| 【発明の名称】 |
安全帯支持具及びこれを用いた安全帯支持装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】樋浦 栄一
【氏名】加納川 快明
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 支持板に形成された孔に挿入される鍔付きの栓体と、連結金具でワイヤロープの両端部を連結して形成された環状体と、この環状体を前記連結金具とその反対側との中間部分で適当な間隔を置いて束ねる少なくとも1本の結束金具とを備え、これら結束金具及び環状体の中間部分とが前記栓体内に埋入されて上ループと下ループとが形成されていることを特徴とする安全帯支持具。 【請求項2】 連結金具はその大きさが支持板に形成された孔より大きく形成されている請求項1に記載の安全帯支持具。 【請求項3】 ワイヤロープが呼径4mm以上のものである請求項1又は2に記載の安全帯支持具。 【請求項4】 栓体の外周面に栓体が上方に抜けることを防止するための突起が設けられている請求項1ないし3のいずれか1項に記載の安全帯支持具。 【請求項5】 支持板に形成された複数の孔に個別に取り付けられた請求項1ないし4のいずれか1項に記載された複数の安全帯支持具と、この両端の安全帯支持具間に両端が連結され、且つ中間部の安全帯支持具の下ループに挿通されている親綱とを備えることを特徴とする安全帯支持装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、建築現場などにおいて作業者が装着した安全帯を支持する安全帯支持具及びこれを用いた安全帯支持装置に関する。 【0002】 【従来の技術】一般に、建築作業現場においては、階層を仕切る床スラブの下面を塗装したり、床スラブの下側に電線、ガス管等を配管したり、床スラブに天井吊束を取付けたりすることがある。このような作業は下の階の床スラブを完成した後、その上に足場を立上げ、その足場に乗って行われており、足場から作業者が転落する危険を伴っている。 【0003】建築作業現場における転落事故を防止するために作業者は安全帯を着用することを義務付けられているが、床スラブの下側には安全帯を支持する適当な手段がないので、床スラブの下面にアイボルトからなる安全体支持具をねじ込んだり、溶接したりして、この安全体支持具に安全帯を直接連結したり、複数の安全帯支持具にわたって架設した親綱に安全体を連結したりしている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、床スラブの下面にフックをねじ込んだり溶接したりする作業は、足場の上で顔を上に向けて行う必要があり、その作業自体が転落の危険を伴うという課題がある。 【0005】本発明は、このような従来技術の課題を解消し、安全に、かつ容易に設置できる安全帯支持具と、これを用いる安全帯支持装置とを提供することを目的とするものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】この目的を達成するため、本発明に係る安全帯支持具(以下、本発明物品という。)は、支持板に形成された孔に挿入される鍔付きの栓体と、連結金具でワイヤロープの両端部を連結して形成された環状体と、この環状体を前記連結金具とその反対側との中間部分で適当な間隔を置いて束ねる少なくとも1本の結束金具とを備え、これら結束金具及び環状体の中間部分とが前記栓体内に埋入されて埋入されて上ループと下ループとが形成されている、という技術的手段を採用したものである。以下、本発明物品について更に詳細に説明する。 【0007】本発明物品によれば、支持板、例えば床スラブの下面を覆うデッキプレートに栓体を挿入、支持する孔を開けておけば、この支持板の上側からその孔に環状体の連結金具と反対側の部分を差込み、鍔が受止められるまで栓体を孔に差込むことにより安全帯支持具を支持板に支持させることができる。 【0008】本発明物品においては、その状態で使用しても良いが、特に、前記支持板に支持された後、当該支持板の上にコンクリート、モルタルなどが打設され、前記鍔箇所から上ループは打設したコンクリート、モルタルなどの中に埋設させるのが望ましい。 