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【発明の名称】 調光フィルム、ランプカバー及びランプ構造体
【発明者】 【氏名】江頭 憲
【住所又は居所】静岡県駿東郡小山町棚頭323 住友スリーエム株式会社内

【要約】 【課題】ランプにおいて使用した時に、装飾性を有すると同時に、消灯時には車体や窓ガラス、部品などとの一体感を具現することができ、かつ点灯時にはランプとしての機能を十分に発揮できるような調光フィルムを提供すること。

【解決手段】透光部と遮光部が予め定められたパターンで形成された調光層を有しており、該調光層の開口率(透光部と遮光部の面積比で規定される)が、1.5〜85%の範囲にあるように構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ランプ構造体の光出射面で用いられるものであって、透光部と遮光部が予め定められたパターンで形成された調光層を有しており、該調光層の開口率(透光部と遮光部の面積比で規定される)が、1.5〜85%の範囲にあることを特徴とする調光フィルム。
【請求項2】 前記調光層の透光部又は遮光部が、ストライプ、格子、ドット又はそれらの組み合わせからなる群から選ばれたパターンで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の調光フィルム。
【請求項3】 前記調光層の遮光部が、前記ランプ構造体に隣接する領域の色調と同一もしくは類似であるか、さもなければその色調と協調可能な色調を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の調光フィルム。
【請求項4】 前記調光層の遮光部が、透明なフィルム上に遮光性材料を所定のパターンで印刷、塗装又は蒸着することによって形成されたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の調光フィルム。
【請求項5】 前記調光層が遮光性材料からなり、前記透光部が開口されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の調光フィルム。
【請求項6】 クリア層を最上層に有していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の調光フィルム。
【請求項7】 ランプ構造体のランプカバーもしくはレンズに貼付して用いられることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の調光フィルム。
【請求項8】 ランプ構造体の光出射面に取り付けて用いられるものであって、前記ランプ構造体の光出射面を少なくとも覆う形状及びサイズを備えた透明なカバー本体と、前記カバー本体の外面に貼付された調光フィルムとからなり、その際、前記調光フィルムが、透光部と遮光部が予め定められたパターンで形成された調光層を有しており、該調光層の開口率(透光部と遮光部の面積比で規定される)が、1.5〜85%の範囲にあることを特徴とするランプカバー。
【請求項9】 前記カバー本体が、光透過性樹脂の成形によって形成されたものであることを特徴とする請求項8に記載のランプカバー。
【請求項10】 前記カバー本体が、着色されていることを特徴とする請求項8又は9に記載のランプカバー。
【請求項11】 前記カバー本体が、レンズ機能を備えていることを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載のランプカバー。
【請求項12】 前記調光フィルムが、請求項2〜6のいずれか1項に記載のものであることを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項に記載のランプカバー。
【請求項13】 内部に少なくとも1灯のランプが配置されかつ光出射用開口を有するランプ室を備えたランプ構造体であって、前記ランプ室の光出射用開口に、前記ランプ構造体の光出射面を少なくとも覆う形状及びサイズを備えた透明なカバー本体と、前記カバー本体の外面に貼付された調光フィルムとからなり、その際、前記調光フィルムが、透光部と遮光部が予め定められたパターンで形成された調光層を有しており、該調光層の開口率(透光部と遮光部の面積比で規定される)が、1.5〜85%の範囲にあるランプカバーが取り付けられていることを特徴とするランプ構造体。
【請求項14】 前記カバー本体が、光透過性樹脂の成形によって形成されたものであることを特徴とする請求項13に記載のランプ構造体。
【請求項15】 前記カバー本体が着色されていることを特徴とする請求項13又は14に記載のランプ構造体。
【請求項16】 前記カバー本体が、レンズ機能を備えていることを特徴とする請求項13〜15のいずれか1項に記載のランプ構造体。
【請求項17】 前記調光フィルムが、請求項2〜6のいずれか1項に記載のものであることを特徴とする請求項13〜16のいずれか1項に記載のランプ構造体。
【請求項18】 それぞれにランプが配置された少なくとも2つのランプ室を備えた分割タイプのランプ構造体であることを特徴とする請求項13〜17のいずれか1項に記載のランプ構造体。
