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【発明の名称】 棟ふき土用しっくい板
【発明者】 【氏名】安中 民勇

【要約】 【課題】棟ふき土の未硬化、硬化の状態に左右されることなく施工が容易かつ迅速に行えるしっくい板を得る。

【解決手段】屋根瓦(6)の最上段をなす瓦尻(6a)と棟側ののし瓦(7a)との間隙部を閉塞する半月板状の主板(16)を設け、該主板(16)に前記瓦尻(6a)の上面に沿って突出するブラケット(17)を設け、該ブラケット(17)を介して前記主板(16)を前記瓦尻(6a)の上面に固着する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】屋根瓦(6)の最上段をなす瓦尻(6a)と棟側ののし瓦(7a)との間隙部を閉塞する半月板状の主板(16)を設け、該主板(16)に前記瓦尻(6a)の上面に沿って突出するブラケット(17)を設け、該ブラケット(17)を介して前記主板(16)を前記瓦尻(6a)の上面に固着可能としたことを特徴とする棟ふき土用しっくい板。
【請求項2】ブラケット(17)の幅方向中間部に瓦尻(6a)の幅方向中間部を開放する雨水の流通部(18)を設けたことを特徴とする請求項1記載の棟ふき土用しっくい板。
【請求項3】屋根瓦(6)の最上段をなす瓦尻(6a)と棟側ののし瓦(7a)との間隙部を閉塞する半月板状の主板(16)を設け、該主板(16)に前記のし瓦(7a)の下面に沿って突出するブラケット(17−3)を設け、該ブラケット(17−3)を介して前記主板(16)を前記のし瓦(7a)の下面に固着可能としたことを特徴とする棟ふき土用しっくい板。
【請求項4】主板(16)に該主板(16)の形状を変化させる際の切断用溝(19)またはマークを形成したことを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の棟ふき土用しっくい板。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、屋根瓦の瓦尻と棟側ののし瓦との間隙部を閉塞するしっくい板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の技術として図13に示すものがあった。図13において、1はプラスチック製の棟ふき土用しっくい板であり、左右方向に細長い半月状の主板2の背面に刺し片3を一体に有する。上記主板2は下縁2aを瓦尻の上面に沿って円弧状に湾曲させ、上縁2bを直線状に延出させてなる。また、上記刺し片3は主板2の背面の上下中間部から背面方向に突出させ、その突出端に下方に屈曲する鉤部3aを形成してなる。
【0003】そして、棟込み瓦を敷設する際に、この中に充填した棟ふき土が未硬化の時点で上記しっくい板1の刺し片3を棟ふき土に突き刺し、該棟ふき土の硬化によって刺し片3を保持し、その主板2部で屋根瓦の瓦尻と棟側ののし瓦との間隙部を閉塞して上記棟ふき土の側面を保護する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のしっくい板1は、棟ふき土が未硬化の時点、つまり新築時、あるいは棟込み瓦の全体を改修する際には使用することができるが、上記棟ふき土が硬化した状態では使用することができず、径年等によって部分的に損傷した棟ふき土を補修する際には、従来はこの棟ふき土の側面に新たなしっくいを塗布して補修する必要があった。これは多大な手数と熟練を要することになる。本発明は棟ふき土の状態に左右されることなく容易に取り付けることができる新規な棟ふき土用しっくい板を得ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達成するために以下の如く構成したものである。即ち、屋根瓦の最上段をなす瓦尻と棟側ののし瓦との間隙部を閉塞する半月板状の主板を設け、該主板に前記瓦尻の上面に沿って突出するブラケットを設け、該ブラケットを介して前記主板を前記瓦尻の上面に固着できるようにしたものである。この場合、上記ブラケットの幅方向中間部に瓦尻の幅方向中間部を開放する雨水の流通部を設けるとよい。また、屋根瓦の最上段をなす瓦尻と棟側ののし瓦との間隙部を閉塞する半月板状の主板を設け、該主板に前記のし瓦の下面に沿って突出するブラケットを設け、該ブラケットを介して前記主板を前記のし瓦の下面に固着できるようにしたものである。