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【発明の名称】 照明器具
【発明者】 【氏名】野中 達也
【住所又は居所】大阪府大阪市東住吉区山坂2丁目21番16号 瀧住電機工業株式会社内

【要約】 【課題】本願発明は、照明器具の製造時の作業能率を向上させることを目的とする。

【解決手段】本願発明に係る照明器具では、シャーシ1が、天井に固定される中央部3と、中央部3と別体に形成され且つ上記のカバー2を保持することが可能な周辺部4とにて構成され、中央部3は、光源を点灯させるのに必要な安定器等の回路を備え、周辺部4は、点灯に関する構成を持たず且つ係止部5を備える。中央部3は、この係止部5に係止される被係止部6を備える。被係止部6を係止部5に係止することにて、周辺部4を中央部3と一体とすることが可能なものである。このため、照明器具の製造時において、周辺部4を分離した状態で、中央部3への点灯回路の組み付け作業を行うことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 蛍光灯などの光源を保持することが可能であり且つ天井等の壁面に固定されるシャーシ(1) と、シャーシ(1) に取り付けられ光源を覆うカバー(2) とを備えた照明器具において、シャーシ(1) は、天井に固定される中央部(3) と、中央部(3) と別体に形成され且つ上記のカバー(2) を保持することが可能な周辺部(4) とにて構成され、中央部(3) は、光源を点灯させるために必要な安定器やスイッチなどの回路を備え、周辺部(4) は、上記点灯に関する構成を持たず、上記の周辺部(4) は、係止部(5) を備え、中央部(3) は、この係止部(5) に係止される被係止部(6) を備え、被係止部(6) を係止部(5) に係止することにて、周辺部(4) を中央部(3) と一体とすることが可能なものであることを特徴とする照明器具。
【請求項2】 上記シャーシ(1) の中央部(3) は、主として鉄板などの金属製の部材にて形成され、周辺部(4) は、プラスチックにて形成されたことを特徴とする請求項1記載の照明器具。
【請求項3】 上記の係止部(5) は、被係止部(6) を受容することが可能な受容部(51)と、受容部(51)内に入った被係止部(6) を押さえて受容部(51)から被係止部(6) が脱落するのを防止する爪(52)とを備えるものであることを特徴とする請求項1又は2記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、照明器具に関する。
【0002】
【従来の技術】図7へ示す通り、従来、家屋の天井に固定される照明器具100として、天井T等の壁面に固定されるシャーシ1と、シャーシ1に取り付けられるカバー2とにて構成されたものが一般的である。シャーシ1は、光源となる蛍光灯71を点灯させるのに必要な、安定器72やスイッチ73などの点灯回路7を保持するものである。カバー2は、シャーシ1に取り付けられることにより、上記の点灯回路7を覆う。このような点灯回路7やカバー1を支持する強度をもたせるために、シャーシ1全体を一枚の鉄板で形成していた。即ち、シャーシ1には、主に板金を円形にプレス加工したものを使用していた。
【0003】しかし、シャーシ1は、上記の点灯回路とを取付ける中央の部位と、中央の部位の周辺にカバー2を保持する部位とを備えるものであるため、面積が大きく、照明器具の製造時、上記の周辺部が邪魔になり、点灯回路などの組み付けの作業性を低下させるものとなっていた。
【0004】また、シャーシ1を一枚の鉄板で形成することにより、シャーシ1自身の重量が大きくなり、天井への設置が面倒なものとなっていた。これは、運搬時の手間やコストを押し上げるものでもあった。更に、鉄板という材料自体が、その成形や塗装などの加工の手間からコストを押し上げる要因となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本願発明は、シャーシの点灯に関する回路構成を保持する中央部と、カバーを保持する周辺部とを分離可能として、製造能率を高めると共に、上記の鉄板の使用を極力低減せしめて、上記の課題の解決を図るものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願第1の発明に係る照明器具は、蛍光灯などの光源を保持することが可能であり且つ天井等の壁面に固定されるシャーシ1と、シャーシ1に取り付けられ光源を覆うカバー2とを備えたものであり、下記の構成を採る。シャーシ1は、天井に固定される中央部3と、中央部3と別体に形成され且つ上記のカバー2を保持することが可能な周辺部4とにて構成される。中央部3は、光源を点灯させるために必要な安定器やスイッチなどの回路を備え、周辺部4は、上記点灯に関する構成を持たない。上記の周辺部4は、係止部5を備え、中央部3は、この係止部5に係止される被係止部6を備える。被係止部6を係止部5に係止することにて、周辺部4を中央部3と一体とすることが可能なものである。
