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【発明の名称】 シリンダキャビネット及びその配管内の残留ガスのパージ方法
【発明者】 【氏名】坂本 豊
【住所又は居所】東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株式会社内

【氏名】狩野 恒男
【住所又は居所】東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株式会社内

【氏名】小川 貴史
【住所又は居所】東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株式会社内

【氏名】松村 浩
【住所又は居所】東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株式会社内

【氏名】三五 利明
【住所又は居所】東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株式会社内

【氏名】伊藤 清登
【住所又は居所】東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株式会社内

【氏名】大竹 紀夫
【住所又は居所】神奈川県川崎市中原区市ノ坪370番地 東横化学株式会社内

【要約】 【課題】1次側配管内に残留するガスを高い効率でパージし、加圧放置パージ及び直前パージの際、1次側配管内を加圧中、真空発生器を停止させる。

【解決手段】ガス22を収容するシリンダ1は、シリンダ元バルブ23を備え、充填管2、1次側配管14、エアオペレートバルブ6、減圧弁7、2次側配管19及びエアオペレートバルブ10を介して供給側に接続する。不活性ガス15が、エアオペレートバルブ13を介して1次側配管14に流入する。1次側配管は、エアオペレートバルブ5と配管20を介して真空発生器11に接続する。1次側配管内に、2〜10分の不活性ガスによる加圧放置及び20秒の真空引きを繰り返す加圧放置パージを自動的に行うことにより、1次側配管内の残留ガスを排気ガス18としてパージする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ガスを収容するシリンダは、シリンダ元バルブを備え、充填管、1次側配管、第1エアオペレートバルブ、減圧弁、2次側配管及び第2エアオペレートバルブを介して供給側に接続し、不活性ガスが第3エアオペレートバルブを介して前記1次側配管に流入し、前記1次側配管は第4エアオペレートバルブ及び配管を介して真空発生器に接続し、前記1次側配管内に、2〜10分の不活性ガスによる加圧放置及び20秒の真空引きを繰り返す加圧放置パージを自動的に行うことにより、前記1次側配管内の残留ガスをパージすることを特徴とするシリンダキャビネット。
【請求項2】 前記シリンダの交換に際して前記充填管を前記シリンダから取り外す直前に、前記1次側配管内に10秒以上の前記不活性ガスによる加圧及び20秒の真空引きを10回繰り返す直前パージを自動的に行うことを特徴とする請求項1記載のシリンダキャビネット。
【請求項3】 前記加圧放置パージ及び前記直前パージの際、前記1次側配管内を加圧中、前記真空発生器を停止させることを特徴とする請求項2記載のシリンダキャビネット。
【請求項4】 ガスを収容するシリンダは、シリンダ元バルブを備え、充填管、1次側配管、第1エアオペレートバルブ、減圧弁、2次側配管及び第2エアオペレートバルブを介して供給側に接続し、不活性ガスが第3エアオペレートバルブを介して前記1次側配管に流入し、前記1次側配管は第4エアオペレートバルブ及び配管を介して真空発生器に接続するシリンダキャビネットにおいて、前記1次側配管内に、2〜10分の不活性ガスによる加圧放置及び20秒の真空引きを繰り返す加圧放置パージを自動的に行うことにより、前記1次側配管内の残留ガスをパージすることを特徴とするシリンダキャビネットの配管内の残留ガスのパージ方法。
【請求項5】 前記シリンダの交換に際して前記充填管を前記シリンダから取り外す直前に前記1次側配管内に10秒以上の前記不活性ガスによる加圧及び20秒の真空引きを10回繰り返す直前パージを自動的に行うことを特徴とする請求項4記載のシリンダキャビネットの配管内の残留ガスのパージ方法。
【請求項6】 前記加圧放置パージ及び前記直前パージの際、前記1次側配管内を加圧中、前記真空発生器を停止させることを特徴とする請求項5記載のシリンダキャビネットの配管内の残留ガスのパージ方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリンダキャビネットにおける配管内に残留するガスをパージする装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のシリンダキャビネットそれ自体は、本願発明の第1実施の形態例に係るシリンダキャビネットと同様であるから図1を利用して説明する。
