トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F21 照明




【発明の名称】 居室空間の照明方法及び照明装置
【発明者】 【氏名】小原 和輝
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工株式会社内

【氏名】岩井 彌
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工株式会社内

【氏名】野口 公喜
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工株式会社内

【氏名】井上 学
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工株式会社内

【要約】 【課題】住宅等の居室空間において、より高い安らぎ感を得ることができる快適な照明環境の実現を図る。

【解決手段】蛍光灯2から30°〜−30°の範囲を覆う半透過セード3aと、30°〜60°及び−30°〜−60°の範囲を覆う不透過セード3bと、後方への光を約90°〜150°及び−90°〜−150°の方向へ反射する反射体4を設ける。これにより、透過セード3aで減衰された30°〜−30°の方向への光により居室空間にいる者への眩しさを抑えつつ対向壁面が明るく照らされ、また、約90°〜150°及び−90°〜−150°の方向への光により壁面21が明るく照らされて、より高い安らぎ感と快適な明るさ感が得られる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 3畳程度以上12畳程度以下の広さで、かつ短辺に対する長辺の比が略2以下で、かつ天井高さ略1.8[m]以上3.0[m]以下の居室空間の照明方法であって、床面からの高さが0〜0.3[m]の壁面の領域を領域A、床面からの高さが1.2〜1.5[m]の壁面の領域を領域B、壁面からの距離が0.6〜0.9[m]の天井面の領域を領域Cとし、領域Aの鉛直面照度をFa、領域Bの鉛直面照度をFb、領域Cの下向き水平面照度をFcとしたとき、居室内の少なくとも一壁面における幅方向の中央付近において、1.5≦Fb/Fa≦2.0、かつ、1.0≦Fc/Fb≦2.0を満たすように照明することを特徴とする居室空間の照明方法。
【請求項2】 居室内の少なくとも一壁面における幅方向の中央付近において、100[lx]≦Fa≦150[lx]を満たすことを特徴とする請求項1に記載の居室空間の照明方法。
【請求項3】 壁面からの距離が0.9[m]以上離れた天井面の領域の下向き水平面照度をFdとしたとき、80[lx]≦Fd≦200[lx]を満たすことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の居室空間の照明方法。
【請求項4】 壁面からの距離が0.5[m]以上離れた作業面の領域の水平面照度をFeとしたとき、150[lx]≦Feを満たすことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の居室空間の照明方法。
【請求項5】 前記作業面の領域の水平面照度が調整可能なことを特徴とする請求項4に記載の居室空間の照明方法。
【請求項6】 光源を備え、壁面に取付けられる照明装置において、壁面の法線方向を0°とし、鉛直上向き方向を90°、鉛直下向き方向を−90°とした場合、主配光を略90°方向、または、略−90°方向、または、略90°方向と−90°方向の両方向に有し、30°〜−30°の方向に放たれる光束の総和を、60°〜90°の方向に放たれる光束と−60°〜−90°の方向に放たれる光束の総和の25%以上とし、かつ、0°〜−30°の方向に放たれる光の光度を、その範囲内から観察したときの輝度が3000[cd/m]以下となるようにしたことを特徴とする照明装置。
【請求項7】 前記30°〜−30°の方向に放たれる光の光度の最小値を、光源の放つ光束1000[lm]あたり40[cd]以上としたことを特徴とする請求項6に記載の照明装置。
【請求項8】 90°〜120°の方向に放たれる光束と−90°〜−120°の方向に放たれる光束の総和を、120°〜180°の方向に放たれる光束と−120°〜−180°の方向に放たれる光束の総和以上としたことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の照明装置。
【請求項9】 −90°〜−100°の方向に放たれる光の光度の最大値を、光源の放つ光束1000[lm]あたり120[cd]以上としたことを特徴とする請求項6乃至請求項8のいずれかに記載の照明装置。
【請求項10】 30°〜60°の方向に放たれる光の光度の最小値を、光源の放つ光束1000[lm]あたり40[cd]以上としたことを特徴とする請求項6乃至請求項9のいずれかに記載の照明装置。
【請求項11】 −30°〜−60°の方向に放たれる光の光度の最小値を、光源の放つ光束1000[lm]あたり40[cd]以上としたことを特徴とする請求項6乃至請求項10のいずれかに記載の照明装置。
【請求項12】 −30°〜−60°の方向に放たれる光の光度を可変としたことを特徴とする請求項6乃至請求項11のいずれかに記載の照明装置。
【請求項13】 所定の領域を部分的に照らすスポットライトをさらに備えたことを特徴とする請求項6乃至請求項12のいずれかに記載の照明装置。
【請求項14】 前記スポットライトの光度を可変としたこと特徴とする請求項13に記載の照明装置。
【請求項15】 光源を備え、壁面に取付けられる照明装置において、壁面の法線方向を0°とし、鉛直上向き方向を90°、鉛直下向き方向を−90°とした場合、前記光源から少なくとも30°〜−30°の範囲に放たれる光を半透過する半透過セードと、前記光源から少なくとも略180°の方向へ放たれる光を略90°〜120°の方向と略−90°〜−120°の方向へ反射する反射体とを備え、前記半透過セードを透過して30°〜−30°の方向に放たれる光束の総和を、60°〜90°の方向に放たれる光束と−60°〜−90°の方向に放たれる光束の総和の25%以上とし、前記半透過セードを透過して0°〜−30°の方向に放たれる光の光度を、その範囲内から観察したときの輝度が3000[cd/m]以下となるようにし、前記90°〜120°の方向に放たれる光束と−90°〜−120°の方向に放たれる光束の総和を、120°〜180°の方向に放たれる光束と−120°〜−180°の方向に放たれる光束の総和以上としたことを特徴とする照明装置。
