| 【発明の名称】 |
断熱防音防震材 |
| 【発明者】 |
【氏名】桔梗谷 正
【氏名】吉田 武夫
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| 【要約】 |
【課題】製造が容易で、安価であり、施工に手間がかからない上、断熱・防音・防震効果に優れており、更に廃棄物問題の解消に貢献する建材を提供することにある。
【解決手段】無垢板、集成材、合板、突き板、パーティクルボード、MDF等の木質系素材からなる板状材料に、従来、産業廃棄物として見なされていた中古品或いは二級品や三級品の畳表、筵、ござ等の天然物系繊維をシート状に編み加工、又は/及び、縫製加工された系シート状材料を、上記木質系素材の片面又は両面に、接着剤や粘着剤等による貼り付けによる固定、タッカーや釘やネジ等による物理的固定、又はこれらの固定方法を組み合わせて用いることにより得られる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】木質系素材からなる板状材料に、天然物系シート状材料をその裏面又は表裏両面に貼り付け固定されて一体化されていることを特徴とする断熱防音防震効果に優れた建材【請求項2】木質系素材からなる板状材料が、無垢板、集成材、合板、突き板、パーティクルボード、MDF等である事を特徴とする請求項1記載の断熱防音防震効果に優れた建材【請求項3】天然物系シート状材料が畳表、筵、ござ等の天然物系繊維を編み加工されたもの、又は/及び、縫製加工されたものである事を特徴とする請求項1記載の断熱防音防震効果に優れた建材【請求項4】木質系素材からなる板状材料と天然物系シート状材料を貼り付け固定する方法として、接着剤や粘着剤等による貼り付けによる固定、又は/及び、タッカーや釘やネジ等による物理的固定、又は、これらの固定方法を組み合わせて行うことを特徴とする請求項1記載の断熱防音防震効果に優れた建材 |
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、構造物や構造物の内外、すなわち、天井、壁、床類等に施す断熱防音防震効果に優れた建材に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来より下地材、又は内装用の建築用断熱防音防震性に優れた建材としては、グラスウール、ロックウールなどの無機繊維系材料、又はフェノールフォームやウレタンフォームなどの合成樹脂系材料等が断熱材として使用され、又、ゴム系やビチューメン系のシート状材料がが防音、防震材として使用されている。その各々は、長所欠点を有している。合成樹脂系のものは火災などにより有毒ガスを発生し、生命に少なざる悪影響を及ぼし、耐熱温度が低いため100℃以下の温度で変形してしまう。又最近問題となってきている産業廃棄物として廃棄後の処理が環境破壊に繋がるものである。無機系繊維の場合には軽量化が難しく合成樹脂と混合した場合は合成樹脂系と同じ問題を有する。 【0003】特開平2−279868号には、スリットを刻成した木質床材に、波状に成形した不織布を貼着、積層した遮音床材が開示されているが、特定の繊維系マットを採用することは開示されておらず、又不織布を波状に成形する上で手間を要し、コストを高騰する等実用性に欠ける事は否めない。 【0004】更に特開平3−241167号には、木質材層と遮音材層からなる防音床材であって、遮音材層は3デニール未満の特定太さ範囲の極細繊維から成り、2mm未満の特定厚み範囲を有することが開示されている。勿論当該構成では防音効果を得るには不十分であって、開示されるように更に有孔合板や不織布層を積層する必要が有り、このようにより多層の構成とすることは、製造上手間を要しコストを高騰することは免れ得ない。なお、木質板材層の下に不織布層と軟質樹脂層や制震材層を積層した多層構造とすること等も提起されているが、前記同様製造上の手間、コストを考慮すると実用上採用しがたい。 【0005】一方、畳表、筵、ござ等の天然物系繊維を編み加工されたもの、又は/及び、縫製加工されたものは、天然物由来の不均一性から、繊維長さ、色等の不揃いから、素材上、及び、製造工程上、見栄えの悪さ故に不具合品となるものが多く、これらは産業廃棄物として処理されてきており、コスト面でも無駄を生じていた。 