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【発明の名称】 内燃機関の排気浄化装置
【発明者】 【氏名】青山 太郎
【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動車株式会社内

【氏名】松岡 広樹
【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動車株式会社内

【氏名】杉山 辰優
【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動車株式会社内

【氏名】大坪 康彦
【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動車株式会社内

【氏名】伊藤 丈和
【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動車株式会社内

【氏名】田原 淳
【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動車株式会社内

【氏名】沖 守
【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会社デンソー内

【氏名】横山 正訓
【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会社デンソー内

【氏名】草次 英志
【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会社デンソー内

【氏名】水口 恵一
【住所又は居所】愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会社豊田自動織機内

【要約】 【課題】本発明は、パティキュレートフィルタを備えた内燃機関の排気浄化装置において、パティキュレートフィルタの再生処理を好適に実行することができる技術を提供することを課題とする。

【解決手段】本発明は、内燃機関の排気通路に設けられたパティキュレートフィルタ(29)のPM捕集量を推定し、その推定量に応じてパティキュレートフィルタ(29)の再生処理実行期間を定める内燃機関の排気浄化装置において、再生処理実行時におけるパティキュレートフィルタ(29)の実際の再生状況に応じて再生処理実行期間を補正することを特徴とした内燃機関の排気浄化装置である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内燃機関の排気通路に設けられ、排気中に含まれる微粒子を捕集可能な捕集機構と、前記捕集機構に捕集された微粒子を除去して前記捕集機構の捕集能力を再生させる再生手段と、前記捕集機構に捕集されている微粒子量を推定し、その推定量に応じて前記再生手段による再生処理の実行期間を定める再生期間決定手段と、前記再生手段による再生処理が実行されているときの前記捕集機構の状態に応じて前記再生実行期間を補正する再生期間補正手段と、を備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
【請求項2】 前記捕集機構より上流の排気通路内の圧力と前記捕集機構より下流の排気通路内の圧力との差圧を検出する差圧検出手段を更に備え、前記再生期間補正手段は、前記再生手段による再生処理が実行されているときの差圧の変化をパラメータとして前記再生実行期間を補正することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
【請求項3】 前記内燃機関の吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段を更に備え、前記再生期間補正手段は、前記再生手段による再生処理が実行されているときの吸入空気量の変化をパラメータとして前記再生実行期間を補正することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
【請求項4】 前記捕集機構より上流の排気通路内の圧力と前記捕集機構より下流の排気通路内の圧力との差圧を検出する差圧検出手段と、前記内燃機関の吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段とを更に備え、前記再生期間補正手段は、前記再生手段による再生処理が実行されているときの差圧及び吸入空気量の変化をパラメータとして前記再生実行期間を補正することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
【請求項5】 前記捕集機構は、酸化触媒とNOx吸蔵剤とが担持されたパティキュレートフィルタであることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の排気を浄化する技術に関し、特に、排気中に含まれる微粒子を浄化する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車等に搭載される内燃機関では、排気エミッションの向上が要求されており、特に軽油を燃料とする圧縮着火式のディーゼル機関では、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)等に加え、排気中に含まれる煤やSOF(Soluble Organic Fraction)等の微粒子(PM:Particulate Matter)を浄化もしくは除去することが要求されている。