【請求項19】 車両のコンビネーションランプとして用いられるものであって、ストップランプ、テールランプ、ターンシグナルランプ及びバックアップランプの少なくとも2灯が任意のパターン及び組み合わせで組み込まれていることを特徴とする請求項13〜18のいずれか1項に記載のランプ構造体。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、調光フィルムに関し、さらに詳しく述べると、ランプ構造体の光出射面で用いられる調光フィルムに関する。本発明はまた、そのような調光フィルムを備えたランプカバー、そしてランプ構造体に関する。本発明のランプ構造体は、車両のランプ、例えばコンビネーションランプなどとして有利に使用することができる。
【0002】
【従来の技術】周知のように、乗用車やトラックの車体のリア部には、ブレーキの使用に連動して点灯される赤色のストップランプ兼テールランプ(ブレーキ灯、尾灯)、方向指示スイッチの使用に連動して点灯されるアンバー色のターンシグナルランプ(方向指示灯)、後進操作に連動して点灯される無色のバックアップランプ(後退灯)などが取り付けられている。これらのランプは、ランプそのものが上記の色に着色されている場合もあれば、ランプは無色で、ランプカバーもしくはレンズがそれぞれの色に着色されている場合もある。ランプの非点灯(消灯)時、ランプカバーもしくはレンズの色が外観となって視認される。また、これらのランプは、特に乗用車において典型的であるが、意匠性や視認性を考慮して、リア部の左右両側に、縦方向にほぼ一直線で、あるいは横方向にほぼ一直線で、まとめて配置されている。このようなランプ群は、通常、リアコンビネーションランプと呼ばれている。
【0003】従来のリアコンビネーションランプにおいて、車体とランプとが一体感に欠けるという問題がある。すなわち、ランプの外観は、その周囲にある車体の塗装色(例えば、メタリック色、黒色)、窓ガラスの色(例えば、スモーク調)、モール類の色(例えば、めっき調、黒色)などと本質的に異なるので、両者の調和をとるのは非常に難しい。
【0004】このような状況のなかで、車体とランプの調和を図る解決手段として、特開平2−123604号公報には、図1に示すように、反射鏡51と、反射鏡51の前方に配置されたレンズ53と、反射鏡51とレンズ53の間に配置された光源52とをもって車両用灯具を構成するとともに、実質的に光を透過しない遮光部分54と、光を透過する透光部分55とからなる減光層56をさらに設け、さらに、その減光層56の前面に、その表面を覆うランプカバー57を設置することが開示されている。
【0005】また、実開平3−51632号公報には、図2に示すように、車体のトランクリッド65に設けた凹部に、透明ランプカバー61、実質的に光を透過しない遮光部分と、光を透過する透光部分とからなるパターンフィルム62、着色フィルム63及び面発光体(エレクトロルミネッセンスからなる)64からなるリアコンビネーションランプを嵌め込むことが開示されている。パターンフィルム62としては、市販のパンチングフィルムやグラデーションフィルム等が使用される。
【0006】しかしながら、これらの解決手段では、消灯時にランプの外観に寄与する遮光部分が、ランプカバーの内側に設けられているので、ランプカバーの透明性や遮光部分の色調の改善などを図ったとしても、消灯時に、車体とランプの満足し得る調和を達成することが非常に困難である。ランプカバーの数mmの厚さが、光の透過に悪影響を及ぼし、ランプの外観を車体そのものの外観と調和させるのを妨害しているからである。
【0007】また、リアコンビネーションランプのハウジングに、ランプ室を区画するために縁全周にわたって設けられた仕切り(立ち壁部)も問題を引き起こしている。立ち壁部が、ランプカバーの内側に設ける減光層又はパターンフィルムの面積を抑制し、その面積を、ランプの外観面積よりも小さくするという問題である。すなわち、遮光部分を隣接する車体や部品と同じ外観色を示すように設計しても、立ち壁部が邪魔をして、連続した外観を得ることができない。
【0008】ところで、透光部分/遮光部分のパターンの組み合わせは、例えば実開昭57−14101号公報や特許第2617393号に開示されている。しかし、これらの文献に開示されているものは、透視効果と表裏での異なる模様の相乗効果による意匠性の向上をうたったものであり、車両用ランプの点灯時の光照射機能と消灯時の外観向上機能とを解決するものではない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、したがって、上記したような従来の問題点を解決して、ランプにおいて使用した時に、装飾性を有すると同時に、消灯時には車体や窓ガラス、部品などとの一体感を具現することができ、かつ点灯時にはランプとしての機能を十分に発揮できるような調光フィルムを提供することにある。
【0010】また、本発明のもう1つの目的は、ランプにおいて使用した時に、装飾性を有すると同時に、消灯時には車体や窓ガラス、部品などとの一体感を具現することができ、かつ点灯時にはランプとしての機能を十分に発揮できるようなランプカバーを提供することにある。
【0011】さらに、本発明のもう1つの目的は、装飾性を有すると同時に、消灯時には車体や窓ガラス、部品などとの一体感を具現することができ、かつ点灯時にはランプとしての機能を十分に発揮できるようなランプ構造体を提供することにある。
【0012】本発明の上記した目的や、その他の目的は、以下の詳細な説明から容易に理解することができるであろう。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、その1つの面において、ランプ構造体の光出射面で用いられるものであって、透光部と遮光部が予め定められたパターンで形成された調光層を有しており、該調光層の開口率(透光部と遮光部の面積比で規定される)が、1.5〜85%の範囲にあることを特徴とする調光フィルムにある。
