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【発明の名称】 照明器具
【発明者】 【氏名】高井 誉
【住所又は居所】東京都品川区東品川四丁目3番1号 東芝ライテック株式会社内

【氏名】村松 保
【住所又は居所】東京都品川区東品川四丁目3番1号 東芝ライテック株式会社内

【要約】 【課題】箱形の器具本体11の生産性を向上できる照明器具を提供する。

【解決手段】四角形状の器具取付板21の周縁の各辺22から側板23を折曲し、箱状の器具本体11を構成する。互いに隣り合う側板23の縁部側に締結具取付部32を設け、互いに隣り合う側板23の締結具取付部32に締結具25を取り付け、両側板23の縁部間を締結する。器具本体11の互いに隣り合う側板23の締結具取付部32に締結具25を取り付けるだけで、両側板23の縁部間を締結し、箱形の器具本体11の生産性を向上できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 多角形状の基板および基板の周縁の各辺に設けられた側板を有し、互いに隣り合う側板の縁部に締結具取付部が設けられた器具本体と;互いに隣り合う側板の締結具取付部に取り付けられて両側板の縁部間を締結する締結具と;を具備していることを特徴とする照明器具。
【請求項2】 締結具取付部は、側板の縁部に沿った器具深さ方向に挿通孔部と係止孔部とが連続して形成された取付孔、および取付孔の係止孔部の器具深さ方向と交差する縁部に設けられる係止縁部を有し、締結具は、各側板の一面側に係合される係合片部、各係合片部の先端に設けられ各取付孔の挿通孔部を通じて側板の一面側から他面側に挿通されるとともに挿通状態で挿通孔部から係止孔部へ移動可能とする段差部、および各段差部の先端に設けられ各取付孔の挿通孔部を通じて側板の一面側から他面側に挿通されるとともに段差部が係止孔部へ移動することによって係止縁部の他面側に係止される係止片部を有していることを特徴とする請求項1記載の照明器具。
【請求項3】 締結具は、段差部が挿通孔部から係止孔部へ向かう締結具の移動を許容するとともに、段差部の係止孔部への移動により側板に係止して段差部が係止孔部から挿通孔部へ向かう締結具の移動を規制する抜止部を有していることを特徴とする請求項2記載の照明器具。
【請求項4】 締結具の各係合片部の段差部が設けられる縁部と交差する縁部に折曲片部が折曲形成されていることを特徴とする請求項2または3記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、箱形の器具本体を用いた照明器具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば天井埋込形の照明器具では、箱形の器具本体を用い、この器具本体を天井面に形成された埋込孔に埋め込み設置し、この器具本体内に反射板やランプなどを取り付けている。
【0003】器具本体は、四角形の器具取付板およびこの器具取付板の四方の辺から下方へ折曲された側板を有し、略直角に隣り合う側板の縁部間は、一方の側板の縁部から他方の側板の外面に係合する取付代を折曲形成し、この取付代と他方の側板とを溶接やリベット止めによって固定している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来は、一方の側板の縁部に折曲形成した取付代を他方の側板の外面に溶接やリベット止めによって固定するため、取付代の分、曲げ成形の工数が増加するとともに、一方の側板の取付代を他方の側板の外面に位置決めして保持した状態で溶接やリベット止めする作業しなければならず、生産性が低い問題がある。
【0005】本発明は、このような点に鑑みなされたもので、箱形の器具本体の生産性を向上できる照明器具を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の照明器具は、多角形状の基板および基板の周縁の各辺に設けられた側板を有し、互いに隣り合う側板の縁部に締結具取付部が設けられた器具本体と;互いに隣り合う側板の締結具取付部に取り付けられて両側板の縁部間を締結する締結具と;を具備しているものである。
【0007】そして、この構成では、器具本体の互いに隣り合う側板の締結具取付部に締結具を取り付けるだけで、両側板の縁部間が締結され、箱形の器具本体の生産性が向上される。