【0009】そして、本発明物品においては、支持板に支持され、しかも鍔箇所から上ループは打設したコンクリート、モルタルなどの中に埋設させると、その下ループは支持板の下側に露出しているので、この下ループに作業者が着用している安全帯のフックを係合したり、安全帯の命綱を結わえたりすると、その作業者が足場から足を踏み外した時に、本発明物品と安全帯とを介してその作業者が支持され、作業者の落下が防止されて安全性が至極向上するのである。 【0010】又、本発明物品において、連結金具はワイヤロープの両端部を連結し、作業者の落下荷重が掛かっても破損ないし外れない程度の強度を有するものであればその大きさは特に限定されるものではないが、特に、例えば地震発生時など、不測の状態が発生し、支持板上のコンクリート或いはモルタルが破壊され、しかも栓体に支持板の慣性や下ループに作用する荷重などが複雑に影響し合って作用し、栓体が支持板の下側に引き抜かれる場合を仮想すると、連結金具が孔よりも大きく形成されて、この連結金具及び上ループの上端部が孔の周縁部に確実に受止められるように構成するのが好ましく、このように構成すると、このような異常な状態が発生し、通常では予測できないような重負荷が加えられても環状体が孔の下に引き抜かれることはなく、下ループに安全帯を繋いでいる作業者を確実に支持板に吊持させることができる。 【0011】ところで、本発明物品によれば、支持板の下側に露出した下ループに安全帯を連結することにより、作業者を支持板に支持させるのであるが、本発明物品では、特に、呼径4mm以上のワイヤロープで環状体を形成すると、例えば666kg以上の衝撃荷重(最大静荷重2000kgf以上)を懸垂支持することができる結果、例えば4〜5人の作業者が同時に転落しても安全帯を介してこれらの作業者を支持することができる。 【0012】更に、本発明物品においては、作業者の転落時などに衝撃的に負荷が環状体に作用した時には前記孔により絞られているところから下の環状体の部分が張力により開かれようとするが、結束金具の弾力によりその衝撃が緩衝されるので、環状体が破断され難くなる上、作業者への衝撃が緩和されるのである。 【0013】加えて、本発明物品においては、過大な荷重を受けて栓体が支持板の下方に抜けることがあっても、ワイヤロープを連結する連結金具が前記孔の周縁部に受止められたり、コンクリートやモルタルで固められているので、安全体支持具全体が孔から抜け落ちるおそれはないのである。 【0014】本発明において、前記支持板としては、例えば床スラブの下面や壁面を覆うデッキプレート、キーストンプレート、平鋼板、折鋼板などの鋼板、又は鉄板、合板板などの木質板であっても良いが、この他に床スラブや壁構造を支えるH型鋼、溝型鋼、アングルなどの水平に配置されるフランジ部分であっても良いのである。 【0015】この支持板に形成される孔は例えばドリルを用いて形成すればよく、その内径(直径)は支持板の材質を考慮して適宜設計される。例えば、鋼板又は鉄板からなる支持板の場合には16〜17mmに、合板からなる支持板の場合には末口で14〜15mmの末細りテーパ形状に、その他の材質からなる支持板の場合には14〜15mmに設定される。 【0016】この孔に挿入される栓体に設けられる鍔は支持板に形成される孔の内径よりも大きければ良く、例えば24〜26mm程度に設定すればよい。又、この鍔の厚みは孔に挿入、支持された栓体を足で踏みつけても孔から抜けない程度の強度が得られるように設計されていればよく、例えば4mm以上の厚みがあればよい。 【0017】更に、この鍔は栓体の下端部ないし中間部に形成してもよいが、栓体をできるだけ深く孔に差込むために、栓体の上端部に設けることが好ましい。 【0018】又、この栓体の鍔以外の部分における外径は支持板に形成される孔の内径と同等以下であればよく、例えば鋼板又は鉄板からなる支持板の場合には15〜17mmに、合板からなる支持板の場合には末口で13〜15mmの末細りテーパ形状に、その他の材質からなる支持板の場合には13〜15mmに設定すればよい。 