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【発明の名称】 柱歪み直し治具
【発明者】 【氏名】鈴木 和廣
【住所又は居所】東京都港区浜松町二丁目4番1号世界貿易センタービル カヤバ工業株式会社内

【氏名】北川 順久
【住所又は居所】東京都港区浜松町二丁目4番1号世界貿易センタービル カヤバ工業株式会社内

【氏名】伊東 猛
【住所又は居所】東京都港区浜松町二丁目4番1号世界貿易センタービル カヤバ工業株式会社内

【氏名】伊藤 源昭
【住所又は居所】東京都千代田区富士見二丁目10番26号前田建設工業株式会社内

【氏名】西多 致
【住所又は居所】東京都千代田区富士見二丁目10番26号前田建設工業株式会社内

【要約】 【課題】柱歪み直し治具に適した油圧ジャッキ構造を提供する。

【解決手段】互いに継がれる上下の柱部材1,2又は水平方向に継がれる柱部材の間隔を調整する柱歪み直し治具10において、シリンダ本体20内に画成されピストンロッド40を伸長方向及び収縮方向に駆動する2つの油室42,43と、作動油を貯留するタンク19と、作動油を吐出する手動操作型のポンプ39と、各油室42,43に対する作動油の給排方向を切換える2つの伸縮切換バルブ70,80とを備え、シリンダ本体20とアタッチメント60を別部材で形成し、シリンダ本体20のヘッド部とアタッチメント60の間にタンク19を同軸的に形成して複数の油通路がタンクに直接開口する構成とした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】互いに継がれる上下の柱部材又は水平方向に継がれる柱部材の間隔を調整する柱歪み直し治具において、柱部材の一方にアタッチメントを介して着脱可能に連結されるシリンダ本体と、柱部材の他方にアタッチメントを介して着脱可能に連結されるピストンロッドと、シリンダ本体内にピストンを介して画成されピストンロッドを伸長方向及び収縮方向に駆動する2つの油室と、作動油を貯留するタンクと、作動油を吐出する手動操作型のポンプと、各油室に対する作動油の給排方向を切換える2つの伸縮切換バルブとを備え、シリンダ本体とアタッチメントを別部材で形成し、シリンダ本体のヘッド側とアタッチメントの間にタンクを同軸的に形成して複数の油通路がタンクに直接開口する構成としたことを特徴とする柱歪み直し治具。
【請求項2】前記各伸縮切換バルブは前記シリンダ本体に着脱可能に組み付けられる各バルブボディを備え、この各バルブボディ内に前記ポンプから各油室へ向かう作動油の流れを止める各チェック弁と、各油室のタンクに対する連通を開閉する各開閉弁とを備え、この各開閉弁が閉弁するのに伴ってチェック弁が開弁する構成としたことを特徴とする請求項1に記載の柱歪み直し治具。
【請求項3】前記伸縮切換バルブはバルブボディに対する螺合量に応じて前記各開閉弁及び前記チェック弁を開閉する各バルブシャフトと、この各バルブシャフトの螺合量を操作する各回転操作摘みとを備え、各バルブシャフトは互いに逆ネジの螺合関係に形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の柱歪み直し治具。
【請求項4】前記シリンダ本体から突出する取っ手を備え、この取っ手を前記伸縮切換バルブの操作摘みを囲む形状に形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の柱歪み直し治具。
【請求項5】前記シリンダ本体の油室に近い位置に前記伸縮切換バルブを配置し、シリンダ本体の前記タンクに近い位置に前記ポンプの吸込側チェック弁を配置し、シリンダ本体のこの吸込側チェック弁と伸縮切換バルブの間の中間位置に前記ポンプと、ポンプの吐出側チェック弁及びリリーフ弁を配置したことを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の柱歪み直し治具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、柱を構築する際に柱部材の傾き等を油圧によって調整する柱歪み直し治具の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えばビル等の建築現場にて、鉄骨等の柱を立てる際に、柱部材の傾きを調整する建入れ直し作業が行われる。この作業方法の一つとして、上下の柱部材の間に機械式ネジ手段によって伸縮する柱歪み直し治具を用いる方法と油圧式の治具を用いる方法があった。
