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【発明の名称】 刈払機等におけるエンジンのスロットル調整装置
【発明者】 【氏名】岡部 裕士
【住所又は居所】東京都杉並区桃井4丁目4番4号 スターテング工業株式会社内
【課題】調整ワイヤをグリップの下側に配置した場合であっても、スロットル操作レバーの回転角度及び本体形状を大きくすることなく、調整ワイヤのストロークを充分に確保できるスロットル調整装置を提供する。

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 刈払機等のハンドルパイプに装着されてエンジンのスロットルに一端が連結された調整ワイヤの他端部を操作するためのスロットル調整装置において、ハンドルパイプに取り付けたケースに、手動操作可能なスロットル操作レバーをハンドルパイプの下面側で回動可能に枢支し、調整ワイヤを保持する保持部を一端に形成したタイコホルダを他端部において前記操作レバーの枢支部と反対側でケースに回動可能に枢支して配置し、タイコホルダーに形成した突起部をスロットル操作レバーに形成した弧状のガイド壁に当接させて、スロットル操作レバーの回動操作により前記突起部をガイド壁の弧状面に摺動させることによりタイコホルダーを回動させて、調整ワイヤを操作させるようにしたことを特徴とする刈払機等におけるエンジンのスロットル調整装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動力用のエンジンを搭載した刈払機等における、ハンドル用パイプのグリップ部近傍に装着されるエンジンの出力を調整するためのスロットル調整装置に関するものである。
【従来の技術】
【0002】ガソリン等の燃料により駆動されるエンジンを搭載し、該エンジンの出力を遠心クラッチ機構を介してハンドルパイプの先端部に設けた回転刃を駆動させるようにした刈払機等においては、エンジンの回転出力をコントロールするために一般的には、刈払機を支持するためのグリップ部の近傍にスロットルレバーを配置し、このスロットルレバーとエンジンのスロットルとを調整用ワイヤで連結し、スロットルレバーをグリップ部を把持している手の指で操作することによりエンジンのスロットルを操作してエンジンを所定の出力に調整するスロットル調整装置が採用されている。
【0003】上記刈払機等のスロットル調整装置として、刈払機を支持するためのハンドル用パイプに固定されたホルダに取り付けたトリガレバーの操作によりスロットルを調整するトリガレバータイプと呼ばれている形式のものが一般に用いられている。このようなトリガタイプのスロットル調整装置の従来技術の例として、例えば特開平7−293286号及び実開昭60−95147号公報等に示されているスロットルレバーは、ハンドル用パイプのグリップの近傍に取り付けたホルダに回動可能にスロットル操作するためのスロットルレバーを取り付け、ケースの内部においてスロットルレバーの他端側に一体に形成したワイヤ取付部にエンジンのスロットルに連結した調整用ワイヤの一端を連結して構成し、スロットルレバーの操作部を刈払機を把持している手の人差し指等で操作してエンジンの出力を調整するように構成されている。
【0004】ところで、エンジンのスロットルとスロットルレバーとを連結している調整用ワイヤはエンジンとの取付の構成により、グリップの下側、すなわち、スロットルレバーが配置されている側に沿って配置される場合がある。上記トリガレバータイプのスロットル調整装置では、調整用ワイヤのストロークは、スロットルレバーの操作部の回動角度と回動軸から調整用ワイヤ取付部の長さによって決定されるものであり、調整用ワイヤのストロークを大きく確保するためには、スロットルレバーの回動操作角度を大きく設定するか又は、スロットルレバーの回動軸から調整用ワイヤ取付部の長さを大きく設定する必要があり、何れの場合にもスロットルレバーの枢着支点をハンドルパイプから離して設定することとなって、調整装置全体が大きくなったり、又はレバーの回動角度が大きくなりレバーの操作部がグリップ部から離れてしまい指が届かなかったりして操作性を悪くしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、調整ワイヤをグリップの下側に配置した場合であっても、スロットル操作レバーの回転角度及び本体形状を大きくすることなく、調整ワイヤのストロークを充分に確保できるスロットル調整装置を提供するものである。
【0006】
