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【発明の名称】 着脱自在のスナップインパネル固定装置及びその係止金具
【発明者】 【氏名】和田守 正信

【要約】 【課題】胴縁にパネルをスナップイン係止によって取り付けるようにするとともに必要に応じてスナップイン係止を外側から解除してパネルを取り外せるようにする。

【解決手段】躯体Cに設置した胴縁Bに胴縁側係止金具20を,パネルAにパネル側係止金具30をそれぞれ配置し,これらのスナップイン係止によってパネルA間に開放目地40を形成するようにパネルAを胴縁Bに固定するとともに目地40側に位置するパネル側係止金具30の係止突片32に設置した透孔34に工具を挿入して非目地側に位置する胴縁側係止金具20の先端に設置した押圧部24を押圧することによって胴縁側係止金具20を弾発的に拡開してスナップイン係止を解除し,パネルAを正面に引くことによってこれを取り外し可能とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 胴縁側及びパネル側の係止金具をその対向面間において相互にスナップイン係止することによってパネル間に目地を形成するようにパネルを胴縁に固定するパネル固定装置であって,上記パネル側係止金具を目地側に,胴縁側係止金具を非目地側に配置し上記スナップイン係止の位置をこれら係止金具の正背面方向中間位置とし,上記パネル側係止金具における上記係止位置より非自由端側に透孔を配置して該透孔を介して目地から上記胴縁側係止金具の自由端を非目地側に押圧することによって上記スナップイン係止のパネル固定を解除自在としてなることを特徴とする着脱自在のスナップインパネル固定装置。
【請求項2】 上記パネル側係止金具と胴縁又は胴縁側係止金具との間に上記スナップイン係止によって対接しパネル側係止金具の背面側への移動を阻止する移動阻止手段を備えてなることを特徴請求項1に記載の着脱自在のスナップインパネル固定装置。
【請求項3】 上記胴縁側係止金具を胴縁長手方向に断続的に配置したピース金具によるものとし且つパネル側係止金具をパネルの背面外周端部に連続的に配置した長尺金具によるものとしてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の着脱自在のスナップインパネル固定装置。
【請求項4】 上記胴縁側係止金具とパネル背面又はパネル側係止金具との間にこれらの公差によるスナップイン係止の遊びを吸収する遊び吸収手段を備えてなることを特徴とする請求項1,2又は3に記載の着脱自在のスナップインパネル固定装置。
【請求項5】 対向面間において相互にスナップイン係止することによってパネル間に目地を形成するようにパネルを胴縁に固定する胴縁側及びパネル側の係止金具であって,パネル側を目地側に,胴縁側を非目地側に配置し上記スナップイン係止の位置を正背面方向中間位置とし,上記パネル側の上記係止位置より非自由端側に透孔を配置して該透孔を介して目地から上記胴縁側の自由端を非目地側に押圧することによって上記スナップイン係止のパネル固定を解除自在としてなることを特徴とする着脱自在のスナップインパネル固定装置の係止金具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,例えば内装,外装のためにパネルを建築物の躯体に設置するに用いる着脱自在のスナップインパネル固定装置及びその係止金具に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】この種のパネル固定は,胴縁に対してパネルを直接にネジ止めしたり,例えばパネル設置用金具(ファスナー)を介してパネルをネジ止めするように,一般にネジ(ボルトを含む)を使用して行うものとされており,この場合ネジを操作して一度設置したパネルを取り外すことが可能であり,躯体との間の配線の点検等の各種メンテナンスに対応し得るし,設置工事で設置位置を間違えたパネルの張替えも可能となるが,多数箇所における締着作業が必要となり,パネル設置工事が煩雑化する傾向がある上,パネルの正面や側面のフランジにネジ(ネジの頭)が露出することを避け難く,特に,例えばロビー,ホール等の壁面にあっては,設置パネルの外観が損なわれ易いという傾向を招き,その改善が求められている。