【0003】そして、この油圧式の柱歪み直し治具として、例えば柱の押し上げ作業のみの片役きタイプのものと、押し引き両作業の可能な両役きタイプのものがある。
【0004】この両役きタイプのものについて説明すると、例えば図7、図8に示すように、上下の柱1,2からエレクションピース3,4が突出し、各エレクションピース3,4の間に柱歪み直し治具10が着脱可能に組み付けられる。柱歪み直し治具10は、油圧ジャッキを構成するシリンダ本体20とロッド40を備え、ロッド40の一端に形成されたアタッチメント5が連結ピン7を介してエレクションピース3に結合され、シリンダ本体20の一端に形成されたアタッチメント6が連結ピン7を介してエレクションピース4に結合される。
【0005】柱歪み直し治具10は、手動で作動するポンプ39から吐出する作動油によって伸縮作動する。シリンダ本体20の内部には、図示しないが、ポンプ39と作動油の流れ方向を切換えるバルブ等が介装される。
【0006】シリンダ本体20から突出した取っ手30が設けられ、この取っ手30の内部に作動油を貯留するタンクが形成されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような従来の柱歪み直し治具10にあっては、取っ手30の内部に作動油を貯留するタンク19が形成されているため、シリンダ本体20の内部に形成される作動油の吸い込み通路及び戻し通路をタンク19に設けられる1つの出入口9に接続する必要があるため、これら油通路の加工が複雑となり、柱歪み直し治具10をコンパクト化することが難しく、製品のコストアップを招くという問題点があった。
【0008】また、シリンダ本体20の内部に作動油の流れ方向を切換えるバルブのバルブボディやバルブシート等の構成部品が直接形成される構造のため、シリンダ本体20の加工が複雑となり、製品のコストアップを招くという問題点があった。また、バルブの不具合が発生した場合等には、シリンダ本体20全体を交換する必要があり、交換費用が嵩むとともに、交換作業に手間がかかり、メンテナンス性が悪いという問題点があった。
【0009】本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、柱歪み直し治具に適した油圧ジャッキ構造を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、互いに継がれる上下の柱部材又は水平方向に継がれる柱部材の間隔を調整する柱歪み直し治具に適用する。
【0011】そして、柱部材の一方にアタッチメントを介して着脱可能に連結されるシリンダ本体と、柱部材の他方にアタッチメントを介して着脱可能に連結されるピストンロッドと、シリンダ本体内にピストンを介して画成されピストンロッドを伸長方向及び収縮方向に駆動する2つの油室と、作動油を貯留するタンクと、作動油を吐出する手動操作型のポンプと、各油室に対する作動油の給排方向を切換える2つの伸縮切換バルブとを備え、シリンダ本体のヘッド側とアタッチメントの間にタンクを同軸的に形成して複数の油通路がタンクに直接開口する構成としたことを特徴とするものとした。
【0012】第2の発明は、第1の発明において、伸縮切換バルブはシリンダ本体に着脱可能に組み付けられる各バルブボディを備え、この各バルブボディ内にポンプから各油室へ向かう作動油の流れを止める各チェック弁と、各油室のタンクに対する連通を開閉する各開閉弁とを備え、この各開閉弁が閉弁するのに伴ってチェック弁が開弁する構成としたことを特徴とするものとした。
【0013】第3の発明は、第1または第2の発明において、伸縮切換バルブはバルブボディに対する螺合量に応じて各開閉弁及びチェック弁を開閉する各バルブシャフトと、この各バルブシャフトの螺合量を操作する各操作摘みとを備え、各バルブシャフトは互いに逆ネジの螺合関係に形成したことを特徴とするものとした。