【0014】また、本発明は、そのもう1つの面において、ランプ構造体の光出射面に取り付けて用いられるものであって、前記ランプ構造体の光出射面を少なくとも覆う形状及びサイズを備えた透明なカバー本体と、前記カバー本体の外面に貼付された本発明の調光フィルムとからなることを特徴とするランプカバーにある。
【0015】さらに、本発明は、そのもう1つの面において、内部に少なくとも1灯のランプが配置されかつ光出射用開口を有するランプ室を備えたランプ構造体であって、前記ランプ室の光出射用開口に、前記ランプ構造体の光出射面を少なくとも覆う形状及びサイズを備えた透明なカバー本体と、前記カバー本体の外面に貼付された本発明の調光フィルムとからなるランプカバーが取り付けられていることを特徴とするランプ構造体にある。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明は、ランプ構造体の光出射面で用いられる調光フィルム、換言すると、透光部と遮光部を混在させたことによって光の透過量を調整可能な光学フィルム、そのようなフィルムを備えたランプカバー、さらには、かかるランプカバーを装備したランプ構造体にある。以下、それぞれの発明を好ましい実施の形態を参照して説明する。
【0017】本発明によるランプ構造体は、照明手段としていろいろな分野に置いて使用可能である。適当な用途としては、以下に列挙するものに限定されるわけではないけれども、車両、船舶、航空機などの灯具がある。特に車両用灯具として使用した時にその作用効果が顕著である。本発明のランプ構造体を適用可能な車両は、特に制限されるものではなく、乗用車(RV車、キャンピングカーなども含む)、バス、トラックなどを包含するが、意匠性、視認性などの向上が得られることから、特に乗用車が対象として好適である。同様に、本発明のランプ構造体は、任意の形態をとることができる。すなわち、ランプ構造体は、1個のランプ室からなるものでもよく、複数個のランプ室からなるもの(コンビネーションランプ)でもよい。場合によっては、本発明のランプ構造体は、ランプ室に光源を具えた構造の代わりに、平面発光体を光源に使用し、ランプカバーと一体化した薄型ランプ構造体であってもよい。
【0018】本発明のランプ構造体は、通常、ランプ室に光源を備えた構造を有する。ランプ室には、少なくとも1灯の光源が配置される。また、ランプ構造体は、少なくとも2個のランプ室を備え、それぞれのランプ室に適当な明るさのランプが配置されてもよい。場合によっては、ランプ室に2灯以上の光源が配置されてもよい。また、ランプ室の内壁は、ランプからの光が集光されるように凹面鏡の如き構造を有しているか、さもなければ、内壁とは別に、凹面鏡あるいはそれに類する光反射手段を備えていてもよい。さらに、ランプは、必要に応じて、所定の色に着色されたキャップを有していてもよい。着色キャップを使用すると、ランプカバーとして、着色カバーに代えて無色のカバーを使用することができるからである。例えば、ターンシグナルランプに、アンバー色に着色されたキャップを被せることができる。このような変更を通じて、ランプの意匠性や見栄えを改良することができる。ランプ室は、また、その前面に光出射用開口を備えている。この開口は、少なくとも部分的に調光層を備えた本発明のランプカバーによって被覆される。
【0019】本発明のランプ構造体において、もしもそれがコンビネーションランプの形態をとるならば、それぞれのランプ室を互いに隣接してかつ互いに関連づけて配置するのが好ましい。具体的には、ランプ室は、以下に列挙するものに限定されないけれども、赤色のストップランプ及びテールランプならびにその兼用品、アンバー色のターンシグナルランプ、無色のバックアップランプなどからなる。また、必要に応じて、フォグランプ、クリアランスランプなどをランプ構造体に組み込んでもよい。コンビネーションランプの組合せは多様であり、例えばストップランプとテールランプだけでも、ストップランプ+テールランプ;ストップランプ兼テールランプ+ストップランプ兼テールランプ;ストップランプ兼テールランプ+ストップランプ兼テールランプ+テールランプなどがある。
【0020】本発明のランプ構造体は、少なくとも2個のランプ室を組み合わせたコンビネーションランプである場合、そのランプ室は、同じ形状及び大きさを有していてもよく、さもなければ、異なる形状及び大きさを有していてもよい。ランプ構造体において、ランプ室の組み合わせは任意に変更可能であるけれども、特に視認性及び意匠性の向上を図り、あわせて車体との一体感などを実現するため、縦方向にほぼ一直線で、あるいは横方向にほぼ一直線で、さもなければ1つのブロックに、まとめて配置するのが好ましい。しかし、必要に応じて、形状及び大きさを異にする2個以上のランプ室を非直線的にコンパクトにまとめるなどの変更を加えてもよい。
【0021】以下では、本発明を限定するものではないが、本発明のランプ構造体を車両のコンビネーションランプとして用いた例を参照して説明する。このランプ構造体は、したがって、ストップランプ、テールランプ、ターンシグナルランプ、バックアップランプなどの少なくとも2灯を任意のパターン及び組み合わせで組み込んだものである。例えば、ストップランプ兼テールランプ、ターンシグナルランプ及びバックアップランプをこの順序で、あるいは順序を変更して、縦並びで又は横並びで配置することができる。また、変形例として、比較的に長いストップランプ兼テールランプを一列に配置して、その隣りの列に、合計して同じ長さで、ターンシグナルランプ及びバックアップランプを配置してもよい。
