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【発明の名称】 改装用外壁
【発明者】 【氏名】山口 勲
【住所又は居所】東京都江東区大島2丁目1番1号 トステム株式会社内

【要約】 【課題】簡単な構造を備えて低コストで製造ができ、組み立てに手間がかからず、使用するサイディングの厚さに自由度を持たせることができ、かつ取付け後に化粧枠に何らかの不都合を発見しても、サイディングを取り外すことなく化粧枠の取り替えを可能とする改装用外壁を提供する。

【解決手段】既存の建物外装の改装用外壁において、既存の建物外装を覆うサイディング24a、bとサイディングを建物外装に取付ける胴縁23a、bと建物外装の開口部においてサイディングの切断面及び胴縁27a,bを覆い隠す化粧枠25a,bとを具備し、化粧枠はその各辺を構成する枠部材により一体に形成されるとともに、枠部材はサイディング表面に当接される当接部26a,bと当接部の一端側から建物内部方向に伸びるように形成された張り出し部27a,bとを備え、サイディングを胴縁へ取付けた後に、化粧枠をサイディングに取付けてなる構造を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 建物外装の改装用外壁であって、前記建物外装を覆うサイディングと、前記サイディングを前記建物外装に取付ける胴縁と、前記建物外装の開口部において前記サイディングの切断面及び前記胴縁を覆い隠す化粧枠とを具備し、前記化粧枠は、その各辺を構成する枠部材により一体に形成されるとともに、前記枠部材は前記サイディング表面に当接される当接部と、前記当接部の一端側から前記建物内部方向に伸びるように形成された張り出し部とを備え、前記サイディングを前記胴縁へ取付けた後に、前記化粧枠を前記サイディングに取付けてなる構造を備えた改装用外壁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建物の外装を改装する際に好適に用いられる改装用外壁に関する。
【0002】
【従来の技術】建物の外装部は、自然の風雨等にさらされるために、建物内部に比べて、経時変化により劣化する度合いが高い。例えばモルタルで形成された外壁は時間を経るに従い、次第に凹凸が目立つようになり、また見た目にも、色彩等の表面性状から美しさが次第に失われてゆく。近時、意匠性に優れ、断熱、保温、遮音等の機能に優れたサイディング材が開発され、比較的安価に入手できるようになった。したがって、これらのサイディングを利用した建物外装の改装が広く行われるようになっている。
【0003】サイディングは通常、胴縁を介して建物に取付けられる。また、建物には窓や玄関、勝手口などの開口部があるので、このような開口部に対しては、所定の長さにサイディングを切断し、あるいは開口部形状に合わせた切り欠きを設けて開口位置との整合を取っている。したがって、この開口部分には胴縁やサイディングの切断面(切り欠き部分の切断面を含む。)が露出することになり、これらを覆い隠す目的で、開口部形状に合わせて形成された化粧枠が使用される。これによって、外観がより好ましいものとされている。
【0004】図5および図6は、従来の改装用外壁に使用される化粧枠の取付け例を示す断面図である。それぞれの図において、(a)は上枠側、(b)は下枠側を示すものである。図5において、建物本体50に既存胴縁52a及び52bを介して既存外壁51が取付けられている。建物開口部(窓)((a)では図の下方、(b)では図の上方)にはサッシ53a、53bが取付けられている。サッシ53a、53bと既存外壁51との間は、シーリング材54及びバックアップ材55により、シーリングがなされ、既存胴縁52a及び52bの部分にある隙間への雨水等の侵入防止がはかられている。サッシ53a、53bはそれぞれ上枠及び下枠として、不図示の2辺の縦枠とともに開口部に沿って四辺形の窓枠を形成している。
【0005】改装用外壁の主要部を成すサイディング57a及び57bは新胴縁56a及び56bを介して既存外壁51の外部側(図では左方向)に取付けられている。そしてこれらサイディング57a及び57b並びに新胴縁56a及び56bは、建物開口部の形状にしたがって、切断され、あるいは切り欠かれており、新胴縁56a及び56bや、サイディング57a及び57bの切断面は上述したように開口部側に露出している。したがってこのままでは、美観上好ましくないので、露出している新胴縁56a及び56bや、サイディング57a及び57bの切断面を覆い隠す部材が使用される。
【0006】図5の例では、断面形状「L」字型の第一部材58a、58bが、それぞれ新胴縁56a及び56bを覆い隠している。またサイディング57a及び57bの切断面は上記第一枠部材58a、58bとは別体に形成された第二枠部材59a、59bによりそれぞれが覆い隠されている。そして、これらの第一及び第二枠部材はそれぞれに建物開口部の四辺に沿って設けられることにより二組の四辺形の枠体を形成し、これら二組の四辺形の枠体が組み合わされて、開口部において一つの化粧枠を構成している。
