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【発明の名称】 車両用灯具
【発明者】 【氏名】天野 靖之
【住所又は居所】静岡県清水市北脇500番地 株式会社小糸製作所静岡工場内

【要約】 【課題】複数のLED光源を用いて間接照明により光照射を行う車両用灯具において、灯具点灯時の見映えを向上させる。

【解決手段】各LED光源30からの光を各フレネルレンズ32により上向きの平行光とし、これらをリフレクタ18により灯具前方へ向けて反射させる。リフレクタ18は、平行光入射領域毎に、互いに高さおよび前方傾斜角が異なる小リフレクタ24A〜24Eに分割する。各LED光源30と各フレネルレンズ32との距離は、高さの低い小リフレクタに対応するものほど大きい値(H1>H2>H3>H4>H5)に設定して、フレネルレンズ32への入射光束を小さく(F1<F2<F3<F4<F5)する。これにより、灯具正面方向の投影面積が小さい小リフレクタの反射面24aへの入射光束を小さくして、各小リフレクタ24A〜24Eの輝度を均一化し、リフレクタ18の反射面全体を略均一な明るさで見えるようにする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数のLED光源と、これら各LED光源からの光を平行光にする複数のレンズと、これら各レンズからの平行光を灯具前方へ向けて反射させるリフレクタと、このリフレクタの灯具前方側に設けられた透光カバーと、を備えてなる車両用灯具において、上記各レンズが、上記平行光の向きを揃えるように配置されており、上記リフレクタが、上記各レンズからの平行光が入射する領域毎に小リフレクタとして分割されており、これら各小リフレクタが、上記平行光の照射方向に関して互いに異なる長さに形成されるとともに、この平行光照射方向の長さが短い小リフレクタほど灯具前方側への傾斜角度が大きくなるように形成されており、上記各LED光源と上記各レンズとの距離が、上記平行光照射方向の長さが短い小リフレクタに対応するものほど大きい値に設定されている、ことを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】 上記各小リフレクタおよび上記各レンズの灯具前後方向と直交する方向の幅が、上記平行光照射方向の長さが短い小リフレクタおよび該小リフレクタに対応するレンズほど大きい値に設定されている、ことを特徴とする請求項1記載の車両用灯具。
【請求項3】 上記各小リフレクタの反射面が、上記平行光照射方向に関して複数のセグメントに区分けされるとともに、これら各セグメントに反射素子と段差部とが各々割り付けられることにより、階段状に形成されている、ことを特徴とする請求項1または2記載の車両用灯具。
【請求項4】 上記各反射素子が、上記平行光を上下方向および左右方向に拡散反射させる曲面で構成されている、ことを特徴とする請求項3記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、複数のLED光源を備えた車両用灯具に関するものであり、特に間接照明により光照射を行うように構成された車両用灯具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、LED光源を備えた車両用灯具が多く採用されている。その際、特開平11−306810号公報に記載されているように、LED光源を灯具前方から見えないように配置することにより灯具を間接照明効果で柔和な感じに光らせる工夫もなされている。さらに、この間接照明型の車両用灯具において、独国特許出願公開第19638081号明細書に記載されているように、LED光源と共にフレネルレンズを備えたものも知られている。
【0003】図9は、この種の車両用灯具100を示す正面図である。
【0004】図示のように、この車両用灯具100は、上向きに配置された複数のLED光源102からの光を、その上方近傍に設けられた複数のフレネルレンズ104により上向きの平行光にし、これら各フレネルレンズ104からの平行光をリフレクタ106により灯具前方へ向けて反射させるように構成されている。このようにLED光源102とフレネルレンズ104とを組み合わせることにより、光源光束を有効に活用することが可能となる。
【0005】また、この車両用灯具100のリフレクタ106は、各フレネルレンズ104からの平行光が入射する領域毎に小リフレクタ108として分割されており、これら各小リフレクタ108は、灯具外形形状に応じて互いに異なる高さで形成されている。その際、各フレネルレンズ104からの平行光を各小リフレクタ108の反射面108aにもれなく入射させるよう、高さが低い小リフレクタ108ほど灯具前方側への傾斜角度が大きくなるように形成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の車両用灯具100においては、灯具点灯時の見映えがあまりよくないという問題がある。
