| 【発明の名称】 |
防災シェルターシステム |
| 【発明者】 |
【氏名】織部 健二
|
| 【要約】 |
【課題】ダイオキシンやPCBなどの汚染物質を例えばドラム缶などに詰めて収納している倉庫の立入作業及び移転作業などを安全かつスムーズに実施できるようにする。
【解決手段】汚染物質がドラム缶詰などで収容されている既設建屋全体を覆うコンクリート製の囲い壁でなり、逆流防止弁付の送風装置を有する隔離室と、この隔離室と隣接して設置され、入口に一次フィルターを有するとともに、出口に安全弁を備えた吸引室と、この吸引室とダクトを介して接続されたガスフィルター群と、上記隔離室の他方に隣接して配置され、空気清浄装置を有する除染室と、この除染室の一部に配置され、空気清浄装置を有する更衣室とを備えた。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 汚染物質がドラム缶詰などで収容されている既設建屋全体を覆うコンクリート製の囲い壁でなり、逆流防止弁付の送風装置を有する隔離室と、この隔離室と隣接して設置され、入口に一次フィルターを有するとともに、出口に安全弁を備えた吸引室と、この吸引室とダクトを介して接続されたガスフィルター群(二次フィルター)と、上記隔離室の他方に隣接して配置され、空気清浄装置を有する除染室と、この除染室の一部に配置され、空気清浄装置を有する更衣室とを備えたことを特徴とする防災シェルターシステム。 【請求項2】 上記ガスフィルター群は連鎖的に複数ブロック配置されていることを特徴とする請求項1記載の防災シェルターシステム。 【請求項3】 上記隔離室に逆流防止弁付循環気体入口を設け、これに上記ガスフィルター群の排出ダクトと通ずる循環通気ダクトを接続したことを特徴とする請求項1または2記載の防災シェルターシステム。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、ダイオキシン,PCBなどの汚染物質を安全に処理するための防災シェルターシステムに関するものである。以下、従来技術及び本発明の実施形態についてダイオキシン処理を例にとって説明する。 【0002】 【従来の技術】現在、ダイオキシンの汚染物質をドラム缶に詰めた状態で、一般構造の倉庫内に仮に保管しているものを、他の場所へ如何に安全に移転するかが、焦眉の問題になっていることは周知の事実である。ところが、この問題を解決するための防災システムとして、安全で適切な方式が未だに開発されないまま現在に至っているのが現状である。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これらの移転処理は早急に手当てしなければ、ドラム缶の耐性や傷みなどによって内部の汚染物質が倉庫内に漏れ、ひいては保管倉庫より外気に漏れるという重大事故に発展するおそれがある。 【0004】本発明は以上のような現状に鑑みてなされたものであり、例えば、現在約4000本もの汚染物質入ドラム缶が積み上げられている保管倉庫内に、作業員が入って安全に移転処理作業ができるシステムを提供せんとするものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係る防災シェルターシステムは、汚染物質がドラム缶詰などで収容されている既設建屋全体を覆うコンクリート製の囲い壁でなり、逆流防止弁付の送風装置を有する隔離室と、この隔離室と隣接して設置され、入口に一次フィルターを有するとともに、出口に安全弁を備えた吸引室と、この吸引室とダクトを介して接続されたガスフィルター群(二次フィルター)と、隔離室の他方に隣接して配置され、空気清浄装置を有する除染室と、この除染室の一部に配置され、空気清浄装置を有する更衣室とを備えたものである。 【0006】この発明の請求項2に係る防災シェルターシステムは、ガスフィルター群が連鎖的に複数ブロック配置されているものである。 【0007】この発明の請求項3に係る防災シェルターシステムは、隔離室に逆流防止弁付循環気体入口を設け、これにガスフィルター群の排出ダクトと通ずる循環通気ダクトを接続したものである。 【0008】 【発明の実施の形態】実施の形態1.以下この発明の実施の形態を図にもとづいて説明する。図1は、本発明に係る防災シェルターシステム全体の配置概念図であり、図1において、1はダイオキシンの汚染物質が詰め込まれているドラム缶(図示省略)が積み上げた状態で収容されている既設の建屋(倉庫)、2はこの建屋1全体を覆うコンクリート製の囲い壁でなる隔離室、3はこの隔離室2の一方に隣接して配置されたコンクリート製の除染室、4は上記隔離室2の他方に隣接して配置されたコンクリート製の吸引室、5a,5bはこの吸引室4にダクトを介して接続配置された複数ブロックのガスフィルター群(図では4基ずつ2ブロックのものを示している)である。次に、図2(a)は平面から見た一部の配置構成図、図2(b)はその正面配置断面図で、その左側は除染室内部を示す概略図である。