また、上記主板に該主板の形状を変化させる際の切断用溝またはマークを形成するようにしたものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に基いて説明する。図面において、図1は本発明の使用状態を示す正面図、図2は図1の要部断面図、図3は本発明の第1実施例を示す正面図、図4は図3のIV-IV拡大断面図、図5は図3の背面図、図6は図3の背面斜視図、図7は本発明の第2実施例を示す背面斜視図、図8は本発明の第3実施例を示す背面斜視図、図9は本発明の第4実施例を示す背面斜視図、図10は本発明の第5実施例を示す背面図、図11は図10のXI-XI拡大断面図、図12は図10のXII-XII拡大断面図である。
【0007】図1、図2において、5は瓦屋根、6は垂木8の上部にふき土9を介して敷設された桟瓦(以下屋根瓦という)、7は棟木10の上部に敷設された棟込み瓦である。この棟込み瓦7は棟ふき土11を介して本例では3枚のし瓦7a,7b,7cを重ね、頂部に半円筒形の冠瓦7dを被せてなる。
【0008】15は上記屋根瓦6の最上段をなす瓦尻6aと棟込み瓦7の最下段ののし瓦7aとの間隙部を閉塞するプラスチック製の棟ふき土用しっくい板である。このしっくい板15は、図3〜図6に示すように、左右方向に細長い半月状の主板16とその背面に固着した下部ブラケット17とを一体的に有してなる。
【0009】上記主板16は、その左右幅を上記瓦尻6aの左右幅よりも若干長く、その下縁16aを上記瓦尻6aの上面に沿う円弧状に、その上縁16bを上記のし瓦7aの下面に沿う直線状にする。また、図3において右端部に段状の切欠部16cを形成する。この切欠部16cは隣接する瓦尻6aの重なり端部を逃げるためのものである。
【0010】上記下部ブラケット17は所定の大きさに裁断したプライチック板をL形状に屈曲させて取付片17aと固着片17bとを形成し、固着片17bを下側に位置させるとともに背面方向に突出させて上記取付片17aを主板16の背面下部に接着剤を介して一体的に固着する。上記固着片17bの屈曲角度は、主板16が鉛直に起立した際に固着片17bが屋根瓦6の傾斜角度と略一致する角度とする。また、上記固着片17bは、上記瓦尻6aの上面に馴染むように正面視円弧状に湾曲させるとともに、幅方向中間部を切欠いてフォーク状とし、この切欠部17cにより瓦尻6aの幅方向中間部を開放して雨水の流通部18を形成する。
【0011】図7は第2実施例を示す。このものは、前述した主板16の下縁16aの幅方向中間部に背面方向に屈曲するフォーク状の下部ブラケット17−1を一体に形成したものである。その他は前述した第1実施例と略同様となっている。図8は第3実施例を示す。このものは、前述した主板16の下縁16aの幅方向略全域に背面方向に屈曲する下部ブラケット17−2を一体に形成し、該下部ブラケット17−2の幅方向中間部に上方に向かって半円筒状に湾曲する退避部17dを形成し、該退避部17dで瓦尻6aの幅方向中間部を開放することにより雨水の流通部18を形成するようにしたものである。その他は前述した第1実施例と略同様となっている。
【0012】図9は第4実施例を示す。このものは、前述した主板16の上縁16bの幅方向全域に背面方向に屈曲する上部ブラケット17−3を一体に形成したものである。その他は前述した第1実施例と略同様となっている。なお、前述した下部ブラケット17,17−1,17−2及び上部ブラケット17−3は主板16から正面方向、又は正面と背面との双方に突出させるようにしてもよい。
【0013】図10〜図12は第5実施例を示す。このものは、前述した主板16の背面に切断用溝19を形成したものである。この切断用溝19はV形溝からなり、その深さは上記主板16の厚さの約半分とし、鋏あるいはカッターナイフにより容易に切断できるようにする。一般に屋根瓦6の大きさ及び湾曲形状は、昭和40年製前のものとそれ以後のものに大きく二分されており、また、瓦尻6aとのし瓦7aとの間隙部の上下高さはのし瓦7aの種類、施工業者等によって若干変化しており、しっくい板15の大きさ及び湾曲形状もこれらに対応させる必要がある。