【0003】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので,その解決課題とするところは,可及的簡単な構造によってパネルの固定を簡易且つ確実になし得るようにすることによってパネル設置作業の高度な作業性を確保するとともに設置パネルの取り外しを簡易且つ確実になし得るようにすることによってメンテナンスや誤設置に対応することができ,またパネル固定のネジ等の露出が一切なく設置パネルの外観を極めて良好に確保することができるようにした着脱自在のスナップインパネル固定装置を提供するにあり,またこれに用いる係止金具を提供するにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題に沿って本発明は,胴縁に対するパネルの固定を,胴縁に配置した胴縁側の係止金具とパネルに配置したパネル側の係止金具を使用し,これらを正背面方向中間位置(断面長手方向中間位置といってもよい)においてスナップイン係止することによってパネル間に目地を介してパネルを胴縁に固定し得るようにし,これによってパネルの簡易且つ確実な設置を可能とするとともに該スナップイン係止したパネルの係止金具を,これら胴縁側及びパネル側係止金具及びその係止の位置関係と形態に着目し,上記目地側に位置するパネル側係止金具に透孔を配置し,該透孔から工具を挿入して係止金具の係止状態で非目地側に位置する胴縁側係止金具の自由端を押圧し,一般にアルミ,鋼,硬質樹脂等によって構成することにより素材の弾発性(スプリング性)を備えている胴縁側係止金具を,その素材の弾発性やその発揮を促進する形状乃至構造による弾発性を活用して弾発的に拡開することによってパネル側係止金具との係止を解除し得るようにし,パネルの取り外しを簡易且つ確実に行うようにしたものであって,即ち請求項1に記載の発明を,胴縁側及びパネル側の係止金具をその対向面間において相互にスナップイン係止することによってパネル間に目地を形成するようにパネルを胴縁に固定するパネル固定装置であって,上記パネル側係止金具を目地側に,胴縁側係止金具を非目地側に配置し上記スナップイン係止の位置をこれら係止金具の正背面方向中間位置とし,上記パネル側係止金具における上記係止位置より非自由端側に透孔を配置して該透孔を介して目地から上記胴縁側係止金具の自由端を非目地側に押圧することによって上記スナップイン係止のパネル固定を解除自在としてなることを特徴とする着脱自在のスナップインパネル固定装置としたものである。
【0005】請求項2に記載の発明は,上記に加えて,正面からパネルを押圧することによってスナップイン係止と該係止状態の確実な保持とを行ってパネル設置の確実且つ安定した固定をなし得るものとするように,これを,上記パネル側係止金具と胴縁又は胴縁側係止金具との間に上記スナップイン係止によって対接しパネル側係止金具の背面側への移動を阻止する移動阻止手段を備えてなることを特徴請求項1に記載の着脱自在のスナップインパネル固定装置。
【0006】請求項3に記載の発明は,同じく上記に加えて,胴縁側係止金具の材料使用量を抑制するとともにパネル側係止金具をパネル端部の補強をなし得るものとすることによって,構造の簡易化とパネル設置の安定性を向上するように,これを,上記胴縁側係止金具を胴縁長手方向に断続的に配置したピース金具によるものとし且つパネル側係止金具をパネルの背面外周端部に連続的に配置した長尺金具によるものとしてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の着脱自在のスナップインパネル固定装置としたものである。
【0007】請求項4に記載の発明は,同じく上記に加えて,胴縁側係止金具とパネル側係止金具の生産加工の公差に起因するスナップイン係止の遊びによって生じることある設置パネルの揺動可能性を解消してパネル設置の安定性を向上するように,これを,上記胴縁側係止金具とパネル背面又はパネル側係止金具との間にこれらの公差によるスナップイン係止の遊びを吸収する遊び吸収手段を備えてなることを特徴とする請求項1,2又は3に記載の着脱自在のスナップインパネル固定装置としたものである。
【0008】請求項5に記載の発明は,上記着脱自在のスナップインパネル固定装置に使用する係止金具を提供するように,これを,対向面間において相互にスナップイン係止することによってパネル間に目地を形成するようにパネルを胴縁に固定する胴縁側及びパネル側の係止金具であって,パネル側を目地側に,胴縁側を非目地側に配置し上記スナップイン係止の位置を正背面方向中間位置とし,上記パネル側の上記係止位置より非自由端側に透孔を配置して該透孔を介して目地から上記胴縁側の自由端を非目地側に押圧することによって上記スナップイン係止のパネル固定を解除自在としてなることを特徴とする着脱自在のスナップインパネル固定装置の係止金具としたものである。
