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【発明の名称】 LED表示灯
【発明者】 【氏名】渡辺 和憲
【住所又は居所】徳島県阿南市上中町岡491番地100 日亜化学工業株式会社内

【氏名】加藤 勝
【住所又は居所】徳島県阿南市上中町岡491番地100 日亜化学工業株式会社内

【要約】 【課題】所望の配光特性を実現できかつ均一な面発光が得られるLED表示灯を提供する。

【解決手段】複数の発光ダイオードとカバーレンズとを備え、複数の発光ダイオードの発光する光がカバーレンズを介して出力されるLED表示灯であって、カバーレンズの内面には、複数の第1プリズムを含む複数のプリズムが形成され、第1プリズムからそれぞれ出射される第1配光パターンが互いにほぼ一致するように各第1プリズムの入射面の面方向及び面形状を設定した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の発光ダイオードとカバーレンズとを備え、上記複数の発光ダイオードの発光する光が上記カバーレンズを介して出力されるLED表示灯であって、上記カバーレンズの内面には、複数の第1プリズムを含む複数のプリズムが形成され、上記第1プリズムからそれぞれ出射される第1配光パターンが互いに一致するように上記各第1プリズムの入射面の面方向及び面形状が設定されたことを特徴とするLED表示灯。
【請求項2】 上記第1プリズムを介して出力される光の鉛直面内における出射方向は入射面の面方向により設定され、上記第1プリズムを介して出力される光の水平面内における光の拡散は入射面の面形状により設定されている請求項1記載のLED表示灯。
【請求項3】 上記複数のプリズムはさらに複数の第2のプリズムを含み、その第2プリズムからそれぞれ出射される第2配光パターンが互いに一致するように上記各第2プリズムの入射面の面方向及び面形状が設定されたことを特徴とする請求項1又は2記載のLED表示灯。
【請求項4】 上記第2プリズムを介して出力される光の鉛直面内における出射方向は入射面の面方向により設定され、上記第2プリズムを介して出力される光の水平面内における光の拡散は入射面の面形状により設定されている請求項3記載のLED表示灯。
【請求項5】 上記第1プリズムと上記第2プリズムとが対をなし、その1対のプリズムが一定の規則で、上記カバーレンズの内面に配列されている請求項3又は4記載のLED表示灯。
【請求項6】 上記第2プリズムは、上記第1プリズムより下方に配光するように形成されている請求項3〜5のうちのいずれか1つに記載のLED表示灯。
【請求項7】 上記複数の発光ダイオードは、表示灯に要求される配光パターンに基いて設定された配列パターンで配列され、その配列パターンと上記第1配光パターンと上記第2配光パターンとによって上記配光パターンが設定されている請求項3〜6のうちのいずれか1つに記載のLED表示灯。
【請求項8】 上記配列パターンは、上記カバーレンズの中心軸を含む水平面より下に位置する発光ダイオードの個数が、発光ダイオード全体の個数の40%以下になるように設定されている請求項7記載のLED表示灯。
【請求項9】 上記配列パターンにおいて最も外側に位置する発光ダイオードと上記カバーレンズの内面の外周とを最短距離で結ぶ直線と、上記カバーレンズの中心軸とのなす角度が、30°以上、60°以下に設定されている請求項8記載のLED表示灯。
【請求項10】 上記カバーレンズは球面であり、その曲率半径が500mm以下である請求項1〜9のうちのいずれか1つに記載のLED表示灯。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、LED表示灯、特に信号機用のLED表示灯に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、RGB各色を発光可能な発光ダイオードや、白色を高輝度に発光可能な発光ダイオードが開発された結果、複数の発光ダイオードを配列して構成されるLED表示灯が種々の分野に応用されつつある。例えば、LED表示灯は電球と比べて極めて寿命が長く、高効率、且つ振動にも強いため、これらの特性を生かして、広告、行き先案内や道路情報などの表示用、信号機の光源、大画面ディスプレイとして用いられてきている。