【0007】すなわち、この車両用灯具100においては、図10に示すように、各小リフレクタ108および各フレネルレンズ104の左右幅がすべて同じ幅(P1´=P2´=P3´=P4´=P5´)に設定されており、また、各LED光源102と各フレネルレンズ104との距離もすべて同じ値H´に設定されているので、各LED光源102から各フレネルレンズ104へ入射する光束は、いずれも同じ値(F1´=F2´=F3´=F4´=F5´)となる。ところが、各小リフレクタ108は、灯具正面方向の投影面積が互いに異なっている(A1´<A2´<A3´<A4´<A5´)ので、各小リフレクタ108の反射面108aは、上記投影面積が小さいものほど輝度が大きくなり相対的に明るく見える。
【0008】具体的には、各小リフレクタ108の反射面108aは、鉛直方向に関して複数のセグメントに区分けされており、これら各セグメントに各フレネルレンズ104からの平行光を灯具前方へ向けて拡散反射させる反射素子108sと鉛直方向に延びる段差部108rとが各々割り付けられることにより階段状に形成されている。このため、灯具点灯状態においてリフレクタ106を灯具正面方向から観察すると、反射素子108sの中央部分が光輝部B´として明るく見えることとなる。
【0009】これら各光輝部B´の明るさ自体は、いずれの小リフレクタ108におけるいずれの反射素子108sにおいても略同一であるが、1つの小リフレクタ108を構成する各反射素子108s相互間の鉛直距離は上記投影面積が小さい小リフレクタ108ほど小さい値になるので、小リフレクタ108の単位で観察したときには、上記投影面積が小さいものほど輝度が大きくなり、相対的に明るく見えてしまうこととなる。
【0010】このため、リフレクタ106の反射面全体を略均一な明るさで見えるようにすることができず、灯具点灯時の見映えがあまりよくないという問題がある。
【0011】本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、複数のLED光源を用いて間接照明により光照射を行うように構成された車両用灯具において、灯具点灯時の見映えを向上させることができる車両用灯具を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本願発明は、各LED光源と各レンズとの位置関係に工夫を施すことにより、上記目的達成を図るようにしたものである。
【0013】すなわち、本願発明に係る車両用灯具は、複数のLED光源と、これら各LED光源からの光を平行光にする複数のレンズと、これら各レンズからの平行光を灯具前方へ向けて反射させるリフレクタと、このリフレクタの灯具前方側に設けられた透光カバーと、を備えてなる車両用灯具において、上記各レンズが、上記平行光の向きを揃えるように配置されており、上記リフレクタが、上記各レンズからの平行光が入射する領域毎に小リフレクタとして分割されており、これら各小リフレクタが、上記平行光の照射方向に関して互いに異なる長さに形成されるとともに、この平行光照射方向の長さが短い小リフレクタほど灯具前方側への傾斜角度が大きくなるように形成されており、上記各LED光源と上記各レンズとの距離が、上記平行光照射方向の長さが短い小リフレクタに対応するものほど大きい値に設定されている、ことを特徴とするものである。
【0014】上記「レンズ」は、LED光源からの光を平行光にすることができるものであれば、その具体的構成は特に限定されるものではなく、例えば単一の球面レンズ、組合せレンズ、フレネルレンズ等が採用可能である。
【0015】上記「平行光の向き」は、灯具前後方向と交差する方向であれば特定の方向に限定されるものではなく、例えば灯具前後方向と直交させるようにして上向きあるいは横向きに設定することが可能である。
【0016】上記「リフレクタ」は、複数の小リフレクタが一体的に形成されたものであってもよいし、各小リフレクタ毎に別体で形成されたものであってもよい。
【0017】上記各「小リフレクタ」は、平行光照射方向に関して互いに異なる長さに形成されるとともに、この平行光照射方向の長さが短い小リフレクタほど灯具前方側への傾斜角度が大きくなるように形成されたものであれば、その形状、大きさ等の具体的構成は特に限定されるものではない。この場合において、複数の小リフレクタのすべてが平行光照射方向に関して互いに異なる長さに形成されていることは必ずしも必要ではなく、少なくとも2つの小リフレクタが平行光照射方向に関して互いに異なる長さに形成されていればよい。