【0009】本発明は,これらをそれぞれ発明の要旨として上記課題解決の手段としたものである。
【0010】なお本発明において係止金具は上記胴縁又はパネルと別の金具の場合と一体の金具の双方を含む意味に用い,また目地は,少なくともパネル側係止金具の透孔を介して胴縁側係止金具の自由端を押圧可能とするように,目地材を配置することなく,目地部分を開放することによって目地空間を配置した開放目地,目地材の長手方向全部又はスナップイン係止部分に対応した長手方向一部を着脱自在に配置することによってパネル取り外しに際して該目地材の全部又は一部を開放自在とした目地材着脱自在目地の双方を含む意味に用いる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下図面の例に従って本発明を更に具体的に説明すれば,図1乃至図3においてAはパネル,Bは胴縁であり,パネルAは,胴縁側及びパネル側の係止金具20,30をその対向面間において相互にスナップイン係止することによってパネルA間に目地40を形成するように胴縁に固定してあり,このとき上記パネル側係止金具30を目地40側に,胴縁側係止金具20を非目地側に配置し上記スナップイン係止の位置をこれら係止金具20,30の正背面方向中間位置とし,上記パネル側係止金具30における上記係止位置より非自由端側に透孔34を配置して該透孔34を介して目地40から上記胴縁側係止金具20の自由端を非目地側に押圧することによって上記スナップイン係止のパネルA固定を解除自在としてあり,これによってパネルAを着脱自在とするようにしてある。
【0012】本例にあってパネルAは,不燃性芯材の表裏に仕上材を積層したサンドイッチ状の複合板,例えば樹脂系芯材と表裏のアルミ仕上材による「アルポリック」(商標名)として知られる複合パネルを使用し,鉄筋コンクリートビル等の建築物,地下鉄駅舎等の地下構築物の壁面,天井等の各種内装材又は外装材としてその内装又は外装を行うものとしてあり,このときパネルAは該複合パネルを所定の矩形乃至方形に切断し必要に応じて端面の仕上げを行った平板パネルによるものとし又は外周を背面側に折曲して切断面が露出しないようにした折曲縁部付きの平板パネルによるものとしてあり,例えば躯体Cに設置した胴縁Bに上記胴縁側及びパネル側の係止金具20.30を用いて固定するものとしてある。
【0013】本例にあって胴縁Bは,例えば躯体Cに植立したアンカーボルトにL字アングル材のブラケット15を固定設置し該ブラケット15にボルトナット16によって締着固定することによって躯体Cに設置した,例えばアルミ材による長尺のものとし,常法に従って縦横格子状等に配置し,パネルAの四辺外周背面を上記係止金具20,30によって固定支持するものとしてあり,このとき本例の胴縁Bは,基部11,本例にあって中空とした基部と,該基部11から背面に突出した上記ブラケット15に固定する固定片12と,上記基部11にその両側に突出するように配置し外方,本例にあっては側方に開口する開口溝14を形成するコ字状突片13を備えたものとし,例えばアルミを押出成型することによって一体に成型したアルミ押出材製のものとしてある。
【0014】胴縁側及びパネル側の係止金具20,30は,上記パネルAの固定用に,対向面間において相互にスナップイン係止することによってパネルA間に目地40を形成するようにパネルAを胴縁10に固定する金具として,パネル側を目地側に,胴縁側を非目地側に配置し上記スナップイン係止の位置を正背面方向中間位置(断面長手方向中間位置といってもよい)とし,上記パネル側の上記係止位置より非自由端側に透孔34を配置し該透孔34を介して目地40から上記胴縁側の自由端を非目地側に押圧することによって上記スナップイン係止のパネルA固定を解除自在としたものとしてあり,本例にあって上記胴縁側係止金具20を胴縁B長手方向に断続的に配置したピース金具によるものとし且つパネル側係止金具30をパネルAの背面外周端部に連続的に配置した長尺金具によるものとする一方,上記パネル側係止金具30と胴縁B又は胴縁側係止金具20との間に上記スナップイン係止によって対接しパネル側係止金具30の背面側への移動を阻止する移動阻止手段を備えたものとしてあり,本例の該移動阻止手段は,これを,パネル側係止金具30の,例えば目地側に向けて突設して上記スナップイン係止によって胴縁Bの,例えば上記中空の基部11に対して正面側において引掛け係止自在とした係止突起36によるものとしてある。