【0003】特に、LED表示灯の信号機への応用については、従来信号機の光源に用いられてきた白色ランプの場合には、大型反射ミラーとカラーフィルタを組み合わせる必要があったのに対し、LED表示灯の場合には、単色の発光が可能であるためカラーフィルタが不用であり、ある程度指向性を持った発光を得ることができるため大型の反射ミラーが必要ないという利点がある。しかも、反射ミラーとカラーフィルタを用いる必要のないLED信号機には、従来の信号機のように、入射した外来光が白色灯の後部に設けられた反射ミラーで反射してカラーフィルタを介して信号機外に放出される擬似点灯現象を生ずることがないという利点もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの信号機や情報表示等に用いられるLED表示灯は、複数人が同時に観察できるように、また、遠方からでも観察できるように、頭上に設置される場合が多い。そうした場合、LED表示灯には、左右方向には均等な配光特性が求められる一方、上下方向には正面及び下方にのみ明るい上下非対称な配光特性が求められる。また、LED表示灯においては、近年、発光ダイオードの光度を高くできるようになったことから、1つの表示灯に使用される発光ダイオードの必要個数を減少させることが可能となってきているが、少ない発光ダイオードで構成したLED表示灯では、均一な面発光を得ることが難しいという新たな問題が生じていた。
【0005】そこで、本発明は、所望の配光特性を実現できるLED表示灯を提供することを第1の目的とする。また、本発明は、所望の配光特性を実現できかつ均一な面発光が得られるLED表示灯を提供することを第2の目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係るLED表示灯は、複数の発光ダイオードとカバーレンズとを備え、上記複数の発光ダイオードの発光する光が上記カバーレンズを介して出力されるLED表示灯であって、上記カバーレンズの内面には、複数の第1プリズムを含む複数のプリズムが形成され、上記第1プリズムからそれぞれ出射される第1配光パターンが互いにほぼ一致するように上記各第1プリズムの入射面の面方向及び面形状が設定されたことを特徴とする。このように構成された本発明に係るLED表示灯は、上記各第1プリズムの入射面の面方向及び面形状に対応した配光パターンで上記複数の発光ダイオードからの光を出射できる。
【0007】また、本発明に係るLED表示灯では、上記第1プリズムを介して出力される光の鉛直面内における出射方向を入射面の面方向により設定し、上記第1プリズムを介して出力される光の水平面内における光の拡散を入射面の面形状により設定することができる。
【0008】また、本発明に係るLED表示灯では、上記複数のプリズムはさらに複数の第2のプリズムを含み、その第2プリズムからそれぞれ出射される第2配光パターンが互いに一致するように上記各第2プリズムの入射面の面方向及び面形状を設定することが好ましい。このようにすると、上記第1及び第2プリズムによりLED表示灯が要求される配光パターンを実現できるので、第1プリズムのみによって配光パターンを形成した場合に比較して、より最適化された配光パターンを実現できる。この場合、上記第2プリズムを介して出力される光の鉛直面内における出射方向を入射面の面方向により設定し、上記第2プリズムを介して出力される光の水平面内における光の拡散を入射面の面形状により設定することができる。
【0009】また、本発明に係るLED表示灯では、上記第1プリズムと上記第2プリズムとが対をなし、その1対のプリズムが一定の規則で、上記カバーレンズの内面に配列されていることが好ましく、これによりカバーレンズの外表面において均一な面発光を実現できる。
【0010】また、本発明に係るLED表示灯では、上記第2プリズムを、上記第1プリズムより下方に配光するように形成することができ、これにより下方に強い配光が要求されるLED表示灯を容易に構成できる。
【0011】さらに、本発明に係るLED表示灯では、上記複数の発光ダイオードは、表示灯に要求される配光パターンに基いて設定された配列パターンで配列されていることが好ましい。このように構成すると、複数の発光ダイオードの配列パターンと上記第1配光パターンと上記第2配光パターンとによってLED表示灯が要求される配光特性を実現できるので、該配光特性を実現するためのさらに最適化された配光パターンを実現できる。
【0012】また、本発明に係るLED表示灯では、上記配列パターンは、上記カバーレンズの中心軸を含む水平面より下に位置する発光ダイオードの個数が、発光ダイオード全体の個数の40%以下になるように設定されていることが好ましく、これにより下方に強い配光が要求されるLED表示灯を容易に構成できる。