【0014】第4の発明は、第1から第3のいずれか一つの発明において、シリンダ本体から突出する取っ手を備え、この取っ手を伸縮切換バルブの操作摘みを囲む形状に形成したことを特徴とするものとした。
【0015】第5の発明は、第1から第4のいずれか一つの発明において、シリンダ本体の油室に近い位置に伸縮切換バルブを配置し、シリンダ本体のタンクに近い位置にポンプの吸込側チェック弁を配置し、シリンダ本体のこの吸込側チェック弁と伸縮切換バルブの間の中間位置にポンプと、ポンプの吐出側チェック弁及びリリーフ弁を配置したことを特徴とするものとした。
【0016】
【発明の作用および効果】第1の発明によると、各伸縮切換バルブを操作して各油室に対する作動油の給排方向を切換え、ポンプを手動操作することにより、シリンダ本体内の油室に対して圧油を供給し、ピストンロッドを伸長方向または収縮方向に駆動し、互いに継がれる上下の柱部材又は水平方向に継がれる柱部材の間隔を調整する。
【0017】シリンダ本体のヘッド側とアタッチメントの間にタンクを同軸的に形成して複数の油通路がタンクに直接開口する構造としたため、シリンダ本体の組立、加工性を改善することと、タンクの容積を確保することを両立し、柱歪み直し治具のコンパクト化がはかれる。
【0018】シリンダ本体はそのヘッド側にタンクを画成する壁面を有するため、このタンク壁面に複数の通孔を形成して作動油の吸い込み通路及び戻し通路等をそれぞれタンクに直接開口させることが可能となる。つまり、従来例のようにタンクに接続する油通路を1つの出入口に集める必要がなくなるため、シリンダ本体に対する油通路の加工が容易になり、シリンダ本体を小型化するとともに、製品の加工コストの低減がはかれる。
【0019】第2の発明によると、各バルブボディ内に各チェック弁及び各開閉弁がユニット化して収められる構造としたため、シリンダ本体にバルブボディやバルブシート等を直接形成する構造に比べて、シリンダ本体の加工が容易になり、生産性を高めて製品のコストダウンがはかれる。さらに、シリンダ本体に対してバルブユニットのボディを着脱することにより、伸縮切換バルブの交換が容易に行え、メンテナンス性を高められる。
【0020】第3の発明によると、柱歪み直し治具が伸縮する作動方向を切換える操作時、各操作摘みの回し方向が左右で同じになるため、ピストンロッドの伸長時と収縮時において操作者が違和感なく各伸縮切換バルブの操作が行える。
【0021】第4の発明によると、取っ手を伸縮切換バルブの操作摘みを囲むように形成したため、この操作摘みの保護がはかられるとともに、シリンダ本体を置いたときの安定性が良くなる。
【0022】第5の発明によると、タンクと油室の間における作動油の流れ方向に沿って、チェック弁、ポンプ、伸縮切換バルブが配置されるため、シリンダ本体内に設けられる油通路の長さを短くし、シリンダ本体の加工が容易になるとともに、シリンダ本体の小型化がはかれる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0024】図1において、1,2はビル等の構築物を構成する上下の柱部材である。なお、この柱部材1,2は、上下方向に継がれる柱部材の他に、水平方向に継がれる梁と柱、あるいは梁どうしの如き部材であっても適用できる。以下、上下の柱部材1,2を継ぐ場合について説明する。
【0025】柱歪み直し治具10は工事現場にて柱部材1,2を立てる際に、この柱部材1,2の間に着脱可能に設けられて柱部材1,2の間隔を調整するものである。
【0026】柱歪み直し治具10は、手動で操作するポンプ39と、このポンプ39から吐出する作動油によって伸縮作動するシリンダ本体20とロッド40を備えて油圧ジャッキを構成する。シリンダ本体20の内部には、油圧ジャッキを構成するポンプ39、タンク19、吸込側チェック弁15,16及び吐出側チェック弁13,14と、作動油の流れ方向を切換えるバルブ等が介装される。
【0027】このシリンダ本体20とロッド40の各端部にアタッチメント60,50が結合される。上下の柱部材1,2にはそれぞれの端部からエレクションピース3,4が突出形成されており、このエレクションピース3,4に各アタッチメント60,50がピン7を介して着脱可能に連結される。こうして柱歪み直し治具10は施工時に柱部材1,2の間に組み付けられた状態で伸縮作動することにより柱部材1,2の間隔を調整する。