【課題を達成するための手段】上記課題を達成するため本発明は、ハンドルパイプに取り付けたケースに、手動操作可能なスロットル操作レバーをハンドルパイプの下面側で回動可能に枢支し、調整ワイヤを保持する保持部を一端に形成したタイコホルダを他端部において前記操作レバーの枢支部と反対側でケースに回動可能に枢支して配置し、タイコホルダーに形成した突起部をスロットル操作レバーに形成した弧状のガイド壁に当接させて、スロットル操作レバーの回動操作により前記突起部をガイド壁の弧状面に摺動させることによりタイコホルダーを回動させて、調整ワイヤを操作させるようにしたことを特徴とするものである。
【0007】
【発明の効果】本発明によれば、トリガレバーを手動で操作する操作レバーと調整ワイヤを操作するタイコホルダーとに分割構成とし、操作レバーによりタイコホルダーを回転作動させるようにしているので、操作レバーの回転操作角度を大きくすることなく調整ワイヤのストロークを充分に確保できる。また、操作レバーの回動支点をハンドルパイプの近くに設定できるのでスロットル調整装置全体をコンパクトにでき、操作性を向上させることができる。更に、操作レバーのガイド壁と係合するタイコホルダーの係合位置を、調整ワイヤのタイコ部を保持する保持部の近傍に配置するとともに、タイコホルダーに設けた突起部を操作レバーに設けた弧状のガイド壁上を摺動移動させるようにしているので、調整ワイヤのストロークを大きく設定できるとともに操作レバーの操作荷重を軽減させることができ、スロットル調整の操作が軽快に行える。
【0008】
【発明の実施態様】以下、図面に示す実施例に基づいて発明の実施の態様を説明する。図1乃至図4は本発明のスロットル調整装置の外観を示すもので、スロットル調整装置1は刈払機を把持するためのハンドルパイプ2の両側からハンドルパイプ2を挟んで取り付けられねじにより一体に固定される2つ割に形成されたケース3を有しており、該ケース3はハンドルパイプ2に装着されたゴム等の滑りにくい材料で形成されているグリップ4の端部に近接して取り付けられており、ケース3の外表面には、エンジンのスロットルを調整操作するためのスロットル操作レバー5、該スロットル操作レバー5の回動操作を阻止又は解除するためのストップレバー6の各操作部5a、6aがそれぞれグリップ4に沿って配置されている。ケース3の上面にはエンジンを停止させるための停止スイッチ7の操作部7aが配置されている。前記スロットル操作レバー5により操作される調整ワイヤ8と前記停止スイッチ7に接続される導線7aはグリップ4の下面側に形成されている案内穴又は溝4aを介してエンジンに導かれている。
【0009】図5及び図6に示すようにケース3内にはハンドルパイプ2が貫通できるように中央部が空洞化されており、ケース3内の下端側には前記スロットル操作レバー5が回動可能に軸支されており、該スロットル操作レバー5の一端に形成された操作部5aがグリップ4の下面側に沿ってケース3の外方に配置されている。スロットル操作レバー5の他端側はハンドルパイプ2と干渉しないように前記空洞部の内壁面に沿ってハンドルパイプ2の反対側に延びた作動部5bが形成されている。スロットル操作レバー5はリタンスプリング9により戻し方向に付勢されている。なお、この実施例では、ケース3をハンドルパイプ2の中間部に設置する場合を考慮して中央部に空洞を形成しているが、ハンドルパイプ2の端部に設置する場合にはハンドルパイプ2をケース内3に貫通させる必要がないので空洞部は形成しなくても良い。
【0010】エンジンのスロットルに一端が連結された調整ワイヤ8の他端のタイコ部8aを連結する円筒状の保持部10aを一端側に形成したタイコホルダー10が、他端部においてハンドルパイプ2を挟んでスロットル操作レバー5の枢支部5cと対向する側で回動可能にケース3に対して支持されている。タイコホルダー10の中間部はハンドルパイプ2との干渉をさけるために前記空洞部の内側面に沿ってに弧状に形成されており、保持部10aがハンドルパイプ2の下方側に配置されている。タイコホルダー10の中間部には前記スロットル操作レバー5と当接する突起部11が形成されている。
【0011】前記スロットル操作レバー5の作動部5bには前記タイコホルダー10の側面に形成されている突起部11と係合するガイド壁12が形成されており、該ガイド壁12の係合面はスロットル操作レバー5の回動によりタイコホルダー10を引き方向へ押し出すように弧状に形成されている。またスロットル操作レバー5の作動部5bにはタイコホルダー10の背面側に対向して突起部13が形成されており、タイコホルダー10は前記ガイド壁12と突起部13との間に配置されており、スロットル操作レバー5が枢支部5cを中心として回動操作されることにより、枢支部10bを中心として回動動作され、保持部10aがハンドルパイプ2の下方側で長手方向に沿って移動されて調整ワイヤ8を回転アップ方向へ操作する。また、スロットル操作レバー5が回動操作を開放されてリタンスプリング9の作用で戻し方向に回動されるときには、突起部13がタイコホルダー10の背面と当接してタイコホルダー10を戻し方向に回動させて、調整ワイヤ8をアイドル状態に戻す。