【0006】本発明は、上記問題点、不都合点を解消し、断熱防音防震効果に優れた建材を安価に提供することにある。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、かかる現状に鑑み鋭意研究を重ねた結果、畳表、筵、ござ等の天然物系繊維をシート状に編み加工された物、又は/及び、縫製加工された天然物系シート状材料を、無垢板、集成材、合板、突き板、パーティクルボード、MDF等の木質系素材からなる板状材料に積層することにより、断熱防音防震効果に優れた建材を安価に提供することにある。並びに、従来、産業廃棄物として処理されることの多かった中古品、或いは二級品や三級品の天然物系シート状材料を有効に使用することにより、コスト面及び環境汚染面での問題を減少させることにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明の断熱防音防震効果に優れた建材は、無垢板、集成材、合板、突き板、パーティクルボード、MDF等の木質系素材からなる板状材料に、従来、産業廃棄物として見なされていた中古品、或いは二級品や三級品の畳表、筵、ござ等の天然物系繊維をシート状に編み加工された物、又は/及び、縫製加工された天然物系シート状材料を、接着剤や粘着剤等による貼り付けによる固定、又は/及び、タッカーや釘やネジ等による物理的固定、又は、これらの固定方法を組み合わせて行うことにより得られる。上記板状材料へのシート状材料の固定は、板状材料の片面又は両面にする事が出来る。 【発明の実施の形態】 【0009】本発明の断熱防音防震効果に優れた建材は、通常基本素材としては無垢板、集成材、合板、突き板、パーティクルボード、MDF等木質系素材からなる板状の構造材料の片面又は両面に、畳表、筵、ござ等の天然物系繊維を編み加工、又は/及び、縫製加工されたシート状材料を、接着剤や粘着剤等による貼り付けによる固定、又は/及び、タッカーや釘やネジ等による物理的固定、又は、これらの固定方法を組み合わせて行うことにより得られる。 【0010】貼り付けられる畳表、筵、ござ等の天然物系シート状材料は、木質系素材からなる板状材料の裏面又は表裏両面に貼り付け固定されるので、従来ならば商品価値が低く産業廃棄物として処理されていた中古品、或いは二級品や三級品を用いることが出来る。両面に貼り付け固定する場合には、表面には一級品を用いる事により商品価値を上げることも可能である。 【0011】本発明の断熱防音防震効果に優れた建材を構成する構造材としては、無垢板のみならず、集成材、合板、突き板、パーティクルボード、MDF等の木質系素材からなる板状材料が好適に使われる。 【0012】断熱防音防震効果に優れた建材の機能を付加する材料としては、畳表、筵、ござ等、天然物系繊維をシート状に編み加工されたもの、又は/及び、縫製加工されたものが好適に使用される。 【0013】構造材としての板状材料と、機能を付加するシート状材料との結合は接着剤や粘着剤等を用いた貼り付けのみならず、タッカーや釘やネジ等による物理的固定が可能である。又、これらの固定方法を組み合わせて行う事が出来る。 【0014】本発明の機能を付加する素材は、面材として使用できるので、その積層数により付加すべき機能の程度を容易にコントロールすることが出来る。従って、目的に応じて積層数を適宜選択することが出来る。 【0015】更に、必要とする機能により畳表、筵、ござ等の天然の繊維系材料の種類を自由に組み合わせて使用する事が出来る。例えば、断熱を主目的とするならば、空気層を増やすことが有効であり、筵やござの様な、編み方が粗い、即ち、空気層を多く保持できる素材が好ましく、一方、防音や耐震が主目的ならば、繊維が緻密に構成されている畳表の様なものが好ましく使用される。 【0016】ここで使用される畳表、筵、ござ等の天然物系シート状材料は、建材の裏部分に固定される場合には、見栄えは必要なく、断熱防音防震効果を有するものであれば良い。従って、中古品或いは2級品や3級品といった商品価値の乏しい材料を利用することにより、本来ならば廃棄しなければならない材料を有効活用出来るので、コスト面のみならず、環境保全面についても有益である。 【0017】そして更に重要な効果の一つには、畳表、筵、ござ等は、本来、天然素材であり、安全性の高い材料であるので、人体に悪影響を与えることなく、かつ、廃棄時の処理にも問題が少ない。 