【請求項16】 3畳程度以上12畳程度以下の広さで、かつ短辺に対する長辺の比が略2以下で、かつ天井高さ略1.8[m]以上3.0[m]以下の居室空間に、上記請求項6乃至請求項11のいずれかに記載の照明装置を高さ2.0[m]付近で壁面に設置し照明することを特徴とする居室空間の照明方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅等の屋内において快適な照明環境を実現するための照明方法、およびそれを実現するための照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、住宅等の居室内の主照明として、天井の中心に設けられたシーリングライトや、天井から吊るされたペンダントライトが用いられている。これらシーリングライトやペンダントライトを用いた照明の特徴として、床面が比較的高照度となり、照明器具部分以外での天井面及び壁面上部が壁面中心部よりも低い部分に比べて低照度、低輝度となる傾向がある。一般的に、シーリングライトやペンダントライトを用いたこのような照明環境では、高い安らぎ感は得られない。
【0003】また、住宅等の居室内の主照明として、壁に取付けて使用する照明器具も用いられている。この壁に取付けて使用する照明器具を用いた照明の特徴として、シーリングライトやペンダントライトを用いた場合に比べて、天井面は高輝度であること、また壁面は上部が高輝度であり下部になるに従って低輝度となること、等の傾向がある。壁に取付けて使用する照明器具を用いたこのような照明環境では、シーリングライトやペンダントライトを用いた照明環境よりも高い安らぎ感が得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した従来の壁に取付けて使用する照明器具を用いた照明環境では、壁面下部が過剰に低照度、低輝度となってしまい、天井面や壁面の一部分に過剰に高輝度な部分が存在するなど、好ましくない特徴もある。このため、シーリングライトやペンダントライトを用いた照明環境よりも高い安らぎ感は得られるものの、より高い安らぎ感は得られていなかった。
【0005】本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、より高い安らぎ感を得ることができる快適な照明環境を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1の発明は、3畳程度以上12畳程度以下の広さで、かつ短辺に対する長辺の比が略2以下で、かつ天井高さ略1.8[m]以上3.0[m]以下の居室空間の照明方法であって、床面からの高さが0〜0.3[m]の壁面の領域を領域A、床面からの高さが1.2〜1.5[m]の壁面の領域を領域B、壁面からの距離が0.6〜0.9[m]の天井面の領域を領域Cとし、領域Aの鉛直面照度をFa、領域Bの鉛直面照度をFb、領域Cの下向き水平面照度をFcとしたとき、居室内の少なくとも一壁面における幅方向の中央付近において、1.5≦Fb/Fa≦2.0、かつ、1.0≦Fc/Fb≦2.0を満たすように照明する。
【0007】この構成においては、壁面下部は、暗くなりすぎることのない程度に壁面中心部よりも低照度、低輝度となり、壁面上部及び天井面は、明るくなりすぎることのない程度に壁面中心部よりも高照度、高輝度となる。
【0008】また、請求項2の発明は、請求項1に記載の居室空間の照明方法において、居室内の少なくとも一壁面における幅方向の中央付近において、100[lx]≦Fa≦150[lx]を満たすように照明する。この構成においては、壁面下部が過剰に低照度、低輝度となることがなく、壁面下部が適度な明るさで照らされる。
【0009】また、請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の居室空間の照明方法において、壁面からの距離が0.9[m]以上離れた天井面の領域の下向き水平面照度をFdとしたとき、80[lx]≦Fd≦200[lx]を満たすように照明する。この構成においては、天上面が過剰に高照度、高輝度となることがなく、天井面が適度な明るさで照らされる。
【0010】また、請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の居室空間の照明方法において、壁面からの距離が0.5[m]以上離れた作業面の領域の水平面照度をFeとしたとき、150[lx]≦Feを満たすように照明する。この構成においては、居室内の作業面が低照度となることがなく、作業面が作業に支障のない適度な明るさで照らされる。
【0011】また、請求項5の発明は、請求項4に記載の居室空間の照明方法において、前記作業面の領域の水平面照度を調整可能とする。この構成においては、作業面の高さに応じて照度が調整され、作業面がどのような高さでも、作業に支障のない適度な明るさで照らされる。
【0012】また、請求項6の発明は、光源を備え、壁面に取付ける照明装置において、壁面の法線方向を0°とし、鉛直上向き方向を90°、鉛直下向き方向を−90°とした場合、主配光を略90°方向、または、略−90°方向または、略90°方向と−90°方向の両方向に有し、30°〜−30度の方向に放たれる光束の総和を、60°〜90°の方向に放たれる光束と−60°〜−90°の方向に放たれる光束の総和の25%以上とし、かつ、0°〜−30°の方向に放たれる光の光度を、その範囲内から観察したときの輝度が3000[cd/m]以下となるようにした。
【0013】この構成においては、照明装置を居室空間の壁面に設置することにより、30°〜−30°の範囲に放たれた光が対向する壁面に照射される。また、0°〜−30°の方向へは、光度がその範囲内から観察したときの輝度が3000[cd/m]以下の光が放たれるため、居室空間にいる者への眩しさが抑えられる。
【0014】また、請求項7の発明は、請求項6に記載の照明装置において、30°〜−30°の方向に放たれる光の光度の最小値を、光源の放つ光束1000[lm]あたり40[cd]以上とした。この構成においては、照明装置を設置した壁面に対向する壁面が適度な明るさに照らされる。
【0015】また、請求項8の発明は、請求項6又は請求項7に記載の照明装置において、90°〜120°の方向に放たれる光束と−90°〜−120°の方向に放たれる光束の総和を、120°〜180°の方向に放たれる光束と−120°〜−180°の方向に放たれる光束の総和以上とした。この構成においては、90°〜120°の方向と−90°〜−120°の方向へ放たれた光により、照明装置を設置した壁面が明るく照らされる。
【0016】また、請求項9の発明は、請求項6乃至請求項8のいずれかに記載の照明装置において、−90°〜−100°の方向に放たれる光の光度の最大値を、光源の放つ光束1000[lm]あたり120[cd]以上とした。この構成においては、照明装置を設置した壁面の下部が適度な明るさで照らされる。
【0017】また、請求項10の発明は、請求項6乃至請求項9のいずれかに記載の照明装置において、30°〜60°の方向に放たれる光の光度の最小値を、光源の放つ光束1000[lm]あたり40[cd]以上とした。この構成においては、天井面方向が適度な明るさで照らされる。