【0007】図6は、従来の化粧枠取付けの他の一例を示す断面図である。ここでも、建物本体60に既存胴縁62a〜62dを介して既存外壁61が、建物開口部にはサッシ63a、63bが取付けられている。サッシの上枠63a、及び下枠63bは開口部に沿って四辺形の窓枠を形成している。
【0008】サイディング67aおよび67bは、新胴縁66a及び66bを介して既存外壁61の外部側に取付けられており、これらサイディング67aおよび67b並びに新胴縁66a及び66bは、建物の窓などの形状にしたがって、切断され、あるいは切り欠かれていて、新胴縁66a及び66bや、サイディング67aおよび67bの切断面は開口部側に露出している。図6の例では、この新胴縁66a及び66b並びにサイディング67aおよび67bの切断面を断面形状が「F」字型の枠部材69a、69bにて覆い隠している。そして、これらの枠部材69a、69bは建物開口部の四辺に沿って設けられ、四辺形の化粧枠を形成している。またこの図6の例では、まず新胴縁66a及び66bを既存外壁61に取付け、その後枠部材69a、69bを新胴縁66a及び66bに取付けて化粧枠を形成する。さらにその後にサイディング67aおよび67bを枠部材69a、69bの2枚のフィン部70、71の間に挿入して取付ける構造となっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、例えば図5に示されている例においては、化粧枠が二つの枠体により形成されているため、基本的に化粧枠を構成する部材の製造コスト高になる。また組み立て時に別体として構成された二つの枠体をそれぞれ位置決めして取付ける手間が必要となり、作業が煩雑であるという問題があった。また、図6に示されている例では、「F」字型枠部材の2枚のフィン部70、71の間隔(図6においてWで示される長さ)が固定されているため、この間隔に挿入されるべきサイディングの厚さをこの間隔に合わせなければならないという制約もあった。さらに、図6に示される例においては、全ての改修作業が終了した後に化粧枠に傷等何らかの不都合が発見された場合、その化粧枠を取り替えるためには取付けたサイディング全てを取り外してから取替えを行う必要があった。
【0010】そこで、本発明は、簡単な構造を備えて低コストで製造ができ、組み立てに手間がかからず、使用するサイディングの厚さに自由度を持たせることができ、かつ取付け後に化粧枠に何らかの不都合を発見しても、サイディングを取り外すことなく化粧枠の取り替えを可能とする改装用外壁を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0012】本発明は、建物外装(21)の改装用外壁であって、建物外装を覆うサイディング(24)とサイディングを建物外装に取付ける胴縁(23)と建物外装の開口部においてサイディングの切断面及び胴縁を覆い隠す化粧枠とを具備し、化粧枠はその各辺を構成する枠部材(25a、25b、25c)により一体に形成されるとともに、枠部材はサイディング表面に当接される当接部(26)と当接部の一端側から建物内部方向に伸びるように形成された張り出し部(27)とを備え、サイディングを胴縁へ取付けた後に、化粧枠をサイディングに取付けてなる構造を備えた改装用外壁、を提供して前記課題を解決する。
【0013】ここに化粧枠とは、建物の開口部、例えば窓、玄関、勝手口、掃出し、換気口などにおいて、建物外装部の改修用に使用されたサイディングの切断面及び胴縁を覆い隠す目的で使用されるものをいう。したがって、化粧枠の形状は、例えば窓や換気口においては概して四辺形となる。また、玄関、勝手口、掃出し等においては、四辺形の三辺となることが多い。しかし本発明における化粧枠の形状はこれらに限定されず、上記以外の形状を取るものであっても、建物外装部の改修用に使用されるサイディングの切断面及び胴縁を覆い隠す目的で使用されるもの全てを含むものである。
【0014】この発明の改修用外壁では、まずサイディングが胴縁に取付けられ、その後にサイディングに化粧枠が取付けられる構成をとっている。また、化粧枠を構成する当接部と張り出し部のうち、当接部がサイディングと化粧枠との位置関係の決定にあずかり、張り出し部がサイディングの切断面及び胴縁を覆い隠す機能を有するものである。
【0015】この発明によれば、化粧枠を構成する各辺は、基本的にはサイディング表面に当接される当接部と、当接部の一端側から建物内部方向に伸びるように形成された張り出し部とを備えさえすれば、それ以外の構造を必要としないので、簡単な構造の化粧枠として構成することが可能である。したがって化粧枠を構成する部材の製造コストを低く抑えることができる。また構造が簡単なので容易に製造することができる。