【0018】
【発明の作用効果】上記構成に示すように、本願発明に係る車両用灯具は、複数のLED光源からの光を平行光にする複数のレンズが、その平行光の向きを揃えるように配置されており、これら各レンズからの平行光を灯具前方へ向けて反射させるリフレクタが、各レンズからの平行光が入射する領域毎に小リフレクタとして分割されており、これら各小リフレクタが、平行光照射方向に関して互いに異なる長さに形成されるとともに、この平行光照射方向の長さが短い小リフレクタほど灯具前方側への傾斜角度が大きくなるように形成されており、各LED光源と各レンズとの距離が、平行光照射方向の長さが短い小リフレクタに対応するものほど大きい値に設定されているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0019】すなわち、各小リフレクタは、平行光照射方向に関して互いに異なる長さに形成されるとともに、その長さが短いものほど灯具前方側への傾斜角度が大きくなるように形成されているので、各小リフレクタの灯具正面方向の投影面積は互いに異なったものとなる。このため、仮に各LED光源と各レンズとの距離がすべて同じ値に設定されているとすれば、各小リフレクタの輝度は上記投影面積が小さいものほど大きくなり、相対的に明るく見えてしまうこととなる。
【0020】これに対して本願発明のように、各LED光源と各レンズとの距離を、平行光照射方向の長さが短い小リフレクタに対応するものほど大きい値に設定することにより、各LED光源から各レンズへの入射光束を、平行光照射方向の長さが短い小リフレクタに対応するものほど小さくすることができる。そしてこれにより、各小リフレクタの輝度を均一化することができ、リフレクタの反射面全体を略均一な明るさで見えるようにすることが可能となる。
【0021】したがって本願発明によれば、複数のLED光源を用いて間接照明により光照射を行うように構成された車両用灯具において、灯具点灯時の見映えを向上させることができる。
【0022】ところで、各小リフレクタおよび各レンズの灯具前後方向と直交する方向の幅は、互いに同じ値に設定してもよいし、異なる値に設定してもよい。前者の場合、レンズからの距離が大きいLED光源は、該LED光源からの光の一部がレンズに入射せずに無駄になってしまうが、後者の場合において、平行光照射方向の長さが短い小リフレクタおよびこれに対応するレンズほど灯具前後方向と直交する方向の幅を大きい値に設定すれば、各LED光源からの光を無駄にすることなく各レンズへ入射させるようにした上で、各小リフレクタの輝度を均一化することができる。
【0023】上記各小リフレクタの反射面は、単一の曲面で構成されたものであってよいし、複数の反射素子で構成されたものであってよい。後者の場合、各小リフレクタの反射面を平行光照射方向に関して複数のセグメントに区分けするとともに各セグメントに反射素子と段差部とを各々割り付けることにより階段状に形成すれば、灯具前方への光照射を効率的に行うことができる。なお、この場合において、各小リフレクタの反射面を灯具前後方向と直交する方向に関しても複数のセグメントに区分けするようにしてもよい。
【0024】その際、各反射素子を、レンズからの平行光を上下方向および左右方向に拡散反射させる曲面で構成すれば、透光カバーを素通し状に形成しても、所要の灯具配光性能を確保することができる。
【0025】なお、このようにする代わりに、各反射素子を平面で構成してレンズからの平行光を灯具前方へ向けて平行光のまま反射させ、透光カバー等に拡散レンズ素子を形成することにより上下方向および左右方向の光拡散を行うようにすることも可能である。あるいは、各反射素子を一方向にのみ曲率を有する曲面で構成してレンズからの平行光を灯具前方へ向けて一方向にのみ拡散反射させ、透光カバー等に拡散レンズ素子を形成することにより上記一方向と直交する方向の光拡散を行うようにすることも可能である。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて、本願発明の一実施形態について説明する。
【0027】図1は、本実施形態に係る車両用灯具を示す正面図であり、図2は、図1のII-II 線断面図である。
【0028】これらの図に示すように、本実施形態に係る車両用灯具10は、車両後端部の左側コーナ部に設けられるテール&ストップランプであって、ランプボディ12と素通し状の透光カバー14とで構成される灯室内に灯具ユニット16が収容されてなっている。