【0008】請求項2記載の照明器具は、請求項1記載の照明器具において、締結具取付部は、側板の縁部に沿った器具深さ方向に挿通孔部と係止孔部とが連続して形成された取付孔、および取付孔の係止孔部の器具深さ方向と交差する縁部に設けられる係止縁部を有し、締結具は、各側板の一面側に係合される係合片部、各係合片部の先端に設けられ各取付孔の挿通孔部を通じて側板の一面側から他面側に挿通されるとともに挿通状態で挿通孔部から係止孔部へ移動可能とする段差部、および各段差部の先端に設けられ各取付孔の挿通孔部を通じて側板の一面側から他面側に挿通されるとともに段差部が係止孔部へ移動することによって係止縁部の他面側に係止される係止片部を有しているものである。
【0009】そして、この構成では、締結具の段差部および係止片部を側板の挿通孔部の一面側から他面側に挿通させるとともに、締結具の係合片部を側板の一面側に係合させた後、段差部が挿通孔部から係止孔部へ向かう方向に締結具を移動させることにより、締結具の係止片部が側板の係止縁部の他面側に係止し、締結具によって両側板の縁部間が締結される。
【0010】請求項3記載の照明器具は、請求項2記載の照明器具において、締結具は、段差部が挿通孔部から係止孔部へ向かう締結具の移動を許容するとともに、段差部の係止孔部への移動により側板に係止して段差部が係止孔部から挿通孔部へ向かう締結具の移動を規制する抜止部を有しているものである。
【0011】そして、この構成では、締結具の段差部が挿通孔部から係止孔部に移動することにより、締結具の抜止部が側板に係止して段差部が係止孔部から挿通孔部へ向かう締結具の移動を規制し、両側板の縁部間の締結具による締結状態が保持される。
【0012】請求項4記載の照明器具は、請求項2または3記載の照明器具において、締結具の各係合片部の段差部が設けられる縁部と交差する縁部に折曲片部が折曲形成されているものである。
【0013】そして、この構成では、締結具の各係合片部の段差部が設けられる縁部と交差する縁部に折曲片部を折曲形成したので、締結具の変形が防止されて両側板の縁部間が強固に締結される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0015】図1は器具本体および締結具の分解状態の斜視図、図2は器具本体および締結具の組立状態の斜視図、図3は器具本体および締結具の組立状態の側面図、図4は器具本体の平面図、図5は器具本体の一部を拡大した側面部、図6は照明器具の組立状態の一部の側面図である。
【0016】図6において、ランプとして図示しない片口金形蛍光ランプを複数本用いる天井埋込形の照明器具を示し、この照明器具は、箱形の器具本体11およびこの器具本体11に取り付けられた枠形の反射体12を備えている。器具本体11内には、各片口金形蛍光ランプの発光管の直線部の軸方向が平行状に並ぶように配列されるもので、これら各片口金形蛍光ランプを接続するランプソケット13、片口金形蛍光ランプを点灯させる図示しない点灯装置、点灯装置に接続される図示しない端子台、および隣り合う片口金形蛍光ランプ間に配置されるV形反射板14を備えている。そして、器具本体11が例えば天井板に開口形成された埋込孔に下方から埋め込まれ、埋込孔の上方の造営物から垂下された吊下ボルトによって吊り下げ状態に設置される。
【0017】器具本体11は、図1ないし図6に示すように、金属板を曲げ加工して箱形に形成したもので、基板としての四角形状の器具取付板21を有し、この器具取付板21の周縁の各辺22から各側板23が略直角に折曲形成され、各側板23の先端縁から外側にフランジ部24が略直角に折曲形成されている。略直角に隣り合う側板23の縁部23aは略L字形の締結具25によって互いに固定されて四角形枠状の側枠26が形成されている。なお、以下、側板23の器具取付板21から折曲された基端側寄りを上側、側板23のフランジ部24が形成される先端側寄りを下側、側板23の縁部23aに沿った方向を器具深さ方向として説明する。
【0018】器具取付板21には、各V形反射体14の取付位置に対応して、各吊下ボルトが挿通される器具取付孔27、およびV形反射体14を取り付けるための両側の切起片28が器具取付板21の内面側に切り起し形成されている。器具取付板21の一方のV形反射体14の取付位置には、天井板上に配線される電源線を器具本体11内に引き込んで端子台に接続するための電源線挿通孔29が形成されている。器具取付板21の四隅には、反射体12を取り付ける反射体取付孔30を有する反射体取付部31が形成されている。
【0019】略直角に隣り合う側板23の縁部23a近傍であって側板23の先端寄り位置には締結具25が取り付けられる締結具取付部32が形成され、片口金形蛍光ランプの軸方向の一端側に対応した側板23にはこの側板23の内側にランプソケット13をねじ止めするためのソケット取付孔33が形成されている。
