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【発明の名称】 埋込型発光装置
【発明者】 【氏名】北島 繁優

【氏名】高橋 忍

【氏名】田中 茂

【氏名】古野 淳三

【要約】 【課題】透視性を維持することにより、光量の低下及び美感の低下を抑制でき、しかも滑りを防止して歩行者等の安全性を高め、さらに、全面を均一に発光させることができる埋込型発光装置を提供する。

【解決手段】埋込型発光装置1は、表面に複数の突起物19が所定間隔で形成された透視性硝子板4と、透視性硝子板4の下方に配設された透明な板状の導光板7と、導光板7の側面に配設された発光ダイオード9と、導光板7の下方に配設され発光ダイオード9の光を拡散して反射させる光拡散反射板8と、上面開口部3に透視性硝子板4を配設するケーシング2とを具備する。また、太陽電池10と、太陽電池10によって得られた電気エネルギーを蓄える蓄電池12とを備える。さらに、導光板7の裏面に蛍光白色体を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 表面に複数の突起物が所定間隔で形成された透視性硝子板と、該透視性硝子板の下方に配設された透明な板状の導光板と、該導光板の側面に配設された発光ダイオードと、前記導光板の下方に配設され、前記発光ダイオードの光を拡散して反射させる光拡散反射部材と、上面開口部に前記透視性硝子板を配設し、前記導光板、前記発光ダイオード、及び前記光拡散反射部材を収容するケーシングとを具備することを特徴とする埋込型発光装置。
【請求項2】 前記透視性硝子板の下面には、前記発光ダイオードから放射された光を拡散して通過させる透光性拡散部材、及び突起物が形成されていない平板形状の第二透視性硝子板が、下方に向かって順に積層され、前記透視性硝子板、前記透光性拡散部材、及び前記第二透視性硝子板が、合せ硝子として一体的に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の埋込型発光装置。
【請求項3】 前記導光板の下面に点在し、前記発光ダイオードの光を受けて蛍光を発する蛍光白色体をさらに備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の埋込型発光装置。
【請求項4】 光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池と、該太陽電池で変換された電気エネルギーを蓄電するバッテリー部材と、該バッテリー部材に蓄電された前記電気エネルギーを利用して前記発光ダイオードを発光させる発光制御手段とをさらに備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の埋込型発光装置。
【請求項5】 前記ケーシングの前記上面開口部、及び前記透視性硝子板の周縁部の間を水密状態に封止するシール部材と、前記バッテリー部材を内蔵し、前記ケーシングの側面から挿脱可能な状態で前記ケーシング内に収容されたバッテリーケースとをさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の埋込型発光装置。
【請求項6】 前記太陽電池が、前記透視性硝子板と前記導光板との間に配設され、前記発光ダイオードが、前記太陽電池の真下に配設されていることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の埋込型発光装置。
【請求項7】 文字が示されるとともに、該文字に対応する部分及びその背景部分のいずれか一方が透光性を有する文字プレートをさらに備え、該文字プレートが、前記透視性硝子板と前記導光板との間に配設されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載の埋込型発光装置。
【請求項8】 前記ケーシングは、互いに分離可能な内外二重の筐体から構成され、地面に形成された収容空間に埋込まれた際、外側の前記筐体が地面に対して固着されることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一つに記載の埋込型発光装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、埋込型発光装置に関するものであり、特に、歩道、公共施設、駐車場等の地面、または屋内の床面に埋込まれ、上面から光を放射することが可能な埋込型発光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】歩道や駐車場等の地面に埋込まれ、夜間等、周囲が暗くなったときに表面(上面)から光を放射する埋込型の発光装置が提案されている。この発光装置によれば、歩行者に注意を促したり、歩行者を目的地に誘導させたりすることが可能であり、また、それを用いて光のファンタジーやイリュージョンを演出することにより、景観・美感を向上させることもできる。