【0022】さらに詳しく説明すると、乗用車のリアコンビネーションランプは、赤色のストップランプ兼テールランプ、アンバー色のターンシグナルランプ、そして無色のバックアップランプをこの順にあるいは別の順で1つにまとめたもので、それぞれのランプ室をランプカバーで覆った構造を採用しているものがある。ランプカバーは、各色に共通の1つの部材からなっていてもよく、さもなければ、それぞれの色ごとに別の部材からなっていてもよい。後者の場合、ストップランプ兼テールランプ用の赤色のランプカバー、ターンシグナルランプ用のアンバー色のランプカバー、そしてバックアップランプ用の無色のランプカバーを、それぞれ専用の金型を使用して射出成形した後、ランプ室の開口部に取り付けられる。本発明のリアコンビネーションランプでは、このようなランプカバーの表側の少なくとも一部に、本発明の調光フィルムが貼付される。リアコンビネーションランプの周縁部には、意匠性や見栄えの向上のため、ステンレス鋼やプラスチック材料でできた縁どり(モール)を取り付けてもよい。
【0023】本発明のランプ構造体では、ランプ室の光出射用開口を本発明のランプカバーで被覆する。ランプカバーは、通常、光透過性樹脂からなる透明なカバー本体と、その外面に貼付された本発明の調光フィルムとからなる。カバー本体は、好ましくは、光透過性の樹脂から射出成形法あるいはその他の成形法によって成形されたものであり、また、コンビネーションランプの場合、各ランプ室のカバーが光透過性の樹脂から射出成形法あるいはその他の成形法によって一体的に成形されたものである。かかるカバー本体は、ランプ室の光出射面を少なくとも覆う形状及びサイズを備えている限りにおいて特に限定されるわけではないけれども、長方形又は正方形あるいは円形であるのが一般的であり、場合により、L字型のような変形パターンを有していてもよい。
【0024】カバー本体は、必要に応じて、すなわち、それから出射される光の色相に応じて、ランプ室ごとに異なる色相で着色されている。例えば、赤色の発光が求められるストップランプ兼テールランプのカバーは、赤色に着色され、また、アンバー色の発光が求められるターンシグナルランプのカバーは、アンバー色に着色される。別法として、カバーを着色する代わりに、無色のカバーを使用して、着色ランプを使用するか、さもなければ、無色のランプの回りに着色されたキャップを被せてもよい。このような別法を併用することによって、着色されたカバーを使用したのとは異なる外観を得ることができる。もちろん、無色のバックアップランプのカバーは、着色されている必要がない。
【0025】無色あるいは着色されたカバー本体は、任意の光透過性樹脂から成形によって有利に形成することができる。適当な成形法として、常用の成形法、例えば、射出成形法、真空成形法などを挙げることができる。また、成形に使用する原料樹脂としては、以下に列挙するものに限定されるわけではないけれども、スチレン系樹脂、硬質塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂などを挙げることができる。特に、アクリル樹脂を有利に使用することができる。強度や透明性に優れ、着色加工も有利に実施することができるからである。
【0026】さらに、着色されたカバー本体を製造する場合には、上述のような樹脂原料に着色剤の適当量を混入することができる。適当な着色剤としては、以下に列挙するものに限定されるわけではないけれども、ペリレン顔料、アゾ顔料、酸化鉄などの顔料、あるいはキノフタロン染料、アゾ染料、ジスアゾ染料、アンスラキノン染料、ベンゾピラン染料など(いずれも、カラーインデックスから)の染料を挙げることができる。本発明の実施には、樹脂中における分散性に優れ、発色性、透明性や耐候性も良好なことから、アゾ染料、ジスアゾ染料などの染料を特に有利に使用することができる。
【0027】カバー本体の製造において、樹脂原料には、着色剤の他に、プラスチック成形の分野において常用の添加剤を混入してもよい。適当な添加剤として、例えば、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤などを挙げることができる。例えば、適当な紫外線吸収剤は、以下に列挙するものに限定されるわけではないけれども、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ジフェニルアクリレート系、アミン系紫外線吸収剤などを包含する。また、このような紫外線吸収剤の添加量は、広い範囲で変更できるというものの、通常、原料樹脂の全量を基準にして、約0〜3重量%の範囲である。
【0028】カバー本体は、通常、その内面(ランプ側の面)に凹凸模様が付与されていることが好ましい。凹凸模様によって、レンズ体としての機能あるいは再帰反射機能が得られるからである。凹凸模様は、例えば、金型にその模様を付与しておいて、成形の段階で、金型から成形体(ランプカバー)に転写することができる。
【0029】カバー本体の外面(外気に接する面)には、本発明の調光フィルムが少なくとも部分的に貼付される。必要に応じて調光フィルムを有しないカバー本体の外面は、通常、なにも有していなくてもよいけれども、所望ならば、薄くて透明なプラスチックフィルムやコーティングで覆われていてもよい。ランプカバーに小砂利などが当たったときなどに、カバーの破損を防止することができるからである。
