下方にくることは勿論であるが、ホットゾーンがH線より0.6度以下にくるように調整されていることが望ましい。 【0048】 【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項1によれば、可視光ビームが対向車にグレア光として作用せず、また赤外光対応暗視カメラによる遠方における撮像性能が高まるので、対向車に迷惑をかけることなくモニタ画面に映し出される赤外光対応暗視カメラの映像を通した車両前方の視認性が改善されて、自動車の安全走行性が向上する。 【0049】請求項2によれば、可視光ビームパターンのカットラインが左右方向にほぼ真っ直ぐとなり、可視光ビーム照射エリア側方の視認性が向上する。 【0050】請求項3によれば、可視光ビームによる車両近傍における視認性が多少犠牲になるものの、モニタ画面に映し出される赤外光対応暗視カメラの映像を通した車両前方の特に遠方領域の視認性が一層改善されて、自動車の安全走行性がさらに向上する。 【0051】請求項4によれば、可視光ビームのカットライン(明暗境界)がシャープ過ぎず、ドライバーにとっての視認性が良好となって、安全走行が確保される。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001133 【氏名又は名称】株式会社小糸製作所 【住所又は居所】東京都港区高輪4丁目8番3号
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| 【出願日】 |
平成13年10月18日(2001.10.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100087826 【弁理士】 【氏名又は名称】八木 秀人
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| 【公開番号】 |
特開2003−123520(P2003−123520A) |
| 【公開日】 |
平成15年4月25日(2003.4.25) |
| 【出願番号】 |
特願2001−320111(P2001−320111) |
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