【0028】シリンダ本体20の略半分は円筒状のシリンダチューブ21が形成される。このシリンダチューブ21に軸受部材22が螺合して結合され、この軸受部材22にロッド40が摺動可能に挿通される。ロッド40の下端にはピストン41が形成され、このピストン41がシリンダチューブ21内に摺動可能に嵌合し、各油室42,43に仕切られる。柱歪み直し治具10は、ポンプ39からの作動油がロッド側の油室42に送り込まれることにより収縮し、ポンプ39からの作動油がヘッド側の油室43に送り込まれることにより伸張する。
【0029】図2に示すように、ロッド40の上端にはアタッチメント50が螺合して結合される。アタッチメント50の外周には円筒状の防塵用カバー51が取り付けられる。シリンダチューブ21の外側にはストローク表示部23が設けられる。ストローク表示部23の目盛りに対する防塵用カバー51の位置を見て、柱歪み直し治具10のストロークを確認できるようになっている。
【0030】シリンダ本体20のシリンダヘッド側にはアタッチメント60が複数のボルト61を介して締結される。シリンダ本体20のヘッド側とアタッチメント60の間にタンク19が円柱状の空間して同軸的に形成される。
【0031】シリンダ本体20とアタッチメント60の間にシール62が介装され、タンク19の密封がはかられる。タンク19を含めて柱歪み直し治具10内には所定量の作動油と加圧ガスが封入される。
【0032】タンク19を画成するシリンダ本体20のヘッド端面には吸い込み管37,38が取り付けられ、このポンプ8に吸い込み管37,38を介してタンク19に貯留された作動油がポンプ39に吸い込まれる。
【0033】なお、タンク19に加圧ガスが充填されるガス室をダイヤフラム等で画成しても良い。この場合、吸い込み管37,38が不要となる。
【0034】タンク19を画成するシリンダ本体20のヘッド端面には通孔36が直接開口し、作動油がこの通孔36を通ってタンク19に戻される。
【0035】手動操作型ポンプ39は、シリンダ本体20に形成された段付きポンプ穴と、このポンプ穴に摺動可能に嵌合する段付きプランジャ26とを備える。図5の油圧回路に示すように、ポンプ穴とプランジャ26の間に大ポンプ室17と小ポンプ室18が形成される。
【0036】シリンダ本体20の外側にはポンプ39を駆動する手動レバー27がピン28を介して揺動可能に連結される。手動レバー27はピン29を介してプランジャ26の端部に形成された凹部に係合する。これにより、手動レバー27の揺動操作に連動してプランジャ26が往復動することにより、大ポンプ室17と小ポンプ室18が拡縮し、吸込側チェック弁15,16を介してタンク19から作動油を吸い込み、吐出側チェック弁13,14を介して作動油を吐出するようになっている。
【0037】柱歪み直し治具10の油圧回路を構成するポンプ39、伸縮切換バルブ70,80、リリーフ弁11,12、チェック弁13〜16等が全てシリンダ本体20内に介装される。
【0038】シリンダ本体20のヘッド部には油圧ジャッキの油圧回路構成部品が3層に分けて配置される。油室43に近い部位に各伸縮切換バルブ70,80が配置され、タンク19に近い部位にチェック弁15,16が配置され、その中間部位にポンプ39、吐出側チェック弁12,13、リリーフ弁11,12が配置される。
【0039】タンク19に近い部位(図1において下層)に配置される吸込側チェック弁15,16は、タンク19を画成するシリンダ本体20のシリンダヘッド端面に別々に直接開口した2つのネジ穴の奥部にそれぞれ螺合して取り付けられ、本実施の形態ではこのネジ穴に各吸い込み管37,38が螺合して取り付けられる。
【0040】図5に示すように、プランジャ26の往復動に伴って大小ポンプ室17,18にはチェック弁15,16を介してタンク19から作動油が吸い込まれ、大小ポンプ室17,18から吐出する作動油がチェック弁14,13を介して各油室42,43へと導かれる。
【0041】大ポンプ室17はリリーフ弁12を介してタンク19に連通し、小ポンプ室18はリリーフ弁13を介してタンク19に連通する。このリリーフ弁11,12は大小ポンプ室17,18の圧力が所定値を超えて高まると開弁し、大小ポンプ室17,18の吐出圧を所定値以下に抑える。