【0030】本発明のランプカバーでは、その外面に本発明の調光フィルムが貼付される。本発明の調光フィルムは、通常、基材として使用される調光層を少なくとも有している。調光層は、(1)光源からの光が透過可能な透光部と遮光部を予め定められたパターンで有しており、かつ(2)透光部と遮光部の面積比で規定される開口率は、1.5〜85%の範囲にあることを必須の構成要件とする。調光層のカバーフィルムに対する貼付手段には、各種の接着剤を有利に使用することができる。
【0031】調光層は、透明な材料もしくは遮光性材料から形成される。調光層の形成に用いられる透明な材料は、外装材として十分な対候性を有しており、かつ本発明の作用効果に悪影響を及ぼさない限り特に限定されるものではない。適当な調光層形成材料は、例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、弗素樹脂(PVdF,PTFE等)など、フィルムやコーティングを形成し得る材料である。これらの樹脂材料は、単独で使用してもよく、混合物もしくは共重合体として使用してもよい。調光層は、原料樹脂及び必要に応じて適当な、例えば着色剤などを混入した後、カレンダー成形法などの常用の成形法を使用して、所望の膜厚で製造することができる。調光層の厚さは、ランプカバーの使用部位などに応じて広く変更することができるというものの、通常、約5〜500μmの範囲であり、さらに好ましくは、約20〜100μmの範囲である。調光層の厚さが5μmを下回ると、もはやフィルムを得ることができなくなり、反対に500μmを上回ると、厚さが増すことにより、本発明の作用効果に悪影響が出る恐れがある。
【0032】調光フィルムにおいて、その調光層の透光部又は遮光部は、いろいろなパターンを有することができる。適当なパターンとしては、以下に列挙するものに限定されるわけではないけれども、ストライプ、格子、ドット、例えば円形、四角形、三角形、星形等、あるいは市松模様などを挙げることができる。また、必要ならば、これらのパターンを任意に組み合わせて新たな効果を発現させてもよい。
【0033】調光フィルムにおいて、その調光層の遮光部は、任意の色調を有することができる。遮光部は、特に、ランプ構造体に隣接する領域の色調と同一もしくは類似であるか、さもなければその色調と協調可能な色調を有していることが好ましい。具体的に示すと、遮光部の色調は、例えば、車体、窓ガラス、モール等の部品と同一もしくは類似の色調、例えば塗装色、黒色、めっき色、スモーク調などである。例えば、黒色やスモーク調の遮光部は、窓ガラスとの調和力に優れ、また、めっき色は、モールとの調和力に優れている。
【0034】また、調光層の遮光部は、いろいろな技法で形成することができる。例えば、透明なフィルム上に遮光性材料を所定のパターンで印刷、塗装、蒸着するなどして遮光部を形成してもよい。
【0035】別法によれば、調光層の遮光部を遮光性材料から形成してもよい。例えば、全体が遮光性を有するシート又はフィルム状の材料を用意した後、その材料に、パンチングなどで、ストライプ、格子、ドットなどの透光部を開口してもよく、さもなければ、そのような材料にスリットを入れてもよい。さらに、フィルム状の調光層を形成する段階で、フィルム原料に着色剤を混入して、遮光部が所定のパターンで形成された調光層を製造してもよい。さらには、透明なフィルム上に、所定のパターンを有する着色フィルムを貼付して、遮光部を形成してもよい。
【0036】遮光部として有用な着色フィルムは、透明なフィルムを任意の着色剤、例えば、顔料や光輝剤などで着色することにより形成することができる。適当な顔料としては、例えば、酸化チタン、カーボンブラックなどの無彩色顔料や、無機及び有機の有彩色顔料を挙げることができる。また、光輝剤としては、アルミニウムフレークやパール粉などを挙げることができる。
【0037】上記のような遮光部を形成する際、調光層の開口率、すなわち、透光部の占める割合が1.5〜85%の範囲になるように調整を行う。これにより、ランプ構造体の消灯時に、遮光部の上記のような外観面が認識され、車体色などとの一体感が得られる。また、この一体感は、開口率が85%を上回ると、遮光部の外観面が十分に認識されなくなるので、好ましくない。さらに、本発明の調光フィルムでは、それをランプカバーの外面に縁の部分まで全面を覆うことができ、また、厚みのあるカバー樹脂を通じてでなく、直接遮光部パターンを観察できるので、隣接する車体色などとのより良好な連続性及び一体感を得ることができる。調光層の開口率は、好ましくは、2〜80%の範囲である。
【0038】ランプ構造体の点灯時には、全体面積の1.5〜85%を透光部が占めるので、その透光部を通じて光がランプ室から外側に放出されるので、車両用ランプとしての機能を十分に果たし、尾灯、制動灯などの法規制もクリアすることができる。しかし、開口率が1.5%を下回ると、光の通過量が低下し、法規制をクリアするのに十分な照度が得られなくなる。
【0039】さらに、調光層は、通常、単層で使用されるが、意匠性や見栄え、隠蔽性、さらには車体等との一体性を高めるために、2層もしくはそれ以上を組み合わせて使用してもよい。このような場合には、通常、重り合う調光層どうしを接着剤で接合する。