【0018】本発明の機能を有効に保持するために、目的に応じ、上記天然のシート状材料に付加的に種々の素材を配合することが出来る。配合できる素材としては、有機合成繊維、無機繊維、耐水化剤、撥水剤、難燃剤、マイクロカプセル、防ダニ剤、防腐剤、防カビ剤、抗菌剤、殺鼠剤、防虫剤、保湿剤、電磁シール材、帯電防止剤、防錆剤、芳香剤、消臭剤、染料、顔料、充填剤等をがあり、これらは複数種類併用することも出来る。 【0019】有機合成繊維としては、例えば、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアクリロニトリル繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維等が挙げられるが、中でも脂肪族ポリエステル、アセチルセルロースの様な生分解性繊維が特に好ましい。これらは単独で、或いは適宜選択されて2種以上が併用できる。 【0020】無機繊維としては、例えばガラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、シリカ・アルミナシリケート繊維、ロックウール繊維などを挙げることが出来る。これらは、単独で、或いは適宜選択されて2種以上が併用できる。無機繊維の添加は一般的に耐熱性向上等に効果がある。 【0021】耐水化剤或いは撥水剤としては、天然ワックス、石油系ワックス、塩素化ワックス、ワックスエマルション等の各種ワックス、高級脂肪酸誘導体、合成樹脂類、クロム錯塩、ジルコニウム塩、シリコン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。耐水化剤及び撥水剤の配合量は、用途によって変わるが、それぞれ通常全固形分の0〜10重量%の範囲で添加される。 【0022】難燃性を向上させる為の難燃剤としては、各種難燃剤、例えば水酸化アルミニウム、リン化合物、硫黄化合物、硼素化合物、ハロゲン化合物、アンチモン化合物、珪素化合物、グアニジン化合物などが用いられる。リン化合物としては、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、ポリリン酸等の縮合リン酸或いはリン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウムなどのフェニル酸等の有機リン酸及び酸及び酸性リン酸エステルなどが用いられる。硫黄化合物としては、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウム、硫酸マグネシウムなどが挙げられる。硼素化合物としては、オルト硼酸、メタ硼酸などの硼酸類、或いは硼酸マグネシウム、硼酸亜鉛などの塩、硼酸エステル等が挙げられる。これらは単独で或いは適宜選択して2種以上を併用して用いても良い。難燃剤の配合量は、通常、全固形分の0〜10重量%の範囲で添加できる。 【0023】構造材料としての板状材料のみならず、機能を付加するためのシート状材料も天然物系材料であるので、効果を長期間保持させるために、防虫剤、防腐剤、防カビ剤、抗菌剤等を上記材料に塗布又は含浸させて保持させることは特に望ましい。 【0024】接着剤としては、膠、カゼイン、こんにゃく糊、澱粉糊等の天然物系接着剤以外にも、酢酸ビニル系、尿素系、ゴム系、エポキシ系、ウレタン系等の任意の接着剤が用いられ、これを木質系素材からなる板状材料に、天然物系シート状材料をその裏面又は表裏両面に接合してプレス等で圧締することにより貼り付けられて一体化されて、本発明の断熱防音防震効果に優れた建材が得られる。本発明の原材料は基本的には天然物系素材であるので、接着剤自体にも防虫剤、防腐剤、防カビ剤、抗菌剤等を添加することにより耐久性を増すことが出来る。 【0025】木質系素材からなる板状材料と天然系シート状材料を固定する方法としては、上記の接着剤以外に、粘着剤による貼り付けや、タッカーや釘やネジ等により物理的に固定することによってもよいし、これらの固定方法を組み合わせて行う事も可能である。 【0026】本発明の断熱防音防震効果に優れた建材は加工が容易なため、従来の建築材料の表面に貼り合わせても良いし、建築材料の間にサンドイッチ状に挟んで使用することも出来る。