【0013】また、本発明に係るLED表示灯では、上記配列パターンにおいて最も外側に位置する発光ダイオードと上記カバーレンズの内面の外周とを最短距離で結ぶ直線と、上記カバーレンズの中心軸とのなす角度が、30°以上、60°以下に設定されていることが好ましい。このように構成すると、カバーレンズの外表面においてより均一な面発光を実現できる。
【0014】さらに、本発明に係るLED表示灯では、上記カバーレンズは球面である外表面を有し、その曲率半径が500mm以下であることが好ましい。このように構成すると、上記第1プリズム又は上記第1プリズム及び上記第2プリズムを使用する場合に、光源からの光をより効率良く出射させることができる。また、カバーレンズ表面への映り込みを低減し、点灯時のコントラストの低下を防止できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明に係る実施の形態について説明する。本実施の形態のLED表示灯は、図1に示すように、円形の底面とその底面に平行でかつその底面より大きい径の開口部を有する台形錐形状のケース2と、複数の発光ダイオード11が基板12上に配列されてなりケース2の底面に設けられたLEDアッセンブリー1と、ケース2の開口部に設けられたカバーレンズ3とからなり、所定の配光パターンで光の出射する信号機用のLED表示灯であって、以下のような特有の構成を有する。
【0016】本実施の形態のLED表示灯が所定の配光パターンを形成するために、カバーレンズ3の内面には、それぞれ1対の第1プリズム31と第2プリズム32とからなる複数のプリズム30が形成されている。そして、第1プリズム31の入射面の面方向及び面形状はそれぞれ、各第1プリズムから配光される光が実質的に一致するように設計されている。また、第2プリズム32の入射面の面方向及び面形状はそれぞれ、各第2プリズム32から配光される光が実質的に一致するように形状が設計されている。さらに、本実施の形態のLED表示灯では、第2プリズム32は、第1プリズム31より下方に配光するようにその形状は決められている。
【0017】すなわち、本LED表示灯のカバーレンズ3は、複数の第1プリズム31の集合体により1つの配光パターン(第1の配光パターン)を形成し、複数の第2プリズム32の集合体により他の1つの配光パターン(第2の配光パターン)を形成し、その第1と第2の配光パターンの重ね合わせにより全体として1つの配光パターンを形成するように構成されている。また、本LED表示灯のLEDアッセンブリー1において、複数の発光ダイオード11は表示灯に要求される配光パターンに基いて設定された配列パターンで配列されている。
【0018】このようにして、本実施の形態のLED表示灯において、LED表示灯としての配光パターンは、(1)複数の発光ダイオード11の配列パターンと、(2)複数の第1プリズム31の集合体と、(3)複数の第2プリズム32の集合体とによって実現される。
【0019】以下、本発明に係る実施の形態のLED装置における各部の構成及び配光パターンの形成原理についてより詳細に説明する。
(プリズム30)プリズム30は、図2に示すように、1対の第1プリズム31と第2プリズム32からなり、カバーレンズ3の内面に規則的に配列される。本実施の形態では、第1プリズム31と第2プリズム32は、縦方向(垂直方向)及び横方向(水平方向)においてそれぞれ交互に配置されるように規則的に配列される。尚、本明細書においては、通常のLED表示灯の使用状態を考慮して、カバーレンズ3の中心軸に平行な水平面内の方向を横方向(水平方向)といい、その水平面に垂直な方向を縦方向(垂直方向)という。この定義に従えば、図2のA−A’線で示す方向は縦方向(垂直方向)である。すなわち、プリズム30は、縦方向に並んで隣接する1対の第1プリズム31と第2プリズム32からなる。
【0020】(第1プリズム31)本実施の形態において、各第1プリズム31は、円柱面の一部からなる入射面を有する。そして、各第1プリズム31の入射面の傾きは、カバーレンズ3の中心軸上に置いた光源(LEDアッセンブリー1を配置する位置に置いた光源)から出射されて各第1プリズム31の中心C31に入射された光が、その第1プリズム31を通過した後に、カバーレンズ3の中心軸に平行な方向に出射されるように設定される(図3に101の符号を付して模式的に示す)。