【0003】このため、ディーゼル機関では、断面積が非常に小さい細孔を多数備えた多孔質の基材からなるパティキュレートフィルタを排気通路に配置し、そのパティキュレートフィルタの細孔に排気を流すことにより、排気中のPMを捕集する方法が知られている。
【0004】一方、パティキュレートフィルタのPM捕集量が過剰に増加すると、パティキュレートにおける排気抵抗が高くなり、それに応じて内燃機関に作用する背圧が過剰に高くなる虞があるため、パティキュレートフィルに捕集されたPMを適宜浄化してパティキュレートフィルタのPM捕集能力を再生させる必要がある。
【0005】このような要求に対し、例えば、特開2000−170521号公報に記載されているようなパティキュレートフィルタの再生方法が提案されている。この公報に記載されているパティキュレートフィルタの再生方法は、内燃機関から排出されるPM量と内燃機関の運転状態に応じたパティキュレートフィルタのPM捕集効率とを考慮してパティキュレートフィルタのPM捕集量を推定し、その推定量が所定量に達した時点でパティキュレートフィルタの再生処理を実行するとともに、再生処理実行時において単位時間当たりに燃焼されるPM量を推定し、その推定値がPM捕集量に達した時点で再生処理の実行を終了する方法である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記したような従来の技術では、パティキュレートフィルタの再生処理実行時において単位時間当たりの燃焼量を推定しているものの、パティキュレートフィルタにおける実際の再生状況が考慮されていないため、パティキュレートフィルタにおいて全てのPMの浄化が完了する時期と、推定による再生処理実行終了時期との間に誤差が生じる場合がある。
【0007】パティキュレートフィルタにおいて全てのPMが浄化される時期と再生処理実行終了時期との間に誤差が生じると、パティキュレートフィルタにおいて全てのPMが浄化された時点から再生処理実行終了までの期間が不要に長くなる場合がある。
【0008】通常の再生処理では、膨張行程又は排気行程の気筒において副次的に燃料を燃焼させ、或いは内燃機関の負荷を故意に高める等の方法を利用して排気温度を高めることにより、パティキュレートフィルタに捕集されたPMを燃焼及び除去することになるため、パティキュレートフィルタにおいて全てのPMが浄化された時点から再生処理実行終了までの期間が不要に長くなると、再生処理に係る燃料消費量が不要に増加する虞がある。
【0009】本発明は、上記したような種々の実情に鑑みてなされたものであり、パティキュレートフィルタを備えた内燃機関の排気浄化装置において、パティキュレートフィルタの再生処理を好適に実行することができる技術を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記した課題を解決するために以下のような手段を採用した。すなわち、本発明に係る内燃機関の排気浄化装置は、内燃機関の排気通路に設けられ、排気中に含まれる微粒子を捕集可能な捕集機構と、前記捕集機構に捕集された微粒子を除去して前記捕集機構の捕集能力を再生させる再生手段と、前記捕集機構に捕集されている微粒子量を推定し、その推定量に応じて前記再生手段による再生処理の実行期間を定める再生期間決定手段と、前記再生手段による再生処理が実行されているときの前記捕集機構の状態に応じて前記再生実行期間を補正する再生期間補正手段と、を備えている。
【0011】この発明は、内燃機関の排気通路に設けられた捕集機構の微粒子捕集量を推定し、その推定量に応じて捕集機構の再生処理実行期間を定める内燃機関の排気浄化装置において、再生処理実行時の捕集機構の状態に応じて再生処理実行期間を補正することを最大の特徴としている。
【0012】かかる内燃機関の排気浄化装置では、再生期間決定手段は、捕集機構に捕集されている微粒子量を推定し、その推定量に応じて再生手段による再生処理実行期間を決定する。
【0013】再生手段は、再生処理実行期間に従い捕集機構の再生処理を実行する。その際、再生期間補正手段は、再生処理実行時における捕集機構の状態に応じて再生実行期間を補正する。
【0014】この場合、補正後の再生処理実行期間は、再生処理実行時における捕集機構の状態が反映された期間となる。この結果、捕集機構に捕集されている全ての微粒子の浄化が実際に完了する時期と再生処理の実行終了時期との誤差が減少されることとなる。
【0015】本発明に係る内燃機関の排気浄化装置において、捕集機構の状態を示すパラメータとしては、捕集機構より上流における排気圧力と捕集機構より下流における排気圧力との差圧、およびまたは、内燃機関の吸入空気量などを例示することができる。
【0016】ここで、捕集機構に捕集される微粒子量が多くなるほど捕集機構内の排気抵抗が高くなるため、捕集機構の上流と下流とにおける排気圧力の差が大きくなるとともに、内燃機関に作用する背圧が上昇して吸入空気量が減少することになる。
【0017】これに対し、捕集機構の再生処理が実行されているときは、捕集機構に捕集された微粒子の除去が進行するほど、言い換えれば、捕集機構に残存する微粒子量が少なくなるほど、捕集機構の上流と下流とにおける排気圧力の差が小さくなるとともに、内燃機関に作用する背圧が低下して吸入空気量が増加することになる。
【0018】上記の点を考慮すると、再生処理実行時において、捕集機構の上流と下流とにおける排気圧力の差が小さくなるほど、およびまたは、内燃機関の吸入空気量が増加するほど、捕集機構に残存する微粒子量が少ないと見なすことができる。
【0019】従って、差圧の低下率およびまたは吸入空気量の増加率が高くなるほど、捕集機構において単位時間当たりに除去される微粒子量が多いことになり、再生処理実行期間を短くすることが可能となる。