【0042】このポンプ39からの作動油をロッド側の油室42に導く通路24と、ヘッド側の油室43に導く通路25が分岐形成される。この各分岐通路24,25には伸縮切換バルブ70,80が介装され、伸縮切換バルブ70,80を操作してピストン41により画成された油室42,43に対する作動油の給排方向を切換えることにより、柱歪み直し治具10の伸縮作動方向が切換えられる。
【0043】この伸縮切換バルブ70,80は、ポンプ39から各油室42,43へ向かう作動油の流れを止めるチェック弁71,81と、各油室42,43のタンク19に対する連通を開閉する開閉弁72,82とを備え、各開閉弁72,82が閉弁するのに伴ってチェック弁71,81が強制的に開弁されるようになっている。
【0044】柱歪み直し治具10を伸張作動させる場合、伸縮切換バルブ80を操作して開閉弁82を閉弁させるとともにチェック弁81を強制的に開弁させる一方、伸縮切換バルブ70を操作して開閉弁72を開弁させる。この状態でプランジャ26を往復動させることにより、図5に矢印で示すように、大小ポンプ室17,18から吐出する作動油が分岐通路25を通ってヘッド側の油室43に流入する一方、ロッド側の油室42の作動油が分岐通路24から開閉弁72を通ってタンク19に戻される。
【0045】柱歪み直し治具10を収縮作動させる場合、伸縮切換バルブ70を操作して開閉弁72を閉弁させるとともにチェック弁71を強制的に開弁させる一方、伸縮切換バルブ80を操作して開閉弁82を開弁させる。この状態でプランジャ26を往復動させることにより、図6に矢印で示すように、大小ポンプ室17,18から吐出する作動油が分岐通路24を通ってロッド側の油室42に流入する一方、ヘッド側の油室43の作動油が分岐通路25から開閉弁82を通ってタンク19に戻される。
【0046】図4に示すように、伸縮切換バルブ70,80は、シリンダ本体20に着脱可能に組み付けられるバルブボディ90を備え、このバルブボディ90内にチェック弁71,81及び開閉弁72,82の構成部品を収めるカートリッジ式の構造とする。バルブボディ90はその外周に形成されたネジ部79,89がシリンダ本体20に取り付けられる。シリンダ本体20に開口したバルブ穴とバルブボディ90の間には3本のシール91〜93が介装される。
【0047】筒状のバルブボディ90内に、チェック弁71,81を構成するボール94、バネ95が介装される。
【0048】バルブボディ90の開口端に軸受部材73,83が締結される。この軸受部材73,83に螺合するバルブシャフト74,84がバルブボディ90内にシール95を介して摺動可能に収められる。
【0049】バルブシャフト74,84の途中には弁体部96が形成される一方、バルブボディ90内にこの弁体部96を着座させるシート部97が形成され、これらによって開閉弁72,82が構成される。
【0050】バルブシャフト74,84はボール94に当接可能なロッド部98を有する。バルブシャフト74,84のバルブボディ90に対する螺合量が増えると、各開閉弁72,82が閉弁するのに伴ってロッド部98がボール94に当接し、バネ95に抗してシート部99から離れ、チェック弁71,81が強制的に開弁されるようになっている。
【0051】軸受部材73,83に螺合するバルブシャフト74,84のネジ部75,85は互いに逆ネジの螺合の関係になるように、ネジ部75を右ネジとし、ネジ部85を左ネジしする。つまり、伸縮切換バルブ70は、操作摘み76を右方向に回すとバルブシャフト74の螺合量が増える一方、伸縮切換バルブ80は、操作摘み86を左方向に回すとバルブシャフト84の螺合量が増える。
【0052】したがって、柱歪み直し治具10を収縮作動させる場合、各操作摘み76,86を右方向(引き下げ方向)に回す操作が行われる。一方、柱歪み直し治具10を伸張作動させる場合、各操作摘み76,86を左方向(押し上げ方向)に回す操作が行われる。このように柱歪み直し治具10が伸縮する作動方向を切換える操作時、各操作摘み76,86の回し方向が同じになるため、操作者が違和感なく各伸縮切換バルブ70,80の操作が行える。