【0003】従来、シリンダキャビネットにおける1次側配管14内に残留するガスをパージする方法は、主として手動操作により行われている。1次側配管14内に、5〜30秒の不活性ガス15による加圧放置及び約20秒の真空発生器11による真空引きを繰り返す加圧放置パージを手動により行う。また、シリンダ1内のガス22が供給側16で消費された場合、シリンダ1をガスが充填された新たなシリンダに交換するが、充填管2をシリンダ1から取り外す直前に、1次側配管14内に10秒以上の不活性ガス15による加圧及び約20秒の真空引きの直前パージを手動により1回行う。
【0004】従来のシリンダキャビネットにおける1次側配管14内に残留するガスをパージする方法では、所期の目的を十分には達成することができない。すなわち、シリンダ1の交換の際、大気中の水分と残留ガスが反応することにより、配管内が腐食する。この結果、諸エアオペレートバルブ及び減圧弁等の部品のトラブルが発生する。また、実際上、1次側配管14内の残留ガスのパージ終了直後にシリンダ1を交換できないため、ガスが1次側配管14内に長時間放置されて遊離した状態で、充填管2をシリンダ1から取り外すので、ガスが漏洩する。更に、加圧放置パージ及び直前パージの際、1次側配管14内を加圧中、真空発生器11が常時起動しているため、起動用窒素17の消費量が多くなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、前記従来の技術の欠点を改良し、1次側配管内に残留するガスを高い効率でパージし、加圧放置パージ及び直前パージの際、1次側配管内を加圧中、真空発生器が停止するシリンダキャビネット及びその配管内の残留ガスのパージ方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解決するため、次の手段を採用する。
【0007】1.ガスを収容するシリンダは、シリンダ元バルブを備え、充填管、1次側配管、第1エアオペレートバルブ、減圧弁、2次側配管及び第2エアオペレートバルブを介して供給側に接続し、不活性ガスが第3エアオペレートバルブを介して前記1次側配管に流入し、前記1次側配管は第4エアオペレートバルブ及び配管を介して真空発生器に接続し、前記1次側配管内に、2〜10分の不活性ガスによる加圧放置及び20秒の真空引きを繰り返す加圧放置パージを自動的に行うことにより、前記1次側配管内の残留ガスをパージするシリンダキャビネット。
【0008】2.前記シリンダの交換に際して前記充填管を前記シリンダから取り外す直前に前記1次側配管内に10秒以上の前記不活性ガスによる加圧及び20秒の真空引きを10回繰り返す直前パージを自動的に行う前記1記載のシリンダキャビネット。
【0009】3.前記加圧放置パージ及び前記直前パージの際、前記1次側配管内を加圧中、前記真空発生器を停止させる前記2記載のシリンダキャビネット。
【0010】4.ガスを収容するシリンダは、シリンダ元バルブを備え、充填管、1次側配管、第1エアオペレートバルブ、減圧弁、2次側配管及び第2エアオペレートバルブを介して供給側に接続し、不活性ガスが第3エアオペレートバルブを介して前記1次側配管に流入し、前記1次側配管は第4エアオペレートバルブ及び配管を介して真空発生器に接続するシリンダキャビネットにおいて、前記1次側配管内に、2〜10分の不活性ガスによる加圧放置及び20秒の真空引きを繰り返す加圧放置パージを自動的に行うことにより、前記1次側配管内の残留ガスをパージするシリンダキャビネットの配管内の残留ガスのパージ方法。
【0011】5.前記シリンダの交換に際して前記充填管を前記シリンダから取り外す直前に前記1次側配管内に10秒以上の前記不活性ガスによる加圧及び20秒の真空引きを10回繰り返す直前パージを自動的に行う前記4記載のシリンダキャビネットの配管内の残留ガスのパージ方法。
【0012】6.前記加圧放置パージ及び前記直前パージの際、前記1次側配管内を加圧中、前記真空発生器を停止させる前記5記載のシリンダキャビネットの配管内の残留ガスのパージ方法。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の2つの実施の形態例について説明する。
【0014】まず、本発明の第1実施の形態例について図1〜図3を参照して説明する。
