| 【発明の名称】 |
車両用灯具 |
| 【発明者】 |
【氏名】大貫 真由子 【住所又は居所】神奈川県伊勢原市板戸80番地 市光工業株式会社伊勢原製造所内
|
| 【要約】 |
【課題】スクリューの数を減らしつつもインナーパネルを確実に固定できる車両用灯具の提供を図る。
【解決手段】レンズ13とインナーパネル23との固定手段の少なくとも1つを、前記レンズ13の内壁面から組付脚部27と略平行に(レンズ13のハウジング11への組み付け方向と略平行に)突設される係合片39と、前記インナーパネル23を設けられ前記係合片39を挿通してインナーパネル23をレンズ13に仮保持する係合孔41と、レンズ13をハウジング11に組み付けた際にインナーパネル23を狭持固定するように互いに対向する位置に設けられたレンズ13の狭持部およびハウジング11の狭持部45と、で構成した。そのため、スクリューを用いずともインナーパネル23を確実に固定できる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ハウジングと、前記ハウジングに組み付け固定されて該ハウジングとの間に灯室を形成するレンズと、該灯室内に配設されるインナーパネルと、を備えた車両用灯具において、前記レンズの内壁面から該レンズの前記ハウジングへの組み付け方向と略平行に突設される係合片と、前記インナーパネルに開口され前記係合片を挿通してインナーパネルを仮保持する係合孔と、前記レンズおよびハウジングの互いに対向する位置に設けられ、前記レンズを前記ハウジングに組み付け固定すると前記仮保持されたインナーパネルを狭持固定する狭持部と、からなるインナーパネルの固定手段を備えることを特徴とする車両用灯具。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は車両用灯具に係り、特にヘッドランプ等の車両用灯具に関する。 【0002】 【従来の技術】この種の車両用灯具は、前面開口部を有するハウジングと、該ハウジングの周縁の組付溝に装着され、ハウジングとの間に灯室を形成するレンズと、該灯室内に配置されてバルブの照明光を反射するリフレクタと、該リフレクタとハウジングとの間の隙間を隠すためのインナーパネルと、を備えて構成されている。 【0003】一般に、インナーパネルはスクリュー式の固定手段によってレンズに固定されており、そのスクリュー式固定手段は、例えばレンズの内壁に設けられたボス部と、インナーパネルの周縁端部に設けられ、ボス部に対向配置されるフランジ部と、これらフランジ部およびボス部を介してインナーパネルをレンズに固定するスクリューと、から構成される。 【0004】しかしながら、このようなスクリュー式の固定手段を用いると、スクリューという部品が必要であるため部品点数が多くなるとともに、該スクリューの数に対応してその組立工数が多くなるため組立コストが高くなってしまう傾向にある。また、スクリュー式固定手段にあっては、ボス部がレンズを介して車両用灯具の外部から見えてしまい意匠的な価値が下がるおそれがある。 【0005】このような課題を解決するものとして、例えば特開平11−7809号公報に開示されるような車両用灯具がある。この車両用灯具は、レンズの内壁にハウジングとの間でインナープレートの一部を挟み込んで固定する狭持片を設けた構造をとっている。このような車両用灯具にあってはスクリューの数を減らすことができるため、組立コストを低く抑えることができる。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従来の車両用灯具にあっては、単にレンズとハウジングとで車両前後方向からインナーレンズを挟み込むにすぎないため、車両左右方向および上下方向のズレには比較的弱い構造である。 【0007】本発明はこのような従来技術を背景になされたものであって、スクリューの数を減らしつつもインナーパネルの確実に固定できる車両用灯具を提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明は、ハウジングと、前記ハウジングに組み付け固定され該ハウジングとの間に灯室を形成するレンズと、該灯室内に配設されるインナーパネルと、を備えた車両用灯具において、前記レンズの内壁面から該レンズの前記ハウジングへの組み付け方向と略平行に突設される係合片と、前記インナーパネルに開口され前記係合片を挿通してインナーパネルを仮保持する係合孔と、前記レンズおよびハウジングの互いに対向する位置に設けられ、前記レンズを前記ハウジングに組み付け固定すると前記仮保持されたインナーパネルを狭持固定する狭持部と、からなるインナーパネルの固定手段を備えることを特徴とするものである。 【0009】請求項1記載の発明によれば、レンズの内壁面から突設されレンズのハウジングへの組み付け方向と略平行に形成される係合片と、インナーパネルに開口され前記係合片を挿通してインナーパネルをレンズに仮保持する係合孔と、前記レンズおよびハウジングの互いに対向する位置に設けられ、レンズをハウジングに組み付け固定すると前記仮保持されたインナーパネルを狭持固定する狭持部と、からなるインナーパネルの固定手段を備えるため、スクリュー式の固定手段を少なくできる、または、廃止できる。