これにより形状を規定するものではない。 【0027】更に、畳表、筵、ござ等を積層して固定する場合には、積層時に繊維の配向を縦と横という風に交互に変えてやることにより、強度的向上以外に、積層間の空気層が大きく採れ、断熱防音防震等の性能を上昇させることも可能である。 【0028】 【実施例】 以下、実施例及び試験例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のものではなく、本明細書に記載の趣旨に徹して設計変更することはいずれも本発明の技術的範囲に含まれるものとする。 【0029】実施例1 板状材料として杉の無垢板(厚さ:9mm、幅10cm、長さ90cm、密度 0.35g/cm3)にほぞ加工したものを、又、シート状材料として畳表を用い、これらを酢ビエマルション系接着剤により各々1層、2層、3層積層して接着した。なお、用いた畳表は、サンストップ S600(三精塗料工業株式会社製 防虫防カビ防腐剤)を200g/m2で塗布、浸透させたものを用いた。2層以上の多層に貼り付ける場合は、積層毎に繊維方向が互いに直角になるように積層した。 【0030】実施例2 板状材料として、檜の集成材(厚さ15mm、幅10cm、長さ90cm、密度 0.45g/cm3)を用いた以外は、実施例1と同様にして製造した。 【0031】実施例3 板状材料として、MDF(厚さ12mm、幅10cm、長さ10cm、密度 0.65g/cm3)を用いて、実施例1と同様にして製造した。 【0032】比較例1 実施例1で用いた杉の無垢板そのもので比較を行った。 【0033】比較例2 実施例2で用いた檜の集成材そのもので比較を行った。 【0034】比較例3 実施例3で用いたMDFそのもので比較を行った。 【0035】
板比重:板状材料の比重【0036】「熱伝導率」は、JIS A1412に規定する試験を行った。なお、前処理としては、105℃で恒量になるまで乾燥させた後、測定した。 【0037】「遮音等級」は、JIS A1419に規定する試験を行った。軽量衝撃音遮音等級(LL値)及び重量衝撃音遮音等級(LH値)を測定した。 【発明の効果】 【0038】遮音等級はの結果は、実施例で、遮音等級はLLに関しては、44〜46、LHに関しては、56〜58と優れていることは明らかであり、他方、比較例では、何れも遮音等級は著しく劣る事が判明した。 【0039】なお、前記各実施例では、木質系素材から成る板状材料と、天然物系シート状材料とを接着剤を用いて一体化されるが、粘着剤もしくは、タッカーや釘やネジ等で固定することも可能であり、何れを単独で、或いは組み合わせて行うことが出来る。 【0040】そして最も重要な効果の一つには、機能を付加するシート状材料は天然物系繊維を編み加工されたもの、又は/及び、縫製加工されたものであるので安全な材質であり、人体に悪影響を与えることなく健康的な住まい環境を提供できる。又、組み合わせた建材は、廃棄時の処理にも問題が無く、更には、シート状材料として本来ならば廃棄物とされていた中古品や2級ないし3級品に相当するレベルの畳表、筵、ござなどを利用することで、資源の有効活用、及び廃棄物の減少にも貢献出来る。 【0041】以上のように本発明の方法によると、断熱防音防震性に優れた建材を簡単に作ることが出来ると共に、材質的に無害で、且つ、解体廃棄時の焼却処理も容易であり、しかも廃棄物になるような畳表、筵、ござ等を有効に再利用出来る上、安価に提供出来る等といった産業上有益な効果を奏するものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】594189187 【氏名又は名称】三精塗料工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成14年3月24日(2002.3.24) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2003−278292(P2003−278292A) |
| 【公開日】 |
平成15年10月2日(2003.10.2) |
| 【出願番号】 |
特願2002−125009(P2002−125009) |
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