【0020】尚、本発明に係る内燃機関の排気浄化装置において、捕集機構としては、パティキュレートフィルタ、或いはNOx触媒が担持されたパティキュレートフィルタ等を例示することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る内燃機関の排気浄化装置の具体的な実施態様について図面に基づいて説明する。
【0022】図1は、本発明に係る排気浄化装置を適用する内燃機関とその吸排気系の概略構成を示す図である。
【0023】図1に示す内燃機関1は、4つの気筒2を有する圧縮着火式のディーゼル機関である。この内燃機関1には、各気筒2の燃焼室内へ直接燃料を噴射する燃料噴射弁3と、該内燃機関1の機関出力軸たるクランクシャフトが所定の角度(例えば、15°)回転する度にパルス信号を出力するクランクポジションセンサ4と、該内燃機関1の図示しないウォータージャケットを流れる冷却水の温度に対応した電気信号を出力する水温センサ5とが取り付けられている。
【0024】前記した燃料噴射弁3は、燃料パイプ6を介して蓄圧室(コモンレール)7と接続されている。前記コモンレール7は、燃料タンク8に取り付けられた燃料ポンプ9と燃料パイプ10を介して接続されるとともに、リターンパイプ11を介して燃料タンク8と接続されている。
【0025】前記コモンレール7におけるリターンパイプ11の接続部位には、該コモンレール7内の燃料圧力が予め設定された最大圧力より低いときは閉弁してコモンレール7とリターンパイプ11との導通を遮断し、コモンレール7内の燃料圧力が前記最大圧力以上となったときは開弁してコモンレール7とリターンパイプ11との導通を許容する圧力調整弁12が設けられている。
【0026】前記コモンレール7には、該コモンレール7内の燃料圧力に応じた電気信号を出力する燃料圧センサ13が取り付けられている。
【0027】このように構成された燃料系では、燃料ポンプ9が燃料タンク8内に貯蔵された燃料を汲み上げ、汲み上げた燃料を燃料パイプ10を介して前記コモンレール7へ圧送する。その際、燃料ポンプ9の燃料吐出量は、前記した燃料圧センサ13の出力信号値に基づいてフィードバック制御される。
【0028】燃料ポンプ9からコモンレール7へ供給された燃料は、該燃料の圧力が所望の目標圧力に達するまで蓄圧される。コモンレール7において目標圧力まで蓄圧された燃料は、燃料パイプ6を介して各気筒2の燃料噴射弁3へ分配される。各燃料噴射弁3は、駆動電流が印加されたときに開弁して、前記コモンレール7から供給された目標圧力の燃料を各気筒2の燃焼室内へ噴射する。
【0029】尚、前記した燃料系では、コモンレール7内の燃料圧力が最大圧力より高くなると、圧力調整弁12が開弁する。この場合、コモンレール7内に蓄えられた燃料の一部がリターンパイプ11を介して燃料タンク8へ戻され、コモンレール7内の燃料圧力が減圧されることになる。
【0030】次に、内燃機関1には、複数の枝管が一本の集合管に合流するよう形成された吸気枝管14が連結されている。前記吸気枝管14の各枝管は、図示しない吸気ポートを介して各気筒2の燃焼室と連通している。前記吸気枝管14の集合管は、吸気管15と接続され、吸気管15は、エアクリーナボックス16と接続されている。
【0031】前記吸気管15において前記エアクリーナボックス16の直下流の部位には、該吸気管15内を流れる吸気の質量に対応した電気信号を出力するエアフローメータ17と、該吸気管15内を流れる吸気の温度に対応した電気信号を出力する吸気温度センサ18とが取り付けられている。
【0032】前記吸気管15において前記エアフローメータ17より下流の部位には、内燃機関1から排出される排気の熱エネルギを駆動源として作動する遠心過給機(ターボチャージャ)19のコンプレッサハウジング19aが設けられている。
【0033】前記吸気管15において前記コンプレッサハウジング19aより下流の部位には、前記コンプレッサハウジング19a内で圧縮されて高温となった新気を冷却するためのインタークーラ20が設けられている。
【0034】前記吸気管15において前記インタークーラ20より下流の部位には、該吸気管15内を流れる吸気の流量を調節する吸気絞り弁21が設けられている。この吸気絞り弁21には、該吸気絞り弁21を開閉駆動する吸気絞り用アクチュエータ21aと、前記吸気絞り弁21の開度に応じた電気信号を出力する吸気絞り弁開度センサ21bとが取り付けられている。
【0035】このように構成された吸気系では、エアクリーナボックス16に流入した新気は、該エアクリーナボックス16内の図示しないエアクリーナによって新気中の塵や埃等が除去された後、吸気管15を介して遠心過給機19のコンプレッサハウジング19aに流入する。
【0036】コンプレッサハウジング19aに流入した新気は、該コンプレッサハウジング19aに内装されたコンプレッサホイールの回転によって圧縮される。前記コンプレッサハウジング19a内で圧縮されて高温となった新気は、インタークーラ20にて冷却される。
【0037】インタークーラ20によって冷却された新気は、必要に応じて吸気絞り弁21によって流量を調節されて吸気枝管14に導かれる。吸気枝管14に導かれた新気は、該吸気枝管14の集合管から各枝管へ分配されて各気筒2の燃焼室へ導かれる。
【0038】各気筒2の燃焼室へ分配された新気は、図示しないピストンによって圧縮され、燃料噴射弁3から噴射された燃料を着火源として燃焼する。
【0039】次に、内燃機関1には、複数の枝管が一本の集合管に合流するよう形成された排気枝管24が連結されている。前記排気枝管24の各枝管は、図示しない排気ポートを介して各気筒2の燃焼室と連通している。前記排気枝管24の集合管は、遠心過給機19のタービンハウジング19bを介して排気管25aに接続されている。