【0018】また、請求項11の発明は、請求項6乃至請求項10のいずれかに記載の照明装置において、−30°〜−60°の方向に放たれる光の光度の最小値を、光源の放つ光束1000[lm]あたり40[cd]以上とした。この構成においては、床面方向が明るく照らされ、作業面が適度な明るさに照らされる。
【0019】また、請求項12の発明は、請求項6乃至請求項11のいずれかに記載の照明装置において、−30°〜−60°の方向に放たれる光の光度を可変とした。この構成においては、作業領域の高さに応じて光度が調整され、作業領域がどのような高さでも、作業領域が適度な明るさで照らされる。
【0020】また、請求項13の発明は、請求項6乃至請求項12のいずれかに記載の照明装置において、所定の領域を部分的に照らすスポットライトをさらに設けた。この構成においては、スポットライトにより、居室内の作業領域が部分的に照らされ、作業領域が適度な明るさに照らされる。
【0021】また、請求項15の発明は、光源を備え、壁面に取付けられる照明装置において、壁面の法線方向を0°とし、鉛直上向き方向を90°、鉛直下向き方向を−90°とした場合、前記光源から少なくとも30°〜−30°の範囲に放たれる光を半透過する半透過セードと、前記光源から少なくとも略180°の方向へ放たれる光を略90°〜120°の方向と略−90°〜−120°の方向へ反射する反射体とを備え、前記半透過セードを透過して30°〜−30°の方向に放たれる光束の総和を60°〜90°の方向に放たれる光束と−60°〜−90°の方向に放たれる光束の総和の25%以上とし、前記半透過セードを透過して0°〜−30°の方向に放たれる光の光度を、その範囲内から観察したときの輝度が3000[cd/m]以下となるようにし、前記90°〜120°の方向に放たれる光束と−90°〜−120°の方向に放たれる光束の総和を120°〜180°の方向に放たれる光束と−120°〜−180°の方向に放たれる光束の総和以上とした。
【0022】この構成においては、半透過セードにより減衰され30°〜−30°の範囲に放たれた光が対向する壁面に照射される。また、0°〜−30°の方向への光は、半透過セードにより減衰されて、光度がその範囲内から観察したときに3000[cd/m]以下となる光が放たれるため、居室空間にいる者への眩しさが抑えられる。また、90°〜120°の方向と−90°〜120°の方向へ放たれた光により、照明装置を設置した壁面が明るく照らされる。
【0023】また、請求項16の発明は、3畳程度以上12畳程度以下の広さで、かつ短辺に対する長辺の比が略2以下で、かつ天井高さ略1.8[m]以上3.0[m]以下の居室空間に、上記請求項6乃至請求項11のいずれかに記載の照明装置を高さ2.0[m]付近で壁面に設置して照明する。
【0024】この構成においては、床面からの高さが0〜0.3[m]の壁面の領域を領域A、床面からの高さが1.2〜1.5[m]の壁面の領域を領域B、壁面からの距離が0.6〜0.9[m]の天井面の領域を領域Cとし、領域Aの鉛直面照度をFa、領域Bの鉛直面照度をFb、領域Cの下向き水平面照度をFcとしたとき、居室内の少なくとも一壁面における幅方向の中央付近において、1.5≦Fb/Fa≦2.0、かつ、1.0≦Fc/Fb≦2.0を満たすように照明される。これにより、壁面下部は、暗くなりすぎることのない程度に壁面中心部よりも低照度、低輝度となり、壁面上部及び天井面は、明るくなりすぎることのない程度に壁面中心部よりも高照度、高輝度となる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下本発明の照明方法について図面を基に説明する。本発明は、高い安らぎ感と快適な明るさ感を与える照明環境を求めるものであり、そのため、3畳程度以上12畳程度以下の広さで、かつ短辺に対する長辺の比が略2以下で、かつ天井高さ略1.8[m]以上3.0[m]以下の居室空間を対象として、居室空間の照度と安らぎ感、明るさ感の関係について心理評価実験を行った。実験は、8畳程度の広さの居室空間において、図1に示すように、照明器具20を壁面21に取付けて行い、床面22からの高さが0〜0.3[m]の壁面21の領域を「領域A」、床面22からの高さが1.2〜1.5[m]の壁面21の領域を「領域B」、壁面21からの距離が0.6〜0.9[m]の天井面23の領域を「領域C」とし、領域Aの鉛直面照度をFa、領域Bの鉛直面照度をFb、領域Cの下向き水平面照度をFcとした。また、壁面21からの距離が0.9[m]以上離れた天井面23の下向き水平面照度をFdとした。そして、これらの照度Fa、Fb、Fc、Fdを種々変化させた照明環境において、被験者に安らぎ感と明るさ感を評価させる実験を行った。
【0026】図2は、実験により得た居室空間の照度と安らぎ感の関係を示したグラフであり、横軸にFb/Faの値(領域Aの照度に対する領域Bの照度の比)をとり、縦軸にFc/Fbの値(領域Bの照度に対する領域Cの照度の比)をとり、「安らぎ感」の高さを数値で表してプロットしたものである。このグラフから、Fb/Faの値が1.5≦Fb/Fa≦2.0で、Fc/Fbの値が1.0≦Fb/Fc≦2.0のときに安らぎ感が得られていることが分かる。
【0027】また、図3は、実験により得た居室空間の照度と安らぎ感の関係を示すグラフであり、横軸にFaの値(領域Aの照度)をとり、縦軸に「安らぎ感」の評定値をとったものである。このグラフから、Faの値が100[lx]程度のとき、評定値4以上の安らぎ感が得られていることが分かる。
【0028】また、図4は、実験により得た居室空間の照度と明るさ感の関係を示すグラフであり、横軸にFaの値(領域Aの照度)をとり、縦軸に「明るさ感」の評定値をとったものである。このグラフから、Faの値が100[lx]≦Fa≦150[lx]の範囲のとき、評定値5前後の快適な明るさ感が得られていることが分かる。
【0029】また、図5は、実験により得た居室空間の照度と明るさ感の関係を示すグラフであり、横軸にFdの値(壁面21からの距離が0.9[m]以上離れた天井面23の下向き水平面照度を)をとり、縦軸に「明るさ感」の評定値をとったものである。このグラフから、Fdの値が80[lx]≦Fd≦200[lx]の範囲のとき、評定値5前後の快適な明るさ感が得られていることが分かる。
【0030】本発明は、これらの心理評価実験の結果に基づいて成されたものである。以下、本発明を具体化した実施形態について図面を参照して説明する。
【0031】<第1の実施形態>第1の実施形態による照明装置1の概略構成を図6及び図7に示す。照明装置1は、総光束3400[lm]の直管蛍光灯(光源)2と、蛍光灯2の前方に配置される略円弧形状のセード3と、蛍光灯2の後方に配置される反射体4とを備えている。