【0014】第5実施例は、一枚の棟ふき土用しっくい板15の大きさ及び湾曲形状を上記実情によって適宜対応させるようにしたものである。即ち、図10の主板16の外郭形状は、昭和40年製以後の屋根瓦6に対応する大きさ及び湾曲形状とし、この主板16の下部及び右部に、昭和40年製前の屋根瓦6に対応する円弧状の下縁溝19a、及び鉤型の横逃げ溝19bを形成し、また、上記主板16の上部に該主板16の高さを調節する第1上縁溝19c、第2上縁溝19cを上縁16bと平行に形成する。図10〜図12において、20は上記主板16の背面側の上部に突出形成した補強用のリブ、17−4は上記主板16の背面側に固着した下部ブラケットである。なお、この下部ブラケット17−4は図9に示す上部ブラケット17−3に換えてもよい。その他は前述した第1実施例と略同様となっている。
【0015】そして、昭和40年製以後の屋根瓦6に使用する際には、上縁16b、第1上縁溝19c、または第2上縁溝19cを適宜選択することにより、主板16の高さを瓦尻6aとのし瓦7aとの間隙部の上下高さに対応させる。また、昭和40年製前の屋根瓦6に使用する際には、主板16を下縁溝19a、及び横逃げ溝19bに沿って切断するとともに、上縁16b、第1上縁溝19c、または第2上縁溝19cを適宜選択することにより、主板16の高さを瓦尻6aとのし瓦7aとの間隙部の上下高さに対応させる。なお、上記切断用溝19は、本例のように主板16の背面に形成すれば該切断用溝19が正面側から見えなくなって外観がよくなるが、該切断用溝19は主板16の正面側に形成するようにしてもよい。また、上記切断用溝19をマークに換えるようにしてもよい。
【0016】次に上記実施例によるしっくい板15の施工態様について説明する。まず、屋根瓦の瓦尻6aの表面を清掃し、次いで下部ブラケット17(17−1,17−2,17−4)の当接面(下面)に接着材を塗布する。次いで主板16を上記瓦尻6aと棟側の最下段ののし瓦7aとの間隙部に嵌合させて該間隙部を閉塞し、該主板16を下方に押圧してその下部ブラケット17(17−1,17−2,17−4)を瓦尻6aの表面に固着する。
【0017】以下同様にして各しっくい板15の端部を重ね合わせながら、次段の間隙部に次段のしっくい板15を順次嵌合させて所定の瓦尻6aに固着し、図1に示すように、棟ふき土11の側面を覆う。なお、上部ブラケット17−3を有するしっくい板15を使用する際には、最下段ののし瓦7aの下面を清掃し、この部に上部ブラケット17−3を接着材を介して固着する。これにより、部分的に損傷した棟ふき土11の崩落を防止する。
【0018】この場合、昭和40年製以後の屋根瓦6に使用する際には、上縁16b、第1上縁溝19c、または第2上縁溝19cを適宜選択し、第1上縁溝19cまたは第2上縁溝19cが対応する場合は、この部を鋏又はカッターナイフにより切断して上記主板16の高さを瓦尻6aとのし瓦7aとの間隙部の上下高さに対応させる。また、昭和40年製前の屋根瓦6に使用する際には、主板16を下縁溝19a、及び横逃げ溝19bを鋏により切断するとともに、上縁16b、第1上縁溝19c、または第2上縁溝19cを前述と同様に適宜選択して該主板16の高さを瓦尻6aとのし瓦7aとの間隙部の上下高さに対応させる。
【0019】
【発明の効果】以上の説明から明らかな如く、本願の発明は、屋根瓦の瓦尻と棟側ののし瓦との間隙部を閉塞するしっくい板に瓦尻の上面、又はのし瓦の下面に沿って突出するブラケットを設け、該ブラケットを介してしっくい板を前記瓦尻の上面又はのし瓦の下面に固着するようにしたので、しっくい板を棟ふき土の未硬化、硬化の状態に左右されることなく取り付けることができ、棟ふき土の側面の補修を熟練を要することなく容易かつ迅速に行うことができる。また、ブラケットの幅方向中間部に瓦尻の幅方向中間部を開放する雨水の流通部を設けたので、雨水が棟ふき土部に滞留することがなく、該棟ふき土の劣化を長期に亘って防止することができる。また、主板に該主板の形状及び大きさを変化させる際の切断用溝またはマークを形成するようにしたので、該主板を種類の異なる屋根瓦の形状に容易にかつ高精度に対応させることができる。
【出願人】 【識別番号】501467625
【氏名又は名称】安中 民勇
【出願日】 平成14年3月22日(2002.3.22)
【代理人】 【識別番号】100097700
【弁理士】
【氏名又は名称】増田 恒則
【公開番号】 特開2003−232106(P2003−232106A)
【公開日】 平成15年8月22日(2003.8.22)
【出願番号】 特願2002−80280(P2002−80280)