【0029】灯具ユニット16は、複数(5個)の光源ユニット22A、22B、22C、22D、22Eと、これら各光源ユニット22A〜22Eからの光を灯具前方(車両としては後方。以下同様)へ向けて反射させるリフレクタ18とからなっている。リフレクタ18は、各光源ユニット22A〜22E毎に小リフレクタ24A、24B、24C、24D、24Eとして分割されており、各光源ユニット22A〜22Eと各小リフレクタ24A〜24Eとで5個のLEDユニット20A、20B、20C、20D、20Eを構成している。
【0030】各光源ユニット22A〜22Eは、いずれも直方体形状に形成されており、その上端面を面一に揃えた状態で左右方向に密着するようにして配列されている。各光源ユニット22A〜22Eの左右幅寸法および奥行き寸法は、互いに等しい値に設定されているが、その高さ寸法は、左端部の光源ユニット22Aから右端部の光源ユニット22Eへ向けて徐々に小さくなるように設定されている。
【0031】一方、各小リフレクタ24A〜24Eは、左端部の小リフレクタ24Aから右端部の小リフレクタ24Eへ向けて徐々に高くなるように形成されている。具体的には、各小リフレクタ24A〜24Eは、その反射面24aが鉛直方向に関して等間隔で複数のセグメント(5個のセグメント)Sに区分けされており、これら各セグメントSの鉛直方向の幅は、左端部の小リフレクタ24Aから右端部の小リフレクタ24Eへ向けて徐々に大きくなるように設定されている。そしてこれによりリフレクタ18の上端縁形状を、上端形状が右端部から左端部へ向けて徐々に下がるように形成された透光カバー14に沿わせるようにしている。
【0032】図3は、灯具ユニット16を構成する5個のLEDユニット20A〜20Eのうち右端部に位置するLEDユニット20Eを切り出して示す斜視図である。
【0033】図示のように、このLEDユニット20Eの光源ユニット22Eは、上向きに配置されたLED光源30と、このLED光源30からの光を平行光にするフレネルレンズ32(レンズ)と、LED光源30を支持するプリント基板34と、このプリント基板34とフレネルレンズ32を支持するハウジング36とからなっている。
【0034】フレネルレンズ32は、LED光源30の中心位置を通るようにして鉛直方向に延びる光軸Axを有しており、その下側表面にフレネルレンズ部32aが形成されている。なお、プリント基板34およびハウジング36は、灯具ユニット16の全幅にわたって左右方向に延びるように形成されている。
【0035】LEDユニット20Eの小リフレクタ24Eは、光源ユニット22Eの後端部から斜め上前方へ延びるように形成されており、フレネルレンズ32から上向きに照射される平行光を灯具前方へ向けて略直角に反射させるようになっている。
【0036】小リフレクタ24Eの反射面24aは、上記複数のセグメントSの各々に反射素子24sと段差部24rとが各々割り付けられることにより階段状に形成されている。そして、この反射面24aは、各反射素子24sにおいてフレネルレンズ32からの平行光を灯具前方へ向けて拡散反射させるようになっている。各段差部24rは、フレネルレンズ32からの平行光が入射しないよう鉛直面として形成されている。その際、各反射素子24sは、フレネルレンズ32からの平行光を、灯具前方正面方向を中心にして上下方向および左右方向に各々所定拡散角度で拡散反射させるよう、略球面状の曲面で構成されている。これら各反射素子24sの上下方向および左右方向の拡散角度は、各反射素子24s間において互いに同じ値に設定されている。
【0037】図4は、灯具ユニット16を一部簡略化して示す斜視図である。
【0038】図示のように、灯具ユニット16を構成する各LEDユニット20A〜20Eの小リフレクタ24A〜24Eは、各フレネルレンズ32からの平行光をもれなく灯具前方へ向けて反射させるようにするため、高さが低い小リフレクタほど灯具前方側への傾斜角度が大きく(θA>θB>θC>θD>θE)なるように設定されている。
【0039】なお、各LEDユニット20A〜20Eは、灯具ユニット16の右端部から左端部へ向けて灯具後方側へ徐々に変位するよう階段状に配置されており、これにより灯具ユニット16を透光カバー14に沿わせるようにしている。また、各小リフレクタ24A〜24Eは、互いに隣接する小リフレクタ同士が灯具前後方向に延びる鉛直境界壁26を介して互いに接続されており、これによりリフレクタ18は一体的に形成されている。
【0040】図5は、灯具ユニット16を単品で示す正面図である。
【0041】図示のように、各LEDユニット20A〜20Eの左右幅(すなわち各小リフレクタ24A〜24Eおよび各フレネルレンズ32の左右幅)は、すべて同じ幅(P1=P2=P3=P4=P5)に設定されているが、各LED光源30と各フレネルレンズ32との距離は、左端部のLEDユニット20Aから右端部のLEDユニット20Eへ向けて徐々に小さく(H1>H2>H3>H4>H5)なるように形成されている。なお、各フレネルレンズ32の焦点距離は、該フレネルレンズ32と各LED光源30との距離H1〜H5と同じ値に設定されている。