【0019】更に、本発明物品においては、前記孔から栓体が上に抜け上がることを防止するために、栓体の外周に前記孔の内径よりも大径になる突条、突起などを形成することが好ましく、栓体の外周面の全周にわたって連続する突条を設けることが更に好ましい。 【0020】このように構成すると、本発明物品において、その鍔が支持板、例えば床スラブの下面を覆うデッキプレートに接当、支持され、更に、突条をその上から順に、例えばキーストンプレート用、ベニヤ板合板用等として受け止めるように構成しても良いのである。 【0021】本発明物品において、栓体の材質としては特に限定されるものではないが、例えば合成又は天然のゴム、合成樹脂などの弾性体であっても、金属、木材などの剛体であってもよいが、これらの中では、急負荷時に当該負荷に対応してワイヤロープに追随して容易に変形でき、かつ、このワイヤロープの復元に追随して容易に原形に復元することができる弾性体を用いることが好ましい。 【0022】本発明物品において、連結金具の形状は、特に限定されるものではないが、前記孔の内径よりも大きい形状、即ち、前記孔を通過できない外形形状に形成してあればよく、例えば軸方向に長い筒形、太鼓形、鼓形、球形などに形成してあればよい。 【0023】この連結金具は、ワイヤロープの両端部を結束して支持するために、その軸心にそってワイヤロープの両端部を挿通できる孔を備えることが必要である。 【0024】この連結金具はワイヤロープの両端を挿通した状態で、例えばかしめることによりワイヤロープの両端を連結したり、両端を重ねた状態で鋳包んだり、ワイヤロープの両端を溶接し、当該部位を結束ことによりワイヤロープの両端部を連結する。 【0025】本発明物品においては、ワイヤロープの呼径が4mm以上であることが好ましく、これよりも小径の場合は安全帯支持具として必要な抗張力が得られない場合があるので好ましくない。 【0026】又、このワイヤロープの長さは、特に限定されるものではないが、結束された中間部分から連結金具側のワイヤロープを無理無く曲げることができるとともに、中間部分から転結金具と反対側のワイヤロープを無理無くまげることができ、かつ、親綱や安全帯のフックを容易に係合できる程度のループを形成できることが必要である。 【0027】本発明物品においては、連結金具により両端を連結されたワイヤロープは自然状態ではその弾力によりほぼ円環形状になるが、この連結金具とその反対側との中間部で少なくとも1本の結束金具で結束することにより中間部分が平行に接するひょうたん形になる。 【0028】この結束金具は、例えば鋼や鉄などの弾性変形可能で、しかも適当な剛性を備える帯材、棒材などからなり、束ねたワイヤロープを開こうとする力に対して弾性変形することにより緩衝作用が働く。 【0029】この結束金具の本数は1本以上であればよく、その本数を多くすることにより段階的に緩衝力を増加させることが可能である。しかし、製造コストの削減を考慮すればこの結束金具の本数が少ないことが好ましく、又、このコスト削減と緩衝力増加という相反する要請を調和させる観点から2本の結束金具を設けることが好ましい。 【0030】そして、本発明物品においては、これら少なくとも1本の結束金具及び環状体の中間部分とが前記栓体内に埋入されて上ループと下ループとが形成されているのであり、これら少なくとも1本の結束金具と環状体の中間部とを栓体内に埋入させる方法は特に限定されず、例えばインサートモールドという手法が採用される。 【0031】ところで、本発明物品において、上ループは栓体を支持板に挿入した後に支持板の上側に突出することになり、作業者により踏みつけられることがあるが、ワイヤロープの弾性により適当に撓むので、作業者の足元をすくうおそれはなく、又、作業者の脚がのけられるとその弾性で元の形状に復元するので、作業者に踏みつけられても本発明物品の機能が損なわれることはないのである。 【0032】更に、本発明物品は、これを安全帯支持具として使用した後、これにワイヤロープを介して壁体や天井等と連結し、この壁体等を支持して強度を向上したり、耐震性を向上させたりすることができるのであり、又、人体よりも軽量である天井配管、天井配線、灯具、天井板などの吊り下げに利用したりすることができる。 