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【発明の名称】 畳表用軟化剤
【発明者】 【氏名】伊藤 公郎
【住所又は居所】大阪府東大阪市友井5丁目4番6号 株式会社科研内

【要約】 【課題】畳表の変色を防止するとともに藺草の折損防止を確保することを可能にすることで、使っていた畳表を裏返し、変色していない状態の面を表替えにすることによって、効果的な裏返しが実現し、快適な空間をより長く利用することを可能とする畳表用軟化剤を得ることを目的とする。

【解決手段】シリコン系の界面活性剤、フッ素系の界面活性剤、有機系ノニオン活性剤、水、よりなることを特徴とする畳表用軟化剤。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 (イ)シリコン系界面活性剤、(ロ)フッ素系界面活性剤、(ハ)ノニオン界面活性剤、(ニ)水、よりなることを特徴とする畳表用軟化剤。
【請求項2】 前記シリコン系界面活性剤が0.1〜0.5重量%、前記フッ素系界面活性剤が0.1〜0.5重量%、前記ノニオン界面活性剤が1〜3重量%、及び残量水を含有する請求項1に記載の畳表用軟化剤。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、畳表用軟化剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、縁無し畳が流行している。前記縁無し畳としては、主として琉球畳・目積・普通畳等があり、これらの縁無し畳の場合、畳表の長辺側は畳床の端で折り返さなければならない。短辺側では藺草の並びに沿って曲げることになるため問題は無いが、長辺側では藺草等を90度屈曲させなければならない。しかし、藺草の繊維方向に逆らう屈曲を無造作にすると、藺草が折れてしまう。こうなると、藺草が痛んだ上、畳の外観を大きく損なうとともに、歩行者の足に引っかかり、歩行者の靴下や畳表自身の損傷を引き起こす。
【0003】上記欠点を避けるため、畳表を屈曲しやすいようにする軟化剤として、特開2000−8592号公報、特開2000−336911号公報が公知となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これらの上記従来技術(特開2000−8592号公報,特開2000−336911号公報)については、畳表において軟化剤を塗布する部分が、軟化剤を塗布する以前と比較して変色するという問題があった。このため、畳表を屈曲する際、屈曲部の表面側に従来の軟化剤を塗布すると、藺草の折損防止を確保するものの、畳表の屈曲部の表面側近傍で変色する。その一方で、畳表の屈曲部の表面側近傍の変色を防止すべく、畳表を屈曲する際、屈曲部の裏面側に従来の軟化剤を塗布すると、前記目的は達成されるものの、畳表の屈曲部の表面側まで従来の軟化剤が含浸されない為、藺草が折損されるおそれがある。
【0005】そこで、本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、畳表の変色を防止するとともに藺草の折損防止を確保することを可能にすることで、使っていた畳表を裏返し、変色していない状態の面を表替えにすることによって、効果的な裏返しが実現し、快適な空間をより長く利用することを可能とする畳表用軟化剤を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では上記目的を達成するため、次の手段を講じている。すなわち本発明の畳表用軟化剤は、シリコン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、ノニオン界面活性剤、水、よりなることを特徴とするものである。前記シリコン系界面活性剤が0.1〜0.5重量%、前記フッ素系界面活性剤が0.1〜0.5重量%、前記ノニオン界面活性剤が1〜3重量%を含有することが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の畳表用軟化剤は、水に、シリコン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、及びノニオン界面活性剤を配合してなる畳表用軟化剤である。本発明で用いる水は、水道水でも構わないが、できれば水垢等を含まないイオン交換水ないしは蒸留水のほうが好ましい。しかしながら、前記水の種類については、前記のものに限定されるものではない。本発明で用いるシリコン系界面活性剤は、疎水基がメチルポリシロキサン、親水基がポリアルキレンオキサイドから構成される非イオン系界面活性剤である。このシリコン系界面活性剤を具体的に例示すれば、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体、ポリオキシエチレンアルキルポリシロキサン・ポリオキシプロピレンアルキルポリシロキサン・ジメチルポリシロキサン共重合体、メチルポリシロキサン・アルキルメチルポリシオキサン・ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体等が挙げられる。
【0008】シリコン系界面活性剤の配合割合については、本発明の畳表用軟化剤全量中、0.1〜0.5重量%が好ましい。0.1重量%未満では表面張力が上昇し、湿潤力、浸透力が低下するため、畳表を屈曲する際に、藺草が折損されるおそれがある。また、0.5重量%を超えると溶液の白濁が進み、塗布乾燥後、畳表に白色痕を残すため、畳表の屈曲部の表面側近傍で変色するおそれがある。本発明で用いるフッ素系界面活性剤は、疎水基に直鎖状又は分岐状のパーフルカーボン基をもつ界面活性剤である。フッ素系界面活性剤は、陽イオン界面活性剤との化学反応を防ぐために、非イオン系又は陽イオン系を用いる必要があるが、取り扱い易さの面から非イオン系のものが好ましい。このフッ素系界面活性剤を具体的に例示すれば、パーフルオロアルキルポリオキシアルキレン誘導体、パーフルオロアルキルアミンポリオキシアルキレン誘導体等が挙げられる。
【0009】フッ素系界面活性剤の配合割合については、本発明の畳表用軟化剤全量中、0.1〜0.5重量%が好ましい。0.1重量%未満では表面張力が上昇し、湿潤力、浸透力が低下するため、畳表を屈曲する際に、藺草が折損されるおそれがある。また、0.5重量%を超えると溶液の白濁が進み、塗布乾燥後、畳表に白色痕を残すため、畳表の屈曲部の表面側近傍で変色するおそれがある。ノニオン界面活性剤は、アルキレンオキシド付加型のノニオン界面活性剤が好適に用いられ、高級アルコール、合成アルコール(n−パラフィン、n−オレフィン又はα−オレフィンを酸化して得られるもの、及び人工的にイソ分岐等が導入されたもの等を含む)、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪アミド、高級脂肪アミン、高級アルキルフェノール、及び高級多価アルコールに対し、アルキレンオキシドを付加させたものが用いられる。アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、これらの混合物及びブチレンオキシドが通常使用される。
【0010】本発明で用いるノニオン界面活性剤の配合割合については、本発明の畳表用軟化剤全量中、1〜3重量%が好ましい。この配合割合が1重量%未満では十分な洗浄力が得られず、畳表の変色につながる。一方、3重量%を超えると柔軟性付与効果が低下する。
【0011】
【実施例】以下本発明の具体的実施例と比較例を下記表により説明する。前記畳表の長辺側の屈曲部に前記畳表用軟化剤を適量塗布したものを8枚準備し、畳表を90度屈曲した後、乾燥させた。この乾燥後の各畳表を観察した結果を表に示す。尚、表中の数値はいずれも重量%で表されている。
【0012】
【表1】