【0040】調光フィルムは、それがランプカバーの外面で使用されることを考慮して、その最外層としてクリア層を有するのが好ましい。クリア層は、それを保護膜として作用させる観点から、本来必須の性質である透明性に加えて、耐候性及び耐熱性を有することが望ましい。また、クリア層は、その下地である調光層との良好な密着性を有することも望ましい。クリア層の形成のために適当な樹脂としては、以下に列挙するものに限定されないけれども、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、弗素樹脂(PVdF,PTFE等)などを挙げることができる。これらの樹脂は、単独で使用してもよく、混合物もしくは共重合体として使用してもよい。さらに、クリア層は、ランプカバーの表面に対して光沢を付与し、外観を向上させることもできる。
【0041】クリア層には、調光フィルムの耐候性を高めるため、紫外線吸収剤を混入するのが好ましい。適当な紫外線吸収剤は、以下に列挙するものに限定されるわけではないけれども、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤などを包含する。
【0042】さらに、クリア層の膜厚は、所望とする効果などに応じて広く変更することができるけれども、通常、約1〜500μmの範囲であり、さらに好ましくは、約10〜100μmの範囲である。クリア層の厚さが1μmを下回ると、保護膜としての作用効果を得ることができず、反対に500μmを上回ると、調光フィルムの全体の厚さが非常に大きくなるので、好ましくない。
【0043】本発明の調光フィルムは、その特性などの向上のため、調光層やクリア層以外の層を必要に応じて追加的に有していてもよい。適当な追加の層としては、例えば、接着剤層、印刷基材層、蒸着支持層、フィルム全体にコシをもたせるためのベース層などを挙げることができる。
【0044】調光フィルムは、通常、調光層の下面に施された接着剤層を介してランプカバーに貼付される。ここで使用される接着剤層は、接着テープ、粘着テープなどの分野において常用の接着剤を使用して、形成することができる。適当な接着剤としては、例えば、ゴム系、アクリル系などの感圧接着剤、ポリウレタン系、ポリエステル系などの感熱接着剤を挙げることができ、耐候性などを考慮した場合、特にアクリル系感圧接着剤を有利に使用することができる。このような接着剤層の厚さは、広い範囲で変更することができるというものの、通常、約10〜500μmの範囲であり、さらに好ましくは、約20〜100μmの範囲である。接着剤層の厚さが10μmを下回ると、満足し得る接着力を得ることができず、反対に500μmを上回ると、調光フィルムの全体の厚さが非常に大きくなるので、好ましくない。実際、ランプカバーに調光フィルムを貼り付けた時に、そのカバーの樹脂との間に違和感が出てくる。また、このような接着剤層には、ランプカバーの取扱や貼付を容易にするため、剥離ライナーを付けて使用するのが好ましい。
【0045】別法によれば、接着剤層を感熱接着剤で構成するかランプカバーと同じか融着可能な樹脂から形成して、カバー成形用の金型に調光フィルムを置いて、一体成形により調光フィルムを接合してもよい。
【0046】
【実施例】以下、添付の図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。なお、下記の実施例では、特にリアコンビネーションランプの乗用車における使用を参照して本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではないということを理解されたい。
【0047】図3は、本発明によるリアコンビネーションランプの構成を示した断面図である。図示のリアコンビネーションランプ20は、3つのランプ室、すなわち、赤色のストップランプ兼テールランプのランプ室、アンバー色のターンシグナルランプのランプ室、そして無色のバックアップランプのランプ室が組み合わさった構造を有している。それぞれのランプ室21は、隔壁23で互いに仕切られており、また、それぞれのランプ室21には、所定の明るさのランプ22がソケット(図示せず)に嵌めこまれている。ランプ室21は、その1つの面が開けられており、光出射用開口25を形成している。また、ランプ室21の、ランプ22の周囲の底壁には凹面鏡構造が付与されていて、ランプ22の光を集光して光出射用開口25から室外に放出することができる。さらに、それぞれのランプ室21の光出射用開口25は、共通のランプカバー10で覆われている。ランプカバー10は、それぞれのランプ室の発光色に応じて、赤色(R)、アンバー色(A)、そして無色(C)の色調を有しており、また、赤色(R)のランプカバーは、その表面に本発明の調光フィルム12が被覆されている。
【0048】図4は、図3に示したリアコンビネーションランプの正面図である。図示のように、リアコンビネーションランプのランプカバー10は、上から順に、ストップランプ兼テールランプ用の赤色のランプカバー、ターンシグナルランプ用のアンバー色のランプカバー、そしてバックアップランプ用の無色のランプカバーを有しており、また、赤色のランプカバーは、その上に貼付された調光フィルムのパターンを反映して、格子状の遮光部を有している。ここで使用した調光フィルムは、車体の塗装色(黒色)を考慮して、透明フィルムに黒色インクで格子模様を印刷し、遮光部としたものである。また、ランプカバーは、3色それぞれに専用の金型を使用して射出成形した後、ランプ室の開口部に被覆される。
【0049】図5は、図3及び図4に示したリアコンビネーションランプの乗用車における使用例(消灯時)を示した斜視図である。この図では左側のリアコンビネーションランプのみが示されているが、車体のリア部において、その右側にも同一のリアコンビネーションランプが縦長に配置されている。それぞれのリアコンビネーションランプは、上から順に、赤色のストップランプ兼テールランプ(R)、アンバー色のターンシグナルランプ(A)、そして無色のバックアップランプ(C)を備える。赤色のストップランプ兼テールランプでは、車体色と一体感をもった状態で格子模様が認識される。なお、この格子模様は、ランプの点灯時、ランプの照度によって打ち消され、肉眼ではほとんど認識できなくなる。