【0007】上記の手段を採る本願第1の発明に係る照明器具では、そのシャーシ1について、通常光源を点灯させるのに必要な安定器やスイッチなどの回路が備え付けられる中央部3に対して、このような回路を備えない周辺部4を、別体に形成することにより、照明器具の製造時において、周辺部4を分離した状態で、中央部3への、上記回路の構成部材の、組み付け作業を行うことができる。
【0008】本願第2の発明に係る照明器具では、上記本願第1の発明に係る照明器具にあって、上記シャーシ1の中央部3が、主として鉄板などの金属製の部材にて形成され、周辺部4が、プラスチックにて形成されたことを特徴とする。
【0009】このような手段を採ることにより、本願第2の発明に係る照明器具では、上記本願第1の発明に係る照明器具と同様の作用を得ると共に、支持強度を必要とするシャーシ1の中央部3のみを鉄板等の金属製の部材とし、その周辺部4を、プラスチックにて形成するものとしたため、シャーシ1全体を鉄板などの金属製の部材とするものに比して、その重量を著しく低減させた。また、加工の手間が掛かる金属部分を低減させ、加工の容易なプラスチックを用いることにて、製造コストを抑制し得た。
【0010】本願第3の発明に係る照明器具では、上記本願第1又は第2の発明に係る照明器具にあって、上記の係止部5は、被係止部6を受容することが可能な受容部51と、受容部51内に入った被係止部6を押さえて受容部51から被係止部6が脱落するのを防止する爪52とを備えるものであることを特徴とする。
【0011】このような手段を採ることにより、本願第3の発明に係る照明器具は、上記本願第1又は第2の発明に係る照明器具と同様の作用を得ると共に、受容部51内に入った被係止部6を爪52にて押さえ、上記係止部5と被係止部6との係止を確実に行うことを可能とした。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本願発明の実施の形態について説明する。図1乃至図5へ、本願発明に係る照明器具の一実施の形態を示す。図1は、この照明器具100の使用状態を示す略縦断面図である。図2(A) はこの照明器具100のシャーシ1の中央部3の平明図であり、図2(B) は当該シャーシ1の周辺部4の平面図である。図3(A) は図2の中央部3を周辺部4へ係止して両者を一体とした状態を示す平面図であり、図3(B) は点灯回路7を組み付けた状態の中央部3の平面図である。図4(A) 〜(C) の夫々は上記中央部3を周辺部4へ係止する過程の要部縦断面図を示す。図5は、中央部3を周辺部4へ取付ける状態を示す一部切欠要部斜視図である。図1、図4及び図5において、Uは上方を、Sは下方を、示している。尚、図1に示す使用状態において、本来Uが下方を示し、Sが上方を示すこととなるが、説明の便宜上、これらの図では上下を統一して、上方U、下方Sを用いる。
【0013】図1へ示す通り、本願発明に係る照明器具100は、少なくとも別体の蛍光灯などの光源71を保持することが可能であり、且つ天井に固定されるシャーシ1と、シャーシ1に取り付けられる樹脂製のカバー2とを備える。以下、各部の構成について、詳述する。
【0014】上記のシャーシ1は、天井に固定される中央部3と、中央部3と別体に形成され且つ上記のカバー2を保持することが可能な周辺部4とにて構成される。周辺部4は、中央部3よりも軽量な素材にて形成され且つ中央に中央部3を嵌めることが可能な中空部40を備えている。上記の周辺部4は、係止部5を備え、中央部3は、この係止部5に係止される被係止部6を備える。係止部5を被係止部6に係止することにて、周辺部4を中央部3と一体とすることが可能なものである。