【0003】提案されている従来の発光装置は、主に、上面が開口された箱状のケーシング(筐体)と、ケーシングの上面開口部に配設された板状の強化プラスチック材と、この下方に配設された板状の光拡散部材と、光拡散部材を照射する複数個の点光源とから構成されている。なお、点光源を発光させるための電源としては商用電源が用いられている。これは、乾電池を電源とすると、頻繁に交換しなければならず、特に地面に埋もれたケーシングの中から乾電池を取出す作業は極めて困難となるためである。
【0004】また、文字を表示するために、強化プラスチック材と光拡散部材との間に文字プレートを介装したものも提案されている。文字プレートとは、文字に対応する部分及びその背景部分のいずれか一方が透光性を有するものであり、光拡散部材によって拡散された光を、透光性を有する部分から表面側に放射することにより、文字及びその背景のいずれか一方を光らせることができる。
【0005】ところで、発光装置の表面に配設される部材としては、透視性及び耐衝撃性に優れた材料を用いる必要がある。つまり、発光装置の表面から光を放射するには透過性に優れていることが前提とされ、特に文字プレートを備えたものでは、その文字を明確に認識させることから透明でなければならない。また、上に人(例えば歩行者)や自転車等が頻繁に載ることから、これらの重量や、踏み込んだ時の衝撃に耐え得るものでなければならない。このような理由から従来の発光装置では強化プラスチック材が利用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、強化プラスチック材は、歩行者のヒールや傘の先端部分等によって傷が付きやすく、傷付いた場合には白濁する可能性が高かった。このため、月日の経過とともに、透過性が損なわれ、点光源の輝度が同じであるにも拘わらず暗く感じさせる恐れがあった。また、白濁により美感を低下させる恐れもあった。さらに、文字プレートを介装したものにおいては、白濁により文字が不鮮明となり文字を誤って認識させる恐れがあった。なお、強化プラスチック材の代わりに強化硝子を用いるようにすれば、表面の白濁を抑制できるようになるが、硝子は一般に滑りやすいことから、歩行者の転倒や車のスリップを引き起こす原因となる。特に、雨や雪の日には、硝子の表面における抵抗が極めて小さくなるため、滑りやすさが助長される。
【0007】また、上記の発光装置では、電源として商用電源を用いるため、施工する際、業者による電気工事(電源配線工事)が必要となり、施工に比較的多くの時間を要していた。また、商用電源が供給できない場所では施設することができなかった。
【0008】さらに、上記の発光装置では、強化プラスチック材の全面を均一な明るさで光らせることが困難であった。つまり、このような発光装置は、広い場所に施設されることから比較的大型のものが好ましいが、ダイオード等の点光源を、光拡散部材の下方に配置したものでは、部分的に明暗が生じ、見栄えを損なう恐れがあった。なお、点光源の代わりに、面発光型の光源を配置することが考えられるが、この場合には、製造コストが大幅に増加するとともに、消費電力の増加により維持費が高くなってしまう。
【0009】そこで、本発明は、上記の実情に鑑み、長期に亘って透視性を維持するとともに、滑りを防止することができ、さらに、全面を均一に発光させることができる埋込型発光装置の提供を課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明にかかる埋込型発光装置は、表面に複数の突起物が所定間隔で形成された透視性硝子板と、該透視性硝子板の下方に配設された透明な板状の導光板と、該導光板の側面に配設された発光ダイオードと、前記導光板の下方に配設され、前記発光ダイオードの光を拡散して反射させる光拡散反射部材と、上面開口部に前記透視性硝子板を配設し、前記導光板、前記発光ダイオード、及び前記光拡散反射部材を収容するケーシングとを具備するものである。
【0011】ここで、「所定間隔」とは、一定の間隔、または不規則な間隔の意味を包含するものである。また、「光拡散反射部材」としては、例えば白色の板を挙げることができる。
【0012】したがって、請求項1の発明の埋込型発光装置によれば、発光ダイオードが導光板の側面に配設されているため、発光ダイオードの光は、導光板の内部を進みながら、導光板の下方(裏面側)に配設された光拡散反射部材を照射する。すると、光拡散反射部材で光が拡散され、一部の光が導光板の上面(表面)から放射される。そして、その光は、ケーシングの上面開口部に配設された透視性硝子板を通過して外部(例えば地上)に放射される。つまり、導光板が面光源として機能し、透視性硝子板の略全面を光らせる。ところで、透視性硝子板の表面には、複数の突起物が所定間隔で形成されているため、その突起部によって抵抗が適度な大きさに保たれ、歩行者や自転車等の滑りを防止する。なお、抵抗が極めて大きい場合には、躓いて転倒する恐れがあることから、上記の説明では、それを除外する意味で「適度」と表現している。