【0033】次に本発明に係る安全帯支持装置(以下、本発明装置という。)は、前記目的を達成するため、支持板に形成された複数の孔に個別に挿入される前記本発明物品と、両端の本発明物品に両端が連結され、且つ中間部の本発明物品の下ループに挿通される親綱とを備えることを特徴とするという技術的手段を採用する。 【0034】このように構成すると、支持板の上からこれに形成された複数の孔に、本発明物品をその下ループ側から差込み、鍔が受止められるまで栓体を孔に差込むことにより本発明物品を支持板に支持させることができるのであり、この後、本発明物品の下ループに親綱の一端に設けたフックを掛けたり、親綱の一端を結んだりして、親綱の一端を連結し、順次中間の本発明物品の下ループに親綱を通した後、親綱の他端を他端の本発明物品の下ループに連結することができる。 【0035】そして、この親綱を張る作業は支持板に支持させた本発明物品に安全帯を連結して行うことができるので、前述のように、転落のおそれのない安全な作業となるのである。 【0036】ところで、本発明装置のその他の構成は本発明物品のそれと同様であるので、その詳細な説明は重複を避けるために省略する。 【0037】 【作用】以上に説明したように、本発明物品は、支持板に形成された孔に挿入される鍔付きの栓体と、連結金具でワイヤロープの両端を連結して形成された環状体と、この環状体を前記連結金具とその反対側との中間部分で適当な間隔を置いて束ねる結束金具とを備え、これら結束金具及び環状体の中間部分とが前記栓体内に埋入されて上ループと下ループとが形成されていることを特徴とするので、以下の作用を得ることができる。 【0038】先ず、呼径4mm以上のワイヤロープを用いると、最大静荷重支持2000kgf以上、最大衝撃荷重666kg以上の荷重でもこのワイヤロープは破断しないという作用が得られる。 【0039】又、本発明物品においては、支持板に形成した孔よりも大きい連結金具でワイヤロープの両端部を連結すると、栓体が支持板の下側に引き抜かれるような重荷重が作用した時には、連結金具及び上ループの上端部が支持板の孔の周縁部に係合したり、コンクリートやモルタルで固められていることにより上ループの空間にコンクリートやモルタルが充填、埋設されているので、環状体全体が支持板の下方に引き抜かれるおそれはないという作用が得られる。 【0040】更に、本発明物品においては、環状体の中間部分を結束金具で結束しているので、下ループに衝撃的に負荷が作用した時に、この結束金具の弾性により負荷を緩衝できるという作用を得ることができる。 【0041】加えて、本発明物品においては、結束金具で結束した環状体の中間部分を栓体に埋入して上ループと下ループとが形成されているので、作業者が支持板の上に乗り、支持板に開けた孔に支持板の上から下ループと栓体とを差込むことにより設置できるという作用を得ることができる。 【0042】次に、本発明装置は、支持板に形成された複数の孔に個別に挿入される前記本発明物品と、両端の本発明物品に両端部が連結され、且つ中間部の本発明物品の下ループに挿通される親綱とを備えることを特徴とするという技術的手段を採用するので、上述した本発明物品の作用が得られる上、親綱に安全帯を連結することにより1つの本発明物品に安全帯を連結する場合に比べて作業者が安全に行動できる範囲が広くなるという作用を得ることができる。 【0043】 【発明の実施の態様】本発明物品及び本発明装置の実施例を図面に基づいて具体的に説明すれば、以下の通りであるが、もちろん、本発明物品及び本発明装置は以下の実施例に限定されるものではない。 【0044】図面において、図1は本発明物品の一実施例に係る安全帯支持具の正面図であり、この安全体支持具Aは、支持板1に形成された孔2に挿入される栓体3と、この実施例では、前記孔2の内径よりも大きい連結金具4で呼径4mm以上のワイヤロープ5の両端を連結して形成された環状体6と、この環状体6を前記連結金具4とその反対側との中間部分7で適当な間隔を置いて束ねる2本の結束金具8とを備え、これら結束金具8及び環状体6の中間部分7とが前記栓体3内に埋入されている。 