【0040】前記排気枝管24において前記タービンハウジング19bの直上流に位置する部位と前記排気管25aにおいて前記タービンハウジング19bの直下流に位置する部位とは、前記タービンハウジング19bを迂回するタービンバイパス通路26によって接続されている。
【0041】前記タービンバイパス通路26には、該タービンバイパス通路26を開閉する弁体27aと、弁体27aを開閉駆動するアクチュエータ27bとからなるウェストゲートバルブ27が取り付けられている。
【0042】前記アクチュエータ27bは、コンプレッサハウジング19aの直下流に位置する吸気管15と作動圧通路28を介して接続されており、コンプレッサハウジング19a直下流の吸気管15内を流れる新気の圧力、言い換えれば、コンプレッサハウジング19aにおいて圧縮された新気の圧力(過給圧)を利用して前記弁体27aを開閉駆動する。
【0043】具体的には、アクチュエータ27bは、吸気管15から作動圧通路28を介して所定圧未満の圧力が印加されているときは弁体27aを閉弁位置に保持し、吸気管15から作動圧通路28を介して所定圧以上の圧力が印加されたときは弁体27aを開弁駆動する。
【0044】つまり、アクチュエータ27bは、遠心過給機19による吸気の過給圧が所定圧以上に達すると、弁体27aを開弁させてタービンバイパス通路26を導通状態とし、タービンハウジング19bに流入する排気の流量を減少させ、以て過給圧が前記した所定圧を越えないようにする。
【0045】前記排気管25aは、排気中の有害ガス成分、特に煤等の微粒子(PM:Particulate Matter)を浄化する排気浄化機構29に接続されている。前記排気浄化機構29は排気管25bに接続され、排気管25bは下流にて図示しないマフラーに接続されている。以下では、排気浄化機構29より上流の排気管25aを上流側排気管25aと称し、排気浄化機構29より下流の排気管25bを下流側排気管25bと称するものとする。
【0046】前記排気浄化機構29は、本発明に係る捕集機構の一実施態様であり、排気中に含まれるPMを捕集するDPF(Diesel Particulate Filter)や、多孔質の基材からなるウォールフロー型のパティキュレートフィルタに白金(Pt)に代表される酸化触媒とカリウム(K)やセシウム(Cs)などに代表されるNOx吸蔵剤とが担持されたDPNR(Diesel Particulate NOx Reduction)触媒を例示することができる。尚、以下では、排気浄化機構29をパティキュレートフィルタ29と称するものとする。
【0047】前記上流側排気管25aには、該上流側排気管25a内を流れる排気の温度に対応した電気信号を出力する排気温度センサ38が取り付けられている。前記上流側排気管25aと前記下流側排気管25bには、これら上流側排気管25a内の排気圧力と下流側排気管25b内の排気圧力との差圧に対応した電気信号を出力する差圧センサ39が取り付けられている。
【0048】前記下流側排気管25bには、該下流側排気管25b内を流れる排気の流量を調節する排気絞り弁33が取り付けられている。この排気絞り弁33には、該排気絞り弁33を開閉駆動する排気絞り用アクチュエータ34が取り付けられている。
【0049】このように構成された排気系では、内燃機関1の各気筒2の燃焼室で燃焼された既燃ガスは、各気筒2の排気ポートを介して排気枝管24へ排出され、次いで排気枝管24の各枝管から集合管を通って遠心過給機19のタービンハウジング19b内に流入する。
【0050】遠心過給機19のタービンハウジング19b内に排気が流入すると、排気の熱エネルギが前記タービンハウジング19b内に回転自在に支持されたタービンホイールの回転エネルギに変換される。タービンホイールの回転エネルギは、前述のコンプレッサハウジング19aのコンプレッサホイールへ伝達され、コンプレッサホイールは、前記タービンホイールから伝達された回転エネルギによって新気を圧縮する。
【0051】その際、コンプレッサハウジング19a内で圧縮された新気の圧力(過給圧)が所定圧以上まで上昇すると、その過給圧が作動圧通路28を介してウェストゲートバルブ27のアクチュエータ27bへ印加され、アクチュエータ27bが弁体27aを開弁駆動することになる。
【0052】ウェストゲートバルブ27の弁体27aが開弁されると、排気枝管24を流れる排気の一部がタービンバイパス通路26を介して上流側排気管25aへ流れるため、タービンハウジング19bに流入する排気の流量が減少し、タービンハウジング19b内に流入する排気の熱エネルギ、言い換えれば、タービンハウジング19bにおいてタービンホイールの回転エネルギに変換される熱エネルギが減少する。この結果、タービンホイールからコンプレッサホイールへ伝達される回転エネルギが減少し、過給圧の過剰な上昇が抑制される。
【0053】前記タービンハウジング19bから上流側排気管25aへ排出された排気、及び、タービンバイパス通路26から上流側排気管25aへ導かれた排気は、上流側排気管25aからパティキュレートフィルタ29へ流入する。パティキュレートフィルタ29に流入した排気は、該排気に含まれる煤などの微粒子を浄化又は除去された後に下流側排気管25bへ排出され、下流側排気管25bを通って大気中に放出される。
【0054】また、排気枝管24には、排気再循環通路(EGR通路)100が接続され、このEGR通路100は、前記吸気枝管14に接続されている。前記EGR通路100と前記吸気枝管14との接続部位には、前記吸気枝管14における前記EGR通路100の開口端を開閉するEGR弁101が設けられている。前記EGR弁101は、電磁弁などで構成され、印加電力の大きさに応じて開度を変更することが可能となっている。