【0013】請求項2の発明にかかる埋込型発光装置は、請求項1に記載の埋込型発光装置において、前記透視性硝子板の下面には、前記発光ダイオードから放射された光を拡散して通過させる透光性拡散部材、及び突起物が形成されていない平板形状の第二透視性硝子板が、下方に向かって順に積層され、前記透視性硝子板、前記透光性拡散部材、及び前記第二透視性硝子板が、合せ硝子として一体的に形成されているものである。
【0014】したがって、請求項2の発明の埋込型発光装置によれば、請求項1の発明の作用に加え、導光板の上面から放射される光は、透光性拡散部材を通って透視性硝子板を照射する。このため、導光板内の光が線状または点状であっても、透視性硝子板の上方から見る光は面状となる。また、透視性硝子板を、合せ硝子として構成することにより、万が一割れた場合でも周囲に飛散することがない。
【0015】請求項3の発明にかかる埋込型発光装置は、請求項1または請求項2に記載の埋込型発光装置において、前記導光板の下面に点在し、前記発光ダイオードの光を受けて蛍光を発する蛍光白色体をさらに備えるものである。ここで、「蛍光白色体」として、例えば白色の蛍光塗料を挙げることができる。
【0016】したがって、請求項3の発明の埋込型発光装置によれば、請求項1または請求項2の発明の作用に加え、発光ダイオードの光は、導光板の内部を進みながら、導光板の下面に点在した蛍光白色体を照射する。すると、蛍光白色体は、発光ダイオードの光を受けてその波長に見合った色の蛍光を発する。つまり、蛍光白色体が設けられている部分は、所定の波長の刺激に応答して蛍光発光する。これにより導光板の輝度が増加する。なお、蛍光白色体が設けられていない部分を通過した光、または蛍光白色体を通過した光は、導光板の下方に配設された光拡散反射部材を照射する。
【0017】請求項4の発明にかかる埋込型発光装置は、請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の埋込型発光装置において、光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池と、該太陽電池で変換された電気エネルギーを蓄電するバッテリー部材と、該バッテリー部材に蓄電された前記電気エネルギーを利用して前記発光ダイオードを発光させる発光制御手段とをさらに備えるものである。ここで、「バッテリー部材」には、蓄電池や電気二重層コンデンサ等が含まれる。
【0018】したがって、請求項4の発明の埋込型発光装置によれば、請求項1乃至請求項3のいずれか一つの発明の作用に加え、太陽電池によって変換された電気エネルギーがバッテリー部材に一旦蓄電され、その蓄電された電気エネルギーを利用して発光ダイオードを発光させる。
【0019】請求項5の発明にかかる埋込型発光装置は、請求項4に記載の埋込型発光装置において、前記ケーシングの前記上面開口部、及び前記透視性硝子板の周縁部の間を水密状態に封止するシール部材と、前記バッテリー部材を内蔵し、前記ケーシングの側面から挿脱可能な状態で前記ケーシング内に収容されたバッテリーケースとをさらに備えるものである。
【0020】したがって、請求項5の発明の埋込型発光装置によれば、請求項4の発明の作用に加え、シール部材によって、ケーシングの上面開口部と、透視性硝子板の周縁部との間の水密性が確保される。このため、ケーシング内への雨水等の侵入が阻止される。また、バッテリー部材を交換する際には、ケーシングを取出し、ケーシングの側面からバッテリーケースを引出すことにより、バッテリー部材を取出すことが可能になる。
【0021】請求項6の発明にかかる埋込型発光装置は、請求項4または請求項5に記載の埋込型発光装置において、前記太陽電池が、前記透視性硝子板と前記導光板との間に配設され、前記発光ダイオードが、前記太陽電池の真下に配設されているものである。
【0022】したがって、請求項6の発明の埋込型発光装置によれば、請求項4または請求項5の発明の作用に加え、太陽電池の表面が透視性硝子板によって保護される。また、発光ダイオードの上方が太陽電池によって覆われるため、発光ダイオードの露出がなくなる。つまり、発光ダイオードが設けられた部分のみが際立って明るくなっても、視認されることはない。
【0023】請求項7の発明にかかる埋込型発光装置は、請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載の埋込型発光装置において、文字が示されるとともに、該文字に対応する部分及びその背景部分のいずれか一方が透光性を有する文字プレートをさらに備え、該文字プレートが、前記透視性硝子板と前記導光板との間に配設されているものである。ここで、「文字」には、数字、英字、漢字、カナ、記号、またはこれらの組合せから構成された、案内情報や注意情報等が含まれる。