【0042】各小リフレクタ24A〜24Eは、その灯具正面方向の投影面積が、左端部の小リフレクタ24Aから右端部の小リフレクタ24Eへ向けて徐々に大きく(A1<A2<A3<A4<A5)なっているが、各LED光源30から各フレネルレンズ32へ入射する光束は、左端部の光源ユニット22Aから右端部の光源ユニット22Eへ向けて徐々に大きく(F1<F2<F3<F4<F5)なるので、灯具点灯状態においてリフレクタ18の反射面を灯具正面方向から観察すると、各小リフレクタ24A〜24Eは互いに略等しい明るさで見えることとなる。
【0043】具体的には、各反射素子106sの中央部分が光輝部Bとして明るく見えるが、これら各光輝部Bの明るさは、LED光源30からフレネルレンズ32への入射光束の大小に比例するので、左端部の小リフレクタ24Aから右端部の小リフレクタ24Eへ向けて徐々に明るくなる。一方、各小リフレクタ24A〜24Eを構成する各反射素子106s相互間の鉛直距離は、上記投影面積が小さい小リフレクタほど小さくなるので、左端部の小リフレクタ24Aから右端部の小リフレクタ24Eへ向けて徐々に大きくなる。したがって、小リフレクタ24A〜24Eの単位で観察したときには、いずれの小リフレクタ24A〜24Eも略等しい明るさで見えることとなる。
【0044】以上詳述したように、本実施形態に係る車両用灯具10は、各光源ユニット22A〜22Eからの上向きの平行光を灯具前方へ向けて反射させるリフレクタ18が、平行光入射領域毎に小リフレクタ24A〜24Eとして分割されており、これら各小リフレクタ24A〜24Eが、互いに異なる高さに形成されるとともに、高さが低い小リフレクタほど灯具前方側への傾斜角度が大きく(θA>θB>θC>θD>θE)なるように形成されている。各光源ユニット22A〜22Eは、高さが低い小リフレクタに対応するものほどLED光源30とフレネルレンズ32との距離が大きい値(H1>H2>H3>H4>H5)に設定されているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0045】すなわち、各小リフレクタ24A〜24Eは、互いに異なる高さに形成されるとともに、高さが低いものほど灯具前方側への傾斜角度が大きくなるように形成されているので、各小リフレクタ24A〜24Eの灯具正面方向の投影面積は互いに異なったもの(A1<A2<A3<A4<A5)となる。このため、仮に各LED光源30と各フレネルレンズ32との距離がすべて同じ値に設定されているとすれば、各小リフレクタ24A〜24Eの輝度は上記投影面積が小さいものほど大きくなり、相対的に明るく見えてしまうこととなる。
【0046】これに対して本実施形態のように、各LED光源30と各フレネルレンズ32との距離を、高さが低い小リフレクタに対応するものほど大きい値(H1>H2>H3>H4>H5)に設定することにより、各LED光源30から各フレネルレンズ32への入射光束を、高さが低い小リフレクタに対応するものほど小さく(F1<F2<F3<F4<F5)することができる。そしてこれにより、各小リフレクタ24A〜24Eの輝度を均一化することができ、リフレクタ18の反射面全体を略均一な明るさで見えるようにすることが可能となる。
【0047】したがって本実施形態によれば、複数のLED光源を用いて間接照明により光照射を行うように構成された車両用灯具において、灯具点灯時の見映えを向上させることができる。
【0048】また本実施形態においては、各小リフレクタ24A〜24Eの反射面24aが鉛直方向に関して複数のセグメントSに区分けされており、各セグメントSに反射素子24sと段差部24rとが各々割り付けられることにより階段状に形成されているので、灯具前方への光照射を効率的に行うことができる。
【0049】その際、各反射素子24sは、フレネルレンズ32からの平行光を上下方向および左右方向に拡散反射させる曲面で構成されているので、透光カバー14を素通し状に形成しても所要の灯具配光性能を確保することができ、また、次のような作用効果を得ることができる。
【0050】すなわち、図1に示すように、点灯状態にある灯具ユニット16を灯具前方正面から観察したとき、各小リフレクタ24A〜24Eの反射面24aは各反射素子24s毎に散点的に光って見え、その光輝部Bは各反射素子24sの中央に位置している。灯具前方正面から視点を上下左右にずらすと、光輝部Bの位置も各反射素子24s内において上下左右に移動するが、各反射素子24sの拡散角度は、各反射素子24s間において互いに同じ値に設定されているので、この拡散角度位置まではすべての反射素子24sが明るく見える一方、この拡散角度を超えたときにはすべての反射素子24sが一斉に暗くなる。このため、視点移動させたときの見え方にメリハリを持たせることができ、これにより灯具の見映えを向上させることができる。
