| 【発明の名称】 |
多段水中支保工の施工法 |
| 【発明者】 |
【氏名】柚口 安春 【住所又は居所】東京都港区元赤坂一丁目2番7号 鹿島建設株式会社内
【氏名】山本 直明 【住所又は居所】東京都港区元赤坂一丁目2番7号 鹿島建設株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】矢板井筒基礎工法において、多段支保工の施工期間を大幅に短縮するとともに、コストダウンを図り、支保工架設に精度とスピード、および作業の安全性を得ることを課題とするものである。
【解決手段】矢板井筒基礎工法で橋梁の基礎下部を施工する方法において、掘削工程で井筒内の水と土砂を置換しながら掘削して工期を短縮を図り、また、矢板の内周側に第2段目支保工を設置するブラケットを折り畳み式ブラケットに構成し、矢板内周側曲面頂面にフラットバーを固定し、その下端に第3段目支保工を設置する吊りブラケットを固定し、第3段目支保工を前記折り畳み式ブラケットで地組、組み立てた後に吊り治具で吊り上げ、折り畳み式ブラケットを折り畳んで第3段目支保工を下方へスライドさせて沈設し、吊りブラケットに載置、組み立てして架設し、その後に前記折り畳み式ブラケットを現状復帰させて、これに第2段目支保工を載置、地組して設置するものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】橋梁下部等を矢板井筒基礎工法で少なくとも複数段の支保工を設置する方法において、矢板を地盤に打設後その上端部に第1段目支保工を気中で架設する工程と、次に矢板井筒内の地盤を水中で掘削する工程と、所定深さの地盤に水中コンクリートを打設して底盤コンクリート層を形成する工程と、下段の支保工の地組み機能を兼ねる折り畳み可能なブラケットを、気中で矢板の所定位置に固定する工程と、該工程後それより下段で井筒内の水中に埋没するブラケットを固定する工程と、前記折り畳み式ブラケットに地組みした支保工を持ち上げ、上記折り畳み可能なブラケットを折り畳んで前記下段のブラケット上に載置し、前記折り畳みブラッケットを元に復帰させ、該折り畳みブラケット上に支保工を地組み設置する工程とから成ることを特徴とする、多段水中支保工の施工法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明が属する技術分野】本発明は、河川、海上工事等において、橋梁下部工事を矢板井筒基礎工法により、多段の水中支保工を設置する施工法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】矢板井筒基礎工法を用いて支保工を設置するには、排水による井筒内地盤の気中での掘削と、上段部(2〜4段)の支保工をポンツーン上に設置し、腹起材、切梁の装着とを交互に繰り返す工程により、支保工を気中で架設するために工期が非常に長くなっていた。更に、下段部(3〜6段)の支保工は、地盤を水中掘削によって所定深さまで掘削し、地盤に底盤コンクリートを打設した後に下段支保工を所定水位まで水替えを行いながら順次支保工を設置し、最下段の支保工の設置後に最終の水替えを行っていた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種の施工法は、■支保工を気中で施工するで井筒内の水を排水と支保工設置が交互の繰り返し作業となり、作業工程が繁雑になるので工期が長くなる。 ■掘削深度において井筒外側の水圧対抗手段として支保工の段数が6段以上が必要であった。 ■6段以上の多段の支保工の設置は工程が多くなり、工期が長期化し、コストアップの主因となる。 ■支保工の設置はポンツー船上での作業のため作業能率が悪く、危険な作業となる。 等の欠点があった。 【課題を解決するための手段】 【0004】本発明は、このような欠点を除去するため鋼管矢板井筒基礎工法において、第一段支保工を気中で行い、鋼管矢板の上端部に設置して鋼管矢板井筒の形状の安定維持構造とし、所定深さまで井筒内の地盤を、土砂と水を置換しながら水中掘削し、所定の地盤において、水中コンクリートを打設して底盤を形成し、かつ鋼板矢板井筒部内,外の水圧差を低減することにより支保工を最小段数に、例えば、3段に設定し、第3段目の支保工を水中で設置するため、折り畳み式ブラケットおよび吊りブラケットを鋼板矢板連結部および鋼管矢板に設け、地組された支保工を、吊り冶具により目的のブラケットに載置して組み付けることにより、支保工の段数低減と工期の短縮、および作業の安全性を図ると共に、大幅なコストダウンを達成した多段水中支保工の施工法を提供するものである。 【0005】以下に、図面を用いて本発明に係る多段水中支保工の施工法の一実施例について説明する。