【0013】実施例■では表に示すとおり、水に、シリコン系界面活性剤が0.2重量%、フッ素系界面活性剤が0.2重量%、及びノニオン界面活性剤1.5重量%と混合して畳表用軟化剤として、畳表に塗布するという実験を実施した。その結果、表に示すように、屈曲性、耐変色性とも優れたものであった。実施例■では表に示すとおり、水にシリコン系界面活性剤が0.4重量%、フッ素系界面活性剤が0.4重量%、及びノニオン界面活性剤2.5重量%と混合して畳表用軟化剤として、畳表に塗布するという実験を実施した。
【0014】その結果、表に示すように、屈曲性、耐変色性とも優れたものであった。これに対し、比較例■から■では、この畳表用軟化剤に含まれる、シリコン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、及びノニオン界面活性剤の配合割合として好ましくなく、何らかの問題点があった。即ち、比較例■では表に示すように、水に、シリコン系界面活性剤が0.7重量%、フッ素系界面活性剤が0.5重量%、及びノニオン界面活性剤1.2重量%と混合して畳表用軟化剤として、畳表に塗布するという実験を実施した。
【0015】その結果、表に示すように、屈曲性については優れたものであったものの、耐変色性については問題があった。比較例■では表に示すように、水に、シリコン系界面活性剤が0.05重量%、フッ素系界面活性剤が0.1重量%、及びノニオン界面活性剤2.8重量%と混合して畳表用軟化剤として、畳表に塗布するという実験を実施した。その結果、表に示すように、耐変色性については優れたものであったものの、屈曲性については問題があった。
【0016】比較例■では表に示すように、水に、シリコン系界面活性剤が0.4重量%、フッ素系界面活性剤が0.8重量%、及びノニオン界面活性剤2.6重量%と混合して畳表用軟化剤として、畳表に塗布するという実験を実施した。その結果、表に示すように、屈曲性については優れたものであったものの、耐変色性については問題があった。比較例■では表に示すように、水に、シリコン系界面活性剤が0.3重量%、フッ素系界面活性剤が0.06重量%、及びノニオン界面活性剤1.9重量%と混合して畳表用軟化剤として、畳表に塗布するという実験を実施した。
【0017】その結果、表に示すように、耐変色性については優れたものであったものの、屈曲性については問題があった。比較例■では表に示すように、水に、シリコン系界面活性剤が0.2重量%、フッ素系界面活性剤が0.3重量%、及びノニオン界面活性剤0.7重量%と混合して畳表用軟化剤として、畳表に塗布するという実験を実施した。その結果、表に示すように、屈曲性については優れたものであったものの、耐変色性については問題があった。
【0018】比較例■では表に示すように、水に、シリコン系界面活性剤が0.3重量%、フッ素系界面活性剤が0.4重量%、及びノニオン界面活性剤3.7重量%と混合して畳表用軟化剤として、畳表に塗布するという実験を実施した。その結果、表に示すように、耐変色性については優れたものであったものの、屈曲性については問題があった。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、畳表の変色を防止するとともに、藺草の折損防止を確保することが可能な畳表用軟化剤を得られる。
【出願人】 【識別番号】502042791
【氏名又は名称】株式会社科研
【住所又は居所】大阪府東大阪市友井5丁目4番6号
【出願日】 平成14年2月6日(2002.2.6)
【代理人】 【識別番号】100061745
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 敏雄
【公開番号】 特開2003−232122(P2003−232122A)
【公開日】 平成15年8月22日(2003.8.22)
【出願番号】 特願2002−29847(P2002−29847)