【0032】蛍光灯2は、照明装置1を壁面21へ取付けたときに、壁面21との距離が約7[cm]となるように照明装置1内に設けられている。セード3は、蛍光灯2から約4[cm]離れた位置に設けられ、蛍光灯2から30°〜−30°の範囲を覆う透過率約37%の半透過セード3aと、蛍光灯2から30°〜60°の範囲及び−30°〜−60°までの範囲を覆う不透過セード3bとから構成されている。なお、光源の位置を原点とし、壁面21の法線方向を0°方向とし、上側を+方向、下側を−方向とする。反射体4は、蛍光灯2と壁面21との間でその反射面が壁面21から約5[cm]の所になるように設けられ、蛍光灯2から約150°〜18°の範囲の方向へ放たれる光を約90°〜150°の方向へ反射し、また、−150°〜−180°の範囲の方向へ放たれる光を約−90°〜−150°の方向へ反射するように構成されている。
【0033】この様な構成により、照明装置1は、30°〜−30°の方向へは半透過セード3aにより減衰された光を放ち、30°〜60°の方向及び−30°〜−60°の方向へは不透過セード3bのために光を放たない。また、約60°〜150°の方向及び約−60°〜−150°の方向及へは、蛍光灯2からの直接の光と反射体4により反射された光を直に放つ。
【0034】この結果、照明装置1の主配光は、図8に示すように、略90°〜120°の方向(真上方向)と略−90°〜−120°の方向(真下方向)となる。すなわち、照明装置1は、略90°〜120°の方向と略−90°〜−120°の方向とに最も強い光を放つ。また、図8において符号■を付したハッチング部分の方向すなわち30°〜−30°の方向に放たれる光束の総和は、符号■を付したハッチング部分の方向すなわち60°〜90°の方向に放たれる光束と符号■を付したハッチング部分の方向すなわち−60°〜−90°の方向に放たれる光束の総和の25%以上となる。また、符号■を付したハッチング部分の方向すなわち0°〜−30°の方向に放たれる光の光度は、その範囲内から観察したときに3000[cd/m]以下となる。
【0035】また、図9において符号■を付したハッチング部分の方向すなわち30°〜−30°の方向に放たれる光の光度の最小値は、蛍光灯2の放つ光束1000[lm]あたり40[cd]以上となる。また、図10において符号■を付したハッチング部分の方向すなわち略90°〜120°の方向と符号■を付したハッチング部分の方向すなわち略−90°〜−120°の方向に放たれる光束の総和が、符号■を付したハッチング部分の方向すなわち略120°〜180°の方向と略−120°〜−180°の方向へ放たれる光束の総和よりも多くなる。また、図11において符号■を付したハッチング部分の方向すなわち略−90°〜−100°の方向の光度の最大値は、蛍光灯2の放つ光束1000[lm]あたり120[cd]以上となる。
【0036】そして、この照明装置1を、図12に示すように、3畳程度以上12畳程度以下の広さで、かつ短辺に対する長辺の比が2以下で、かつ天井面23の高さが1.8[m]以上3.0[m]以下の居室空間の対向する2つの壁面21に、それぞれ、床面22からの高さ2.0[m]付近で設置する(対向するもう一方一方の壁面21とその壁面21に取付けた照明装置1は不図示)。
【0037】これにより、略90°〜120°の方向と略−90°〜−120°の方向に放たれる光は、光束の総和が略120°〜180°の方向と略−120°〜−180°の方向へ放たれる光束の総和よりも多く、最も強いので、照明装置1を設置した壁面21を明るく照らすことができ、照明装置1を設置した壁面21からの反射拡散光が部屋全体に行き渡り、かつ十分な間接光成分を確保することができる。これにより、その居室空間にいる者に高い安らぎ感と快適な明るさ感を与えることができる。
【0038】また、30°〜−30°の方向に放たれる光束の総和は、60°〜90°の方向に放たれる光束と−60°〜−90°の方向に放たれる光束の総和の25%以上なので、対向する壁面21に120[lx]以上の適切な照度をもたらすことができる。これにより、その居室空間にいる者に快適な明るさ感与えることができる。
【0039】また、0°〜−30°の方向に放たれる光の光度は、その範囲内から観察したときの輝度が3000[cd/m]以下となるようにしたので、居室空間にいる者への眩しさを抑えることができる。
【0040】また、30°〜−30°の方向に放たれる光の光度の最小値は、蛍光灯2の放つ光束1000[lm]あたり40[cd]以上なので、この照明装置1を設置した壁面21の対向壁面21及び天井面23を明るく照らすことができる。これにより、その居室空間にいる者に高い安らぎ感と快適な明るさ感を与えることができる。
【0041】また、略−90°〜−100°の方向の光度の最大値は、蛍光灯2の放つ光束1000[lm]あたり120[cd]以上であり、照明装置1を設置した壁面21の下部の照度が120[lx]以上なので、照明装置1を設置した壁面21の下部を明るく照らすことができる。これにより、その居室空間にいる者に高い安らぎ感と快適な明るさ感を与えることができる。
【0042】また、床面22からの高さが0〜0.3[m]の壁面21の領域を領域A、床面22からの高さが1.2〜1.5[m]の壁面21の領域を領域B、壁面21からの距離が0.6〜0.9[m]の天井面23の領域を領域Cとし、領域Aの鉛直面照度をFa、領域Bの鉛直面照度をFb、領域Cの下向き水平面照度をFcとしたとき、壁面21における幅方向の中央付近において1.5≦Fb/Fa≦2.0かつ1.0≦Fc/Fb≦2.0が満たされ、また、100[lx]≦Fa≦150[lx]が満たされる。すなわち、実験により得た安らぎ感の高い照明環境と快適な明るさ感の照明環境が実現されるので、居室空間にいる者に高い安らぎ感と快適な明るさ感を与えることができる。
【0043】<第2の実施形態>:次に、第2の実施形態による照明装置1の概略構成を図13に示す。本実施形態においては、セード3は、蛍光灯2から60°〜−30°の範囲を覆う透過率約37%の半透過セード3aと、蛍光灯2から−30°〜−60°までの範囲を覆う不透過セード3bとから構成されている。その他の構成については、上記実施形態と同様であり、その説明を省略する。
【0044】このような構成により、照明装置1は、60°〜−30°の方向へは半透過セード3aにより減衰された光を放ち、−30°〜−60°の方向へは不透過セード3bのために光を放たない。また、約60°〜150°の方向及び約−60°〜−150°の方向及へは、蛍光灯2からの直接の光と反射体4により反射された光を直に放つ。
【0045】この結果、照明装置1は、図14に示す符号■を付したハッチング部分の方向すなわち30°〜60°の方向に放たれる光の光度の最小値は、蛍光灯2の放つ光束1000[lm]あたり40[cd]以上となる。なお、略90°〜120°の方向と略−90°〜−120°の方向、30°〜−30°の方向、0°〜−30°の方向、及び−90°〜−100°の方向へは、上記の実施形態と同様の光が放たれる。