【0055】前記EGR通路100の途中には、該EGR通路100内を流れる排気(以下、EGRガスと称する)を冷却するためのEGRクーラ103が設けられている。
【0056】前記EGRクーラ103には、2本の配管104、105が接続され、これら2本の配管104、105は、内燃機関1の冷却水が持つ熱を大気中に放熱するためのラジエター106と接続されている。
【0057】前記した2本の配管104、105のうちの一方の配管104は、前記ラジエター106において冷却された冷却水の一部を前記EGRクーラ103へ導くための配管であり、もう一方の配管105は、前記EGRクーラ103内を循環した後の冷却水を前記ラジエター106へ導くための配管である。尚、以下では、前記配管104を冷却水導入管104と称し、前記配管105を冷却水導出管105と称するものとする。
【0058】前記冷却水導出管105の途中には、該冷却水導出管105内の流路を開閉する開閉弁107が設けられている。この開閉弁107は、駆動電力が印加されたときに開弁する電磁駆動弁などで構成されている。
【0059】このように構成された排気再循環機構(EGR機構)では、EGR弁101が開弁されるとEGR通路100が導通状態となり、排気枝管24内を流れる排気の一部が前記EGR通路100を通って吸気枝管14へ導かれる。
【0060】その際、開閉弁107が開弁状態にあると、ラジエター106と冷却水導入管104とEGRクーラ103と冷却水導出管105とを結ぶ循環経路が導通状態となり、ラジエター106で冷却された冷却水がEGRクーラ103を循環することになる。その結果、EGRクーラ103では、EGR通路100内を流れるEGRガスとEGRクーラ103内を循環する冷却水との間で熱交換が行われ、EGRガスが冷却される。
【0061】EGR通路100を介して排気枝管24から吸気枝管14へ還流されたEGRガスは、吸気枝管14の上流から流れてきた新気と混ざり合いつつ各気筒2の燃焼室へ導かれ、前記燃料噴射弁3から噴射される燃料を着火源として燃焼される。
【0062】ここで、EGRガスには、水(H2O)や二酸化炭素(CO2)などのように、自らが燃焼することがなく、且つ、吸熱性を有する不活性ガス成分が含まれている。このため、EGRガスが混合気中に含有されると、混合気の燃焼温度が低められ、以て窒素酸化物(NOx)の発生量が抑制される。
【0063】更に、EGRクーラ103においてEGRガスが冷却された場合は、EGRガス自体の温度が低下するとともにEGRガスの体積が縮小されるため、EGRガスが燃焼室内に供給されたときに該燃焼室内の雰囲気温度が不要に上昇することがなくなるとともに、燃焼室内に供給される新気の量(新気の体積)が不要に減少することがない。
【0064】このように構成された内燃機関1には、該内燃機関1を制御するための電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)35が併設されている。このECU35は、内燃機関1の運転条件や運転者の要求に応じて内燃機関1の運転状態を制御するユニットである。
【0065】ECU35には、クランクポジションセンサ4、水温センサ5、燃料圧センサ13、エアフローメータ17、吸気温度センサ18、吸気絞り弁開度センサ21b、排気温度センサ38、差圧センサ39に加えて、車両の室内に設けられたアクセルペダル36の操作量(アクセル開度)に対応した電気信号を出力するアクセルポジションセンサ37が電気的に接続され、上記した各センサの出力信号がECU35に入力されるようになっている。
【0066】一方、ECU35には、燃料噴射弁3、燃料ポンプ9、吸気絞り用アクチュエータ21a、排気絞り用アクチュエータ34、EGR弁101、開閉弁107等が電気的に接続され、ECU35が上記した各部を制御することが可能になっている。
【0067】ここで、ECU35は、図2に示すように、双方向性バス40によって相互に接続された、CPU41と、ROM42と、RAM43と、バックアップRAM44と、入力ポート45と、出力ポート46とを備えるとともに、前記入力ポート45に接続されたA/Dコンバータ(A/D)47を備えている。
【0068】前記入力ポート45は、クランクポジションセンサ4のようにデジタル信号形式の信号を出力するセンサの出力信号を入力し、それらの出力信号を双方向性バス40を介してCPU41やRAM43へ送信する。
【0069】前記入力ポート45は、水温センサ5、燃料圧センサ13、エアフローメータ17、吸気温度センサ18、吸気絞り弁開度センサ21b、アクセルポジションセンサ37、排気温度センサ38、差圧センサ39等のように、アナログ信号形式の信号を出力するセンサの出力信号をA/D47を介して入力し、それらの出力信号を双方向性バス40を介してCPU41やRAM43へ送信する。
【0070】前記出力ポート46は、燃料噴射弁3、燃料ポンプ9、吸気絞り用アクチュエータ21a、排気絞り用アクチュエータ34、EGR弁101、開閉弁107等と図示しない駆動回路を介して電気的に接続され、CPU41から出力される制御信号を前記した各部へ送信する。
【0071】前記ROM42は、燃料噴射制御ルーチン、吸気絞り制御ルーチン、排気絞り制御ルーチン、EGR制御ルーチンなどの各種アプリケーションプログラムを記憶するとともに、種々の制御マップを記憶している。
【0072】前記RAM43は、各センサからの出力信号やCPU41の演算結果等を格納する。前記演算結果は、例えば、クランクポジションセンサ4がパルス信号を出力する時間的な間隔に基づいて算出される機関回転数である。これらのデータは、クランクポジションセンサ4がパルス信号を出力する都度、最新のデータに書き換えられる。