そのため、部品点数および組立工数を減らして組立コストを低減することができる。そして、この発明のインナーパネルの固定手段は、インナーパネルの係合孔にレンズの係合片を挿通してインナーパネルを保持した状態でこのインナーパネルをレンズとハウジングとの間に狭持する構造であるため、灯室内にインナーパネルを確実に固定できる。なお、この発明にあっては、少なくとも一つのインナーパネルの固定手段を、係合片および係合孔および狭持部からなるインナーパネルの固定手段として構成すればよいものとする。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図1〜図9を基に説明する。図1はこの実施形態の車両用灯具の正面図、図2は同車両用灯具の上面図、図3は図1中のB−B線に沿う断面図、図4は図1中のD−D線に沿う断面図、図5は図1中のG−G線に沿う断面図、図6は図1中のH−H線に沿う断面図、図7は本発明の要部を示す図5の拡大断面図、図8は図1中のJ−J線に沿う本発明の要部を示す断面図、図9は図8中のK−K線に沿う断面図である。 【0011】この実施形態の車両用灯具はヘッドランプ1に適用した例であり、車幅方向外側が走行用(すれ違い用兼用)の灯部1Aであり、車幅方向中央側が補助用灯部1Bである。なお、この実施形態にあっては車両左側のヘッドランプを図示して説明する。 【0012】このヘッドランプ1は、ハウジング11と、前記ハウジング11との間に灯室15を形成するレンズ13と、該灯室内に設けられた走行用バルブ17および補助用バルブ19と、該走行用のバルブ17から出射された照明光を反射するリフレクタ21と、前記ハウジング11および前記リフレクタ21の端部およびその間の隙間を隠すインナーパネル23と、を備えて構成されている。 【0013】ハウジング11は、車体本体に固定され、前面開口部の周縁に前面側を向いて開口する取付溝25を有している。 【0014】レンズ13は、その組付脚部27が前記ハウジング11の組付溝25に挿入固定されて、ハウジング11との間に灯室15を形成するものである。これらハウジング11とレンズ13とは、ハウジング11の組付溝25にホットメルト材53が充填された状態でレンズ13の組付脚部27が挿入されることで、ハウジング11とレンズ13との間の隙間がシールされつつ、組付脚部27のランス49と組付溝25の係止孔51との係止によって固定されるようになっている。 【0015】走行用バルブ17は、リフレクタ21の中央部に開口する略筒状のバルブ装着開口部37に装着される一方で(図3)、補助用バルブ19はインナーパネル23の車幅方向中央側に開口する略筒状のバルブ装着開口部32に装着固定される(図4)。 【0016】リフレクタ21には、シェード20が固定されており、このシェード20がバルブ17から前方に向かう直射光を遮蔽するようになっている。また、このリフレクタ21は、ハウジング11に上下方向および左右方向に傾動自在に支持されて、この傾動に応じてバルブ17を光源とする照射範囲を選択できるようになっている。なお、図6中29はハウジング11の球状座部、図6中31はリフレクタ21のエイミング支点、図6中33はエイミング支点31を中心にリフレクタ21を上下方向に傾動するための上下方向用のエイミング手段、図3中35は灯室15内に浸水することを防ぐグロメットである。 【0017】ここで、灯室15内に設けられたインナーパネル23は複数の固定手段によってレンズ13に固定されるようになっていて、このインナーパネル23の固定手段は大別して2種類の固定手段からなる。一つは既存のスクリュー式の固定手段47であり、他は、レンズ13の係合片39と、インナーパネル23の係合孔41と、前記レンズ13の狭持部としての土台部39bと、ハウジング11の狭持部としてのリブ45と、からなる固定手段であることが本実施形態の特徴点である。以下、詳説する。 【0018】このレンズ13の内壁面の上縁近傍には、図1,2,5,7〜9に示すように、左右一対で先端側に向けて先細り形状をなした係合片39、39が突設されている。この係合片39は組付脚部27と略平行に形成されている。つまり、係合片39はレンズ13のハウジング11への組み付け方向と略平行に形成されている。また、この係合片39の基端部にはその両側に土台部39bが形成されている。 【0019】一方、インナーパネル23には、図5,7〜9に示すように、前記レンズ13の係合片39、39と対向する位置に設けられ、該係合片39、39を挿通させてインナーパネル23をレンズ13に仮保持させる係合孔41、41が設けられている。つまり、インナーパネル23をレンズ13に固定する際には、これら係合片39および係合孔41がインナーパネル23をレンズ13に仮保持する仮保持手段となる。