【0012】スロットル操作レバー5のガイド壁12と係合するタイコホルダー10の突起部11の位置は、調整ワイヤ8のタイコ部8aを保持する保持部10aの近傍に配置されており、更に、スロットル操作レバー5のガイド壁12面とタイコホルダー10の突起には各々円弧面が形成されており、スロットル操作レバー5の回動操作によりガイド壁12の円弧面が突起部11の円弧面と摺動接触されて、タイコホルダー10の保持部10a側が大きく回動移動し、保持部10aに持された調整ワイヤ8のストロークを増大させるとともに、スロットル操作レバー5の操作荷重を低減させる。
【0013】ケース3内のハンドルパイプ2の上方側には操作部5aをグリップ4の上面に沿って配置されたストップレバー6が枢支されている。ストップレバー6の先端側は前記スロットル操作レバー5の作動部5bの先端部と対向して配置されており、先端には作動部5bの先端部と係合可能な鈎部6bが形成されている。通常の非操作時には、ストップレバー6の鈎部6bがスロットル操作レバー5の作動部5bの先端と係合しており、スロットル操作レバー5をアイドリング位置にロックしている。グリップ4を把持している手のひら部でストップレバー6の操作部6aを一緒に把持することにより鈎部6bと作動部5bとの係合状態が開放されてスロットル操作レバー5が回転アップ方向へ操作可能な状態となる。
【0014】上記実施例によるスロットル調整装置の作動状態を図7乃至図10により説明する。図7に示す非操作状態では、スロットル操作レバー5はリタンスプリング9の作用によって非操作位置に配置されており、スロットル操作レバー5の作動部5bに形成されているガイド壁12と突起部13の間に配置されているタイコホルダー10も非作動位置に配置されている。この状態では、エンジンのスロットルはアイドリング回転位置に維持されている。またグリップ4を把持していない状態では、ストップレバー6の鈎部6bがスロットル操作レバー5の作動部5bの先端と係合しており、スロットル操作レバー5のみを単独で操作することができず、不用意なエンジン回転の上昇による事故を防止する。
【0015】作業のため刈払機のグリップ4を把持することにより、図8に示すように、グリップ4の上面に沿って配置されているストップレバー6の操作部6aが必然的にグリップ4を把持する手で操作される。これによってストップレバー6が回動操作されて鈎部6bが回動してスロットル操作レバー5の作動部5b先端部との係合が解除され、スロットル操作レバー5のロックが解除される。
【0016】図9に示すように、グリップ4を把持している手の指でスロットル操作レバー5の操作部5aを引き操作することにより、スロットル操作レバー5が枢支部5cを中心として回動され、作動部5bが図中反時針方向へ回動して、作動部5bに形成されているガイド壁12がタイコホルダー10の突起部11と係合してタイコホルダー10を枢支部10bを中心として時針方向へ回動させる。タイコホルダー10の保持部10aが調整ワイヤを引き操作してエンジンの回転を上昇させる。
【0017】図10はスロットル操作レバー5を最大限引き操作した状態を示しており、スロットル操作レバー5の回動によりタイコホルダー10の突起部11の円弧面がスロットル操作レバー5のガイド壁12の円弧面を摺動して大きく回動されて保持部10aが調整ワイヤ8をストローク一杯に引き操作する。なお上記実施例には設けていないが、スロットル操作レバー5の最大操作位置を可変規制するための調整可能な停止部材をスロットル操作レバー5に関連して形成しても良い。スロットル操作レバー5の引き操作を緩めることによりスロットル操作レバー5はリタンスプリング9の作用で戻し方向に回動し、このときスロットル操作レバー5の突起部13がタイコホルダー10の背面側から押圧作用してタイコホルダー10を戻し方向に回動させて調整ワイヤ8をエンジン回転を減少させる方向に操作する。
【0018】緊急時に刈払機を把持している手をグリップ4から離すことにより、スロットル操作レバー5とストップレバー6は各々のリタンスプリング9の作用により戻し方向に回動して、スロットル操作レバー5がアイドリング位置に戻った状態でストップレバー6がスロットル操作レバー5の作動部5bの先端と係合してスロットル操作レバー5をアイドリング位置にロックする。
【出願人】 【識別番号】391014000
【氏名又は名称】スターテング工業株式会社
【住所又は居所】東京都杉並区桃井4丁目4番4号
【出願日】 平成13年7月13日(2001.7.13)
【代理人】 【識別番号】100074918
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬川 幹夫
【公開番号】 特開2003−27968(P2003−27968A)
【公開日】 平成15年1月29日(2003.1.29)
【出願番号】 特願2001−214436(P2001−214436)