【0073】前記バックアップRAM44は、内燃機関1の運転停止後もデータを記憶可能な不揮発性のメモリである。
【0074】前記CPU41は、前記ROM42に記憶されたアプリケーションプログラムに従って動作して、燃料噴射制御、燃料ポンプ制御、吸気絞り制御、排気絞り制御、EGR制御などの周知の制御に加え、本発明の要旨となるPM再生制御を実行する。
【0075】PM再生制御では、CPU41は、パティキュレートフィルタ29に捕集されているPMの量を推定し、その推定量が所定量以上となった時点でパティキュレートフィルタ29に捕集されているPMを燃焼及び除去すべくPM再生処理を実行する。
【0076】パティキュレートフィルタ29に捕集されているPM量を推定する方法としては、内燃機関1から単位時間当たりに排出されるPM量とパティキュレートフィルタ29の捕集効率とを乗算して得られる値を積算する方法を例示することができる。
【0077】内燃機関1から単位時間当たりに排出されるPMの量(以下、機関排出PM量と称する)は、内燃機関1で単位時間当たりに燃焼される燃料量と相関があるため、燃料噴射量と機関回転数と機関排出PM量との関係を予め実験的に求めておき、それらの関係をマップ化してROM42に記憶させておくようにすればよい。
【0078】パティキュレートフィルタ29の捕集効率は、パティキュレートフィルタ29を流通する排気の流速が高くなるほど低下し、パティキュレートフィルタ29を流通する排気の流速が低くなるほど高くなる。排気の流速は内燃機関1から単位時間当たりに排出される排気量に応じて定まり、内燃機関1から単位時間当たりに排出される排気量は内燃機関1の吸入空気量と機関回転数とに応じて定まる。
【0079】更に、パティキュレートフィルタ29のPM捕集効率は、パティキュレートフィルタ29に捕集されているPM量によっても変化する。すなわち、パティキュレートフィルタ29に捕集されているPM量が増加すると該パティキュレートフィルタ29内の排気流路の断面積が縮小するため、PM捕集効率が高くなる。
【0080】本実施の形態では、排気の流速に応じて変化するパティキュレートフィルタ29の捕集効率を第1のPM捕集効率と称し、その第1のPM捕集効率と吸入空気量と機関回転数との関係を予め実験的に求め、それらの関係をマップ化してROM42に記憶させておくものとする。更に、本実施の形態では、パティキュレートフィルタ29に捕集されているPM量に応じて変化するパティキュレートフィルタ29の捕集効率を第2のPM捕集効率と称し、その第2のPM捕集効率とパティキュレートフィルタ29に捕集されているPM量との関係を予め実験的に求め、それらの関係をマップ化してROM42に記憶させておくものとする。尚、パティキュレートフィルタ29のPM捕集効率は、パティキュレートフィルタ29の温度又は排気温度に応じて変化する場合があるため、排気温度やパティキュレートフィルタ29の温度をパラメータとしたPM捕集効率が設定されるようにしてもよい。
【0081】一方、パティキュレートフィルタ29に捕集されたPMは、所定のPM酸化温度(例えば、600℃)以上で酸化するため、排気温度が前記所定温度以上となるような運転状態に内燃機関1がある時や後述する再生処理によってパティキュレートフィルタ29の雰囲気温度が前記所定温度以上とされた時には、パティキュレートフィルタ29に捕集されているPM量が減少することになる。
【0082】そこで、本実施の形態では、内燃機関1から単位時間当たりに排出されるPM量とパティキュレートフィルタ29の第1及び第2の捕集効率とを乗算して得られた値から、パティキュレートフィルタ29において単位時間当たりに減少するPM量を減算し、それにより得られた値を積算してパティキュレートフィルタ29のPM捕集量を算出するようにした。
【0083】パティキュレートフィルタ29において単位時間当たりに酸化されるPM量は、パティキュレートフィルタ29内の雰囲気温度が高くなるほど多くなり、パティキュレートフィルタ29内の雰囲気温度は排気温度が高く且つ単位時間当たりにパティキュレートフィルタ29を流通する排気量が多くなるほど高くなる。更に単位時間当たりにパティキュレートフィルタ29を流通する排気量は、内燃機関1から単位時間当たりに排出される排気量に相当し、内燃機関1から単位時間当たりに排出される排気量は、前述したように吸入空気量と機関回転数に応じて定める。本実施の形態では、パティキュレートフィルタ29において単位時間当たりに酸化されるPM量と排気温度と吸入空気量と機関回転数との関係を予め実験的に求め、それらの関係をマップ化してROM42に記憶させておくようにした。
【0084】尚、以下では、パティキュレートフィルタ29に捕集されているPM量をPM捕集量:PMt、内燃機関1から単位時間当たりに排出されるPM量を機関排出PM量:PMe、パティキュレートフィルタ29の第1のPM捕集効率を第1のPM捕集効率:k1、パティキュレートフィルタ29の第2のPM捕集効率を第2のPM捕集効率:k2、パティキュレートフィルタ29において単位時間当たりに酸化されるPM量を酸化PM量:PMdと記すものとする。この場合、PM捕集量:PMtは、下記の演算式によって算出されることになる。
PMt=PMtold+PMe×k1×k2−PMd上記の演算式においてPMtoldは、前回の演算処理により得られたPM捕集量:PMtであり、PM再生処理が実行されると“0”にリセットされる。