【0015】図1において、シリンダ1は、充填管2に接続される。シリンダ元バルブ23が開かれると、シリンダ1内のガス22は1次側配管14に導入される。エアオペレートバルブ6が開かれ、ガス22の圧力が減圧弁7により減小され、エアオペレートバルブ10が開かれると、ガス22は2次側配管19を介して供給側16に供給される。圧力計4は1次側配管14内の圧力を検出し、圧力計8は2次側配管19内の圧力を検出することができる。エアオペレートバルブ3が開かれると、窒素等の不活性ガス15は1次側配管14に導入される。エアオペレートバルブ12が開かれると、窒素17が配管21を通って真空発生器11に流れることにより、配管20内を真空にすることができる。
【0016】更に、この状態で、エアオペレートバルブ9が開かれると、2次側配管19内を真空にすることができる。また、エアオペレートバルブ5が開かれると、1次側配管14内を真空にすることができる。真空発生器11へ流れる窒素17の質量流量は、マスフローメータ13により検出される。真空発生器11から排出される排気ガス18は、窒素17とガス22とを含む。
【0017】シリンダ1内のガス22が供給側16で消費され、シリンダ1内のガス22がなくなった場合には、シリンダ1をガス22が充填された新たなシリンダに交換する必要がある。シリンダ1を新たなシリンダに交換する際、充填管2がシリンダ1から取り外されるため、1次側配管14内のガスが、除去されていなければ、大気中に漏れてしまう。1次側配管14内のガス22を高い効率でパージするための動作について図1〜図3を参照して説明する。
【0018】1.残ガス排気(ステップA1)
まず、シリンダ元バルブ23が閉じられると、シリンダ1内のガス22は排出されない(ステップA3)。このとき、エアオペレートバルブ3,5,6は、閉じている。エアオペレートバルブ12が開かれ、真空発生器11が起動した後、エアオペレートバルブ5が20秒程度開かれると、1次側配管14内に残るガス22は排出される(ステップA4及びA5)。その後、エアオペレートバルブ5が閉じ、更に、エアオペレートバルブ12が閉じて、真空発生器11が停止する(ステップA6及びA7)。その後、加圧放置パージを行う(ステップA2)。以下に加圧放置パージについて説明する。
【0019】2.加圧放置パージ(ステップA2)
エアオペレートバルブ3が5秒間開くと、0.2MPa以上の窒素等の不活性ガス15は、エアオペレートバルブ5、エアオペレートバルブ6及びシリンダ元バルブ23により閉鎖された1次側配管14内を加圧する(ステップA8)。加圧完了後、エアオペレートバルブ3は閉じて、2〜10分加圧放置する(ステップA9)。2〜10分加圧放置後、エアオペレートバルブ12が開き、真空発生器11が起動した後、エアオペレートバルブ5が開き、1次側配管14内に加圧された窒素等の不活性ガス15は排気され、20秒の真空引きをされる(ステップA10及びA11)。
【0020】加圧された窒素等の不活性ガス15が1次側配管14内から20秒程度排気され真空引きされた後、エアオペレートバルブ5、エアオペレートバルブ12の順に閉じられ、真空発生器11が停止する(ステップA12及びA13)。この一連の動作が1回の加圧放置パージであり、加圧放置パージは50回から100回行われる(ステップA14及びA15)。ガス22として臭化水素を使用した実験では、本実施例の残留濃度(ppm)は、従来技術のそれの数分の1〜数十分の1程度であることを確認した。その後、直前パージを行う(ステップB1)。以下に直前パージについて説明する。
【0021】3.直前パージ(ステップB1)
シリンダ1を新たなシリンダに交換する際、充填管2をシリンダ1から取り外すため、エアオペレートバルブ3が5秒間開かれて、0.2MPa以上の窒素等の不活性ガス15がエアオペレートバルブ5、エアオペレートバルブ6及びシリンダ元バルブ23により閉鎖された1次側配管14内に充填される(ステップB2)。充填完了後、エアオペレートバルブ3が閉じて、10秒以上放置される(ステップB3)。10秒以上放置後、エアオペレートバルブ12が開き、真空発生器11が起動した後、エアオペレートバルブ5が開かれ、1次側配管14内に充填された窒素等の不活性ガス15は排気され真空引きされる(ステップB4及びB5)。加圧された窒素等の不活性ガス15が1次側配管14内から20秒程度排気され真空引きされた後、エアオペレートバルブ5、エアオペレートバルブ12の順に閉じられ、真空発生器11が停止する(ステップB6及びB7)。この一連の動作が1回の直前パージであり、直前パージは10回程度行われる(ステップB8及びB9)。ガス22として臭化水素を使用した実験では、ガス濃度(ppm)が、加圧放置パージ後2ppm、加圧放置パージ30分後27ppmであったが、直前パージ後0.3ppmであることを確認した。