【0024】したがって、請求項7の発明の埋込型発光装置によれば、請求項1乃至請求項6のいずれか一つの発明の作用に加え、導光板の上面から放射された光は、文字プレートの下面を照射する。そして、文字プレートは、文字に対応する部分及びその背景部分のいずれか一方が透光性を有するため、光は、この透光性を有する部分を通過する。これにより、文字及びその背景のいずれか一方が光って見えるようになる。
【0025】請求項8の発明にかかる埋込型発光装置は、請求項1乃至請求項7のいずれか一つに記載の埋込型発光装置において、前記ケーシングは、互いに分離可能な内外二重の筐体から構成され、地面に形成された収容空間に埋込まれた際、外側の前記筐体が地面に対して固着されるものである。
【0026】したがって、請求項8の発明の埋込型発光装置によれば、請求項1乃至請求項7のいずれか一つの発明の作用に加え、外側の筐体をコンクリート等によって地面に固定したまま、内側の筐体のみを取出すことが可能になる。そして、内側の筐体を取出すことにより、例えば別の場所で一括してメンテナンスを行ったり、内側の筐体の側面からバッテリーケースを引出したりすることが可能になる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第一実施形態である埋込型発光装置1について、図1乃至図6に基づき説明する。図1及び図2は埋込型発光装置1の構成を示す斜視図及び分解斜視図であり、図3は埋込型発光装置1の構成を示す縦断面図であり、図4は埋込型発光装置1における要部の構成を示す断面図であり、図5は埋込型発光装置1における制御ユニットの構成を示す回路図である。また、図6は埋込型発光装置1の施設状態を示す説明図である。
【0028】本実施形態の埋込型発光装置1は、図1乃至図3に示すように、箱状のケーシング2の上面開口部3に、透視性硝子板4、透光性拡散部材5、及び第二透視性硝子板6を積層した合せ硝子Gを備えている。また、第二透視性硝子板6の下方には、導光板7及び光拡散反射板8が配設され、導光板7の一端側の側面に発光ダイオード9が埋設されている。また、透視性硝子板4と導光板7との間、換言すれば透光性拡散部材5及び第二透視性硝子板6の長手方向の側方には、板状の太陽電池10が配設されている。さらに、ケーシング2の底面には蓄電池12を収容するバッテリーケース11と、制御ユニット14を収容する収容ケース13とが配設されている。また、ケーシング2の上面開口部3と透視性硝子板4との間には、その隙間を水密状態に封止するシール部材15が設けられている。ここで、光拡散反射板8が本発明の光拡散反射部材に相当し、蓄電池12が本発明のバッテリー部材に相当する。
【0029】上記の構成について具体的に説明すると、ケーシング2は、例えば金属製の板材から形成された筐体であり、横長の直方体形状を呈している。ケーシング2の短辺側の一側面には、バッテリーケース11を挿脱するための挿入口16が形成され、ケーシング2の長辺側の内側面には、支持部材17が設けられている。この支持部材17は、互いに対向する位置に配設され、光拡散反射板8の下面端部を支持するものである。
【0030】透視性硝子板4は、5mm程度の厚みを有する無色透明な強化硝子から構成され、その表面に、微粒硝子の融着された塊りからなる複数の突起物19が設けられている。この突起物19は、硝子の表面において適度の抵抗を生じさせることにより、歩行者等の滑りを防止するものである。突起物19の大きさは特に限定させるものではないが、直径が0.5mm〜3mm程度に設定することにより、効果的に滑りを防止することができる。
【0031】ここで、突起物19を有する透視性硝子板4の製造方法について簡単に説明する。まず、硝子板の表面に、微粒硝子用付着剤を、所定のパターンで塗布する。次に、その硝子板の表面に、硝子板より軟化点の低い微粒硝子を散布して、微粒硝子用付着剤に付着させる。そして、微粒硝子用付着剤に付着されなかった微粒硝子をバキューム等の手段を用いて除去する。その後、微粒硝子が付着された硝子板を熱処理して、硝子板表面に微粒硝子を融着させた後、冷却する。このように処理することにより、硝子板の表面に複数の突起物19が、所定のパターンで形成される。
【0032】一方、透光性拡散部材5は、乳白色の板状部材であり、長手方向の長さが、透視性硝子板4の長さより短くなるように設計されている。この透光性拡散部材5は、一般に周知の部材であり、通過する光を拡散することにより、下方に位置する部材の形状を視認し難くするとともに、光を面状に放射させることができる。