【0085】このようにしてPM捕集量:PMtが推定されると、CPU41は、推定されたPM捕集量:PMtが予め定められた上限値:PMmax以上であるか否かを判別し、PM捕集量:PMtが上限値:PMmax以上である場合に、PM再生処理を実行する。
【0086】PM再生処理では、CPU41は、排気温度を前述したPM酸化温度以上まで高めるべく排気昇温制御を実行する。排気昇温制御の実行方法としては、燃料噴射量を増量させると同時に排気絞り弁33を所定量閉弁する方法、通常の燃料噴射(主燃料噴射)に加えて各気筒2の膨張行程時に追加の燃料噴射(膨張行程噴射)を行なう方法、主燃料噴射及び膨張行程噴射の燃料量を増加させると同時に排気絞り弁33を所定量閉弁する方法、主燃料噴射に加えて各気筒2の排気行程時に追加の燃料噴射(排気行程噴射)を行うことで未燃の燃料をパティキュレートフィルタ29へ供給して燃焼させる方法などを例示することができる。
【0087】このようにしてPM再生処理が実行されると、パティキュレートフィルタ29に捕集されていたPMが燃焼してパティキュレートフィルタ29から除去されることになる。PM再生処理が実行されているときにもCPU41は前述したPM捕集量推定方法に従ってPM捕集量:PMtを算出し、PM捕集量:PMtが“0”となった時点でPM再生処理の実行を終了する。
【0088】ところで、前述したPM捕集量:PMtには、PM再生処理実行時におけるパティキュレートフィルタ29の実際の状態、言い換えればPM再生処理実行時におけるパティキュレートフィルタ29の実際の再生状況が反映されていないため、パティキュレートフィルタ29において全てのPMが燃焼し終わる時期と、PM捕集量推定によるPM再生処理の実行終了時期との間に誤差が生じる場合がある。
【0089】このため、パティキュレートフィルタ29に捕集されている全てのPMを燃焼及び除去する上では、実際のPM燃焼完了時期に比してPM再生処理実行終了時期が短くならないよう余裕を持ってPM捕集量を推定する必要がある。その結果、実際のPM燃焼完了時期に対してPM再生処理実行終了時期が不要に遅延し、PM再生処理に係る燃料消費量が不要に増加する場合がある。
【0090】これに対し、本実施の形態に係るPM再生制御では、CPU41は、PM再生処理実行時におけるパティキュレートフィルタ29の再生状況に基づいて、PM捕集量の推定に用いられる酸化PM量:PMdを補正するようにした。
【0091】PM再生処理実行時におけるパティキュレートフィルタ29の再生状況を示すパラメータとしては、単位時間当たりにおける差圧センサの出力信号値(パティキュレートフィルタ29の上流と下流とにおける排気圧力の差、以下フィルタ前後差圧と称する)の変化量、およびまたは単位時間当たりにおける吸入空気量の変化量を例示することができる。
【0092】ここで、パティキュレートフィルタ29のPM捕集量が多くなるほど、パティキュレートフィルタ29内の排気流路の断面積が縮小されるため、パティキュレートフィルタ29における排気の圧力損失が大きくなると同時に内燃機関1に作用する背圧が高くなる。
【0093】このため、内燃機関1の運転状態が同一の運転状態となる条件下では、パティキュレートフィルタ29のPM捕集量が多い時はPM捕集量が少ない時に比してフィルタ前後差圧が大きくなると同時に吸入空気量が少なくなる。
【0094】上記の相関関係を考慮すると、単位時間当たりにパティキュレートフィルタ29において実際に酸化されるPM量が多くなるほど、単位時間当たりのフィルタ前後差圧の減少量が多くなるとともに、単位時間当たりの吸入空気量の増加量が多くなることになる。
【0095】そこで、本実施の形態に係るPM再生制御では、CPU41は、PM再生処理実行時に単位時間当たりのフィルタ前後差圧の減少量が多くなるほど、およびまたは、単位時間当たりの吸入空気量の増加量が多くなるほど、酸化PM量:PMdを増量補正し、補正後の酸化PM量:PMdを用いてPM補正量を算出する。
【0096】このようにしてPM再生処理実行時におけるPM捕集量:PMtが算出されると、PM再生処理実行時におけるパティキュレートフィルタ29の実際の再生状況がPM捕集量:PMtに反映されることになるため、そのようなPM捕集量:PMtに従ってPM再生処理の実行が終了されれば、実際のPM燃焼完了時期とPM再生処理実行終了時期との誤差が減少する。
【0097】この結果、実際のPM燃焼完了時期に対してPM再生処理実行終了時期が不要に遅延することがなくなり、PM再生処理に係る燃料消費量が不要に増加することもなくなる。
【0098】以下、本実施の形態に係るPM再生制御について図3に沿って説明する。図3は、PM再生制御ルーチンを示すフローチャート図である。このPM再生制御ルーチンは、予めROM42に記憶されているルーチンであり、CPU41によって所定時間毎(例えば、クランクポジションセンサ4がパルス信号を出力する度)に繰り返し実行されるルーチンである。
【0099】PM再生制御ルーチンでは、CPU41は、先ずS301においてRAM43から燃料噴射量、吸入空気量、機関回転数、排気温度、及び前回のPM捕集量:PMtoldを読み出す。
【0100】S302では、CPU41は、前記S301において読み出された各種データをパラメータとして、機関排出PM量:PMe、第1のPM捕集効率:k1、第2のPM捕集効率:k2、酸化PM量:PMdを算出する。
【0101】具体的には、CPU41は、燃料噴射量と機関回転数とをパラメータとして機関排出PM量:PMeを算出し、吸入空気量と機関回転数とをパラメータとして第1のPM捕集効率:k1を算出し、前回のPM捕集量:PMtoldをパラメータとして第2のPM捕集効率:k2を算出し、更に吸入空気量と機関回転数と排気温度とをパラメータとして酸化PM量:PMdを算出する。