図において、6は上記除染室3内の片隅に設置された更衣室であり、7は除染室3に設けられた空気清浄装置、8は更衣室6に設けられた空気清浄装置、9は隔離室2と除染室3の間に配置された逆流防止弁付送風装置、10は隔離室2と吸引室4の間に設けられた一次フィルター、11はこの吸引室4の出口に設けた安全弁である。次に、12は除染室3の外部と通ずる出入口(両開きドア)、13は更衣室6の外部と通ずる出入口、14は更衣室6から除染室3への出入口(引戸)、15は隔離室2と除染室3の間の出入口(両開き引戸)である。 【0009】また、16a,16bはそれぞれガスフィルタ5aと5bからの排出通気ダクトであり、上記通気ダクト16bは、それぞれ安全弁17aと17bを介して循環通気ダクト16cと排気ダクト16dに分岐して配置されている。そして、上記循環通気ダクト16cは上記隔離室2に設けられた逆流防止弁付循環気体入口18に連通している。なお、19aは上記ダクト16aの出口に設けられた一次測定装置、19bはダクト16bの出口に設けられた二次測定装置である。 【0010】次に動作について説明する。まず、逆流防止弁を備えた送風装置9の送風口から空気を隔離室2内に吹き込んで、隔離室内の汚染された空気や塵などを攪拌して、吸引し易い状態としたうえで、この空気を吸引室4入口に設置した一次フィルター10で隔離室2内の空気を濾過し、次にダクトを通してまずガスフィルター群5aを通す。実験によれば、この第1段目のガスフィルター群5aにより99.995%まで清浄化されることがわかった。なお、これでも不充分な場合は、さらに引き続いて接続されている第2段目のガスフィルター群5bを通すようにすればよい。 【0011】このようにして、隔離室2内の空気を濾過することで、環境,人体などに悪影響を与えないとされる濃度のレベルまで低下せしめて、この隔離室2内への作業員の入室を可能ならしめる。 【0012】なお、ここで、一次フィルター10は、吸引室4の入口に取付けられていて、汚染区域内の粒子の粗い塵等が吸引室4に入る事を防ぎ、次の二次フィルター(ガスフィルター群)の保護と性能維持を図るためのものであり、また、安全弁11は、吸引室4の出口に取付けられていて、不測の事態や、何らかの事故が起こった場合、二次フィルター(ガスフィルター群)を保護するとともに、汚染物質が外部に漏れることを防止する。 【0013】次に、上記隔離室2に隣接して設けた除染室3は、汚染物質が作業員及び機材に付着して外部に漏れることを防ぐ為の施設であり、この除染室3の一部には、作業員の更衣室6を設け、作業員は汚染区域に立ち入る前に、この更衣室6で防護服・防塵マスク等を着用し、退出時には汚染区域で着用した防護服・防塵マスク等は更衣室6で脱いで、汚染物質が外部に出ないようにしたものである。なおこの際、作業に使用する重機等の機材も、必ず除染室3を経由して出し入れするものとし、この除染室内及び更衣室には空気清浄装置を設置している。 【0014】従って、作業員は、ドア13から空気清浄装置8を設置した更衣室6内に入り、そこで、防護服,防塵マスク等を着用してのち、ドア14から空気清浄装置7を設置した除染室3へ入る。そして、ドア15から隔離室2内へ入って後述の所定の作業を行なうものである。なお、この際、クレーンなどの積みおろし機械は、ドア12及び15より入れる。上述の所定の作業とは、例えば、ドラム缶が損傷したり腐敗したりした場合の修復作業(コンクリート詰め作業または更に強固な収納容器への包装作業)とか、或いは、それらを外部に移す場合の移転作業(持ち運び作業)などをいう。 【0015】なお、隔離室2内で作業を終えた作業員は、前述の逆の経路で更衣室6内に入り、ドア13より外へ出るようにすればよく、一方、クレーンなどの使用機械は、ドア15から12へ運び出せばよい。 【0016】また本実施形態では、1段目のガスフィルター群5aの出口ダクト16aの一次測定装置19aで一たん通気の清浄度を一次的に測定してのち、次の2段目のガスフィルター群5bに通すようにしたものを示しているが、ここで、ダクト16bの出口の二次測定装置19bで二次的な測定を実施し、万一、清浄度が少しでも不完全であれば、これを循環通気ダクト16cを介し、再び隔離室2内に送入するようにしている。なお、上記二次測定装置19bで清浄度がOKと出れば、排気ダクト16dより矢印方向(外部)へ排出する。 【0017】 【発明の効果】以上のように本発明によれば、作業員が清浄な雰囲気の中で作業ができるので、極めて安全であるとともに、汚染物質の詰め替えなどの処理作業もスムーズに行われる効果がある。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】500107407 【氏名又は名称】株式会社織部精機製作所
|
| 【出願日】 |
平成13年11月21日(2001.11.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100064676 【弁理士】 【氏名又は名称】村上 博 (外2名)
|
| 【公開番号】 |
特開2003−155830(P2003−155830A) |
| 【公開日】 |
平成15年5月30日(2003.5.30) |
| 【出願番号】 |
特願2001−355523(P2001−355523) |
|