【0033】また、第二透視性硝子板6は、透視性硝子板4と同様、無色透明な強化硝子から構成されているが、この硝子板6には突起物19が形成されておらず、透光性拡散部材5の下面に面接触している。そして、透視性硝子板4、透光性拡散部材5、及び第二透視性硝子板6は、夫々透明な接着剤によって接着されている。なお、第二透視性硝子板6の表面の大きさは透光性拡散部材5と等しく、第二透視性硝子板6の厚みは、透視性硝子板4と略等しい。つまり、透視性硝子板4に対して、透光性拡散部材5及び第二透視性硝子板6を短くすることにより、太陽電池10の収容空間を確保している。
【0034】導光板7は、透明の樹脂(例えばアクリル板)から形成された板材であり、その表面の大きさは、透視性硝子板4と略等しい。なお、導光板7の厚みは、特に限定されるものではないが8mm〜10mm程度が好ましい。また、図4に示すように、導光板7の背面には、蛍光白色体21が点在した形で配設されている。蛍光白色体21は、例えば白色の蛍光塗料からなり、発光ダイオード9から放射される光の波長に見合った色の蛍光を発するものである。蛍光白色体21における夫々のドットの大きさ、及びドット間の距離は特に限定されるものではないが、ドッドの直径及び距離を、ともに1mm〜3mmに設定した場合に最も高い輝度となることが確認されている。さらに、導光板7の周面には、鏡面加工された反射シートからなる反射部材22(図2参照)が貼着されており、導光板7内の光を反射することにより、導光板7の周面から光が漏れることを防いでいる。
【0035】光拡散反射板8は、導光板7の下面側に配設された白色の板状部材であり、発光ダイオード9から放射された光を拡散して反射するものである。つまり、蛍光白色体21が設けられていない部分を通過した光、または蛍光白色体21を通過した光が光拡散反射板8を照射すると、光拡散反射板8はその光を拡散する。
【0036】発光ダイオード9は、半導体のPN接合に順方向のバイアス電圧を加えることにより、可視光を放射するものであり、本実施形態では青白色に発光するものが使用されている。発光ダイオード9は、導光板7の側面(太陽電池10の下方に相当)に形成された取付孔(図示しない)内に挿入され、取付孔の内周面の溶着により取付けられている。具体的には、製造する際、まず導光板7の側面に、発光ダイオード9より小径の取付孔を穿設し、その後、溶剤を用いて取付孔の内周面を溶かし、発光ダイオード9を取付孔内に挿入させる。これにより、取付孔の内周面と発光ダイオード9の表面とが密着するとともに、取付孔の内周面が透明状態に形成される。また、発光ダイオード9は太陽電池10によって覆われることから、発光ダイオード9が設けられた部分のみが際立って明るくなっても、透視性硝子板4の表面側からは、その変化を視認させることはない。
【0037】太陽電池10は、光エネルギーを電気エネルギー(電力)に変換する半導体素子であり、パネル状に配置した複数のセルを有している。本実施形態では、図2に示すように、二個の太陽電池10を有しており、7.0Vの電圧を出力することが可能となっている。
【0038】蓄電池12は、太陽電池10によって変換された電気エネルギーを蓄電するものであり、定格作動電圧が2.0Vの二つの鉛蓄電池から構成されている。バッテリーケース11は上面が開放された箱状の部材であり、ケーシング2内に収容されると、手前側の壁面11aがケーシング2の挿入口16を塞ぐように嵌合状態で取付けられる。なお、バッテリーケース11には、ポッティング樹脂が充填されており、蓄電池12を被覆している。これにより、万が一、ケーシング2内に雨水等が侵入した場合でも蓄電池12からの漏電を防止できる。なお、ポッティング樹脂が充填された場合には、バッテリーケース11から蓄電池12を抜取ることができなくなる。そこで、本実施形態の埋込型発光装置1では、図1に示すように、蓄電池12に電気的に接続された電線24をバッテリーケース11から繰出すとともに、制御ユニット14に電気的に接続された電線25を収容ケース13から繰出し、両方の電線24,25を、防水コネクタ26を介して互いに連結している。このため、防水コネクタ26を外すことにより、バッテリーケース11毎の交換が可能になる。
【0039】制御ユニット14は、図5に示すように、逆流防止用のダイオード28、及び発光ダイオード9の点灯を制御するための点灯制御回路29を備えている。点灯制御回路29は、ダイオード28のアノード側の電圧、すなわち太陽電池10の出力電圧を検出し、その検出電圧が規準電圧より低くなると、蓄電池12に蓄電された電気エネルギーを利用して発光ダイオード9を点灯(または点滅)させるように制御するものである。つまり、太陽光によって比較的多くの電気エネルギーを生成できる日中では、発光ダイオード9を点灯(または点滅)させることなく、生成された電気エネルギーを蓄電池12に蓄電させ、一方、電気エネルギーを生成できない夜間では、蓄電池12に蓄電された電気エネルギーを発光ダイオード9に供給して点灯(または点滅)させる。ここで、制御ユニット14が本発明の発光制御手段に相当する。なお、発光ダイオード9を極めて短い周期で点滅させるようにすれば、点滅状態を視認させることなく、消費電力を低減することが可能になる。