【0015】図2(A) へ示す上記の中央部3は、鉄板などの金属製の板材にて形成されている。中央部3は、その上面に、光源となる蛍光灯71を点灯させるために必要な、安定器72やスイッチ73などの、点灯回路7が取り付けられる(この実施の形態では、豆球がスイッチ73と一体に形成されたものを図示した)。ここで、点灯回路7は、蛍光灯71を点灯するのに必要な、光源の周辺構成をいい、蛍光灯71(光源)自身は含まない。尚、図1において、図面の煩雑を避けるため、出荷後に取り付けられることになる蛍光灯71は、点線で示し、蛍光灯71を保持するホルダや配線は省略する。また、図2(A) において、蛍光灯71及び蛍光灯71のホルダや配線は省略する。通常、照明器具100は、上記のスイッチ73を作動させる紐や、紐を照明器具の100の外部へ案内するガイドを備えるが、これらの部材についても図面を簡略化するため省略する。
【0016】中央部3は、その底面(天井を臨む面)側に露出する取付アダプタ8を備える。より詳しくは、中央部3には、取付用穴が開けられていて、この取付用穴に着脱可能に取付アダプタ8が装着されている。この取付アダプタ8を天井Tに設けられているブラケットVに取り付けることにて、照明器具100を天井に設置することができる。図2(A) 及び図3において、30は上記取付アダプタ8を取付けるために、シャーシ1中央部3に形成された孔を示している。
【0017】中央部3の縁部が、上記の係止部5を備える。係止部5は、図4(A) 及び図5へ示す通り、断面視略円形に形成されることにて、中央部3の他の部位よりも上下に大きな厚みを有す部位である。被係止部6は、鉄製のプレートであるで中央部3の縁を加工して丸めることにより、形成することができる。
【0018】図2(B) へ示す通り、上記の周辺部4は、プラスチックにて形成された環状の部材である。この周辺部4には、上記のカバー2を係止することが可能なカバー取付部56…56が設けられている。当該周辺部4が備える中空部40の内周部に、上記の係止部5が形成されている。この係止部5は、図4(A) 及び図5へ示す通り、被係止部6を受容することが可能な受容部51と、受容部51内に入った被係止部6を押さえて受容部51から被係止部6が脱落するのを防止する爪52とを備える。詳しくは、周辺部4は、円周方向Rに沿って上方に隆起する山形部41を備える。山形部41の、中空部40側の麓に谷形部が、円周方向Rに沿って形成されている。この谷形部が上記受容部51である。山形部41の中空部40側斜面42に、上記の爪52が形成されている。爪52は、山形部41の上部から下方の受容部51に向けて斜め下方に伸びるものであり、爪52の上側面55は、斜面となっている。傾斜面42は、爪52の下方において、爪52と対応する位置に退避部43が形成されている。退避部43は、爪52を収容することが可能な貫通部である。爪52は、退避部43側に突起53を有する。突起53は、被係止部6と対応する当接部54を備える。
【0019】図4を用いて、中央部3と周辺部4と一体にし、また分離する手順について説明する。図4(A) へ示す通り、周辺部4の上方から、周辺部4の上面に向けて、中央部3を下ろす。そして、この際に図4(B) へ示すように、爪52の上側面55を被係止部6にて押圧する。この押圧によって、爪52は、退避部43内へ退避する。爪52が退避することにて、受容部51を遮るものがなくなった被係止部6は、受容部51内へ円滑に収容される。この収容の後、爪52は退避部43から自然に起き、元の状態に戻る。これにて、図4(C) へ示す通り、爪52の突起53が被係止部6に寄り、その当接部54が、被係止部6と当接し、被係止部6が受容部51から脱落することを防止する。ここで、爪52に上記の突起53を設けなかった場合の不都合について説明すると、そのような場合、爪52に十分な強度がないので、図4(D) へ示すように、当該爪52が中央部3から上方へ向けて力を受けると、図4(E) へ示す状態に広がってしまい、爪52或いはその周辺の割れなどの損傷を生じる危惧がある。従って、爪52に十分な強度を持たせてこのような事態を回避するために、上記の突起53を設けて実施するのが好ましいのである。
【0020】この実施の形態において、周辺部4から再度中央部3を外す場合は、爪52を退避部43側に押し戻して、中央部3を周辺部4から外す。
【0021】上記の爪52及び山形部41は、周辺部4の構成部材として、プラスチックにて一体に成形されたものである。ここでは、特に、プラスチックの種類の選択などにて、爪52の少なくとも基部或いは爪52を支持する部位を、復元に必要な弾性を持つものとすることにより、爪52を押圧する力がなくなった際、爪52を起こす作業を必要とせずに、爪52を元の位置に戻すことができるものとしている。このように爪52が自ら復元するものとすれば、受容部51内に被係止部6を嵌め殺しとすることができ、確実に両者の係止を維持することができる。