【0046】そして、この照明装置1を、3畳程度以上12畳程度以下の広さで、かつ短辺に対する長辺の比が2以下で、かつ天井面23の高さが1.8[m]以上3.0[m]以下の居室空間の対向する2つの壁面21に、それぞれ、床面22からの高さ2.0[m]付近で設置する。
【0047】これにより、30°〜60°の方向へ放たれる光の光度の最小値は、光源の放つ光束1000[lm]あたり40[cd]以上なので、天井面23方向を明るく照らし、かつ天井面23からの反射拡散光を確保することができる。これにより、その居室空間にいる者に高い安らぎ感と快適な明るさ感を与えることができる。
【0048】また、略90°〜120°の方向と略−90°〜−120°の方向に放たれる光は、上記の実施形態と同様に、照明装置1を設置した壁面21を明るく照らすことができ、照明装置1を設置した壁面21からの反射拡散光が部屋全体に行き渡り、かつ十分な間接光成分を確保することができる。これにより、その居室空間にいる者に高い安らぎ感と快適な明るさ感を与えることができる。
【0049】また、30°〜−30°の方向に放たれる光は、上記実施形態と同様に、対向する壁面21に120[lx]以上の適切な照度をもたらすと共に、照明装置1を設置した壁面21の対向壁面21及び天井面23を明るく照らすことができる。これにより、その居室空間にいる者に快適な明るさ感を与えることができる。
【0050】また、0°〜−30°の方向に放たれる光は、上記実施形態と同様に、居室空間にいる者への眩しさを抑えることができる。
【0051】また、略−90°〜−100°の方向に放たれる光は、上記実施形態と同様に、照明装置1を設置した壁面21の下部を明るく照らすことができる。これにより、その居室空間にいる者に高い安らぎ感と快適な明るさ感を与えることができる。
【0052】また、本実施形態においても、床面22からの高さが0〜0.3[m]の壁面21の領域を領域A、床面22からの高さが1.2〜1.5[m]の壁面21の領域を領域B、壁面21からの距離が0.6〜0.9[m]の天井面23の領域を領域Cとし、領域Aの鉛直面照度をFa、領域Bの鉛直面照度をFb、領域Cの下向き水平面照度をFcとしたとき、壁面21における幅方向の中央付近において1.5≦Fb/Fa≦2.0かつ1.0≦Fc/Fb≦2.0が満たされ、また、100[lx]≦Fa≦150[lx]が満たされる。すなわち、本実施形態においても、実験により得た安らぎ感の高い照明環境と快適な明るさ感の照明環境が実現されるので、居室空間にいる者に高い安らぎ感と快適な明るさ感を与えることができる。
【0053】さらに、本実施形態においては、壁面21からの距離が0.9[m]以上離れた天井面23の領域の下向き水平面照度をFdとしたとき、80[lx]≦Fd≦200[lx]が満たされる。すなわち、実験により得た別の快適な明るさ感の照明環境も実現されるので、なお一層、居室空間にいる者に高い安らぎ感と快適な明るさ感を与えることができる。
【0054】<第3の実施形態>次に、第3の実施形態による照明装置1の概略構成を図15に示す。本実施形態においては、セード3は、蛍光灯2から60°〜−60°の範囲を覆う透過率約37%の半透過セード3aから構成されている。その他の構成については、上記実施形態と同様であり、その説明を省略する。
【0055】このような構成により、照明装置1は、60°〜−60°の方向へは半透過セード3aにより減衰された光を放つ。また、約60°〜150°の方向及び約−60°〜−150°の方向へは、蛍光灯2からの直接の光と反射体4により反射された光を直に放つ。
【0056】この結果、照明装置1は、図16に示す符号■を付したハッチング部分の方向すなわち−30°〜−60°の方向に放たれる光の光度の最小値は、蛍光灯2の放つ光束1000[lm]あたり40[cd]以上となる。なお、略90°〜120°の方向と略−90°〜−120°の方向、30°〜−30°の方向、0°〜−30°の方向、−90°〜−100°の方向、及び30°〜60°の方向へは、上記の実施形態と同様の光が放たれる。
【0057】そして、この照明装置1を、3畳程度以上12畳程度以下の広さで、かつ短辺に対する長辺の比が2以下で、かつ天井面23の高さが1.8[m]以上3.0[m]以下の居室空間の対向する2つの壁面21に、それぞれ、床面22からの高さ2.0[m]付近で設置する。
【0058】これにより、−30°〜−60°の方向へ放たれる光の光度の最小値は、光源の放つ光束1000[lm]あたり40[cd]以上なので、床面22方向を明るく照らすことができる。これにより、作業面が適切な明るさとなり、居室空間にいる者が視作業を行う際に、作業に支障がない照明環境を与えることができる。
【0059】また、略90°〜120°の方向と略−90°〜−120°の方向に放たれる光は、上記の実施形態と同様に、照明装置1を設置した壁面21を明るく照らすことができ、照明装置1を設置した壁面21からの反射拡散光が部屋全体に行き渡り、かつ十分な間接光成分を確保することができる。これにより、その居室空間にいる者に高い安らぎ感と快適な明るさ感を与えることができる。
【0060】また、30°〜−30°の方向に放たれる光は、上記実施形態と同様に、対向する壁面21に120[lx]以上の適切な照度をもたらすと共に、照明装置1を設置した壁面21の対向壁面21及び天井面23を明るく照らすことができる。これにより、その居室空間にいる者に快適な明るさ感与えることができる。
【0061】また、0°〜−30°の方向に放たれる光は、上記実施形態と同様に、居室空間にいる者への眩しさを抑えることができる。
【0062】また、略−90°〜−100°の方向に放たれる光は、上記実施形態と同様に、照明装置1を設置した壁面21の下部を明るく照らすことができる。これにより、その居室空間にいる者に高い安らぎ感と快適な明るさ感を与えることができる。
【0063】また、略30°〜60°の方向に放たれる光は、上記実施形態と同様に、天井面23方向を明るく照らし、かつ天井面23からの反射拡散光を確保することができる。これにより、その居室空間にいる者に高い安らぎ感と快適な明るさ感を与えることができる。
【0064】また、本実施形態においても、床面22からの高さが0〜0.3[m]の壁面21の領域を領域A、床面22からの高さが1.2〜1.5[m]の壁面21の領域を領域B、壁面21からの距離が0.6〜0.9[m]の天井面23の領域を領域Cとし、領域Aの鉛直面照度をFa、領域Bの鉛直面照度をFb、領域Cの下向き水平面照度をFcとしたとき、壁面21における幅方向の中央付近において1.5≦Fb/Fa≦2.0かつ1.0≦Fc/Fb≦2.0が満たされ、また、100[lx]≦Fa≦150[lx]が満たされる。また、壁面21からの距離が0.9[m]以上離れた天井面23の領域の下向き水平面照度をFdとしたとき、80[lx]≦Fd≦200[lx]が満たされる。すなわち、本実施形態においても、実験により得た安らぎ感の高い照明環境と快適な明るさ感の照明環境が実現されるので、居室空間にいる者に高い安らぎ感と快適な明るさ感を与えることができる。