【0040】次に、第一実施形態の埋込型発光装置1の動作について説明する。発光ダイオード9から放射された光は、透明な導光板7の内部を進む。導光板7の裏面には蛍光白色体21が点在しているため、光の一部が蛍光白色体21を照射すると、蛍光白色体21は、所定の波長の刺激に応答して波長に見合った色の蛍光を発する。これにより導光板7の輝度が増加する。また、蛍光白色体21が設けられていない部分を通過した光、または蛍光白色体21を通過した光は、導光板7の下方に配設された光拡散反射板8を照射する。すると、光拡散反射部材8では光が反射して周囲に拡散されるため、その一部が導光板7の表面から放射される。なお、導光板7の周面には、鏡面加工された反射部材22が設けられているため、導光板7の周面でも反射される。
【0041】導光板7の表面に放射された光は、第二透視性硝子板6、透光性拡散部材5、及び透視性硝子板4から構成される合せ硝子Gを通過し、ケーシング2の外部、すなわち地上に放射される。この際、透光性拡散部材5では通過する光を拡散することから、透視性硝子板4の表面側から見た内蔵物の輪郭を曖昧にするとともに、導光板7を面状に光らせることができる。つまり、導光板7が面光源として機能し、透視性硝子板4の略全面を光らせることができる。
【0042】本実施形態の埋込型発光装置1は、上記のように構成したことにより、様々な場所で利用することが可能になる。例えば、歩道、公園、広場、公共施設等、多くの人々が集まる場所では、埋込型発光装置1を用いて光のファンタジーやイリュージョンを演出することにより、景観・美感を向上でき、また、電灯の少ない暗い場所や、ひと気の少ない場所では、防犯効果を生じさせることができる。具体的な例を挙げると、図6に示すように、遊歩道31において、ブロック32の一部として埋込んだ場合には、遊歩道31を明るくすることにより、歩行者の安全性を促進できるとともに、遊歩道31の美感を向上できる。また、歩道から交差点への分岐路に埋込んだ場合には、歩行者(特に弱視者)への誘導ラインとして活用でき、交通事故の発生を抑制できる。さらに、公共施設、イベント会場、または駐車場に埋込んだ場合には、歩行者等を簡単に且つスムーズに誘導させることができる。また、公園内に埋込んだ場合には、景観及び美感を向上させ、公園のイメージアップを図ることができる。つまり、本実施形態の埋込型発光装置1は、産業、環境、及び福祉の各分野において利用することが可能となる。
【0043】そして、上記の埋込型発光装置1では、透視性硝子板4を用いたことにより、傷による白濁を抑制し、長期に亘って透視性を維持できる。このため、透視性硝子板4の表面から放射される光量の低下を抑制し、明るさを保つことができる。しかも複数の突起物19によって、歩行者等の滑りが防止されるため、安全性を確保できる。また、埋込型発光装置1を道路や駐車場に設けた場合には、突起物19によって車のスリップを防止できる。
【0044】また、上記の埋込型発光装置1では、導光板7及び合せ硝子Gを積層したことにより、全体的に薄型に形成できる。このため、施工がしやすく、新設時またはメンテナンス時の作業者の負担が軽減される。また、合せ硝子Gを支持するための支持部材17は、導光板7の下方に位置するため、発光時に支持部材17の輪郭が現れず、透視性硝子板4の略全面から光を放射させることができる。
【0045】また、上記の埋込型発光装置1では、一つの発光ダイオード9によって、透視性硝子板4の略全面を均一な明るさで発光させることができる。また、蛍光白色体21によって導光板7の輝度を大幅に増加させることができる。このため、製造コストの増加を抑えつつ、美感を向上できる。特に、発光ダイオード9は球切れが殆どなく交換の必要がないことから、管理者の負担を軽減できる。また、蛍光白色体21を用いた場合、発光ダイオード9の発光色と同等の蛍光色を発するため、例えば発光色の異なる複数種類の発光ダイオードを備えるようにすれば、点灯する発光ダイオードを切り替えることにより、導光板7から放射される蛍光色を変化させることができる。
【0046】さらに、上記の埋込型発光装置1では、太陽電池10によって生成された電気エネルギーを、蓄電池12に蓄え、それを利用して発光ダイオード9を点灯または点滅させるため、電源配線工事が不要となり、施工が極めて容易になる。また、商用電源が供給できない場所でも施設できる。また、バッテリーケース11の挿脱により、蓄電池12を容易に交換できるため、メンテナンスに優れる。
