| 【発明の名称】 |
パイプの継ぎ手構造およびその継ぎ手構造を有する熱交換装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】小林 健一 【住所又は居所】埼玉県さいたま市膝子1430 株式会社正和大宮工場内
|
| 【要約】 |
【課題】マニホールド4の継ぎ手穴41内に、同継ぎ手穴41の外径よりも小径なカラーリング5(調芯手段)を設け、カラーリング5と継ぎ手穴41との間に生じた隙間を利用して、パイプ3の偏心量を吸収してスリーブ32を同軸的に受け止め、均等に当接させる。
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 パイプの継ぎ手されるべき端部から所定距離離れた位置で上記パイプ周縁に取り付けられたスリーブと、上記スリーブの一端側に当接するように上記パイプに沿って回転可能に取り付けられた締付プラグと、上記スリーブおよび上記締付プラグを含む上記パイプの端部が差し込まれる継ぎ手穴および同継ぎ手穴の底部に同軸的に形成された接続ポートを有する継ぎ手本体とを備え、上記パイプの端部を上記接続ポートに嵌合した状態で、上記締付プラグを介して上記スリーブの他端側を上記継ぎ手穴の底部側に圧着させて、上記パイプと上記接続ポートとを緊密に接続するパイプの継ぎ手構造において、上記スリーブの少なくとも他端側には、円錐テーパ面が形成されているとともに、上記パイプの端部側には、外径が上記継ぎ手穴の内径よりも小さく、中央に上記パイプの外径よりも大径で、上記スリーブの上記円錐テーパ面の一部が嵌合可能なパイプ挿入孔を備えるカラーリングが設けられていることを特徴とするパイプの継ぎ手構造。 【請求項2】 上記継ぎ手穴の底部側には、上記パイプ周縁をシールするOリングが設けられている請求項1に記載のパイプの継ぎ手構造。 【請求項3】 被熱交換体に隣接して配置される熱交換部と、その一部が上記熱交換部内に導入され、内部に熱交換媒体が流動するパイプと、上記パイプの開放端側と連結されるマニホールドとを備える熱交換装置において、上記パイプの開放端側と上記マニホールドとが上記請求項1または2に記載の継ぎ手構造を介して連結されていることを特徴とする熱交換装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、パイプ接続用の継ぎ手構造に関し、さらに詳しくいえば、パイプに偏心荷重がかけられた状態でもパイプ内流動物のリークを確実に防止することができる、特に熱交換装置に好適な継ぎ手技術に関する。 【0002】 【従来の技術】近年において、リニアモータ技術は、種々の分野に取り入れられており、その1つに、工作機械のワーク送り用リニアステージがある。リニアステージは、従来の機械式ステージに比べ、高精度かつ複雑な動きを高速に行うことでき、作業の高効率化を図ることが可能である。 【0003】通常、リニアステージを駆動させた場合、リニアコイルには熱が発生する。したがって、熱膨張による精度低下を防止するため、リニアコイルに冷却手段を設けて熱を逃がす必要がある。冷却手段には、種々のものがあるが、代表的なものの1つに熱交換装置がある。その1例を図3に示す。 【0004】この熱交換装置1は、互いに対向的に組み合わされる一対の金属板21,22からなる冷却板2と、同冷却板2内にU字状に配設されたパイプ3と、パイプ3の開放端側が連結され、内部に流れる冷却媒体を所定の循環経路へと送り出すマニホールド4とを備えている。なお、この例において、パイプ3はU字状に配設されているが、他にも例えばジグザグに配置されている場合もある。 【0005】これによれば、リニアコイルに隣接して配置された冷却板2によって、リニアコイルにより生成された熱を吸熱し、その熱をパイプ3内に流れる例えば水などの冷却媒体を介して外部に排出するようにしている。 【0006】ところで、この種の熱交換装置1のパイプ3は、内部の冷却媒体が漏洩しないように図4に示すような継ぎ手構造にてマニホールド4と連結されている。すなわち、パイプ3の継ぎ手されるべき端部31から所定距離離れた位置でパイプ3周縁に取り付けられたスリーブ32と、スリーブ32の一端側に当接し、パイプ3に沿って回転可能に取り付けられた締付プラグ33とを備えている。なお、締付プラグ33の表面には、雄ねじが形成されている。 【0007】対向するマニホールド4側(継ぎ手本体側)には、スリーブ32および締付プラグ33を含むパイプ3の継ぎ手されるべき端部31が同軸的に差し込まれる継ぎ手穴41を有し、その底部にはパイプ端部31と接続される接続ポート42が形成されている。なお、継ぎ手穴41の内周面には、締付プラグ33に対応した雌ねじが設けられている。 【0008】これによれば、締付プラグ33を継ぎ手穴41内に沿って締め付けて螺合していくことにより、締付プラグ33の先端がスリーブ32の一端側(図4上では上端側)を押し出し、これに伴い、スリーブ32の他端側(図4上では下端側)が継ぎ手穴41と接続ポート42との間に形成された当接面43に圧着されることで、パイプ3と接続ポート42との間で冷却媒体がリークするのを防止している。