【0022】上記の係止部5と被係止部6との係止により、図3(A) へ示す通り、中央部3は、周辺部4の中空部40に固定される。図3(A) において、図面の煩雑を避けるために、点灯回路7を省略して描いているが、製造時、シャーシ1の中央部3を周辺部4へ係止する際は、図3(B) に示すように、点灯回路7が組み付けられている。そして、周辺部7にカバー2が取り付けられることにより、点灯回路7はカバー2に覆われる。
【0023】この実施の形態において、図2へ示すように、係止部5と被係止部6とは別に、中央部3にネジ穴9…9を設け、周辺部4にこのネジ穴9…9と対応するネジ受け穴90…90を設け、これらの穴にネジを通すことにより、中央部3と周辺部4とをネジでも固定するようにしている。しかし、不要であれば、このようなネジ留めの構成を排除し、上述の係止部5と被係止部6とのみにて、中央部3と周辺部4とを固定するようにしても実施可能である。また、このようなネジ留めの構造を、上記に代えて、係止部5と被係止部6とすることも可能である。但し、上記の係止部5と被係止部6とは、ネジ締めの手間が掛からない点便利である。また、上記のネジ留めの構造以外の固定構造を、上記係止部5及び被係止部6と、併設するものとしても実施可能である。
【0024】上記の実施の形態において、被係止部6が係止部5に受容されるものとしたが、係止部5と被係止部6の構成を逆にして、係止部5が被係止部6に受容されるものとしても実施可能である。
【0025】また、図6へ示すように、中央部3は、反射板90を備え、点灯回路7は、この反射板90に覆われるものとしても実施可能である。反射板90の表面は、光源71の光を上方U側に反射するものである。このような反射板90の設置は、照明をより良く行え、また、点灯回路7を目立たせないものとし、更に点灯回路7を保護する上で、有利である。
【0026】
【発明の効果】本願第1の発明の実施によって、シャーシを取り扱い易いものとし、照明器具の製造時の、シャーシの取り回しの手間を軽減することにより、作業能率を向上せしめた。また、シャーシの点灯に必要な回路の組み付け部分をカバーと別体とすることにより、製造ライン自体の大きさを小型化・簡略化し得た。また、点灯回路の組み付けを外注する場合、点灯回路が組み付けられるシャーシの中央部のみを搬送すれば良く、搬送コストの低減も図り得た。更に、製造過程で、管理に最も気を遣う電装品、即ち点灯回路が組み付けられた中央部を、周辺部と別体としたことにより、組み付け後の管理を省スペースで行うことができ、管理を行い易いものとした。
【0027】本願第2の発明の実施によって、上記本願第1の発明と同様の効果を奏すると共に、軽量化を可能とし、これによって、照明器具製造時の作業能率、天井への照明器具の取り付け時の作業能率及び、運搬作業の能率を向上を可能とし、欠く作業のコストの低減を可能とした。従来別途取り扱いの注意や定格などが印刷されたシールを用意して、これをシャーシに張り付けるという手間を採っていたが、本願発明では、このような記載事項が刻設された型を用いて、プラスチックの周辺部を成形することにて、このような手間を排除し得た。また、シャーシ全体をプラスチックにすると十分な支持強度を確保することができない危惧があるが、本願第2の発明では、強度を必要とする部位即ち中央部については、これを金属製とすることにより、そのような危惧を排除した。その上で、上記の効果を得るものである。
【0028】また、本願第3の発明の実施によって、上記本願第1又は第2の発明と同様の効果を奏すると共に、別々に形成したシャーシの中央部と周辺部との固定を確実なものとした。また、ビスなどの留具を使わずに、中央部と周辺部との固定を行うことができ、製造工程をより簡略且つ低コストにて済ませることができる。
【出願人】 【識別番号】393001372
【氏名又は名称】瀧住電機工業株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市東住吉区山坂2丁目21番16号
【出願日】 平成13年10月11日(2001.10.11)
【代理人】 【識別番号】100086346
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 武信
【公開番号】 特開2003−123504(P2003−123504A)
【公開日】 平成15年4月25日(2003.4.25)
【出願番号】 特願2001−313384(P2001−313384)