【0065】<第4の実施形態>次に、第4の実施形態による照明装置1の概略構成を図17に示す。本実施形態においては、セード3は、蛍光灯2から30°〜−30°の範囲を覆う透過率約37%の半透過セード3aと、蛍光灯2から30°〜60°の範囲及び−30°〜壁面21までの範囲を覆う不透過セード3bとから構成されている。その他の構成については、上記実施形態と同様であり、その説明を省略する。
【0066】このような構成により、照明装置1は、30°〜−30°の方向へは半透過セード3aにより減衰された光を放ち、30°〜60°の方向及び−30°〜壁面21までの方向へは不透過セード3bのために光を放たない。また、約60°〜150°の方向へは、蛍光灯2からの直接の光と反射体4により反射された光を直に放つ。
【0067】そして、この照明装置1を、3畳程度以上12畳程度以下の広さで、かつ短辺に対する長辺の比が2以下で、かつ天井面23の高さが1.8[m]以上3.0[m]以下の居室空間の対向する2つの壁面21に、それぞれ、床面22からの高さ2.0[m]付近で設置する。
【0068】これにより、略90°〜120°の方向との方向に放たれる光は、上記の実施形態と同様に、照明装置1を設置した壁面21を明るく照らすことができ、照明装置1を設置した壁面21からの反射拡散光が部屋全体に行き渡り、かつ十分な間接光成分を確保することができる。これにより、その居室空間にいる者に高い安らぎ感と快適な明るさ感を与えることができる。
【0069】また、30°〜−30°の方向に放たれる光は、上記実施形態と同様に、対向する壁面21に適切な照度をもたらすと共に、照明装置1を設置した壁面21の対向壁面21及び天井面23を明るく照らすことができる。これにより、その居室空間にいる者に快適な明るさ感与えることができる。
【0070】また、0°〜−30°の方向に放たれる光は、上記実施形態と同様に、居室空間にいる者への眩しさを抑えることができる。
【0071】<第5の実施形態>次に、第5の実施形態による照明装置1の概略構成を図18に示す。本実施形態においては、蛍光灯2の下方に調光可能な40Wの直管蛍光灯6を設け、白色塗装した鉄製の反射板7により蛍光灯2と蛍光灯6とを略−30°の方向で分け隔てている。また、セード3は、これらの蛍光灯2、蛍光灯6から60°〜−60°の範囲を覆う透過率約37%の半透過セード3aから構成されている。その他の構成については、上記実施形態と同様であり、その説明を省略する。
【0072】このような構成により、照明装置1は、−30°〜−60°の方向へは、調光可能な蛍光灯6からの光を半透過セード3aにより減衰して放ち、−60°〜150°の方向へは、調光可能な蛍光灯6からの直接の光と反射体4により反射された光を直に放つ。また、60°〜−30°の方向へは、蛍光灯2からの光を半透過セード3aにより減衰して放ち、60°〜150°の方向へは、蛍光灯2からの直接の光と反射体4により反射された光を直に放つ。
【0073】この結果、照明装置1は、図19に示す符号■を付したハッチング部分の方向すなわち−30°〜−60°の方向に放たれる光の光度は可変となる。なお、略90°〜120°の方向、30°〜−30°の方向、0°〜−30°の方向、30°〜60°の方向へは、上記の実施形態と同様の光が放たれる。
【0074】そして、この照明装置1を、3畳程度以上12畳程度以下の広さで、かつ短辺に対する長辺の比が2以下で、かつ天井面23の高さが1.8[m]以上3.0[m]以下の居室空間の壁面21に、床面22からの高さ2.0[m]付近で設置する。
【0075】これにより、−30°〜−60°の方向へ放たれる光の光度を調整することができ、作業面の高さに応じて光度を調整することができる。これにより、作業面がどの高さでも、居室空間にいる者が視作業を行う際に、作業に支障がない照明環境を与えることができる。
【0076】また、略90°〜120°の方向と略−90°〜−120°の方向に放たれる光は、上記の実施形態と同様に、照明装置1を設置した壁面21を明るく照らすことができ、照明装置1を設置した壁面21からの反射拡散光が部屋全体に行き渡り、かつ十分な間接光成分を確保することができる。これにより、その居室空間にいる者に高い安らぎ感と快適な明るさ感を与えることができる。
【0077】また、30°〜−30°の方向に放たれる光は、上記実施形態と同様に、対向する壁面21に適切な照度をもたらすと共に、照明装置1を設置した壁面21の対向壁面21及び天井面23を明るく照らすことができる。これにより、その居室空間にいる者に快適な明るさ感与えることができる。
【0078】また、0°〜−30°の方向に放たれる光は、上記実施形態と同様に、居室空間にいる者への眩しさを抑えることができる。
【0079】また、略30°〜60°の方向に放たれる光は、上記実施形態と同様に、天井面23方向を明るく照らし、かつ天井面23からの反射拡散光を確保することができる。これにより、その居室空間にいる者に高い安らぎ感と快適な明るさ感を与えることができる。
【0080】<第6の実施形態>次に、第6の実施形態による照明装置1の概略構成を図20に示す。本実施形態においては、蛍光灯2の両横側に、スポットライト8を設けている。その他の構成については、上記実施形態と同様であり、その説明を省略する。このスポットライト8は、照明方向を調整することができるように、回動自在に設けられている。また、このスポットライト8は、明るさを調整することができるようになっている。
【0081】そして、この照明装置1を、図21に示すように、3畳程度以上12畳程度以下の広さで、かつ短辺に対する長辺の比が2以下で、かつ天井面23の高さが1.8[m]以上3.0[m]以下の居室空間の壁面21に、床面22からの高さ2.0[m]付近で設置する。
【0082】これにより、蛍光灯2からの光による壁面21及び天井面23からの反射拡散光が部屋全体に行き渡りかつ十分な間接光成分が得られると共に、スポットライト8からの照明により、作業領域24を部分的にかつ適切な明るさで照らすことができる。これにより、居室空間にいる者に高い安らぎ感と快適な明るさ感を与えることができると共に、居室空間にいる者が視作業を行う際に作業に支障がない適切な明るさの照明環境を与えることができる。
【0083】<第7の実施形態>次に、第7の実施形態による照明方法を図22に示す。本実施形態においては、床面22の広さが12畳、天井面23の高さが2.5[m]の居室空間において、天井面23に60[w]のスポットライト9(総光束800[lm])を1台設置し、床面22に75[w]のフロアスタンド10(総光束1000[lm])を3台と60[w]の床置照明器具11(総光束800[lm])を2台図示のように設置する。