【0047】続いて、本発明の第二実施形態である埋込型発光装置35について、図7及び図8に基づき説明する。図7は埋込型発光装置35の構成を示す分解斜視図であり、図8は埋込型発光装置35における要部の構成を示す断面図である。第二実施形態の埋込型発光装置35は、第一実施形態の埋込型発光装置1と比べて、合せ硝子G’の構成と、文字プレート36の構成のみが異なり、他の構成については略同様である。このため、ここでは相違点について説明し、同様の構成については同一の番号を付し、詳細な説明を省略する。
【0048】すなわち、埋込型発光装置35では、ケーシング2の上面開口部3に合せ硝子G’が配設されているが、この合せ硝子G’には、透光性拡散部材5が介装されておらず、透視性硝子板4及び第二透視性硝子板6から構成されている。このため、この合せ硝子G’は無色透明であり、その下方に配設された文字プレート36の文字を明確に視認させることができる。
【0049】また、文字プレート36は、第二透視性硝子板6及び導光板7の間に配設されている。この文字プレート36には、部分的に開口部38が設けられ、この開口部38の組合せにより、文字(例えば「STREET」)が象られている。つまり、開口部38の部分が文字に相当し、この部分のみが透光性を有している。このため、導光板7の表面から放射された光が、開口部38を通って透視性硝子板4に照射されると、文字に対応する部分のみが光ることになる。なお、文字プレート36の下面には、透光性拡散部材37が貼着されており、開口部38から内蔵物の輪郭が見えることを防止している。
【0050】このように、第二実施形態の埋込型発光装置35では、文字プレート36に、地名、町名、または通り名等を入れることにより、案内表示灯として利用することが可能になり、店名、ロゴ、またはイラスト等を入れることにより、広告灯として利用することが可能になる。
【0051】また、第二実施形態の埋込型発光装置35では、第一実施形態の埋込型発光装置1の効果に加え、導光板7の背面に設けられた蛍光白色体21と光拡散反射板8との組合わせにより、夜間における文字の視認性を大幅に向上できる。また、比較的簡単な構成であることから、安価に製造できる。
【0052】以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
【0053】例えば、上記二つの実施形態では、ケーシング2を一つの筐体から構成するものを示したが、図9に示すように、内外二重の筐体から構成してもよい。これによれば、埋込型発光装置1,35を地面42に形成された収容空間43に取付ける際、外側筐体40をコンクリート等によって固定状態に取付け、内側筐体41を外側筐体40に対して分離可能に取付けることができる。このように構成すると、内側筐体41を容易に取出すことが可能となり、例えば別の場所で一括してメンテナンスを行ったり、内側筐体41の側面からバッテリーケース11(図9では図示していない)を容易に引出したりすることが可能になる。また、外側筐体40と内側筐体41との隙間の上面開口をシール部材44によって封止することにより、隙間への雨水の侵入が防止される。なお、この場合には、シール部材44を剥がすことにより、内側筐体41を分離することが可能になる。また、内側筐体41に引掛用の爪部(図示しない)を形成すれば、さらに取出しが容易になる。
【0054】また、上記二つの実施形態では、埋込型発光装置1,35を屋外の歩道等に施設する場合について説明したが、屋内におけるホールの床や廊下等に施設してもよい。つまり、屋内の場合には、床材として使用されることになり、屋内を明るくすることによって歩行者等の安全性を確保するとともに、屋内の美感を向上させる。特に、会場名や出入口等の文字を表示させることにより、歩行者等を簡単に且つスムーズに誘導させることができる。なお、屋内では通常、商用電源が供給されているため、発光ダイオード9を点灯させるための電源として商用電源を利用することも可能である。この場合、太陽電池10及び蓄電池12が不要となる。
【0055】上記二つの実施形態では、二枚の透視性硝子板4,6から合せ硝子G,G’を構成するものを示したが、透視性硝子板4のみでも実現可能である。ただし、合せ硝子G,G’として構成することにより、万が一割れた場合でも飛散を防止できる。また、合せ硝子Gとは別に導光板7を設けるものを示したが、合せ硝子Gにおける第二透視性硝子板6を導光板として機能させることも可能である。このようにすると、構成が簡略化することから、製造コストが低減するとともに、埋込型発光装置1の厚みをさらに薄くできる。
【0056】上記二つの実施形態では、透視性硝子板4及び第二透視性硝子板6を、無色透明な硝子から構成するものを示したが、黄色や赤色等に着色された透明な硝子から構成してもよい。また、透視性硝子板4に装飾性のある模様を付けるようにしてもよい。このようにすると、夜間ばかりでなく、日中等周囲が明るい場合でも、景観及び美感を向上させることが可能である。