【0016】また、化粧枠は、各辺を構成する枠部材により一体に形成されているので、複数の枠体により構成されている場合に比較して、製造コストを低く抑えることができる。また据え付け時に、複数の枠体それぞれについて開口部に対する位置決めをするが必要なく、一度の位置決めのみを行えばよいので、位置決め作業を容易に行うことができる。
【0017】また化粧枠は、サイディング取付け後にサイディング表面部に取付けるようにするため、サイディングに当接される当接部と張り出し部とのみで構成されている。これに対して、化粧枠をサイディング取付け前に(胴縁に)取付ける構造とした場合、張り出し部の張り出し長さの中間位置に、化粧枠を胴縁に当接して位置決め固定等するための例えばフィン等を設け、さらにサイディングの切断部を完全に覆い隠すため、あるいはサイディングを当接して位置決めして固定をするための前記フィンと平行に設けられるフィンとを必要とする。このような構成の場合、二つのフィンの間隔が固定されることとなり、その間に挿入されるサイディングの厚さは、その間隔以下に規制されてしまう。しかし上記したように、本発明の改修用外壁に備えられる化粧枠には張り出し部の張り出し方向の中間部にフィン等を設ける必要がなく、張り出し部の外方端部に当接部を設ければよい。したがって、化粧枠形状とサイディングの厚さとの関係の自由度を高めることができる。具体的には、本発明における制約は、当接部をサイディングに当接した状態において、張り出し部と、室内側から室側へと伸びるように設けられたサッシのフィン部とで、サイディングと胴縁とを覆い隠すことができるように、張り出し部の長さを設定することのみである。本発明においては、この張り出し部長さ設定上の制約があるのみで、この条件を満たす範囲であれば、張り出し部の長さと、サイディングの厚さとの関係を自由に設定することができる。たとえば、張り出し部の長さを長くして、サッシフィン部との重なり合う長さを大きく設定した場合、薄いサイディングから厚いサイディングまで幅広く使用することが可能となる。このように化粧枠の張り出し部の長さを調節することにより、どのようなサイディングの厚さでも受け入れることができる。したがって、サイディングはその厚さに縛られることなく自由に選択が可能となる。
【0018】さらに、化粧枠は、サイディングを胴縁へ取付けた後に、サイディングに取付けるように構成されているので、例えばすべての改修作業終了後に化粧枠に何らかの不都合が発見されたような場合、サイディングを取り外すことなく化粧枠の取替えを行うことができる。
【0019】本発明のこのような作用及び利得は、次に説明する実施の形態から明らかにされる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。
【0021】図1は、建物外装の窓に化粧枠を取付けた状態の室外側からの外観を示す斜視図である。化粧枠の取付けビスを隠すため、窓の四辺の図面手前側に装飾部材31a、31b、31c、31dが取付けられており、化粧枠はそれらの下面側(紙面奥側)に配置されている。図1においては化粧枠のうち下枠部材25bと、左縦枠部材25dのみが現れており、これら二つの枠部材と、図1においては装飾部材31a〜31dの下側に隠れて配置されている上枠部材25a及び右縦枠部材25cと、により化粧枠が構成されている。この化粧枠により、胴縁やサイディングの切断面は覆い隠されている。したがって図1においても胴縁やサイディング切断面は現れていない。上枠部材25a、下枠部材25b、及び縦枠部材25cの詳細については以下の図2及び図3の説明において明らかにする。また、図1においては、4枚の横置きサイディングが配置されているように見えるが、本実施形態のサイディングは一枚のサイディングの中央水平方向に、意匠上の効果を狙ってサイディングの継ぎ目を模した形状が施されているので、実際に図1に表されているサイディングの数は、サイディング24a、とサイディング24bとの2枚である。サイディング24aには窓の開口形状に沿って、下向に開口した「コ」の字型の切り欠きが設けられている。また、サイディング24bには窓の開口形状に沿って、上向に開口した「コ」の字型の切り欠きが設けられている。これらの詳細については図4における説明にて明らかにする。
【0022】図2(a)は、建物の開口部(窓)に取付けた化粧枠上枠部の図1におけるIIa-IIa矢視垂直面断面図、(b)は化粧枠下枠部の図1におけるIIb-IIb矢視垂直面断面図である。したがって、窓は図2(a)の下方、図2(b)の上方に位置する。また、図2(a)、及び図2(b)において、図の左方が室外側、図の右方が室内側にあたる。
【0023】また、図3は、建物の窓に取付けた化粧枠の縦枠部分を示す図1のIII-III矢視水平面断面図である。図3では窓(開口部)は図の左側に位置する。また、紙面上部が室外側、紙面下部が室内側にあたる。