【0021】また、各第1プリズム31の入射面を構成する円柱面の半径及びその円弧の長さ(円弧長)は、その第1プリズム31の入射面に入射されて通過した後の光が、水平方向において所定の範囲に広がるように設定され、入射面を構成する円柱面の円弧に直交する方向の縦の長さ(縦方向長)は、第1プリズム31を通過した後の光が鉛直面(水平面と直交する面)内において所定の範囲の配光を形成するように設定される。さらに、各第1プリズム31の入射面を構成する円柱面は互いに略同一に設定される。ここで、第1プリズム31の入射面に入射された光の水平方向に広がる所定の範囲、鉛直面内において広がる所定の範囲は、LED表示灯に要求される配向パターンを形成するために、LED表示灯が要求される配向パターンに基づいて設定される。
【0022】以上のように、各第1プリズム31の入射面を構成する円柱面は互いに略同一形状とし、かつ各第1プリズム31の入射面の傾きを、カバーレンズ3の中心軸上に置いた光源から出射されて各第1プリズム31の中心C31に入射された光がそれぞれ中心軸に平行な方向に出射されるように設定することにより、各第1プリズム31から出射される配光パターンを互いに一致させることができる。言いかえると、本実施の形態において、各第1プリズム31の入射面の面方向及び面形状はそれぞれ、各第1プリズム31から出射される配光パターンが互いに一致するように設定される。
【0023】図4は、複数のプリズム30のうちの任意に選んだ2つのプリズム30a,30bの各第1プリズム31a,31bを介して出射される光の様子を示す図である。図4に示すように、本実施の形態において、第1プリズム31aにより形成される配光パターンと第1プリズム31bにより形成される配光パターンはそれぞれ、カバーレンズ3の光軸を中心として水平方向及び鉛直方向のそれぞれについて同じ広がりを持つように形成され、第1プリズム31aにより形成される配光パターンと第1プリズム31bにより形成される配光パターンは、方向及びパターンについてそれぞれ実質的に一致する。
【0024】ここで、図4では作図上の制限により、十分遠方に描くべき仮想的なスクリーンS100をカバーレンズ3の近くに描いている関係上、特定のスクリーンS100上のみでパターンが一致しているように描かれているが、実際には図面に描かれている比率よりカバーレンズ3の径は十分小さいことから、配光パターンは実質的に一致する。例えば、図4においてカバーレンズ3の径を十分小さくすれば配光パターンが重なるようになることは容易に理解できるであろう。
【0025】このように、1つの光源から出力された光は、複数の第1プリズム31を介して出力される光によりそれぞれ形成される実質的に同一の複数の配光パターンの重ね合わせにより、1つの配光パターン(第1配光パターン)が構成される。尚、本明細書において、1つの光源から出力された光により形成される第1配光パターンを、後述の複数の光源(発光ダイオード)から出力された光により形成される配光パターンと区別するために、単一光源第1配光パターンという。
【0026】(第2プリズム32)本実施の形態において、各第2プリズム32は、円柱面の一部からなる入射面を有する。そして、各第2プリズム32の入射面の傾きは、カバーレンズ3の中心軸上に置いた光源から出射されて各第2プリズム32の中心C32に入射された光が、その第2プリズム32を通過した後に、互いに平行でかつカバーレンズ3の中心軸より下方に出射されるように設定される(図3に102の符号を付して模式的に示す)。
【0027】また、各第2プリズム32の入射面を構成する円柱面の半径及びその円弧長は、その第2プリズム32の入射面に入射されて通過した後の光が、水平方向において所定の範囲に広がるように設定され、入射面を構成する円柱面の縦方向長は、第2プリズム32を通過した後の光が鉛直面(水平面と直交する面)内において所定の範囲に広がるように設定される。さらに、各第2プリズム32の入射面を構成する円柱面は互いに略同一に設定される。ここで、第2プリズム32の入射面に入射された光の水平方向に広がる所定の範囲、鉛直面内において広がる所定の範囲は、LED表示灯に要求される配向パターンの一部を形成するために、LED表示灯が要求される配向パターンに基づいて設定される。
【0028】以上のように、各第2プリズム32の入射面を構成する円柱面は互いに略同一形状とし、かつ各第2プリズム32の入射面の傾きを、各第1プリズム31の中心C31に入射された光が互いに同一方向に出射されるように設定することにより、各第1プリズム31から出射される配光パターンを互いに一致させることができる。すなわち、各第2プリズム32の入射面の面方向及び面形状はそれぞれ、各第2プリズム32から出射される配光パターンが互いに一致するように設定される。