【0057】上記二つの実施形態では、バッテリー部材として蓄電池12を用いるものを示したが、電気二重層コンデンサを用いてもよい。ただし、蓄電池12を用いた方が安価に製造できる。
【0058】上記の第二実施形態では、文字に対応する部分に透光性を持たせるものを示したが、これとは逆に文字の部分を不透明とし、文字の周囲の背景部分に透光性を持たせるようにしてもよい。
【0059】上記二つの実施形態では、導光板7の一方の側面に発光ダイオード9を設けるものを示したが、導光板7の横幅が比較的広い場合には、左右の側面に夫々発光ダイオード9を設けるようにしてもよい。
【0060】上記実施形態では、導光板7の表面を平面形状とするものを示したが、導光板7の表面に複数のV字形の溝を形成するようにしてもよい。これによれば、V字形の溝によって光が拡散され、導光板7の表面から光が放射されやすくなる。
【0061】さらに、上記実施形態では、透視性硝子板4に対して、透光性拡散部材5及び第二透視性硝子板6を短くすることにより、太陽電池10の収容空間を確保するものを示したが、収容空間を形成する構成は特に限定されるものはなく、例えば、二枚の透視性硝子板4,6の間に収容空間を形成し、その空間内に太陽電池10を配設してもよい。あるいは、透光性拡散部材5及び第二透視性硝子板6を、透視性硝子板4と同等の長さに形成するとともに、第二透視性硝子板6と導光板7との間に、第二透視性硝子板6の長さより所定長さ(太陽電池10の幅に相当)だけ短く、太陽電池10の厚み以上の透明部材(例えばアクリル板)を介装するようにしてもよい。このように構成すると、合せ硝子G,G’が全体に亘って貼り合わされるため、合せ硝子G,G’の強度が向上し、さらに安全性を高めることが可能になる。
【0062】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明の埋込型発光装置は、透視性硝子板を用いたことにより、傷による白濁を抑制し、長期に亘って透視性を維持できる。このため、表面から放射される光量の低下を抑制し、明るさを維持できる。また、白濁による見栄えの低下も抑えられる。しかも複数の突起物によって歩行者等の滑りが防止されるため、安全性を確保できる。さらに、発光ダイオードで、透視性硝子板の略全面を均一な明るさに発光させることができるため、製造コストの増加を抑えつつ、美感を向上できる。
【0063】請求項2の発明の埋込型発光装置は、請求項1の発明の効果に加えて、透光性拡散部材を介装した合せ硝子とすることより、万が一割れた場合でも飛散を防止し、歩行者等の安全性を確保できる。また、透光性拡散部材によって光を拡散することにより、透視性硝子板を面状に発光させることができ、美感をさらに向上できる。
【0064】請求項3の発明の埋込型発光装置は、請求項1または請求項2の発明の効果に加えて、蛍光白色体によって導光板の輝度を大幅に増加できる。
【0065】請求項4の発明の埋込型発光装置は、請求項1乃至請求項3のいずれか一つの発明の効果に加えて、太陽電池によって生成された電気エネルギーを利用して発光ダイオードを点灯または点滅させるため、電源配線工事が不要となり、施工が極めて容易になる。また、商用電源が供給できない場所でも施設できる。
【0066】請求項5の発明の埋込型発光装置は、請求項4の発明の効果に加えて、ケーシング内の水密性が確保されることから、屋外であっても安心して施設できる。また、バッテリーケースの挿脱により、バッテリーを容易に交換できるため、メンテナンスに優れる。
【0067】請求項6の発明の埋込型発光装置は、請求項4または請求項5の発明の効果に加えて、発光ダイオードが設けられた部分のみが際立って明るくなっても、透視性硝子板の表面側からは、その変化が視認されないため、明暗の差を感じさせず、美感を維持できる。
【0068】請求項7の発明の埋込型発光装置は、請求項1乃至請求項6のいずれか一つの発明の効果に加えて、夜間における文字の視認性を向上できる。
【0069】請求項8の発明の埋込型発光装置は、請求項1乃至請求項7のいずれか一つの発明の効果に加えて、内側の筐体のみを取出すことができるため、メンテナンスに優れる。
【出願人】 【識別番号】301027030
【氏名又は名称】北島 繁優
【識別番号】301027041
【氏名又は名称】高橋 忍
【識別番号】300059832
【氏名又は名称】田中 茂
【識別番号】391015786
【氏名又は名称】三芝硝材株式会社
【出願日】 平成13年9月26日(2001.9.26)
【代理人】 【識別番号】100098224
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 勘次
【公開番号】 特開2003−100107(P2003−100107A)
【公開日】 平成15年4月4日(2003.4.4)
【出願番号】 特願2001−293316(P2001−293316)