【0020】締結具取付部32には、上側の挿通孔部34と下側の係止孔部35とが側板23の縁部23aに沿った器具深さ方向に並んで連続して開口された取付孔36が形成されている。側板23の縁部23a側の挿通孔部34および係止孔部35の一側縁は連続して直線状に形成され、一側縁から他側縁までの係止孔部35の幅は挿通孔部34の幅より狭く締結具25の板厚より少し広い程度の寸法に設定され、係止孔部35の他側縁に係止縁部37が形成されている。係止孔部35から側板23の縁部23a側に離反した位置には抜止孔部38が形成されている。これら取付孔36および抜止孔部38は金型を用いたプレス成形による打ち抜きによって形成される。
【0021】また、締結具25は、金属製の板材を曲げ加工して略L字形に形成したもので、折曲部39から略直角に折曲されて各側板23の一面側である内面側に係合される係合片部40を有し、これら各係合片部40の先端から外面側に段差部41が折曲形成されているとともに、これら各段差部41の先端から係合片部と略平行に係止片部42が折曲形成されている。段差部41および係止片部42は各取付孔36の挿通孔部34を通じて側板23の内面側から他面側である外面側に挿通可能とし、段差部41は取付孔36に挿通状態で挿通孔部34と係止孔部35との間で移動可能とするとともに係止片部42は段差部41が係止孔部35へ移動することによって係止縁部37の外面側に係合して係止可能とする。
【0022】各係合片部40の内側には、下側を支点として上側が係合片部40の外面側に弾性的に突出するように抜止部としての弾性舌片43が切り起し形成され、弾性舌片43の先端にはこの弾性舌片43の外面側に突出する断面略V字形の当接部44が形成されている。弾性舌片43は、段差部41が挿通孔部34から係止孔部35へ向かう締結具25の移動を許容するとともに、段差部41の係止孔部35への移動により側板23の抜止孔部38に係止して段差部41が係止孔部35から挿通孔部34へ向かう締結具25の移動を規制する。
【0023】各係合片部40の上縁には、係合片部40の内面側に略直角に折曲される折曲片部45が形成されている。両側の折曲片部45の互いに接近する端部には、互いに接合する接合部46が形成されている。
【0024】また、反射体12は、図6に示すように、例えば樹脂製で、器具本体11のフランジ部24を覆う四角形枠状の枠部47、およびこの枠部47から器具本体11の内側に進入して側板23の内面側を覆う反射面部48を有している。反射面部48の裏面側には、器具本体11の各反射体取付部31の位置に対応して円筒状の取付ボス49が突出形成されている。器具本体11の上面側から反射体取付部31の反射体取付孔30に挿通される取付ねじ50が反射体12の取付ボス49に螺着され、反射体12が器具本体11に一体的に締め付け固定される。
【0025】次に、本実施の形態の照明器具の作用を説明する。
【0026】器具本体11の互いに隣り合う側板23の縁部23a間を締結して組み立てるには、図1において、締結具25を器具本体11の内側に挿入し、締結具25の各段差部41および各係止片部42を各側板23の挿通孔部34に内面側から外面側に挿通させた後、締結具25を側板23の先端側へ向けて下側に移動させる。この締結具25の移動により、図2および図3に示すように、各段差部41は挿通状態のまま各挿通孔部34内から係止孔部35内に移動するとともに、各係止片部42は段差部41が係止孔部35へ移動することによって各係止縁部37の外面側に係合して係止する。
【0027】締結具25の各段差部41および各係止片部42を各側板23の挿通孔部34に内面側から外面側に挿通させる際、各係合片部40の弾性舌片43は、側板23の内面に当接して係合片部40側に押されて弾性変形しながら、段差部41が挿通孔部34から係止孔部35へ向かう締結具25の移動を許容する。段差部41の係止孔部35へ移動し、弾性舌片43の先端が側板23の抜止孔部38に臨むことにより、弾性力によって弾性舌片43が抜止孔部38内に進入して抜止孔部38の上縁に係止し、段差部41が係止孔部35から挿通孔部34へ向かう締結具25の移動を規制する。
【0028】このように、器具本体11の互いに隣り合う側板23の締結具取付部32に締結具25を取り付けるだけで、両側板23の縁部23a間をワンタッチで容易に締結でき、箱形の器具本体11の生産性を向上できる。