【0029】図5は、複数のプリズム30のうちの任意に選んだ2つのプリズム30a,30bの各第2プリズム32a,32bを介して出射される光の様子を示す図である。図5に示すように、本実施の形態において、第2プリズム32aにより形成される配光パターンと第2プリズム32bにより形成される配光パターンはそれぞれ、水平方向及び鉛直方向のそれぞれについて同じ広がりを持つように形成され、第2プリズム32aにより形成される配光パターンと第2プリズム32bにより形成される配光パターンは、方向及びパターンについてそれぞれ実質的に一致する。
【0030】ここで、図5では特定のスクリーンS100上のみでパターンが一致しているように描かれているが、これは作図上の制限によるものである。すなわち、実際に図面に描かれている比率よりカバーレンズ3の径を十分小さくすれば配光パターンが重なるようになることから容易に理解できる。
【0031】このように、1つの光源から出力された光は、複数の第2プリズム32を介して出力される光により形成される実質的に同一の複数の配光パターンの重ね合わせにより、第1配光パターンとは異なる1つの配光パターン(第2配光パターン)が構成される。尚、本明細書において、1つの光源から出力された光により形成される第2配光パターンを、後述の複数の光源(発光ダイオード)から出力された光により形成される配光パターンと区別するために、単一光源第2配光パターンという。以上説明したことから理解できるように、本実施の形態では、1つの光源から出力された光は、カバーレンズ3を介して出力されることにより、単一光源第1配光パターンと単一光源第2配光パターンとが重ね合わされた配光パターン(単一光源合成配光パターン)を構成する。
【0032】(LEDアッセンブリー1)LEDアッセンブリー1は、基板12上に複数の発光ダイオード11が所定の配列で配列されてなる。本実施の形態においては、発光ダイオード11の配列パターン及び個々のLEDの光強度は、プリズム30の形状及びプリズム30の配列とともに、LED表示灯の配光パターン(特性)を決定する重要な要素の1つである。すなわち、本実施の形態では、図6に示すように、下の行の発光ダイオード11の個数より上の行の発光ダイオード11の個数を多くし、複数の発光ダイオード光源内において、上下で光強度差を設けている。このようにすると、LED表示灯において下方向に配光される光の強度を強くでき、上述したカバーレンズ3のプリズム30の形状と組み合わせることにより、特に下方向に強い配光が必要とされる信号灯用のLED表示灯を容易に構成することができる。われわれの検討の結果では、上述したカバーレンズ3のプリズム30の形状と組み合わせて信号灯用のLED表示灯を構成する場合、LEDアッセンブリー1において光軸より下に配置される発光ダイオード11の光量を、光軸より上に配置される発光ダイオード11の光量の40%以下に設定することが好ましいことが確認されている。このように、上下での光の光量差は、上述のように発光ダイオードの個数により設けることもできるし、発光ダイオードに流す電流値や発光ダイオードの明るさのランクを変える事によっても設けることができる。
【0033】(集合光源とカバーレンズ3とによる配光パターン)次に、発光ダイオードが上述の配列パターンで配列されたLEDアッセンブリー1と、上述のように構成されたカバーレンズ3とを組み合わせた場合における、LED表示灯の全体としての配光パターンについて説明する。まず、図4において、光源をカバーレンズ3の光軸より上方にシフトさせた場合、各第1プリズム31a,31bにより形成される配光パターンはそれぞれ、互いに一致した状態を保ったまま下方にシフトする。
【0034】また、図4において、光源をカバーレンズ3の光軸から右にシフトさせた場合、各第1プリズム31により形成される配光パターンはそれぞれ、互いに一致した状態を保ったまま、配光パターンの光軸方向が左の方向にシフトする。また、図4において、光源をカバーレンズ3の光軸から左にシフトさせた場合、各第1プリズム31により形成される配光パターンはそれぞれ、互いに一致した状態を保ったまま、配光パターンの中心軸の方向が右の方向にシフトする。