【0084】これにより、壁面21において、床面22からの高さが0〜0.3[m]の壁面21の領域を領域A、床面22からの高さが1.2〜1.5[m]の壁面21の領域を領域B、壁面21からの距離が0.6〜0.9[m]の天井面23の領域を領域Cとし、領域Aの鉛直面照度をFa、領域Bの鉛直面照度をFb、領域Cの下向き水平面照度をFcとしたとき、Fa=120[lx]、Fb=180[lx]、Fc=240[lx]となる。すなわち、Fb/Fa=1.5、Fc/Fb=1.3となり、1.5≦Fb/Fa≦2.0かつ1.0≦Fc/Fb≦2.0が満たされ、また、100[lx]≦Fa≦150[lx]が満たされる。
【0085】従って、本実施形態においては、実験により得た安らぎ感の高い照明環境と快適な明るさ感の照明環境が実現され、居室空間にいる者に高い安らぎ感と快適な明るさ感を与えることができる。
【0086】<第8の実施形態>次に、第8の実施形態による照明方法を図23に示す。本実施形態においては、床面22の広さが12畳、天井面23の高さが2.5[m]の居室空間において、天井面23に60[w]のスポットライト9(総光束800[lm])を2台設置し、床面22に75[w]のフロアスタンド10(総光束1000[lm])を4台と60[w]の床置照明器具11(総光束800[lm])を3台図示のように設置する。
【0087】これにより、2つの壁面21のそれぞれにおいて、床面22からの高さが0〜0.3[m]の壁面21の領域を領域A、床面22からの高さが1.2〜1.5[m]の壁面21の領域を領域B、壁面21からの距離が0.6〜0.9[m]の天井面23の領域を領域Cとし、領域Aの鉛直面照度をFa、領域Bの鉛直面照度をFb、領域Cの下向き水平面照度をFcとしたとき、Fa=120[lx]、Fb=180[lx]、Fc=240[lx]となる。すなわち、2つの壁面21のそれぞれにおいて、Fb/Fa=1.5、Fc/Fb=1.3となり、1.5≦Fb/Fa≦2.0かつ1.0≦Fc/Fb≦2.0が満たされ、また、100[lx]≦Fa≦150[lx]が満たされる。
【0088】従って、本実施形態においては、実験により得た安らぎ感の高い照明環境と快適な明るさ感の照明環境が実現され、居室空間にいる者に高い安らぎ感と快適な明るさ感を与えることができる。
【0089】<第9の実施形態>次に、第9の実施形態による照明方法を図24に示す。本実施形態においては、図24に示すように、居室空間30(図中のハッチング部分)は、大部屋31の一角に障子32で仕切られて設けられており、障子32と対抗する側に隣り合った2つの壁面21が存在している。そして、この居室空間30の一方の壁面21の近くに、高さ1.8[m]のフロアスタンド10を2台と高さ0.5[m]の床置照明器具11を1台図示のように設置する。また、もう一方の壁面21には、高さ2.0[m]付近にで壁付照明12を1台設置する。
【0090】これにより、床面からの高さが0〜0.3[m]の壁面21の領域を領域A、床面からの高さが1.2〜1.5[m]の壁面21の領域を領域B、壁面21からの距離が0.6〜0.9[m]の天井面の領域を領域Cとし、領域Aの鉛直面照度をFa、領域Bの鉛直面照度をFb、領域Cの下向き水平面照度をFcとしたとき、Fb/Fa=1.5、Fc/Fb=1.3となり、1.5≦Fb/Fa≦2.0かつ1.0≦Fc/Fb≦2.0を満たすように照明する。
【0091】<第10の実施形態>次に、第10の実施形態による照明方法を図25に示す。本実施形態においては、図25に示すように、居室空間30は、略半円形状に構成されており、平な壁面21と曲面状の壁面21aとを備えている。そして、この居室空間30の曲面状の壁面21aの近くに、高さ1.8[m]のフロアスタンド10を2台と高さ0.5[m]の床置照明器具11を2台、図示のように設置する。また、平らな壁面21には、高さ2.0[m]のスポットライト13を2台設置し、居室空間30の略中央に、天井から吊るされる高さ2.0[m]のペンダント照明器具14を4台設置する。
【0092】これにより、床面からの高さが0〜0.3[m]の壁面21の領域を領域A、床面からの高さが1.2〜1.5[m]の壁面21の領域を領域B、壁面21からの距離が0.6〜0.9[m]の天井面の領域を領域Cとし、領域Aの鉛直面照度をFa、領域Bの鉛直面照度をFb、領域Cの下向き水平面照度をFcとしたとき、Fb/Fa=1.5、Fc/Fb=1.3となり、1.5≦Fb/Fa≦2.0かつ1.0≦Fc/Fb≦2.0を満たすように照明する。
【0093】<第11の実施形態>次に、第11の実施形態による照明方法を図26に示す。本実施形態においては、床面22の広さが12畳、天井面23の高さが2.5[m]の居室空間において、壁からの60[w]のスポットライト(総光束800[lm])を4台(不図示)設置し、天井面23に62[w]のシーリングライト15(総光束4640[lm])を設置し、床面22に75[w]のフロアスタンド10(総光束1000[lm])を3台と60[w]の床置照明器具11(総光束800[lm])を3台図示のように設置する。
【0094】これにより、2つの壁面21のそれぞれにおいて、床面22からの高さが0〜0.3[m]の壁面21の領域を領域A、床面22からの高さが1.2〜1.5[m]の壁面21の領域を領域B、壁面21からの距離が0.6〜0.9[m]の天井面23の領域を領域Cとし、領域Aの鉛直面照度をFa、領域Bの鉛直面照度をFb、領域Cの下向き水平面照度をFcとしたとき、Fa=120[lx]、Fb=180[lx]、Fc=240[lx]となる。すなわち、2つの壁面21のそれぞれにおいて、Fb/Fa=1.5、Fc/Fb=1.3となり、1.5≦Fb/Fa≦2.0かつ1.0≦Fc/Fb≦2.0が満たされ、また、100[lx]≦Fa≦150[lx]が満たされる。
【0095】また、壁面21からの距離が0.9[m]以上離れた天井面23の領域の下向き水平面照度をFdとしたとき、Fd=80[lx]となり、80[lx]≦Fd≦200[lx]が満たされる。
【0096】従って、本実施形態においては、実験により得た安らぎ感の高い照明環境と快適な明るさ感の照明環境が実現され、居室空間にいる者に高い安らぎ感と快適な明るさ感を与えることができる。