【0015】本例の胴縁側及びパネル側の各係止金具20,30は,胴縁Bと同様に,例えばアルミを押出成型することによって一体に成型したアルミ押出材製のものとし,胴縁側係止金具20にあってこれを所定長さに切断して,例えば数cm程度の短尺の上記ピース金具とし,またパネル係止金具30にあってパネルAの各辺の長さに応じて切断して上記長尺金具としたものとしてある。
【0016】胴縁側係止金具20は,胴縁Bの上記コ字状突片13による開口溝14に嵌合する固定片21と,該固定片21から正面側に突出し,該固定片21に対してアルミ押出材の弾性を向上するように,例えば肉厚を薄くすることによって配置した係止突片22と,該係止突片22の長手方向中間,即ち突出方向中間にしてその外側,即ち目地40側に向けて,例えば上面(背面側)の係止面を水平としたV字状をなすように一体に突出配置したスナップイン突起をなす係止用突起23と,同じく係止突片22の該係止用突起23位置の近傍正面側に位置に厚肉の平坦面をなすように配置した押圧部24とを備えた断面略L字状をなすものとしてあり,上記固定片21を胴縁Bの上記開口溝14に嵌合し,例えばコ字状突片13の正面側から該固定片21をネジ,リベット,接着等,本例にあってはネジ25止め固定することによって胴縁Bに一体的に配置するようにしてあり,このとき該胴縁側係止金具20は,その係止突片22が基部11の側面との間に,本例にあって上記固定片12の長さに応じた程度の溝幅を備えて正面側に開口した受溝26を形成するようにしてある。
【0017】一方パネル側係止金具30は,パネルAの背面に面接固定する固定片31と,該固定片31から背面側に突出するように配置した係止突片32と,該係止突片32の長手方向中間にしてその内側,即ち非目地側に向けて,例えば下面(正面側)の係止面を水平とした同じくV字状にして上記胴縁側係止金具20の係止用突起23と対応するように一体に突出配置した同じくスナップイン突起をなす係止用突起33と,同じく係止突片32の長手方向中間,即ち突出方向中間の該係止用突起33位置近傍にしてその外側,即ち目地40側に胴縁Bの基部11に向けてフィン状に突出した係止用突起36と,同じく上記係止突片32における,これらV字状及びフィン状の係止用突起33,36位置の近傍正面側にして,長手方向中間に透設した工具受け用の透孔34とを備えた断面略L字状をなすものとしてあり,上記固定片31をパネルAの背面に面接するように,ネジ,リベット,接着等,本例にあってはリベット35によって固定することによってパネルAに一体的に配置するようにしてあり,これによって係止突片32がパネルAの背面側外周端部に連続して突出するようにしてある。
【0018】このように形成した本例の胴縁側係止金具20とパネル側係止金具30はその各係止用突起23,33をスナップインすることによって相互に係止し,本例にあっては同時にパネル側係止金具30の係止用突起36を受溝26の縁部に係止することによって,パネルA間に目地40を形成してパネルAを胴縁Bに着脱自在に固定するものとしてある。
【0019】即ち該パネルAの胴縁Bへの設置は,事前に又は現場において胴縁Bの幅方向両側に各パネルA毎にその長手方向複数の胴縁側係止金具20を断続的に配置し,同じく事前に又は現場においてパネルAの背面外周端部に,幾分の縁部スペースを残すようにパネル側係止金具30を連続的に配置して,パネル側係止金具30の上記係止突片32を胴縁側係止金具20における上記受溝26に挿入するようにパネルAを正面側から背面の胴縁B側に向けて押圧することにより,パネル側係止金具30と胴縁側係止金具20の各係止用突起23,33を相互に弾発的に係止することによってスナップイン係止して胴縁Bに対して各パネルAの外周端部を固定するものとしてあり,このとき本例にあってはパネル側係止金具30における上記目地40側の係止用突起36を上記受溝26の目地40側の縁部,本例においては受溝26を画する胴縁Bの基部11下面(正面側)に弾発的に係止するように引掛け係止し,パネル側係止金具30の背面側への移動を阻止する移動阻止手段をなして,本例にあって上記胴縁側係止金具20の固定片21を胴縁Bにネジ25止め固定するネジ頭の逃げスペースを配置したことによって非目地側の係止用突起23によるスナップイン係止に伴って目地40側で係止することによってパネル側係止金具30が背面側に移動する可能性を解消して,スナップイン係止状態を確実に保持するものとしてある。