【0035】以上のように、光源の位置がカバーレンズ3の光軸から離れている場合についても、第1プリズム32からそれぞれ出射される単一光源第1配光パターンは互いに一致し、その単一光源第1配光パターンはカバーレンズ3の光軸に対する光源の位置に対応した方向を有する。すなわち、複数の発光ダイオード11が所定の配列パターンで配列されたLEDアッセンブリー1を用いた場合、そのLEDアッセンブリー1と第1プリズム32とによって形成される配光パターン(集合光源第1配光パターン)は、個々の発光ダイオード11と第1プリズム32とによってそれぞれ形成される単一光源第1配光パターンをすべて重ね合わせたものとなる。
【0036】以上説明したことから明らかなように、個々の発光ダイオード11による単一光源第1配光パターンは、各発光ダイオード11の位置に対応する方向を有するので、単一光源第1配光パターンの集合パターンとして形成される集合光源第1配光パターンは、LEDアッセンブリー1の配列パターンに対応した配光パターンとなる。例えば、カバーレンズ3の光軸より上に位置する発光ダイオード11の個数を光軸より下に位置する発光ダイオード11の個数より多くすると、集合光源第1配光パターンは下方により強い光を配光するようなパターンとなる。
【0037】同様に、図5において、光源をカバーレンズ3の光軸より上方にシフトさせた場合、各第2プリズム32a,32bにより形成される配光パターンはそれぞれ一致した状態を保ったまま、配光パターンの光軸方向がさらに下方にシフトする。同様に、図5において、光源をカバーレンズ3の光軸より右にシフトさせた場合、各第2プリズム32により形成される配光パターンはそれぞれ、互いに一致した状態を保ったまま、配光パターンの光軸方向は、左の方向にシフトし、光源をカバーレンズ3の光軸より左にシフトさせた場合、各第2プリズム32により形成される配光パターンはそれぞれ、互いに一致した状態を保ったまま、配光パターンの光軸方向は、右の方向にシフトする。
【0038】以上のように、第1プリズム31について説明と同様に、光源の位置がカバーレンズ3の光軸から離れている場合についても、第2プリズム32からそれぞれ出射される単一光源第2配光パターンは互いに一致し、その単一光源第2配光パターンはカバーレンズ3の光軸に対する光源の位置に対応した方向を有する。すなわち、LEDアッセンブリー1と第2プリズム32とによって形成される集合光源第2配光パターンは、単一光源第2配光パターンをすべて重ね合わせたものとなり、LEDアッセンブリー1の配列パターンに対応した配光パターンとなる。カバーレンズ3の光軸より上に位置する発光ダイオード11の個数を光軸より下に位置する発光ダイオード11の個数より多くすると、集合光源第2配光パターンは下方により強い光を配光するようなパターンとなる。
【0039】結局、LEDアッセンブリー1とカバーレンズ3とを組み合わせてなる本実施の形態のLED表示灯の配光パターンは、LEDアッセンブリー1の配列パターンと第1プリズム31とによって形成される集合光源第1配光パターンと、LEDアッセンブリー1の配列パターンと第2プリズム32とによって形成される集合光源第2配光パターンとが合成された配光パターンになる。
【0040】このようにして、本実施の形態のLED表示灯において、LED表示灯としての配光パターンは、(1)複数の発光ダイオード11の配列パターンと、(2)複数の第1プリズム31の集合体と、(3)複数の第2プリズム32の集合体とによって実現される。
【0041】(カバーレンズ3とLEDアッセンブリー1との距離)本発明において、カバーレンズ3とLEDアッセンブリー1との間の距離は、上述の本願に特有のカバーレンズ3とLEDアッセンブリー1を用いているからといって特にそれにより制約を受けるものではない。しかしながら、各発光ダイオードの指向特性やLED表示灯として要求される大きさ等を考慮して以下のような範囲に設定することが好ましい。すなわち、図7に示すように、カバーレンズ3の内面の外周とLEDアッセンブリー1の最も外側に位置する発光ダイオード11とを結ぶ線と、カバーレンズ3の中心軸との成す角度が60°以下となるようにカバーレンズ3とLEDアッセンブリー1との間の距離を設定することが好ましい。この角度が60°以上になると、発光ダイオードの指向特性との関係でカバーレンズ3の中心から離れた部分に入射される光の強度が低くなり均一な面発光が得られないようになり(カバーレンズの周辺部分が暗くなる)、発光効率が悪くなるからである。
