| 【発明の名称】 |
LEDマトリックス照明装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】市山 義和
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| 【要約】 |
【課題】本発明の目的は,個々のLEDはそれぞれ最適の条件で点灯駆動し,且つ障害LED発生時には消灯するLED数を最小限として照明機能を残存させるLEDマトリックス照明装置を実現提供することである。
【解決手段】本発明によるLEDマトリックス照明装置は,複数個のLEDを直列接続したLED列を一以上並列に接続し,異なったLED列に於いてほぼ同電位となるLED端子を抵抗で相互に接続、或いはまた、ほぼ同電位のLED端子をそれぞれ抵抗を介して前記ほぼ同電位となるLED端子群毎に対応する共通導体に接続して構成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数個のLEDを直列接続したLED列を一以上並列に接続して点灯させるLEDマトリックス照明装置において,各LED列の終端から同一個数離れたほぼ同電位のLED端子を抵抗を介して相互に接続したことを特徴とするLEDマトリックス照明装置【請求項2】 請求項1記載のLEDマトリックス照明装置に於いて,各LED列の終端から同一個数離れたほぼ同電位のLED端子をそれぞれ抵抗を介して前記ほぼ同電位となるLED端子群毎に対応する共通導体に接続したことを特徴とするLEDマトリックス照明装置【請求項3】 請求項2記載のLEDマトリックス照明装置に於いて,各LED列の終端から同一個数離れたほぼ同電位のLED端子を相互に接続する抵抗及び共通導体部分は,導体表面を抵抗性材料で被覆して構成した抵抗被覆導体とすることを特徴とするLEDマトリックス照明装置【請求項4】 請求項2或いは請求項3記載のLEDマトリックス照明装置に於いて,絶縁基板上に構成されたストライプ状導体パターン列上に薄膜抵抗体層を形成し,前記ストライプ状導体パターンを各段の共通導体としてほぼ同電位となるLED端子間の接続を前記ストライプ状導体パターン上の抵抗体層上で行うことを特徴とするLEDマトリックス照明装置 |
【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】本発明は,LEDを使用した照明装置に拘わり,特にLEDの障害発生時に照明機能を最大限に残存させる信頼性の高いLEDマトリックス照明装置に拘わる。 【0002】 【従来の技術】寿命,或いはエネルギー効率を主な理由として従来の白熱灯,蛍光灯による照明からLED(発光ダイオード)による照明へと変わろうとしている。LEDによる照明装置では多数のLEDを同時点灯をしなければ必要な明るさを得られないが,LEDの順方向電圧は3ボルト前後と低いので電源装置での損失を考えると多数のLEDを直列に接続して比較的高い電圧を加えこれを並列に点灯するマトリックス配置のLEDとする必要がある。 【0003】しかしながら,個々のLEDの信頼性は高くても何れは劣化するものであり,ましてや多数のLEDを同時点灯する照明装置では不具合のLEDが確率的に出現するのは避けられない。LED障害で最も多いのは断線して消灯するオープン障害であるが,直列にLEDを接続する構造ではその列の全てのLEDが消灯して照明装置の信頼性に疑問を残す構造である。 【0004】この点で改善を図る為に特開10−027298は,マトリックス状に配置したLEDのほぼ同電位となる端子同士を相互に接続することを提案した。この提案によれば一つのLEDにオープン障害が発生してもそのLEDが属する同じ列のLEDには隣接するLED端子から電流が供給されるためにオープン障害LEDの有るLED列全てが消灯するわけでは無く,障害LED自身の消灯のみに留まる。ただ,LEDはオープン障害が圧倒的に多いが,短絡障害も存在するのでその場合には障害LEDと同じ段にある他の列のLEDが全て消灯する事になる。特開10−027298では短絡障害での影響を最小限に留める為にLED端子同士を相互に接続するLED列の数を制限したブロック構成まで提案していた。 【0005】しかしながら,LEDは順方向電圧,順方向電流を初めとする素子間の性能ばらつきは無視し得ないものであって,特開10−027298のようにLED端子を相互に接続してLED端子を強制的に同電位とする構造ではむしろ障害発生を加速する懸念がある。すなわち,並列に接続させられた特定のLEDに電流が集中し,連鎖的に障害を発生させる可能性がある。また各段で並列接続とされたLED群でそれぞれのLEDに流れる電流が異なるために明るさのばらつきが大となる結果ともなる。