【0097】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明によれば、3畳程度以上12畳程度以下の広さで、かつ短辺に対する長辺の比が略2以下で、かつ天井高さ略1.8[m]以上3.0[m]以下の居室空間において、床面からの高さが0〜0.3[m]の壁面の領域を領域A、床面からの高さが1.2〜1.5[m]の壁面の領域を領域B、壁面からの距離が0.6〜0.9[m]の天井面の領域を領域Cとし、領域Aの鉛直面照度をFa、領域Bの鉛直面照度をFb、領域Cの下向き水平面照度をFcとしたとき、居室空間の少なくとも一壁面における幅方向の中央付近において、1.5≦Fb/Fa≦2.0、かつ、1.0≦Fc/Fb≦2.0を満たすように照明される。これにより、壁面下部は暗くなりすぎることのない程度に壁面中心部よりも低照度、低輝度となる共に、壁面上部及び天井面は明るくなりすぎることのない程度に壁面中心部よりも高照度、高輝度となり、また、実験により得た安らぎ感の高い照明環境と快適な明るさ感の照明環境が実現されるので、居室空間にいる者に高い安らぎ感と快適な明るさ感を与えることができる。
【0098】また、請求項2の発明によれば、居室空間の少なくとも一壁面における幅方向の中央付近において、100[lx]≦Fa≦150[lx]を満たすように照明すように照明される。これにより、壁面下部が過剰に低照度、低輝度となることがなく適度な明るさで照らされ、また、実験により得た安らぎ感の高い照明環境と快適な明るさ感の照明環境が実現されるので、居室空間にいる者に高い安らぎ感と快適な明るさ感を与えることができる。
【0099】また、請求項3の発明によれば、壁面からの距離が0.9[m]以上離れた天井面の領域の下向き水平面照度をFdとしたとき、80[lx]≦Fd≦200[lx]を満たすように照明される。これにより、天上面が過剰に高照度、高輝度となることがなく適度な明るさで照らされ、また、実験により得た安らぎ感の高い照明環境と快適な明るさ感の照明環境が実現されるので、居室空間にいる者に高い安らぎ感と快適な明るさ感を与えることができる。
【0100】また、請求項4の発明によれば、作業面が適切な明るさとなり、居室空間にいる者が視作業を行う際に、作業に支障がない環境を与えることができる。
【0101】また、請求項5の発明によれば、作業面がどの高さでも、居室空間にいる者が視作業を行う際に、作業に支障がない環境を与えることができる。
【0102】また、請求項6の発明によれば、この照明装置を天井高さ略1.8[m]以上3.0[m]以下の居室空間において壁面の高さ略2.0[m]付近に設置することにより、居室空間にいる者への眩しさを抑えつつ対向壁面を明るくすることができ、また、上下方向の光により居室空間全体を明るく照らすことができる。これにより、その居室空間にいる者に高い安らぎ感を与えることができる。
【0103】また、請求項7の発明によれば、この照明装置を設置した壁面の対向壁面及び天井面を明るく照らすことができる。これにより、その居室空間にいる者に高い安らぎ感と快適な明るさ感を与えることができる。
【0104】また、請求項8の発明によれば、この照明装置を設置した壁面を明るく照らすことができ、かつ十分な間接光成分を確保することができる。これにより、その居室空間にいる者に高い安らぎ感と快適な明るさ感を与えることができる。
【0105】また、請求項9の発明によれば、この照明装置を設置した壁面の下部を明るく照らすことができる。これにより、その居室空間にいる者に高い安らぎ感と快適な明るさ感を与えることができる。
【0106】また、請求項10の発明によれば、天井面方向を明るく照らし、かつ天井面からの反射拡散光を確保することができる。これにより、その居室空間にいる者に高い安らぎ感と快適な明るさ感を与えることができる。
【0107】また、請求項11の発明によれば、床面方向を明るく照らすことができる。これにより、作業面が適切な明るさとなり、居室空間にいる者が視作業を行う際に、作業に支障がない照明環境を与えることができる。
【0108】また、請求項12の発明によれば、床面方向の明るさを調整することができる。これにより、作業面がどの高さでも、居室空間にいる者が視作業を行う際に、作業に支障がない照明環境を与えることができる。
【0109】また、請求項13の発明によれば、作業位置に応じて床面方向を部分的に照らすことができる。これにより、作業面が適切な明るさとなり、居室空間にいる者が視作業を行う際に、作業に支障がない照明環境を与えることができる。
【0110】また、請求項14の発明によれば、作業面方向の明るさを調整することができる。これにより、作業面がどの位置、どの高さでも、居室空間にいる者が視作業を行う際に、作業に支障がない照明環境を与えることができる。また、請求項15に発明によれば、この照明装置を天井高さ略1.8[m]以上3.0[m]異化の居室空間において壁面の高さ略2.0[m]付近に設置することにより、請求項6の発明と同様に、居室空間にいる者への眩しさを抑えつつ対向壁面を明るくすることができ、また、上下方向の光により居室空間全体を明るく照らすことができる。これにより、その居室空間にいる者に高い安らぎ感を与えることができる。
【0111】また、請求項15に発明によれば、この照明装置を天井高さ略1.8[m]以上3.0[m]以下の居室空間において壁面の高さ略2.0[m]付近に設置することにより、請求項6の発明と同様に、居室空間にいる者への眩しさを抑えつつ対向壁面を明るくすることができ、また、上下方向の光により居室空間全体を明るく照らすことができる。これにより、その居室空間にいる者に高い安らぎ感を与えることができる。
【0112】また、請求項16の発明によれば、3畳程度以上12畳程度以下の広さで、かつ短辺に対する長辺の比が略2以下で、かつ天井高さ略1.8[m]以上3.0[m]以下の居室空間において、床面からの高さが0〜0.3[m]の壁面の領域を領域A、床面からの高さが1.2〜1.5[m]の壁面の領域を領域B、壁面からの距離が0.6〜0.9[m]の天井面の領域を領域Cとし、領域Aの鉛直面照度をFa、領域Bの鉛直面照度をFb、領域Cの下向き水平面照度をFcとしたとき、居室空間の少なくとも一壁面における幅方向の中央付近において、1.5≦Fb/Fa≦2.0、かつ、1.0≦Fc/Fb≦2.0を満たすように照明される。これにより、請求項1の発明と同様に、壁面下部は暗くなりすぎることのない程度に壁面中心部よりも低照度、低輝度となる共に、壁面上部及び天井面は明るくなりすぎることのない程度に壁面中心部よりも高照度、高輝度となり、また、実験により得た安らぎ感の高い照明環境と快適な明るさ感の照明環境が実現されるので、居室空間にいる者に高い安らぎ感と快適な明るさ感を与えることができる。
【出願人】 【識別番号】000005832
【氏名又は名称】松下電工株式会社
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1048番地
【出願日】 平成13年6月26日(2001.6.26)
【代理人】 【識別番号】100084375
【弁理士】
【氏名又は名称】板谷 康夫
【公開番号】 特開2003−16803(P2003−16803A)
【公開日】 平成15年1月17日(2003.1.17)
【出願番号】 特願2001−193810(P2001−193810)