【0045】前記支持板1の材質は特に限定されず、ここでは鋼製のデッキプレートが用いられ、前記孔2は予め工場で例えばドリル加工により形成されたり、建築現場でデッキプレートを設置した後にドリルで形成されたりする。又、この孔2は特に限定されないが、例えばデッキプレートの幅方向中央部に、長手方向に1800mmピッチで複数形成されている。 【0046】更に、前記各孔2の内径は特に限定されないが、ここでは17mmに形成されている。 【0047】図2は前記栓体3の正面図であり、この図2に示すように、前記栓体3は、特に限定されないが、合成樹脂やゴム更に金属等、この実施例では合成ゴムで形成され、栓本体9と、この栓本体9の上端に連設された例えば直径25mm、厚さ5mmの鍔10とを備える。 【0048】前記栓本体9は、特に限定されないが、例えば上からデッキプレートからなる支持板用として外径16mm、軸長2mmの嵌合部9aと、合板用として末口で外径14mm、軸長5mmの末細りテーパ形状の嵌合部9bと、その他の材質用として外径14mm、軸長23mmの嵌合部9cを備え、その下端には挿入を容易にするために下細りのテーパ部9dが設けられている。 【0049】又、前記栓体3の嵌合部9a〜9dの境界と、嵌合部9cの上から5mmの位置と、テーパ部9dの上端とには、孔2内で栓体3が横振れすることを防止するための突条9eが形成されている。 【0050】図3は前記連結金具4の斜視図であり、この図3には、かしめる前の連結金具4とワイヤロープ5の両端部とを2点鎖線で示し、かしめた後の連結金具4を実線で示している。 【0051】この図3に示すように、前記連結金具4は例えば中空筒形のステンレス鋼からなり、この中空部にワイヤロープ5の両端を互いに反対側から重なるように挿通した後、例えばプレスを用いてこの連結金具4をかしめることによりワイヤロープ5の両端が連結され、自然状態ではワイヤロープ5の弾力によってほぼ円環状に展開する環状体6が形成される。 【0052】図1に示すように、この環状体6を形成した後、環状体6の連結金具4側とその反対側との中間部分7を上下2本の結束金具8、8で上下に適当な間隔を置いて結束すると、ワイヤロープ5が平行に結束されている中間部分7の上側には逆おむすび形の上ループ11が形成され、下側には涙滴形の下ループ12とが形成される。 【0053】もっとも、先に結束金具8、8で中間部分7を結束してからワイヤロープ5の両端部を連結金具4で連結してもよい。 【0054】ところで、この場合、所要により、ワイヤロープ5の両端部を溶接し、その後、この両端部を連結金具4で連結してもよいのである。 【0055】図4は前記結束金具8の斜視図であり、この図4には、展開された結束金具8とワイヤロープの中間部分7が2点鎖線で示され、かしめた後の結束金具8を実線で示している。 【0056】この図4に示すように、前記結束金具8はそれぞれ例えば厚さ0.6〜1.2mm、幅9から12mmの帯鋼板からなり、下ループ12にワイヤロープ5の衝撃抗張力(666kg)よりも強い衝撃荷重、例えば700〜750kgの衝撃荷重が作用してもその力が取り除かれると弾性復元する程度の弾性を備える。 【0057】又、前記連結金具4とワイヤロープ5の両端部との結合は、中間部をしごき上げるようにして連結金具4を絞るように加えられるので、下ループ12が破断する前に破壊されることはない。 【0058】そして、この中間部分7及び上下の結束金具8を鋳包むように前記栓体3がモールドにより成形されているので、この安全帯支持具Aはその鍔10が、支持板1の上に乗った作業員が支持板1の上から当該支持板1に受止められるまで差込むことにより、支持板1の下側に下ループ12が突き出た状態に、又、支持板1の上に上ループ11が突出した状態で支持板1に支持される。 【0059】なお、この後、作業者が上ループ11を踏みつけることがあるが、この時にはワイヤロープ5が弾性変形するので、上ループ11が破損することはなく、又、上ループ11を踏みつけた作業者が足を取られて転倒することもない。