【0020】また胴縁側係止金具20は胴縁Bの基部11の両側に該基部11と受溝26を形成し該受溝26にパネル側係止金具30の係止突片32を挿入するようにしたことによってパネルAの設置により胴縁Bにおける受溝26の間隔,本例にあっては上記基部11の見付幅に応じた間隔を置いた配置となる一方,パネルAの背面外周端部に対する縁部スペースを残したパネル側係止金具30配置の位置関係により,スナップイン係止を行うことによって上記基部11に応じた所定幅,本例にあっては1〜2cm程度の幅の目地40を各パネルAを囲むように各隣接するパネルA間に形成するようにしてあり,本例の目地40は,例えばパネルA間に目地空間を形成するように目地材を配置することなく長手方向全長を開放することによって開放目地をなすものとしてある。
【0021】胴縁側係止金具20及びパネル側係止金具30の事前又は現場での配置は,胴縁側係止金具20の固定片21を胴縁Bのコ字状突片13による開口溝14に挿入し,その位置決め後にコ字状突片13に正面側からネジ25を螺装してネジ止め固定すればよく,またパネル側係止金具30の固定片31をパネルAの外周端部に沿い又は幾分の間隔を置くようにして外周端部側に該固定片31から起立した係止突片32が位置するようにして,該固定片31をパネルAの背面から,表面に露出しないように上記ネジ,リベット,接着等によって固定すればよい。
【0022】一方パネルAの胴縁Bからの取り外しは,図3に示すように,例えばドライバー,レンチのような一般工具やL字状等に折曲形成することによって先端に押圧用の屈曲挿入部を備えるようにした専用工具等を用いて,目地40,本例にあっては開放目地の目地空間側からパネル側係止金具30の上記透孔34に工具を差込んでこれとスナップイン係止している胴縁側係止金具20の上記押圧部24を押圧することによって,上記係止突片22をその弾性によって拡開させ,パネル側係止金具30の係止用突起33を胴縁側係止金具20の係止用突起23から離して,パネルAを正面側に引くことによって該パネルAのスナップイン係止を解除するようにすればよく,このとき本例の目地40側において上記引掛け係止を行う係止用突起36も正面側に引かれて,同様にその係止を解除することができる。従って胴縁Bに断続的に配置した各胴縁側係止金具20についてそれぞれスナップイン係止を解除する該押圧部24の押圧操作を順次行うことによってパネルAを取り外すことが可能となる。
【0023】このとき胴縁側係止金具20の係止突片22は,その素材と上記薄肉化による弾性を備えることによって該係止突片22を拡開しても,これにより塑性変形等の損傷を招くことがなく,定位置に弾発的に復帰することによって,例えば取り外し後に再度同一の胴縁側係止金具20を用いて上記パネルAの取付け設置を行うことが可能となる。
【0024】図中28は,本例にあって上記胴縁側係止金具20とパネルA背面又はパネル側係止金具30との間に配置した,これらの公差によるスナップイン係止の遊びを吸収する遊び吸収手段であり,本例のスナップイン係止の遊び吸収手段28は,簡単な構成にして確実に遊びを吸収してパネルA設置の安定性を高度に確保し得るものとするように,これを,上記胴縁側係止金具20とパネルA背面又はパネル側係止金具30との間,本例にあっては胴縁側とパネル側の係止金具20,30間に弾性部材を介設することによって構成したものとしてあり,該弾性部材の介設による遊び吸収手段28によって,胴縁B,胴縁側係止金具20及びパネル側係止金具30の生産加工に伴う公差を吸収して,パネルAが外力を受けて僅かながらも揺動したり,該揺動によって軋み音を発生したりすることなく,パネルAの固定とその取付け設置をガタツキなく高度に安定したものとするようにしてある。
【0025】本例の上記弾性部材は,これをクッション材によるものとし,本例にあって該クッション材は,気密材等として用いられる中空チューブ材のガスケットを胴縁側係止金具20に設置し,パネルAに固定したパネル側係止金具30の固定片31に押し付けるように配置することによって該パネル側係止金具30を弾発的に押圧するようにしてあり,本例にあっては胴縁側係止金具20における上記係止突片22の先端に正面側に開口した断面C字状の嵌合溝27を一体に設置し,該嵌合溝27にガスケットの基部を嵌合固定することによって介設し,上記遊び吸収手段28を形成するものとしてある。