【0051】なお、本実施形態のように、各反射素子24sを略球面状の曲面で構成する代わりに、各反射素子24sを平面で構成してフレネルレンズ32からの平行光を灯具前方へ向けて平行光のまま反射させ、透光カバー14に(あるいはインナレンズを設けて該インナレンズに)拡散レンズ素子を形成することにより上下方向および左右方向の光拡散を行うようにすることも可能である。あるいは、各反射素子24sを一方向にのみ曲率を有する曲面で構成してフレネルレンズ32からの平行光を灯具前方へ向けて一方向にのみ拡散反射させ、透光カバー14等に拡散レンズ素子を形成することにより上記一方向と直交する方向の光拡散を行うようにすることも可能である。
【0052】次に、本実施形態の変形例について説明する。
【0053】上記実施形態においては、各LEDユニット20A〜20Eの左右幅寸法が互いに等しい値(P1=P2=P3=P4=P5)に設定されているが、本変形例においては、図6および7に示すように、各LEDユニット20A〜20Eの左右幅が、左端部のLEDユニット20Aから右端部のLEDユニット20Eへ向けて徐々に狭く(P1>P2>P3>P4>P5)なるように設定されている。
【0054】このような構成を採用することにより、各フレネルレンズ32の開口角を互いに等しくすることができるので、各LED光源30からの光を無駄にすることなく各フレネルレンズ32へ入射させるとともに、各フレネルレンズ32への入射光束を各光源ユニット22A〜22E相互間において等しく(F1=F2=F3=F4=F5)することができる。また、各光源ユニット22A〜22Eと共に各小リフレクタ24A〜24Eの左右幅も増減するので、これら各フレネルレンズ32への入射光束が増大(減少)したLEDユニットにおいては、小リフレクタの灯具正面方向の投影面積も増大(減少)することとなり、これにより各小リフレクタ24A〜24Eの輝度の均一化を維持することができる。
【0055】また、上記実施形態においては、リフレクタ18を構成する各小リフレクタ24A〜24Eの反射面24aが、いずれも5個のセグメントSに区分けされており、このため各セグメントSの上下ピッチは左端部の小リフレクタ24Aから右端部の小リフレクタ24Eへ向けて徐々に大きくなるように構成されているが、このようにする代わりに、図8に示すように、各小リフレクタ24A〜24Eの反射面24aを区分けするセグメントSの上下ピッチをすべて同じ値に設定し、左端部の小リフレクタ24Aから右端部の小リフレクタ24Eへ向けてセグメントSの数を順次増やすように構成してもよい。
【0056】このような構成を採用した場合、各セグメントSに割り付けられる反射素子24sの上下幅は、左端部の小リフレクタ24Aから右端部の小リフレクタ24Eへ向けて徐々に小さくなるが、灯具正面視においてセグメントSの大きさはすべて等しくなるので、灯具ユニット16の点灯時における第1リフレクタ24の見え方に一層の均一感を持たせることができ、また非点灯時における第1リフレクタ24の見映えも高めることができる。
【0057】上記実施形態および各変形例においては、各LEDユニット20A〜20Eが左右方向に配列される場合について説明したが、各LEDユニット20A〜20Eが上下方向に配列されるようにした場合においても、上記実施形態および各変形例と同様の作用効果を得ることができる。
【0058】また上記実施形態および各変形例においては、灯具ユニット16がテール&ストップランプ用の灯具ユニットである場合について説明したが、これ以外の灯具ユニット(例えばクリアランスランプ等の灯具ユニット等)である場合においても、上記実施形態および各変形例と同様の構成を採用することにより、これらと同様の作用効果を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
【住所又は居所】東京都港区高輪4丁目8番3号
【出願日】 平成13年9月20日(2001.9.20)
【代理人】 【識別番号】100099999
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 隆
【公開番号】 特開2003−100116(P2003−100116A)
【公開日】 平成15年4月4日(2003.4.4)
【出願番号】 特願2001−286585(P2001−286585)