更に、作業者の足がのけられると、上ループ11は弾性復元して原形に戻る。 【0060】そして、本発明においては、所要により、この安全帯支持具Aを支持板1に支持させた後、支持板1の上にコンクリート、モルタルなどが打設され、前記鍔10と上ループ11とが打設したコンクリート、モルタルなどの中に埋設される。 【0061】さて、支持板1に支持させた安全帯支持具Aの下ループ12は支持板1の下側に露出しているので、この下ループ12に作業者が着用している安全帯のフックを係合したり、安全帯の命綱を結わえたりすると、その作業者が足場から足を踏み外した時に、安全帯とこの安全帯支持具Aとを介してその作業者が支持され、作業者の落下が防止されて安全性が至極向上するのである。 【0062】又、例えば地震発生時など、不測の状態が発生し、支持板1上のコンクリート或いはモルタルが破壊され、しかも栓体3に支持板1の慣性や下ループ12に作用する荷重などが複雑に影響し合って作用し、栓体3が支持板1の下側に引き抜かれる場合を仮想すると、連結管具4が孔2よりも大きく形成されているので、この連結金具4及び上ループ11の上端部が孔2の周縁部に確実に受止められるから、このような異常な状態が発生し、通常では予測できないような重負荷が加えられても環状体6が孔2の下に引き抜かれることはなく、下ループ12に安全帯を繋いでいる作業者を確実に支持板1に吊持させることができる。 【0063】更に、通常の使用において、例えば作業者が足場から落ちて安全帯を介して安全帯支持具Aの下ループ12に衝撃的な負荷が加えられた時には、下ループ12の上側で平行に結束されている中間部分7の間隔が衝撃的に開かれようとするが、結束金具8の弾力によりその衝撃が緩衝されるので、ワイヤロープ5がその衝撃により破断されるおそれはなくなる。 【0064】なお、この安全帯支持具Aには実際には1〜2人の作業員が安全帯を連結することが多いが、呼径が4mmであると、強度的には4〜5人程度の作業員が1本の安全帯支持具Aにぶら下がっても強度的には十分安全である。 【0065】図5は本発明装置の一実施例に係る安全帯支持装置の正面図であり、この図5に示す安全帯支持装置は、支持板1に取り付けられた複数の図1に示す安全帯支持具Aにわたり親綱13を架設したものであり、親綱13の両端は両端の安全帯支持具Aの下ループ12に連結され、親綱13の中間部は中間の安全帯支持具Aの下ループ12に挿通されている。 【0066】この親綱13は、例えばロープ、ワイヤロープなどを用いればよく、安全基準に照らして適当な呼径のものが用いられる。もちろん、この親綱13は作業終了後に撤去してもよいのである。 【0067】前記親綱13の両端部を安全帯支持具Aに連結する方法は特に限定されるものではなく、ここでは親綱13の各端部を安全帯支持具Aの下ループ12に挿通して曲げ返し、曲げ返した部分とこれに重なる部分とを例えばワイヤクランプ14で締め付ける方法を採用している。 【0068】作業者は安全帯の本体から導出された命綱の先端をループにして親綱13に連結したり、命綱の先端に連結されたフックに親綱13を挿通したりすることにより、安全帯支持具Aの間とその両側の命綱が延びる範囲にわたって作業ができるようになる。もちろん、この場合においても、安全帯支持具Aの下ループ12に命綱の先端を連結してもよい。 【0069】実際には安全帯支持具Aを1個置きに1人の作業員が安全帯に連結したり、1人の作業員が安全帯支持具Aで区切られる親綱13の各区間に順次命綱を付けかえたりすることが多いが、具体的には、例えば呼径4mmのワイヤロープを用いた1本の安全帯支持具Aに対して4〜5人程度の作業員の命綱が連結されても強度的には十分なように設計される。 【0070】 【発明の効果】以上説明したように、本発明物品は、支持板に形成された孔に挿入される鍔付きの栓体と、連結金具でワイヤロープの両端を連結して形成された環状体と、この環状体を前記連結金具とその反対側との中間部分で適当な間隔を置いて束ねる少なくとも1本の結束金具とを備え、これら結束金具及び環状体の中間部分とが前記栓体内に埋入されて上ループと下ループとが形成されていることを特徴とするので、以下のような効果を得ることができる。 