【0053】図2に示すように、シリンダ本体20の外側には対の取っ手30が設けられ、作業者がこの取っ手30を持って柱歪み直し治具10を運べるようになっている。
【0054】図3に示すように、各取っ手30は各伸縮切換バルブ70,80の操作摘み76,86を囲むように折り曲げられ、この操作摘み76,86を保護する形状になっている。また、各取っ手30は互いに平行に延びる握り部31を有し、各握り部31を下にして置くことにより柱歪み直し治具10を安定して置けるようになっている。
【0055】以上のように構成されて、次に作用について説明する。
【0056】各伸縮切換バルブ70,80はシリンダ本体20に着脱可能に組み付けられる各バルブボディ90を備え、この各バルブボディ90内に各チェック弁71,81及び各開閉弁72,82が収められる構造としたため、シリンダ本体20にバルブボディやバルブシートを直接形成する構造に比べて、シリンダ本体20の加工が容易になる。さらに、シリンダ本体20に対してバルブボディ90を着脱することにより、伸縮切換バルブ70,80の交換が容易に行え、メンテナンス性を高められる。
【0057】シリンダ本体20のヘッド側とアタッチメント60の間にタンク19が同軸的に形成される構造としたため、シリンダ本体20の組立、加工性を改善することと、タンク19の容積を確保することを両立し、柱歪み直し治具10のコンパクト化がはかれる。
【0058】シリンダ本体20はそのヘッド側にタンク19を画成する壁面を有するため、この壁面に複数の油路を直接開口形成してそれぞれタンク19に連通させるとともに、戻し通路を構成する通孔36をそのままタンク19に開口連通させることが可能となる。つまり、従来例のようにタンク19に接続する油通路を1つの出入口に集める必要がないため、シリンダ本体20に対する油通路の加工が容易になり、シリンダ本体20を小型化するとともに、製品のコストダウンがはかれる。
【0059】また、取っ手30内にタンクを設ける必要がなく、取っ手30の大型化が避けられるとともに、取っ手30を折り畳みできる構造としたり、着脱式にしたりして収納スペースを小さくすることが可能となる。本実施の形態では、各取っ手30を各伸縮切換バルブ70,80の操作摘み76,86を囲むように形成したため、この操作摘み76,86の保護がはかられる。
【0060】シリンダ本体20の油室42,43に近いヘッド部に伸縮切換バルブ70,80を配置し、シリンダ本体20のヘッド部のタンク19に近い部位にポンプ39の吸込側チェック弁15,16を配置し、シリンダ本体20のヘッド部の中間部位にポンプ39及びリリーフ弁11,12を配置する構造により、タンク19と油室42,43の間における作動油の流れ方向に沿って、吸込側チェック弁15,16、ポンプ39、リリーフ弁11,12、吐出側チェック弁12,13、伸縮切換バルブ70,80が配置されるため、シリンダ本体20に設けられる油通路の長さを短くし、シリンダ本体20の加工が容易になるとともに、シリンダ本体20の小型化がはかれる。
【0061】本発明は上記の実施の形態に限定されずに、例えば、柱歪み直し治具10の取り付け方向や手動操作型ポンプのレバー取り付け方向、その他等、本発明の技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
【出願人】 【識別番号】000000929
【氏名又は名称】カヤバ工業株式会社
【住所又は居所】東京都港区浜松町2丁目4番1号 世界貿易センタービル
【識別番号】000201478
【氏名又は名称】前田建設工業株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区富士見2丁目10番26号
【出願日】 平成14年2月8日(2002.2.8)
【代理人】 【識別番号】100075513
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 政喜 (外1名)
【公開番号】 特開2003−232131(P2003−232131A)
【公開日】 平成15年8月22日(2003.8.22)
【出願番号】 特願2002−32403(P2002−32403)