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この継ぎ手構造には、次のような課題があった。すなわち、リニアステージ用の熱交換装置は、リニアステージの移動性能を妨げないためにも、極力小型化(軽量化)する必要がある。したがって、できるだけ冷却板2からのパイプ長さを短くすることが望ましい。 【0010】そのため、図3に示すように、この種のパイプ3は冷却板2から出てすぐに折り曲げられてマニホールド4に接続される場合も少なからずある。通常、パイプ3は熱伝導性のよい銅管などの金属管を使用しているため、折曲加工することで加工硬化する。 【0011】とりわけ、管材のような棒状のものを折曲加工した場合、折曲部の外周側には引張応力が、内周側には圧縮応力がそれぞれ常に生じるため、パイプ先端(この場合、端部31)には、常に偏心荷重がかかる。特に、折曲部とパイプ端部31との距離が短い場合は、その偏心荷重はより顕著に表れる。 【0012】このように、偏心したパイプ端部31をマニホールド4に接続した場合、外見上、スリーブ32と当接面43とは完全に密着しているように見えるが、実際には偏心によって、その密着力に不均衡が生じており、ここからパイプ3内に流れる熱交換媒体が漏洩する場合があった。 【0013】とりわけ、リニアステージは高速化を図るため、移動時に10G以上の衝撃加速度が加わることが間々あり、この衝撃加速度によってさらにリークが進行するおそれもある。 【0014】また、締付プラグ33と継ぎ手穴41に形成された雄ねじと雌ねじの有効径の最大ガタは、M10×1サイズで0.27mmであるため、パイプ3の加工が同心に仕上がっていても、その取付条件が極端に悪い場合は、締付プラグ33を介してスリーブ32が片寄って取り付けられるので、これによってもリークが起こるおそれがあった。 【0015】そこで、本発明は上述した課題を解決するためになされたものであって、その目的は、パイプ先端に多少の偏心が生じていても確実にリークを防止できる継ぎ手構造と、その継ぎ手構造を有する熱交換装置を提供することにある。 【0016】 【課題を解決するための手段】上述した目的を達成するため、本発明は、パイプの継ぎ手されるべき端部から所定距離離れた位置で上記パイプ周縁に取り付けられたスリーブと、上記スリーブの一端側に当接するように上記パイプに沿って回転可能に取り付けられた締付プラグと、上記スリーブおよび上記締付プラグを含む上記パイプの端部が差し込まれる継ぎ手穴および同継ぎ手穴の底部に同軸的に形成された接続ポートを有する継ぎ手本体とを備え、上記パイプの端部を上記接続ポートに嵌合した状態で、上記締付プラグを介して上記スリーブの他端側を上記継ぎ手穴の底部側に圧着させて、上記パイプと上記接続ポートとを緊密に接続するパイプの継ぎ手構造において、上記スリーブの少なくとも他端側には、円錐テーパ面が形成されているとともに、上記パイプの端部側には、外径が上記継ぎ手穴の内径よりも小さく、中央に上記パイプの外径よりも大径で、上記スリーブの上記円錐テーパ面の一部が嵌合可能なパイプ挿入孔を備えるカラーリングが設けられていることを特徴としている。 【0017】これによれば、カラーリングがスリーブを常に同軸的に受け止めることにより、スリーブの圧着力が均等にかかるため、継ぎ手部でのリークを効果的に防止できる。 【0018】さらなるリーク防止手段として、上記継ぎ手穴の底部側には、上記パイプ周縁をシールするOリングが設けられていることが好ましい。 【0019】本発明には、これら継ぎ手構造を有する熱交換装置も含まれる。すなわち、被熱交換体に隣接して配置される熱交換部と、その一部が上記熱交換部内に導入され、内部に熱交換媒体が流動するパイプと、上記パイプの開放端側と連結されるマニホールドとを備える熱交換装置において、被熱交換体に隣接して配置される熱交換部と、その上記パイプの開放端側と上記マニホールドとが本発明の継ぎ手構造を介して連結されていることを特徴としている。これによれば、熱交換装置の小型化に伴い、冷却媒体がリークするのを効果的に防止できる。 【0020】 【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る継ぎ手構造の要部断面図である。なお、上述した図3および図4に記載した従来例と同一もしくは同一と見なされる箇所には、同じ参照符号を付した。 【0021】また、本発明の継ぎ手構造は、上述した図3に示す熱交換装置用として好適であり、したがって本発明にはこれら熱交換装置に本発明の継ぎ手構造を採用した熱交換装置も含まれる。なお、熱交換装置の構成は図3に示すものに限定されない。 【0022】本発明において、パイプ3の継ぎ手されるべき端部31(以下、単に「パイプ端部31」とする)には、先に説明した従来例と同様に、先端から所定距離離れた位置でパイプ3周縁に取り付けられたスリーブ32と、スリーブ32の一端側に当接し、パイプ3に沿って回転可能に取り付けられた締付プラグ33とを備えている。 