【0102】S303では、CPU41は、前記S301で読み出された前回のPM捕集量:PMtoldと、前記S302で算出された機関排出PM量:PMe、第1のPM捕集効率:k1、第2のPM捕集効率:k2、及び酸化PM量:PMdとを用いてパティキュレートフィルタ29の現時点におけるPM捕集量:PMtを算出し(PMt=PMtold+PMe×k1×k2−PMd)、算出されたPM捕集量:PMtをRAM43に記憶させる。
【0103】S304では、CPU41は、前記S303で算出されたPM捕集量:PMtが上限値:PMmax以上であるか否かを判別する。
【0104】前記S304において前記PM捕集量:PMtが上限値:PMmax未満であると判定された場合は、CPU41は、パティキュレートフィルタ29のPM再生処理を実行する必要がないとみなし、本ルーチンの実行を一旦終了する。
【0105】一方、前記S304において前記PM捕集量:PMtが上限値:PMmax以上であると判定された場合は、CPU41は、パティキュレートフィルタ29のPM再生処理を実行する必要があるとみなし、S305においてPM再生処理の実行を開始する。
【0106】S306では、CPU41は、RAM43からRAM43から燃料噴射量、吸入空気量、機関回転数、排気温度、及び前回のPM捕集量:PMtold(この場合は、S303で算出されたPM捕集量:PMt)の最新のデータを読み出す。
【0107】S307では、CPU41は、前記S306において読み出された各種データをパラメータとして、機関排出PM量:PMe、第1のPM捕集効率:k1、第2のPM捕集効率:k2、酸化PM量:PMdを算出する。
【0108】S308では、CPU41は、差圧センサ39とエアフローメータ17との出力信号値を所定期間センシングして、所定期間内における前後差圧の変化量と吸入空気量の変化量とを算出する。
【0109】S309では、CPU41は、前記S307で算出された酸化PM量:PMdを前記S308で算出された前後差圧の変化量と吸入空気量の変化量とに基づいて補正する。その際、CPU41は、前後差圧の減少量が多くなるほど且つ吸入空気量の増加量が多くなるほど酸化PM量:PMdが多くなるような補正を行うとともに、前後差圧の減少量が少なくなるほど且つ吸入空気量の増加量が少なくなるほど酸化PM量:PMdが少なくなるような補正を行う。
【0110】S310では、CPU41は、前記S306で読み出された前回のPM捕集量:PMtoldと、前記S307で算出された機関排出PM量:PMe、第1のPM捕集効率:k1、及び第2のPM捕集効率:k2と、前記S309で補正された酸化PM量:PMdと、を用いてパティキュレートフィルタ29の現時点におけるPM捕集量:PMtを算出し(PMt=PMtold+PMe×k1×k2−PMd)、算出されたPM捕集量:PMtをRAM43に記憶させる。
【0111】S311では、CPU41は、前記S310で算出されたPM捕集量:PMtが“0”であるか否かを判別する。
【0112】前記S311において前記PM捕集量:PMtが“0”でないと判定された場合は、CPU41は、パティキュレートフィルタ29に捕集された全てのPMが酸化されていないとみなし、前述したS306以降の処理を繰り返し実行する。
【0113】一方、前記S311において前記PM捕集量:PMtが“0”であると判定された場合は、CPU41は、パティキュレートフィルタ29に捕集された全てのPMが酸化されたとみなし、S312においてPM酸化処理の実行を終了する。
【0114】続いて、CPU41は、S313においてRAM43に記憶されている前回のPM捕集量:PMtを“0”にリセットし、本ルーチンの実行を一旦終了する。
【0115】このようにCPU41がPM再生制御ルーチンを実行することにより、PM再生処理実行時におけるパティキュレートフィルタ29の実際の再生状況がPM捕集量:PMtの推定処理に反映されることになるため、そのようなPM捕集量:PMtに従ってPM再生処理の実行が終了されれば、実際のPM燃焼完了時期とPM再生処理実行終了時期との誤差を減少させることが可能となる。
【0116】従って、本実施の形態に係る内燃機関の排気浄化装置によれば、PM再生処理の実行期間が実際のPM燃焼完了時期に対して不要に長引くことがなく、PM再生処理に係る燃料消費量が不要に増加することもなくなる。
【0117】
【発明の効果】本発明は、内燃機関の排気通路に設けられた捕集機構の微粒子捕集量を推定し、その推定量に応じて捕集機構の再生処理実行期間を定める内燃機関の排気浄化装置において、再生処理実行時の捕集機構の状態に応じて再生処理実行期間を補正するため、補正後の再生処理実行期間は、再生処理実行時における捕集機構の状態が反映された期間となる。
【0118】この結果、本発明に係る内燃機関の排気浄化装置によれば、捕集機構に捕集されている全ての微粒子の浄化が実際に完了する時期と再生処理の実行終了時期との誤差を減少させることが可能となり、捕集機構の再生処理を好適に実行することが可能となる。
【出願人】 【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
【住所又は居所】愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地
【出願日】 平成13年11月21日(2001.11.21)
【代理人】 【識別番号】100089244
【弁理士】
【氏名又は名称】遠山 勉 (外3名)
【公開番号】 特開2003−155921(P2003−155921A)
【公開日】 平成15年5月30日(2003.5.30)
【出願番号】 特願2001−356202(P2001−356202)