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的は,個々のLEDはそれぞれ最適の条件で点灯駆動し,且つ障害LED発生時には消灯するLED数を最小限として照明機能を残存させるLEDマトリックス照明装置を実現提供することである。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明によるLEDマトリックス照明装置は,複数個のLEDを直列接続したLED列を一以上並列に接続し,異なったLED列に於いてほぼ同電位となるLED端子を抵抗で相互に接続して構成する。 【0008】 【作用】本発明によるLEDマトリックス照明装置によれば,ほぼ同電位となるLED端子同士を抵抗で接続して構成するので一つのLEDがオープン障害を生じても電流は抵抗を通じて他の列のLEDに流れ,障害LEDの有る列全てのLEDが消灯することは無い。また,短絡障害となるLEDが現れても抵抗を通じて電流が流れ,電位差を生じるのでそれと並列するLED全てが消灯することは避けられる。 【0009】 【発明の実施の形態】以下に本発明によるLEDマトリックス照明装置について,その実施例及び原理作用等を図面を参照しながら説明する。 【0010】図7は,従来のLEDマトリックス照明装置の結線構成例を示す。同図にはLEDを直列に接続したLED列を電源11に並列に接続した例を示すが,各LED列に定電流を供給するための定電流源或いは抵抗を直列に接続することもある。番号13,14,15,16,17はLEDを示し,番号12,19はそれぞれ電源11の一方の配線を示す。同図に於いて直列構成の中のLEDが一つでも断線するとその列のLEDには電流が供給されないので消灯することになる。また,LEDの一つが短絡障害を起こすと,そのLED端子間の電位差はゼロになるのでそのLED列の他のLEDに印可される電圧が高くなり,発熱を大にしてLEDの劣化速度を速める原因ともなる。 【0011】このように従来のLEDマトリックス照明装置は個々のLEDに起こりうる障害発生に対して照明機能の低下,或いは寿命の減少等信頼性において課題の残る構造であった。 【0012】図1は本発明の実施例であるLEDマトリックス照明装置の結線構成を示す。同図において,一方の電源配線12から同数のLEDを経たLED端子同士はほぼ同電位であり,これら隣接し且つ異なるLED列のLED端子同士を抵抗で接続する。例えばLED13,15間,LED14,16間はほぼ同電位であるが,これらのLED端子同士を抵抗18で相互に接続して構成する。 【0013】このように配線構成したLEDマトリックス照明装置に於いては,一つのLEDがオープン障害を生じても隣接するLED列等から抵抗を通じてオープン障害を生じたLEDの属する他のLEDに電流が流れ込み,或いは流れ出してそのLED列全体の消灯は避けられる。さらに一つのLEDが短絡障害を起こしてそのLED端子間に電位差が無くなっても短絡LEDに流れ込む或いは流れ出す電流は抵抗により電位降下を生じるので同じ段にある他のLED列の両端の電位差をゼロにすることは無い。 【0014】この実施例において,抵抗18をそれぞれのLED端に接続するのは手数がかかり,コストアップの原因にもなるが,LEDを配置する絶縁基板の上層に抵抗体層を構成し,LED列とは直交する方向に切断したストライプ状のパターンとして構成してLED端子間の抵抗とすればコストアップは避けられる。また,LED列方向のLED端子間距離がそれと直交する隣接LED端子間距離より著しく大であるなら前記抵抗体層はストライプ状とせず,一様な抵抗体層としても構成できる。 【0015】図2は本発明の実施例であるLEDマトリックス照明装置の結線構成を示す。同図において,一方の電源配線12から同数のLEDを経たLED端子それぞれから抵抗を介して各段毎の共通導体に接続して構成する。例えば,LED13,15間,LED14,16間はほぼ同電位であるが,これらのLED端子からそれぞれ抵抗21を介して共通導体22に接続する。 【0016】本実施例の動作原理は図1に示す実施例とほぼ同じ趣旨であるが,隣接するLED端子同士を抵抗で接続する代わりに共通導体にそれぞれ抵抗で接続した点が異なっている。図1に示す実施例では障害を生じたLED周辺への電流供給或いは流出が隣接するLED列のLEDに大きな負担をかけたのに対し,本実施例ではこれを周辺の全てのLEDに均等に負担させることが大きく異なる。一つのLED障害をトリガーとして連鎖的なLED障害発生を有効に防止できる。 【0017】図3は図2に示す実施例の動作説明のための図で一つのLEDがオープン障害を起こした時に各LED端子の電位がどのように変化するかを模式的に示してある。同図において,縦軸31は電位を,横軸32はLED列の配置方向を示している。すなわち,番号40,41,42,43はLED33,34,35の端子を示し,その縦軸方向の位置は電位を,横軸方向の位置はLED列の位置を示す。