【0023】スリーブ32は、中央にパイプ3が挿通される挿通孔を有する真鍮製のリング体からなり、両端(図1上では上下端)には、円錐テーパ面320,321が形成されている。このスリーブ32は、パイプ端部31に例えばかしめによって一体的に取り付けられている。 【0024】締付プラグ33は、上記スリーブ32を同じく中央にパイプ3を挿通する挿通孔を有する真鍮製のほぼ円筒体からなり、その外周面には、挿通部41の内周面に形成された雌ねじに螺合可能な雄ねじが形成されている。この実施形態において、締付プラグ33の上端側の表面には、この締付プラグ33をスパナなどを用いて締め付けるための、6角ナット面が形成されている。 【0025】対向するマニホールド4側(継ぎ手本体側)には、スリーブ32および締付プラグ33の一部を含むパイプ端部31が同軸的に差し込まれる継ぎ手穴41が形成されている。継ぎ手穴41は、その内周面に上記締付プラグ33が螺合される雌ねじ面が形成されている。 【0026】継ぎ手穴41の底部側、図1では下側には、継ぎ手穴41とほぼ同軸上に形成され、パイプ3内を流れる熱交換媒体を所定の循環経路へと送り出す接続ポート42が設けられている。 【0027】接続ポート42は継ぎ手穴41よりも小径であり、したがって、継ぎ手穴41と接続ポート42との間には、段差面となる当接面43が形成されている。 【0028】この当接面43には、スリーブ32を常に同軸的に受け止める調芯手段である、カラーリング5が設けられている。カラーリング5は、図2に示すように中央にパイプ端部31が挿通可能であるとともに、スリーブ32の円錐テーパ面321の一部が嵌合して、当接する挿通孔51を有する例えば真鍮などのリング体からなり、図1に示すように、その外径が継ぎ手穴41の内径よりも小さく形成されている。 【0029】この実施形態において、継ぎ手穴41の内径とカラーリング5の外径との間に形成される隙間は直径で0.4〜0.8mmであり、これによれば、パイプ端部31の偏心や、締付プラグ33と継ぎ手穴41のネジ誤差が生じていても、スリーブ32の円錐テーパ面321によってカラーリング5が常に同軸となるように嵌合することにより、スリーブ32の押し付け力(圧着力)が均等に分散することが可能となり、よって熱交換媒体の漏洩を防止できる。 【0030】接続ポート42の端部には、接続ポート42の外径よりも若干大径に形成され、ゴム製のOリング6が収納される座ぐり部420が形成されている。この座ぐり部420に収納されたOリング6がパイプ周縁をシールすることにより、さらに熱交換媒体の漏洩を防止ししている。 【0031】ここで、この実施形態においてパイプ3は所定長さの銅製パイプからなるが、パイプ3の材質および形状は任意である。また、本発明の継ぎ手構造は、パイプ端部31からすぐに折り曲げられ、図示しない熱交換装置の冷却板に接続されるパイプ偏心量が大きい場合に特に好適であるが、これ以外にストレート配管であっても、より密着力を増すことで確実に継ぎ手できる。 【0032】さらに、マニホールド4は真鍮(金属)によって構成されているが、例えば硬質プラスチックなどの金属に比べ軟質な材質から構成されていてもよい。すなわち、カラーリング5が金属製であれば、スリーブ32の変形に対応させることができる。 【0033】ただし、カラーリング5は金属製のみであって、例えば合成樹脂製とした場合には、クリープ変形によって徐々に緩みが生じることがあり、完全な漏洩防止は困難である。 【0034】この実施形態において、継ぎ手構造は、熱交換装置について例示したが、本発明の継ぎ手構造は一般的な継ぎ手構造としての適用が可能であり、各種配管類の継ぎ手としても使用しても何ら問題ない。 【0035】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、継ぎ手穴とスリーブとの間にパイプ側が偏心している場合であっても、常にスリーブを同軸的に受け止めるカラーリングが設けられていることにより、スリーブがカラーリングを挟んで継ぎ手穴底部に均等かつ緊密に当接するため、熱交換媒体がリークするのを効果的に防止できる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000195100 【氏名又は名称】株式会社 正和 【住所又は居所】東京都豊島区東池袋3丁目12番12号
|
| 【出願日】 |
平成14年4月8日(2002.4.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083404 【弁理士】 【氏名又は名称】大原 拓也
|
| 【公開番号】 |
特開2003−301973(P2003−301973A) |
| 【公開日】 |
平成15年10月24日(2003.10.24) |
| 【出願番号】 |
特願2002−104619(P2002−104619) |
|