【0026】図4は見切り部分の納まりを示すもので,該見切り納まりにおいては,胴縁B,胴縁側係止金具20及びパネル側係止金具30を共通に用いる一方,パネルAを折曲して見切り用として,見切り側の端部を閉塞するようにすればよく,このときパネルAの折曲は背面にV字カットを施し,該カット面を突合せ,必要に応じて固定する留めの折曲を行って,該折曲した端部の奥行方向先端部分を別途躯体Cに設置したブラケット15にネジ止めするようにすればよい。図中50は該見切り部分から側方に向けて設置した間仕切パネルである。
【0027】図5は入隅部分の納まり,図6は出隅収まりをそれぞれ示すもので,該入隅納まり及び出隅納まりにおいてはパネルA,胴縁側係止金具20及びパネル側係止金具30を共通に用いる一方,胴縁Bをそれぞれ入隅用,出隅用のものとして使用してパネルAの取り付け設置を行うものとしてある。
【0028】即ち胴縁Bは,いずれも上記と同様に躯体Cに固定設置したブラケット15に固定する固定片12と該固定片12から一側に突出した折曲片17とを備えて断面L字状を呈するものとしてあり,入隅用において上記固定片12長手方向中間にして非折曲片側の一側に上記と同様のコ字状突片13を配置して上記開口溝14を形成したものとし,出隅用においては該固定片12のコ字状突片13による開口溝14とともに上記折曲片17にコ字状突片乃至単一の突片13を配置して該コ字状突片又は単一の突片13と固定片17とによる上記開口溝14と直交する開口溝14を形成したものとしてある。
【0029】入隅納まりのパネルAは,入隅用の胴縁Bを直交するように躯体C入隅部に固定設置したブラケット15にそれぞれ固定片12を固定することによって開口溝14を内側の非目地側に向けるように上下方向に2本を平行に配置し,各胴縁側係止金具20の固定片12をそれぞれ開口溝14に挿入して同様にネジ15止めすることによって胴縁Bの固定片12との間にそれぞれ受溝26を形成し,同様に該胴縁側係止金具20にパネル側係止金具30をスナップイン係止して,パネルA間に入隅の目地40,本例にあっては同じく開放目地を形成してパネルAを直交するように入隅の納まりとして取付け設置するものとしてある。
【0030】また出隅納まりのパネルAは,躯体C出隅部に固定設置したブラケット15に胴縁側係止金具20の固定片21を固定することによってその直交する開口溝14にパネル側係止金具30の固定片31を挿入して同様にネジ25止めすることによって胴縁Bの固定片12との間にそれぞれ受溝26を形成し,同じく該胴縁側係止金具20にパネル側係止金具30をスナップイン係止して,同様にパネルA間に出隅の目地40,本例にあっては同じく開放目地を形成してパネルAを直交するように出隅納まりとして取付け設置するものとしてある。
【0031】図4乃至図6のその余は上記例と変わらないので同一符合を付してその説明を省略する。また図1乃至図6は左右に配置したパネルAの横断面図乃至その分解斜視図を示したものであるが,パネルAを上下に配置した縦断面図及び分解斜視図は,該パネルAを上下とするようにこれらの図を90度反転して倒した状態に示されるので,これら上下配置の縦断面図の図示を同じく省略する。
【0032】以上のように胴縁側及びパネル側の係止金具20,30を用いたパネルAの胴縁Bへの取付け設置は,パネルAと胴縁Bに胴縁側,パネル側の各係止金具20,30を設置し,パネルAを胴縁B側に押圧し,これら係止金具20,30をスナップイン係止することによってなされるから,パネルA設置の作業を簡易且つ確実になし得てその作業性を大きく向上することができるとともに移動阻止手段,遊び吸収手段の作用によってパネルAの設置の安定性が充分に確保されて,揺動やガタツキのない確実なパネルA設置を行うことができる。またパネルAの設置にスナップイン係止を用いながらも,パネルAやこれら係止金具20,30を損傷することなく,正面側からの簡単な取り外し操作によってスナップイン係止を解除してパネルAを取り外すことができ,従って,躯体CとパネルA間に配置した配線,配管等の保守点検や,例えばコンセント用の孔加工を施したパネルを非コンセント位置に誤って取付け設置した場合の如くにパネルA設置の誤作業の是正等のためのパネルA取り外しとその再設置をスムーズ且つ確実に行うことができる。また係止金具20,30はその構造が簡単であることによって,例えば鋼板を加工したり,アルミや硬質樹脂等を押出成型したりする,金属又は樹脂加工によって比較的容易且つ安価に量産することができるとともに精度を可級的に確保して安定した金具とすることが可能となる。