また、このインナーパネル23の係合孔39、39の裏面側には、係合片39と略平行に形成された横壁と該横壁の両端から略垂直に突設された一対の縦壁とによって略断面コ字状に形成された突起部43、43が突設されていて、係合片39、39の貫通ガイドの役割を果たしている。 【0020】そして、ハウジング11には、図5,7〜9に示すように、レンズ13の「狭持部」としての土台部39bと対向する位置に設けられ、該レンズ13の土台部39bとの間でインナーパネル23を狭持する「狭持部」としてのリブ45、45が設けられている。 【0021】そのため、係合片39、39および係合孔41、41を介してインナーパネル23が仮保持されたレンズ13をハウジング11に組み付け固定すると、ハウジング11のリブ45、45(狭持部)およびレンズ13の土台部39b(狭持部)によってインナーパネル23がレンズ13とハウジング11との間に狭持され固定されるようになっている。 【0022】なお、実際にヘッドランプ1を組み立てる際には、まず、インナーパネル23を上端部を係合片39、39と係合孔41、41とによって位置決めしつつレンズ13に仮保持する。次に、この状態でインナーパネル23の下端部をスクリュー式の固定手段47によって固定することで、つまり、インナーパネル23の下端部をレンズ13の下端のボス部48、48にスクリューS、S止めすることで、レンズ13とインナーパネル23からなる仮組立体とする。この仮組立体をハウジング11に組み付けることで、ヘッドランプ1の組立を完了する。このとき、ハウジング11のリブ45がインナーパネル23の突起部43の後端面に当接する一方で、レンズ13の土台部39bの後面がインナーパネル23の前面に当接することによって、ハウジング11とレンズ13との間にインナーパネル23が狭持固定されるようになっている。 【0023】このような構成によれば、インナーパネル23の固定手段として、スクリュー式固定手段47を減らすことができる。このため、スクリューSの数を削減した分だけ、部品点数が減るとともに、組立工数が減少して、コスト削減を図ることができる。このとき、スクリュー式固定手段47を減らした構造でありながら、インナーパネル23を係合片39および係合孔41を介して車幅方向左右および上下方向に動かないように仮保持した状態で、車両前後方向に両側から挟み込むように狭持する固定手段を採用したことで、インナパネル23が確実に固定される。 【0024】また、この実施形態によれば、係合片39および係合孔41および狭持部39b、45からなる仮保持手段が二つ設けられているため、それぞれの係合孔41、41に対応する係合片39、39を挿通するとインナーパネル23がレンズ13に位置決めされ、スクリューS止めによるインナーパネル23の固定作業が容易となる。 【0025】また、一般にスクリュー式固定手段47にあってはそのボス部がレンズ13を介してヘッドランプ1の外部から見えてしまい意匠的な価値が下がるおそれがあるが、この実施形態のヘッドランプ1によれば、レンズ13の上縁側の固定手段を本発明にかかる係合片39および係合孔41および狭持部39b、41とからなる固定手段で構成したため、最も外部からから見えやすいレンズ13の上縁側に意匠性の低いボス部を設けずに済み、意匠性の低下を最小限にとどめることができる。 【0026】 【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、インナーパネルの固定手段のうち少なくも1つを、前記レンズの内壁面から該レンズの前記ハウジングへの組み付け方向と略平行に突設される係合片と、前記インナーパネルに開口され前記係合片を挿通してインナーパネルを仮保持する係合孔と、前記レンズおよびハウジングの互いに対向する位置に設けられ、前記レンズを前記ハウジングに組み付け固定すると前記仮保持されたインナーパネルを狭持固定する狭持部と、で構成したため、スクリュー式の固定手段を削減することができる。そのため、削減されたスクリューの数分、部品点数が削減されるとともに、スクリュー締め付けの作業が省略され、インナーパネル取り付け作業の簡素化を図ることができる。そして、このようなスクリューを用いない固定手段でありながら、インナーパネルの係合孔にレンズの係合片を挿通してインナーパネルを保持した状態でこのインナーパネルをレンズとハウジングとの間に狭持する構造であるため、インナーパネルを確実且つ容易に固定することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000000136 【氏名又は名称】市光工業株式会社 【住所又は居所】東京都品川区東五反田5丁目10番18号
|
| 【出願日】 |
平成13年9月28日(2001.9.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083806 【弁理士】 【氏名又は名称】三好 秀和 (外7名)
|
| 【公開番号】 |
特開2003−109411(P2003−109411A) |
| 【公開日】 |
平成15年4月11日(2003.4.11) |
| 【出願番号】 |
特願2001−302975(P2001−302975) |
|