【0050】図6は、図3に示したランプカバーの線分VI‐VIに沿った断面図である。このランプカバー10では、図示のように、調光フィルム12は、カバー本体15に、ランプカバー10の外面に位置するように、接着剤層13を介して貼付されている。調光フィルム12は、下から順に、接着剤層13、調光層14及びクリア層16からなる。調光層14は、透明フィルムからなる透光部34と、その上に印刷によって形成された遮光部35とからなる。遮光部35は、所期の効果を得るため、図4に示したように細かい格子状のパターンを有しており、透光部の開口率が1.5〜85%の範囲に入るように、格子の太さと密度が調整されている。
【0051】図示の例では、ランプカバー10に組み合わせて本発明に従う遮光部付きの調光フィルム12を貼付したことにより、ランプ点灯時あるいは消灯時の意匠性や視認性を大幅に向上させることができる。特に、消灯時、ランプカバーに車体や窓ガラス、モールなどと一体感をもたせて、見栄えや意匠性を高めることができ、一方、点灯時には、遮光部があるにもかかわらず、灯具としての役割を満足に果たさせることができる。さらに、この調光フィルム12の場合、保護用のクリア層16が調光層14を覆っているので、耐候性なども極めて良好である。
【0052】図7は、本発明のランプ構造体の作用効果を説明する斜視図である。図示のランプ構造体は、乗用車のリアコンビネーションランプで、図7の(A)に示すように、ほぼ矩形で赤色のストップランプ兼テールランプ(R)からなり、その下方の領域に無色のバックアップランプ(C)を備えている。このリアコンビネーションランプのランプカバー10には、その全面にわたってストライプ模様が施され、したがって、透光部34と遮光部35が交互に形成されている。図示の車体の塗装色はパール光輝剤入りの紺色であるので、ランプカバー10の遮光部35も、それとの調和をとるため、パール光輝剤入りの紺色テープの貼付によって形成されている。これにより、ランプの消灯時、ランプの内部よりも遮光部の外観面が専ら認識され、リアコンビネーションランプと車体との優れた一体感が得られる。この一体感は、従来のリアコンビネーションランプの改良は得られなかったものであり、また、一体感そのものも、ストライプ模様(ストライプの太さ及び分布密度)を調整することを通じて、任意に変更可能である。
【0053】次いで、このリアコンビネーションランプに点灯すると、図7の(B)に示すように、ランプの照度が遮光部の紺色を打ち消し、赤色のストップランプ兼テールランプ(R)を明確に視認することができる。すなわち、このリアコンビネーションランプは、車両用ランプとしての機能を十分に果たすことができる。
【0054】図8は、本発明のランプ構造体の別の作用効果を説明する斜視図である。図示のランプ構造体は、乗用車のリアコンビネーションランプで、窓ガラス29に隣接してほぼ三角形のランプカバー10が取り付けられている。このリアコンビネーションランプは、図8の(A)に示すように、ほぼ円形で赤色のストップランプ兼テールランプ(R)、ほぼ三角形でアンバー色のターンシグナルランプ(A)、そしてほぼ円形で無色のバックアップランプ(C)を備える。このリアコンビネーションランプの残りの領域は、光の照射に関与しない部分である。
【0055】図8の(B)は、上述のリアコンビネーションランプのランプカバー10において、そのターンシグナルランプ(A)の一部に本発明に従いほぼ三角形の調光フィルム12を貼付した例である。調光フィルム12は、黒色フィルムの全面に小さな円形ドットを穿孔したものである。開口率は、1.5〜85%の範囲に入るように調整されている。このような調光フィルム12をランプカバー12の一部に貼付したので、ランプの消灯時、従来のリアコンビネーションランプでは、窓ガラス29とランプカバー10の間に違和感があったものが、どちらも黒色に視認できるので、顕著な一体感を具現することができる。ランプの点灯時には、図示しないが、ランプの照度が調光フィルム12の黒色を打ち消し、アンバー色のターンシグナルランプ(A)を明確に視認することができる。この視認効果は、車両用ランプとしての機能に十分である。
【0056】図9は、本発明によるランプカバーの別の構成例を示した断面図である。このランプカバー10では、図示のように、調光フィルム12は、カバー本体15に、ランプカバー10の外面に位置するように、第1の接着剤層13を介して貼付されている。調光フィルム12は、下から順に、第1の接着剤層13、第1の調光層14、第2の接着剤層17、第2の調光層18及びクリア層16からなる。第1の調光層14は、透光部34と、遮光部35とからなり、また、第2の調光層18は、透光部44と、遮光部45とからなる。遮光部35及び45は、同一のパターンで示されているが、必要ならば、異なるパターンであってもよい。調光フィルム12の全体についてみて、透光部の開口率が1.5〜85%の範囲に入るように、遮光部35及び45のパターンの選択と調整を行う。
【0057】図示の例では、ランプカバー10に組み合わせて本発明に従う遮光部付きの調光フィルム12を貼付するとともに、調光層を2層構造としたことにより、単層構造とは異なる作用効果を得ることができる。