【0029】すなわち、締結具25の段差部41および係止片部42を側板23の挿通孔部34の内面側から外面側に挿通させるとともに、締結具25の係合片部40を側板23の内面側に係合させた後、段差部41が挿通孔部34から係止孔部35へ向かう方向に締結具25を移動させることにより、締結具25の係止片部42が側板23の係止縁部37の外面側に係止するため、締結具25によって両側板23の縁部23a間をワンタッチで容易に締結できる。
【0030】さらに、締結具25の段差部41が挿通孔部34から係止孔部35に移動することにより、締結具25の弾性舌片43が側板23の抜止孔部38に係止して段差部41が係止孔部35から挿通孔部34へ向かう締結具25の移動を規制し、両側板23の縁部23a間の締結具25による締結状態を確実に保持できる。
【0031】また、段差部41が係止孔部35に係合した状態、および弾性舌片43が抜止孔部38に係合した状態では、それらの係合によって、側板23の器具深さ方向と交差する方向への締結具25の移動を規制でき、互いに締結される側板23の縁部23a間がずれるのを防止できる。
【0032】さらに、締結具25の各係合片部40の段差部41が設けられる縁部と交差する縁部に折曲片部45を折曲形成したので、締結具25の変形を防止して両側板23の縁部23a間を強固に締結できる。
【0033】しかも、器具本体11の器具深さ方向の寸法が異なる種類の場合でも、側板23の締結具取付部32の取付孔36および抜止孔部38を形成する金型を共通化できるとともに、締結具25を共通化でき、生産性を向上できるとともに、生産コストを低減できる。
【0034】また、器具本体11を施工する場合には、例えば天井板に開口形成された埋込孔に下方から器具本体11を挿入し、埋込孔の位置に配線されている電源線を器具取付板21の電源線挿通孔29を通じて器具本体11内に引き込み、埋込孔の上方の造営物から垂下された各吊下ボルトを器具取付板21の各器具取付孔27に通し、器具取付板21の下方へ通した各吊下ボルトにナットを螺着して器具本体11を支持し、ナットを締め付ける。ナットを締め付けることにより、器具本体11を引き上げ、反射体12の周縁が天井面に当接するとともに、この反射体12が弾性変形しながら器具本体11がさらに引き上げ、器具本体11のフランジ部24が当接し、器具本体11が天井面に固定される。器具本体11を天井面に固定した後、器具本体11内に引き込んだ電源線を端子台に接続し、端子台やボルトおよびナットを覆うように器具本体11の器具取付板21の各反射板取付位置に各V形反射板14を取り付ける。
【0035】なお、器具本体11の器具取付板21は四角形に限らず、五角形や六角形などの多角形状に構成した場合にも、同様に作用効果が得られる。
【0036】
【発明の効果】請求項1記載の照明器具によれば、器具本体の互いに隣り合う側板の締結具取付部に締結具を取り付けるだけで、両側板の縁部間を容易に締結でき、箱形の器具本体の生産性を向上できる。
【0037】請求項2記載の照明器具によれば、請求項1記載の照明器具の効果に加えて、締結具の段差部および係止片部を側板の挿通孔部の一面側から他面側に挿通させるとともに、締結具の係合片部を側板の一面側に係合させた後、段差部が挿通孔部から係止孔部へ向かう方向に締結具を移動させることにより、締結具の係止片部が側板の係止縁部の他面側に係止するため、締結具によって両側板の縁部間を容易に締結できる。
【0038】請求項3記載の照明器具によれば、請求項2記載の照明器具の効果に加えて、締結具の段差部が挿通孔部から係止孔部に移動することにより、締結具の抜止部が側板に係止して段差部が係止孔部から挿通孔部へ向かう締結具の移動を規制し、両側板の縁部間の締結具による締結状態を確実に保持できる。
【0039】請求項4記載の照明器具によれば、請求項2または3記載の照明器具の効果に加えて、締結具の各係合片部の段差部が設けられる縁部と交差する縁部に折曲片部を折曲形成したので、締結具の変形を防止して両側板の縁部間を強固に締結できる。
【出願人】 【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
【住所又は居所】東京都品川区東品川四丁目3番1号
【出願日】 平成13年9月25日(2001.9.25)
【代理人】 【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄 (外2名)
【公開番号】 特開2003−100105(P2003−100105A)
【公開日】 平成15年4月4日(2003.4.4)
【出願番号】 特願2001−292669(P2001−292669)