【0022】前述した残留ガス排気、加圧放置パージ及び直前パージの各動作は、シーケンス制御により自動的に行われる。
【0023】次に、本発明の第2実施の形態例について図1、図4及び図5を参照して説明する。第2実施の形態例については、第1実施の形態例と同様な点の説明を省略し、相違する点のみの説明を行う。
【0024】第1の相違点は、次の通りである。すなわち、エアオペレートバルブ12が開くと、窒素17が真空発生器11に流れ、真空発生器11は起動するが、窒素17の質量流量が真空発生器11の真空発生能力を十分に発揮することができるか否かをマスフローメータ13により確認することである。真空発生器11は、概ね40L/min以上の窒素流量で真空発生能力を発揮することができる。そこで、マスフローメータ13を流れる窒素流量が40L/min以上であることを確認するステップを追加する(ステップC1,C7及びD3)。窒素流量が40L/min未満の場合には、エアオペレートバルブ12を閉じる(ステップC2,C8及びD4)。
【0025】第2の相違点は、次のとおりである。すなわち、エアオペレートバルブ5を開き、1次側配管14内を真空引きする際に、真空引きが確実に行われたか否かを圧力計4により確認することである。真空引きを開始し、圧力計4の指示値が0MPa以下であることを確認するステップを追加する(ステップC3,C9及びD5)。このステップを追加することにより、確実な真空引きが行われる。圧力計4の指示値が0MPa以下でない場合は、エアオペレートバルブ5及び12を閉じる(ステップC4,C10及びD6)。
【0026】第3の相違点は、次のとおりである。すなわち、エアオペレートバルブ3を開いて、窒素等の不活性ガス15を1次側配管14内に導入する際、加圧された窒素等の不活性ガス15の圧力を圧力計4により確認することである。加圧された窒素等の不活性ガス15の圧力が0.2MPa未満である場合は、パージ効率が低下するため、0.2MPa以上であることを圧力計4によりより確認するステップを追加する(ステップC5及びD1)。加圧された窒素等の不活性ガス15が0.2MPa未満である場合は、エアオペレートバルブ3を閉じる(ステップC6及びD2)。
【0027】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明によれば、次の効果を奏する。
【0028】1.加圧放置パージを行うことにより、高効率の配管パージができるため、シリンダキャビネットの配管腐食を防止することができ、また、エアオペレートバルブ及び減圧弁等の部品のトラブルを低減することができる。高効率の配管パージができる理由を以下に説明する。一般的に気相中の被パージ分子は、真空パージの方が早くパージされる。その理由は、圧力が低い方が分子の拡散速度が速くなり、分子は速く拡散し放出されるためである。しかし、シリンダキャビネットの通常の使用状態では、ガスと配管が長い時間接触しているため、ガス分子が配管内壁に吸着する。配管内壁に吸着したガス分子は、物理的エネルギーを与えないと、気相中へ遊離しない。配管内を窒素で加圧し放置することにより、窒素分子はパージされるべきガス分子に衝突する。この結果、管内壁に吸着したガス分子が気相中に放出されるため、配管内を十分にパージすることができる。
【0029】2.実際上、加圧放置パージの終了直後にシリンダの交換を行えないため、シリンダが長い時間放置された場合、配管内壁に吸着しているガス分子が遊離する。直前パージを行うことにより遊離したガス分子を真空発生器から排気し、シリンダの交換時に充填管をシリンダから取り外す際のガス漏洩を防止することができる。
【0030】3.パージ用不活性ガス及び真空発生器起動用窒素の使用量を減少することができる。その理由は、パージ効率が高いためにパージ回数が少ないことと、加圧放置パージ及び直前パージによる1次側配管内を加圧中に、真空発生器が停止することである。
【出願人】 【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
【住所又は居所】東京都港区芝五丁目7番1号
【識別番号】000219565
【氏名又は名称】東横化学株式会社
【住所又は居所】神奈川県川崎市中原区市ノ坪370番地
【出願日】 平成13年6月27日(2001.6.27)
【代理人】 【識別番号】100071272
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 洋介 (外1名)
【公開番号】 特開2003−14193(P2003−14193A)
【公開日】 平成15年1月15日(2003.1.15)
【出願番号】 特願2001−194662(P2001−194662)