【0033】図示した例は以上のとおりとしたが,パネルをアルミ板,鋼板,これらの鋳物板等の金属系パネル,木質系パネル,セメント系パネル,石膏ボード系パネル等適宜材料によるものとすること,上記別部材の係止金具を使用することなく,例えば一体成型することによって胴縁側係止金具を胴縁と一体に形成してその配置を行い,パネル側係止金具をパネルと一体に形成してその配置を行うようにし,胴縁,パネルへの固定を省略し得るものすること,このとき金属系パネルをプレス加工するようにし,アルミを押出成型加工,鋳造成型加工し,樹脂を射出成型加工する等適宜の成型手段を用いるようにすること,スナップイン係止を,例えば上記胴縁側係止金具において係止用溝とし,パネル側係止金具において係止用突起としてこれら溝と突起の係止によるものとすること,このとき上記移動阻止手段の設置を省略すること,上記目地にその空間を塞ぐ着脱自在の目地材を追加的に配置し,該目地の全部又はスナップイン係止部分を開放自在とすること,透孔を長孔や長手方向の端部を開放した溝によるものとすること,移動阻止手段を用いるとき,これを上記パネル側係止金具と胴縁又は胴縁側係止金具との間に備えたものとすること,同じく移動阻止手段を設けるとき,スナップイン係止に伴ってパネル側係止金具の係止突片の先端を上記コ字状突片又は胴縁又は胴縁側係止金具に突設した突起に突き当て対接するようにすること,胴縁側係止手段を,その胴縁への一体と別体の如何を問わず長尺のものとし,またパネル側係止金具を同じく短尺のものとすること,遊び吸収手段を備えるとき,これをスプリングによる弾性部材を用いたものとすること,上記受溝を形成するとき,胴縁側係止金具を正面側に向けて開口するように,該係止金具によってこれを配置するようにすること等を含めて,本発明の実施に当って,胴縁,パネル,係止金具,目地,スナップイン係止,透孔,必要に応じて用いる移動阻止手段,遊び吸収手段等の各具体的材質,形状,構造,用途,これらの関係,これらに対する付加等は,上記発明の要旨に反しない限り様々な形態とすることができる。
【0034】
【発明の効果】本発明は以上のとおりに構成したから,請求項1に記載の発明は,可及的簡単な構造によってパネルの固定を簡易且つ確実になし得るようにすることによってパネル設置作業の高度な作業性を確保するとともに設置パネルの取り外しを簡易且つ確実になし得るようにすることによってメンテナンスや誤設置に対応することができ,またパネル固定のネジ等の露出が一切なく設置パネルの外観を極めて良好に確保することができるようにした着脱自在のスナップインパネル固定装置を提供することができる。
【0035】請求項2に記載の発明は,上記に加えて,正面からパネルを押圧することによってスナップイン係止と該係止状態の確実な保持とを行ってパネル設置の確実且つ安定した固定をなし得るものとすることができる。
【0036】請求項3に記載の発明は,同じく上記に加えて,胴縁側係止金具の材料使用量を抑制するとともにパネル側係止金具をパネル端部の補強をなし得るものとすることによって,構造の簡易化とパネル設置の安定性を向上するものとすることができる。
【0037】請求項4に記載の発明は,同じく上記に加えて,胴縁側係止金具とパネル側係止金具の生産加工の公差に起因するスナップイン係止の遊びによって生じることある設置パネルの揺動可能性を解消してパネル設置の安定性を向上することができる。
【0038】請求項5に記載の発明は,上記着脱自在のスナップインパネル固定装置に使用する係止金具を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】501319173
【氏名又は名称】和田守 正信
【出願日】 平成14年2月8日(2002.2.8)
【代理人】 【識別番号】100073276
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 公總
【公開番号】 特開2003−232115(P2003−232115A)
【公開日】 平成15年8月22日(2003.8.22)
【出願番号】 特願2002−32306(P2002−32306)