点線36,37,38,39はそれぞれほぼ同電位となるLED端子群に対応する共通導体を示し,縦軸方向の位置はその電位を示している。 【0018】同図に於いて,番号34で示すLEDがオープン障害を起こした場合,そのLED34には電流が流れないのでLED33を流れた電流は端子41から共通導体37に向かって抵抗(図示せず)を介して流れて端子41の電位は上昇し,LED35への電流は端子42に共通導体38から抵抗を介して流れ込むので端子42の電位は低下する。LED33,35の他の端子40,43の電位にも影響は残り図に示すよう変化する。ただ,障害を起こしたLED34より離れるに従い影響は軽微となる。また,LED34がオープンとなった結果として隣接する他のLED列に属するLEDに流れる電流への影響は分散して変化は小さいのでそれら端子電位の変化も小さく図には示していない。 【0019】LEDの順方向電圧は平均的に3.3ボルト,電流は20ミリアンペア,各LED端子は25オームの抵抗で各共通導体に接続されているとすれば,LED34の端子41,42とそれぞれの共通導体37,38との間の電位差は0.5ボルトとなり,LED34の上下のLED33,35に加わる電圧は減少する。したがってLED33,35を流れる電流は少なくなり端子40,43とそれぞれ抵抗で接続される共通導体36,39との間で電流が流れ調整される。並列に接続されるLED列が全体で20で有ったとすれば他のLED列の同じ位置にあるLEDにはそれぞれ約1ミリアンペア程度が均等に分散されるとしてLED端の電位差の変化は0.025ボルト程度に留まる。障害LED34に抵抗を介して接続される共通導体37,38の電位も変化するが微小であるので図面では表示していない。 【0020】図4は図2に示す実施例の動作説明のための図で一つのLEDが短絡障害を起こした時に各LED端子の電位がどのように変化するかを模式的に示してある。簡単のために図3と全く同じ番号を各構成要素に使用してある。LED34が短絡障害を起こしたと考えると,短絡障害を起こしたLEDの両方の端子は同電位となるので端子41,42の位置は縦軸上ではほぼ同じ位置に示してある。端子41の電位は本来の電位より下がり,端子42の電位は本来の電位より上がっている。短絡障害を起こしたLEDと同じLED列内の他のLED33,35等には当然に初期設定より大きな電圧が加わることになる。LED34の端子41には抵抗を介して共通導体37から電流が流れ込み,さらに端子40でも共通導体36から抵抗を介して電流が流れ込む。端子41,42とそれぞれの共通導体との間の抵抗が25オームとすると,66ミリアンペア流れれば本来LED34で生じていた電位降下分は補償できる。実際にはさらに周辺の抵抗,LEDに電流は分散したりするので上記値はゼロ次近似的な目安である。 【0021】上下のLED33,35は印可電圧が高くなった分に比例して電流が増え,端子40には共通導体36から抵抗を介して電流が流れ込み,端子43からは抵抗を介して共通導体39に電流が流れ出す。端子41,42間に比較的大きな電流が流れるのでLED34と同段にある他のLEDの電流がその分減少し,明るさを減ずる事になるが,20本のLED列が並列に接続されている場合を考えると66ミリアンペアが均一に分散されるとすれば各LEDへの影響は3ミリアンペア強程度となる。 【0022】図3,図4を用いて図2に示す実施例でのオープン障害,短絡障害が生じた場合の動作を確認したが,LED端子と共通導体とを結ぶ抵抗はオープン障害或いは短絡障害でその最適な値は異なる。すなわちオープン障害に対しては小さい抵抗が,短絡障害に対しては大きい抵抗が周囲のLEDへの影響を少なくできる。LEDの各故障モードの頻度と周囲LEDへの影響を勘案してLED端子と共通導体間の抵抗値は設定する。 【0023】図3,図4では障害発生時に本発明によるLEDマトリックス照明装置は照明機能を最大限残存させ得る事を示した。LEDは個々にばらつきが多いので単純な直列接続或いは並列接続では特定のLEDに電流を集中させ,或いは過電圧を印可させる等負担をかけて寿命を減じる可能性もある。また,一つのLEDに障害が発生したことを契機に周辺のLEDに負担を課して障害連鎖を生じさせる可能性もある。上記構成による本発明のLEDマトリックス照明装置は,障害LEDによる電流集中,或いは印可電圧と電流のバランス等を隣接LEDに分散させることにより解決したが,障害発生までに至らなくても個々のLEDばらつきによる電流或いは電圧不均衡を周辺のLEDに均等に分散させて吸収させることが出来る。これはまた各LEDの長寿命化に繋がる。 【0024】図2の実施例で示すLEDマトリックス照明装置は上記説明のように長寿命且つ高信頼性の照明装置を実現できるが,各LED端子にそれぞれ抵抗を接続するのはいかにも手数を要し,したがってコストアップ要因となる。