実施例1調光フィルムの作製及び評価:図6に示すような層構成を有する調光フィルムを作製し、下記の第1表に記載するようないろいろな車体塗色を有する乗用車のランプカバーに貼付した。
【0058】膜厚約50μmの透明軟質塩化ビニルフィルムの裏面に、アクリル系感圧接着剤を膜厚30μmで塗布した。ここで使用した感圧接着剤は、綜研化学社から品番「1429F−2」として入手可能なアクリル系粘着剤である。
【0059】次いで、得られた透明フィルムの表面に、下記のような異なる着色パターンを印刷して、下記の第1表に記載の開口率を示す遮光部を形成した。
A.白色、幅2mmのストライプB.紺色、幅6mmのストライプC.黒色、幅0.6mmの格子D.黒色、直径4mmの円形ドットE.黒色背景、無色透明の円形ドット(直径4mm)
別に、膜厚約50μmの黒色又はシルバー色の軟質塩化ビニルフィルムに、下記のような異なるサイズの円形ドットを穿孔し、下記の第1表に記載の開口率を示す遮光部を形成した。
F.黒色背景、無色透明の円形ドット(直径2mm)
G.シルバー色背景、無色透明の円形ドット(直径2.5mm)
上記のようにして作製した調光フィルムを、乗用車のランプカバーに貼付し、得られたリアコンビネーションランプを、(1)消灯時における車体との一体性(あるいは調和性)及び(2)点灯時における視認性に関して評価した。パネラーは10人であり、正確性を期すため、それぞれ3回にわたって実験を行った。評価基準は、下記の通りであった。
(1)消灯時における車体との一体性昼間、10m離れた距離からの目視による。
〔評価基準〕
○…一体性(あるいは協調性)がある△…どちらとも言えない×…一体性(あるいは協調性)がない(2)点灯時における視認性それぞれのランプについて、実際に運用されている道路運送車両の保安基準(平成11年9月30日改訂による)に従い、点灯時に所定の距離から視認できるか否かを下記の3段階で評価した。
〔保安基準〕
1.尾灯夜間点灯時:300m離れた距離から点灯を確認できるか否か。
2.制動灯昼間点灯時:100m離れた距離から点灯を確認できるか否か。
3.方向指示器昼間点灯時:100m離れた距離から点灯を確認できるか否か。
〔評価基準〕
○…視認できる△…なんとか視認できる×…視認できない下記の第1表に記載するような測定結果が得られた。なお、表中、「−」は、車種に原因して測定対象外となったことを意味する。
【0060】
【表1】

【0061】上記第1表の評価結果から理解できるように、本発明の調光フィルムを使用してランプカバーを作製すると、消灯時に車体との一体感をもたらし、点灯時には灯具としての機能を十分に発揮することのできる見栄えと機能の両面に優れたコンビネーションランプを提供することができる。
実施例2調光フィルムの作製と使用:図9に示すような層構成を有する調光フィルムを作製した。層構成は、下から順に、アクリル系粘着剤層(0.04mm厚)/黒色軟質塩化ビニル層(0.1mm厚)/ポリウレタン接着剤層(0.02mm厚)/ポリウレタンシルバー色層(0.03mm厚)/ポリウレタンクリア層(0.05mm厚)であった。この調光フィルムでは、黒色塩化ビニル層とシルバー色層が遮光効果を発揮し、クリア層が屋外での耐候性を発揮するように設計されている。シルバー色は、リアコンビネーションランプが取り付けられる車体の塗色にあわせてある。
【0062】この調光フィルムでは、黒色塩化ビニル層とシルバー色層の両方において、フィルムの有効発光部分に相当する個所の全面にわたって直径3mmの円形ドットを均一なパターンで穿孔した。相隣接するドット間の間隔を変更することによって、1.5〜85%の範囲で、調光層の開口率(%)を変更した。
【0063】それぞれの調光フィルムを、車体塗色がシルバー色のT社の普通乗用車のリアコンビネーションランプに貼付した。調光フィルムの貼付個所は、リアコンビネーションランプのうちの、制動灯兼尾灯であるレンズカバーの表面である。レンズカバーの周囲の非発光部をも覆うように、調光フィルムを全面に貼り付けた。
【0064】上記のようにして作製したリアコンビネーションランプでは、消灯時には車体との一体感をもち、点灯時には灯具としての機能を果たすことができた。
【0065】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれば、ランプにおいて使用した時に、装飾性を有すると同時に、消灯時には車体や窓ガラス、部品などとの一体感を具現することができ、かつ点灯時にはランプとしての機能を十分に発揮できるような調光フィルムや、かかる調光フィルムを備えたランプカバーが提供される。
【0066】また、本発明によれば、装飾性を有すると同時に、消灯時には車体や窓ガラス、部品などとの一体感を具現することができ、かつ点灯時にはランプとしての機能を十分に発揮できるランプ構造体も提供される。
【出願人】 【識別番号】599056437
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
【住所又は居所】アメリカ合衆国,ミネソタ 55144−1000,セント ポール,スリーエム センター
【出願日】 平成13年10月11日(2001.10.11)
【代理人】 【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬 (外4名)
【公開番号】 特開2003−123513(P2003−123513A)
【公開日】 平成15年4月25日(2003.4.25)
【出願番号】 特願2001−314198(P2001−314198)