【0071】先ず、本発明物品は、支持板に形成された孔に挿入、取り付けられた後、その鍔から上ループにわたってコンクリートやモルタルで埋設されると、支持板の下側に引き抜かれるような状況や重荷重が作用した時にも環状体全体が支持板の下方に引き抜かれるおそれはないという作用が得られ、更に環状体の中間部分を結束する結束金具が衝撃的に加えられる負荷を緩衝できるという作用を得ることができることから、これを支持板に支持させることにより、極めて安全に安全帯を支持板に支持させることができるという効果を得ることができる。 【0072】又、本発明物品において、呼径4mm以上のワイヤロープを用いると、例えば4〜5人程度以上の作業員の体重が同時に衝撃的に加えられてもワイヤロープが破断しないという作用が得られ、又、支持板に形成した孔よりも大きい連結金具でワイヤロープの両端部を連結しているので、栓体が支持板の下側に引き抜かれるような状況や重荷重が作用した時にも環状体全体が支持板の下方に引き抜かれるおそれはないという作用が得られ、更に環状体の中間部分を結束する結束金具が衝撃的に加えられる負荷を緩衝できるという作用を得ることができることから、これを支持板に支持させることにより、極めて安全に安全帯を支持板に支持させることができるという効果を得ることができる。 【0073】又、本発明物品は、支持板に乗って、支持板の上から下ループと栓体とを栓体の鍔が支持板に受止められるまで差込むことにより支持板に支持させることができる結果、設置作業が著しく簡単で、安全に、しかも短時間で設置できるという効果を得ることができる。 【0074】そして、本発明物品はこれを支持板に支持させた後、当該支持板上にコンクリート、モルタルなどを打設することによって前記上ループは打設したコンクリート、モルタルなどの中に埋設されるのであり、このように構成することにより、これを安全帯支持具として使用した後、これにワイヤロープを介して壁体や天井等と連結し、この壁体等を支持して強度を向上したり、耐震性を向上させたりすることができるなどの効果を奏することができるのである。 【0075】加えて、本発明においては、支持板に適当な間隔を置いて複数の本発明物品を設置すれば、各本発明物品の下ループにわたって親綱を架設することができる結果、安全帯を必要とする作業者の行動範囲を広げて作業効率を至極向上させることができる上、複数の作業者に連結し、この複数の作業者によって複雑で、しかも困難な作業ができるなどの効果を奏することができるのである。 【0076】次に、本発明装置は、支持板に形成された複数の孔に個別に取り付けられた前記本発明物品と、この両端の前記本発明物品間に両端が連結され、且つその中間部の前記本発明物品の環状体に挿通されている親綱とを備えることを特徴とするという技術的手段を採用するので、前記本発明物品により得られる効果と同様の効果を得ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】502048472 【氏名又は名称】樋浦 栄一 【識別番号】502048483 【氏名又は名称】加納川 快明
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| 【出願日】 |
平成14年2月8日(2002.2.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100084630 【弁理士】 【氏名又は名称】澤 喜代治
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| 【公開番号】 |
特開2003−232132(P2003−232132A) |
| 【公開日】 |
平成15年8月22日(2003.8.22) |
| 【出願番号】 |
特願2002−32132(P2002−32132) |
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