図5はこの点を解決する為の手段を示す。 【0025】図5は図2に示す実施例において,異なるLED端子間を接続する手段として導体表面に抵抗体層を形成した抵抗被覆導体の実施例を示す。図5(a)は絶縁基板52上に形成した抵抗被覆導体51の構造を示す。絶縁基板52上にメッキ,エッチング等の薄膜形成技術で形成した導体パターン53を各共通導体とし,その上にカーボン或いは錫とアンチモンの酸化物よりなる酸化物被膜,或いはタンタル、ニッケル、クロームなどの金属を真空蒸着して抵抗体層54を形成する。図2に示したLEDの端子はそれぞれ抵抗体層54の上に接続する。 【0026】抵抗体層54は数ミクロンメートルから数十ミクロンメートル程度の薄さで所定の抵抗を得るよう構成すれば,LEDで発生する熱を共通導体を通じて放散することも出来る。 図5(b)は導線56の表面に抵抗体層57を構成した抵抗被覆導体55の構造を示す。導線56の表面に高温で錫とアンチモンの酸化物溶剤を吹き付け,熱処理をして構成する。抵抗体層57そのものは酸化物金属皮膜抵抗として公知の技術であるので説明は省略する。 【0027】図6は,絶縁基板上に前記抵抗被覆導体を形成してLEDを実装するLEDマトリックス照明装置の実施例を示す。同図はLEDマトリックス照明装置の一部を示し,絶縁基板63上に番号61,62で示すようにLEDはマトリックス状に配置されている。点線67はLEDが直列に接続される方向を示し,点線67に平行にLED列が形成され,電源(図示せず)に並列接続される。 【0028】点線の円70で示す一部を拡大してして見えるように絶縁基板63上にはメッキ,エッチング等の薄膜形成技術を用いてストライプ状の共通導体パターン64を形成し,その上にニッケル,クローム等の金属を蒸着によって形成して一様な抵抗体層65を作る。さらにその上にLEDの端子間を直列に接続するための接続導体パターン66を形成し,LEDを半田で接続して図6に示すLEDマトリックスを形成する。 【0029】番号68,69で示す点線はLED61,62の裏面に形成されている片方の端子位置を示し,接続導体パターン66は同一LED列内の異なったLED端子間を接続して点線67の方向にLED列を形成させるよう配置される。共通導体パターン64は点線68,69の方向のストライプ形状とし,抵抗体層65を挟んで各接続導体パターン66と対向部分を有してLED端子同士を抵抗体層65と共通導体パターン64とで電気的に結ぶ。 【0030】抵抗体層65は共通導体パターン64と同様なストライプ状のパターンを形成するべきであるが,抵抗体層65の膜厚が数ミクロンメートル程度とし,LED端子間の距離が数ミリメートルであるとすれば一様な抵抗体層としても動作に支障は無い。 【0031】以上,本発明について実施例を参照して説明したが,本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形等は可能である。例えば,図1,図2で示した実施例では各段のLED端子に抵抗を接続してあるが,全ての段のLED端子を抵抗で結ぶ必要はない。ただ,各段のLED端子が抵抗で接続されていない場合,オープン障害を生じると1以上のLEDが消灯することになる。期待する効果とコストとで決めることになる。 【0032】 【発明の効果】以上,実施例を用いて説明したように本発明のLEDマトリックス照明装置に依れば,直列接続された複数のLED列が電源に並列に接続され,異なったLED列間でほぼ同電位となるLED端子同士を抵抗で結び,LED端子間の電圧,LEDに流れる電流等を平均化するよう作用させて特定のLEDに過度の負担を強いることなく最適条件での駆動を可能とし,またLEDのオープン或いは短絡障害時でも消灯するLEDを障害LEDに限定させて照明機能を最大限に残存させる。一般の照明装置に加えて特に信頼性を要求する信号器あるいは車両用灯火等の応用に適する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】597073450 【氏名又は名称】市山 義和
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| 【出願日】 |
平成13年9月21日(2001.9.21) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2003−100109(P2003−100109A) |
| 【公開日】 |
平成15年4月4日(2003.4.4) |
| 【出願番号】 |
特願2001−288730(P2001−288730) |
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