【0024】以下に図2及び図3を参照しつつ、本発明の一実施形態としての改装用外壁の詳細について説明する。なお、上枠、下枠、及び縦枠部分の断面を示す各図面において、各図に共通する部材の符号にそれぞれ、「a」、「b」、「c」を付してあらわしているが、部材を説明する上で、上枠、下枠、又は縦枠の区別を要しない場合には、これら「a」、「b」、「c」の符号を省略して説明するものとする。
【0025】図2及び図3において、建物本体Hに胴縁Dを介して取付けられている既存外壁21の外方(図2においては図の左方向、図3においては図の上方向)には新胴縁23が取付けられている。新胴縁23のさらに外方には、サイディング24が取付けられている。またそのさらに外方には化粧枠25が取付けられている。化粧枠25は、サイディング24の外側面に面接触する当接部26と、当接部26の一端側から略直角に折れ曲がり室内方向(図2では右方向、図3では下方向)に延伸された張り出し部27とを備えている。張り出し部27の先端は、室内側から室外側へと伸ばされたサッシ22のフィンと線接触又は面接触している。この接触により、サイディング24の切り口や、胴縁23が露出する側が閉じられる。したがって、化粧枠張り出し部27と、サッシ22とによりサイディング24の切り口や、胴縁23が覆い隠されることとなるので、これらは外部からは見えなくなり、開口部の美観が向上して装飾上の効果を得ることができる。
【0026】化粧枠部材25は、取付け用ねじ28によりサイディング27へと取付けられている。また化粧枠部材25の当接部26の外方側に露出する取付け用ねじ28頭部の両側部には、装飾部材取付け部29、30が各四辺と平行に形成されている。この装飾部材取付け部29、30に装飾部材31が嵌合するように取付けられている。したがって、取付け用ねじ28も外部からは見ることができない。これによっても装飾上の効果を得ることができる。
【0027】なお、図2(a)にあらわされているように、化粧枠上枠部材25aの当接部26a下部には、水抜き穴32が設けられている。水抜き穴32により、新胴縁23a側に侵入した雨水を室外側に排出することができる。
【0028】図4は、外壁開口部へサイディングを配列する一例を示しており、図4(a)は、図1の外装両側部を垂直方向に切断した状態を示す斜視図、図4(b)は、各サイディングの切り欠き状態を示している。図1に関する説明でも述べたように、この窓の開口部には、2枚の横置きサイディング24a、24bが使用されている。各サイディング24a、24bの上端部(例えばサイディング24aでは上端部41)及び下端部(例えばサイディング24bでは下端部42)には、相互に嵌合できるような形状が形成されている。図4(a)の接合部43において、上側サイディング24aの下端部と下側サイディング24bの上端部とが嵌合されている。前述した意匠上の効果を狙ってサイディングの継ぎ目を模した形状とはこの接合部43の外観形状である。
【0029】上側サイディング24aの垂直下方への荷重(サイディング24aの重量)は、主に不図示の金具を介して、上側サイディング24aを胴縁へ釘止め等する事により受け止められている。しかしその一部は図4からも明らかなように下側サイディング24bによっても受けることがかのうとなっている。図2(a)において、サイディング24a下端の切断面(切り欠き部)が、化粧枠上枠部材25aの張り出し部27aから上方に浮いた位置にあるのは、上側サイディング24aの荷重を、化粧枠上枠部材25aで受けていないことを示すものである。図4(b)で明らかにされているとおり、上側サイディング24aの垂直下方への荷重は、切り欠き部を除いた上側サイディング24aの下端部44a、45aから切り欠き部を除いた下側サイディング24bの上端部44b、45bへと伝えられる。このように位置決めして、化粧枠にサイディングの重量がかからないように構成することができる。
【0030】以上の説明からも明らかなように、本実施形態の改装用外壁を、既存の建物に取付ける場合、まず既存外壁21に新胴縁23を取付ける。一般には、胴縁は木材で形成されており、釘等で既存外壁21に取付けることができる。しかる後に新胴縁23にサイディング24を取付ける。その後にサイディング24上の所定位置に化粧枠各部材25を取付けねじ28にて固定する。本願発明の特徴的部分の一つにこの取付けの順序があり、このように構成することにより、既存外壁に面する側は、サイディングに当接される当接部と張り出し部とのみで構成されている。これによる効果について図7を参照しつつさらに詳しく説明する。
【0031】図7は、化粧枠下枠部における断面図であり、(a)は従来技術、(b)は本願発明にかかる構成を示すものである。従来技術を示す図7(a)において、化粧枠下枠部材71aをサイディング73a取付け前に胴縁72aに取付ける構造とした場合、張り出し部76aの張り出し長さ方向の中間位置に、化粧枠を胴縁に当接して位置決め固定等するための第一当接部74等を設ける必要がある。さらにサイディング73aの切断面77aを完全に覆い隠すため、あるいはサイディング73aを当接して位置決めし固定するため、第一当接部74と平行に第二当接部75を設ける必要がある。このような構成の場合、二つの当接部74、75の間隔が固定されることとなり、その間に挿入されるサイディング77aの厚さは、その間隔以下に規制されてしまう。