【0042】また、カバーレンズ3の内面の外周とLEDアッセンブリー1の最も外側に位置する発光ダイオード11とを結ぶ線と、カバーレンズ3の中心軸との成す角度が30°以上となるようにカバーレンズ3とLEDアッセンブリー1との間の距離を設定することが好ましい。この角度が30°以下になると、集光率は上がるがカバーレンズでの拡散機能への負荷が増し、発光効率が悪くなり、かつLED表示灯の外形が大きくなるからである。
【0043】また、本LED表示灯を例えば信号灯のように屋外で使用される場合、ガバーレンズの外表面に照射される太陽光がカバーレンズ表面に映り込み、点灯時のコントラストが低下する場合があるが、この映り込みを緩和するためにカバーレンズの外表面は、曲率半径が500mm以下の球面とすることが好ましい。また、カバーレンズ周辺部において、曲率を設けた方がプリズムのカットの高さを抑えることができ、ひいては出射効率の向上にもつながる。
【0044】以上のように構成された本実施の形態のLED表示灯は、複数の発光ダイオードが所定の配列パターンに配列されてなるLEDアッセンブリー1と複数のプリズム30を備えたカバーレンズ3とを備えているので、簡単な構成で所望の配光パターンを実現することができる。
【0045】以上の実施の形態では、最も好ましい実施の形態として、1対の第1プリズム31と第2プリズム32とからなるプリズム30がその内面に規則的に配列されてなるカバーレンズ3と所定の配列パターンで複数の発光ダイオードが配列されてなるLEDアッセンブリー1とを用いて、所定の配光パターンを形成するようにして例について示したが、本発明はこれに限られるものではなく、以下のような種々の変形が可能である。
【0046】変形例1.上述の実施の形態では、第1プリズム31、第2プリズム32及び所定の配列パターンで複数の発光ダイオードが配列されてなるLEDアッセンブリー1とによって、所定の配光パターンを形成するようにしたが、本発明では、実施の形態と同様に構成された複数の第1プリズム31のみを用いて、所定の配光パターンを形成するようにしてもよい。例えば、カバーレンズの軸方向を中心として強い光が必要とされる比較的簡単な配光パターンであれば、その配光パターンは図4に示すように、複数の第1プリズム31のみで実現することができる。この場合、LEDアッセンブリーにおける発光ダイオードの配列は、例えば、同心円状等の単純な配列でよい。
【0047】変形例2.同様に、本発明では、実施の形態と同様に構成された複数の第2プリズム31のみを用いて、所定の配光パターンを形成するようにしてもよい。例えば、下方に強い光が必要とされかつ比較的簡単な配光パターンであれば、その配光パターンは図5に示すように、複数の第2プリズム31のみで実現することができる。この場合、LEDアッセンブリーにおける発光ダイオードの配列は、変形例1と同様、例えば、同心円状等の単純な配列でよい。
【0048】変形例3.また、本発明では、実施の形態と同様に構成された第1プリズム31及び第2プリズム32のみを用いて、所定の配光パターンを形成するようにしてもよい。この場合、LEDアッセンブリーにおける発光ダイオードの配列は、例えば、同心円状等の単純な配列でよい。
【0049】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係るLED表示灯は、複数の発光ダイオードとカバーレンズとを備え、そのカバーレンズの内面には、複数のプリズムが形成され、そのプリズムからそれぞれ出射される配光パターンが互いに一致するように上記各プリズムの入射面の面方向及び面形状が設定されているので、その入射面の面方向及び面形状に対応した配光パターンを形成でき、所望の配光特性を実現できる。
【0050】また、本発明に係るLED表示灯では、上記発光ダイオードの配列パターンにおいて最も外側に位置する発光ダイオードと上記カバーレンズの内面の外周とを最短距離で結ぶ直線と、上記カバーレンズの中心軸とのなす角度を、30°以上、60°以下に設定することにより、カバーレンズの外表面において均一な面発光を実現できる。これにより、所望の配光特性を実現できかつ均一な面発光が得られるLED表示灯を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
【住所又は居所】徳島県阿南市上中町岡491番地100
【出願日】 平成13年6月27日(2001.6.27)
【代理人】 【識別番号】100074354
【弁理士】
【氏名又は名称】豊栖 康弘 (外1名)
【公開番号】 特開2003−16804(P2003−16804A)
【公開日】 平成15年1月17日(2003.1.17)
【出願番号】 特願2001−195079(P2001−195079)