【0032】これに対して、本発明においては、胴縁にサイディングを取付けた後に、化粧枠下枠部材をサイディングに取付ける構成となっている。したがって、図7(b)に示されているように、本発明の改修用外壁に備えられる化粧枠下枠部材71bには張り出し部76bの張り出し方向の中間に従来のような第一当接部等を設ける必要がなく、張り出し部76bの外方(図で左方向)端部に当接部76を設ければ足りる。したがって、化粧枠形状とサイディング73bの厚さとの関係の自由度を高めることができる。具体的には、本発明における制約は、当接部76をサイディング73bに当接した状態において、張り出し部76bと、室内側から室側へと伸びるように設けられたサッシのフィン部78とで、サイディング73bと胴縁72bとを覆い隠すことができるように、張り出し部76bの長さを定めることのみである。本発明においては、この張り出し部76bの長さ設定上の制約があるのみで、この条件を満たす範囲であれば、張り出し部76bの長さと、サイディング73bの厚さとの関係を自由に設定することができる。たとえば、張り出し部76bの長さを長くして、サッシフィン部78との重なり合う長さを大きく設定した場合、薄いサイディングから厚いサイディングまで幅広く使用することが可能となる。このように化粧枠の張り出し部76bの長さを調節することにより、どのようなサイディングの厚さでも受け入れることができる。したがって、サイディングはその厚さに縛られることなく自由に選択が可能となる。
【0033】さらに、化粧枠は、サイディングを胴縁へ取付けた後に、サイディングに取付けるように構成されているので、例えばすべての改修作業終了後に化粧枠に何らかの不都合が発見されたような場合、サイディングを取り外すことなく化粧枠の取替えを行うことができる。
【0034】なお、本発明においてサイディングを構成する材料は窯業系であっても金属系であってもよい。また化粧枠各部材や、装飾部材を構成する材料は、アルミニウム押し出し材をアルマイト処理したものが好適に使用されるが、樹脂や鋼を材料としてもよい。
【0035】化粧枠のサイディングへの取付けは、取付けねじを利用する方法を説明したが本発明はこれに限定されるものではなく、例えば接着剤等を使用することもできる。
【0036】以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う改装用外壁もまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
【0037】
【発明の効果】以上要するに、請求項1の発明によれば、化粧枠を構成する各辺は、サイディング表面に当接される当接部と、当接部の一端側から建物内部方向に伸びるように形成された張り出し部とを備えるように構成されているので、簡単な構造の化粧枠として構成することが可能である。したがって化粧枠を構成する部材の製造コストを低く抑えることができる。また構造が簡単なので容易に製造することができる。
【0038】また、化粧枠は、各辺を構成する枠部材により一体に形成されているので、複数の枠体により構成されている場合に比較して、製造コストを低く抑えることができる。また据え付け時に、複数の枠体それぞれについて開口部に対する位置決めをするが必要なく、一度の位置決めのみを行えばよいので、位置決め作業を容易に行うことができる。
【0039】また化粧枠は、サイディング取付け後にサイディング表面部に取付けるようにするため、既存外壁に面する側は、サイディングに当接される当接部と張り出し部とのみで構成されている。本発明の改修用外壁に備えられる化粧枠にはフィン等を設ける必要がないので、化粧枠形状とサイディングの厚さとの関係の自由度を高めることができる。本発明においては、張り出し部長さ設定上の所定の制約があるのみで、この所定条件を満たす範囲であれば、張り出し部の長さと、サイディングの厚さとの関係を自由に設定することができる。
【出願人】 【識別番号】302045705
【氏名又は名称】トステム株式会社
【住所又は居所】東京都江東区大島2丁目1番1号
【出願日】 平成14年2月5日(2002.2.5)
【代理人】 【識別番号】100077687
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤田 章
【公開番号】 特開2003−232119(P2003−232119A)
【公開日】 平成15年8月22日(2003.8.22)
【出願番号】 特願2002−28693(P2002−28693)