図1(a)〜(c)は、本発明に係る鋼管矢板井筒基礎工法によって構成した多段水中支保工の平面図と、矢印イで示す部分の拡大図と、中央断面図、図2は、本発明に係る多段水中支保工を示す一部切り欠き概略説明図である。 【0006】図1において、1は鋼管矢板井筒であり、地盤Aに打ち込んだ鋼管2が、継手部材3で連結して楕円形状の井筒部1aと隔壁部1bとを構成し、河川の水と、井筒部1a内の水Bとを隔離するための防水枠して機能するものである。 【0007】4は第1段目支保工で、鋼管矢板井筒1の上端部内周面側に気中で設置されており、鋼管矢板2の内周側曲面頂部に、所定間隔で多数個、固定した三角形状のブラケット5と、H形鋼形状の腹起材6と、腹起材6間の寸法を調整、維持する切梁材7と、井筒部1aの半円形状の端部を補強する火打材8により構成されている。 【0008】なお、施工時は、上記支保工4が大きいのと、施工工数の短縮および精度アップのため地組ヤードで、例えば、図1(a)において、L1,L2,L3のように3分割したユニットに構成し、これをポンツーン船上のクレーンにより、ブラケット5上に載置、架設して設置するものである。 【0009】9は底盤コンクリートで、第1段目支保工4を設置した後に、前記鋼管矢板井筒1内の地盤Aを掘削しながら鋼管矢板井筒1内で土砂と水とを置換し、所定の深さまで掘削した後、目的地盤A1上に水中コンクリートが打設される。なお、土砂と鋼管矢板井筒1内の水の置換は、鋼管矢板井筒1が内外の水圧差で破壊されるのを阻止するためであり、工期短縮に大きく寄与するものである。 【0010】10は第2段目支保工、18は第3段目支保工で、構造および構成材は第1段目支保工4とほぼ同様であるが、切梁材7を載置するブラケットと設置工程が気中と水中の大きな差がある。即ち、第2段目支保工10は、図3(a)、(b)に示すように、折り畳み式ブラケット11上に載置、架設して設置されるものであり、図1(c)、図2に示すように、前記鋼管矢板井筒1の第1段目支保工4の下方の所定位置に設置するものである。なお、折り畳みブラケット11は、第3段目支保工18の気中地組ヤードと第2段目支保工10のブラケット機能も具備するものである。 【0011】さらに説明すると、折り畳みブラケット11は、図3(a),(b)で示すように、3角形状に構成し、鋼管矢板2の連結部材3に溶接等の手段で固定する垂直部アーム12と、腹起材6,足場板C等を載置する2部材から成る水平部アーム13と、筋違的機能を有する外側、内側補強アーム14,15と、補強アーム14の下端を装着する取り付け台16と、各アームを回転、あるいは取り外し可能に装着するボルト17により構成したものである。 【0012】さらに説明すると、水平部アーム13は、短尺アーム13aと長尺アーム13bとが同一平面上にあり、短尺アーム13aは垂直部アーム12の上端部に、他端は長尺アーム13bの一端にボルト17で回転可能に装着されている。この実施例では、水平部のアーム13は、短尺アーム13aと長尺アーム13bの二部材から成っているが、長尺部材による一部材で、水平部のアーム13を形成してもよい。 【0013】また、外側補強アーム14は、上端を水平部アーム13の他端に、下端を取り付け台16にボルト17で締結し、内側補強アーム15の上端は、長尺アーム13bの他端に、短尺アーム13aの一端と一緒にボルト17で締結して成り、その下端は、垂直アーム12の下端と一緒に溶接、ボルト等の手段で固定したものである。 【0014】勿論、ボルト17による締結部13−■、13−■、13−■は、ブラケットの機能により緩めたり、取り外しが可能な装着であり、3段目支保工18を水中へ沈設する際には、図3(b)に示すように、鋼管矢板2の前記曲面頂部から突出しない構造に折り畳める構造になっている。 【00015】19は、第3段目支保工載置用の吊りブラケットであり、図4(a)、(b)に抽出して示すように、折り畳みブラケット11の下方に、所謂、水中の位置にフラットバー21を介して固定したものである。 【00016】即ち、ブラケット19は、補強アーム20を3角形状に固定し、その垂直アーム20aをフラットバー21に溶接等の手段で固定する。また、フラットバー21の上端は、気中で鋼管矢板2の内周側曲面頂部に溶接し、吊りブラケット(第3段目支保工18を載置、設置する)19を水中に吊した状態で、フラットバー21の水中にある側面を水中溶接22により鋼管矢板2と一体化すると共に、吊りブラケット19も同様に鋼管矢板2に水中溶接により固定する。 【00017】23はキャンバーで、フラットバー21を鋼管矢板2の前記頂部に溶接する際に、溶接の熱によりフラットバー21が歪まないように隙間を埋める楔状の保持具である。 【0018】次に、本発明に係る多段水中支保工の施工法の工程について、前記した図面と図7(a)〜(c)の概略斜視図と図6のフロー図を用いて説明する。まず、鋼管矢板井筒基礎工法で、図2に示すような支保工を架設すると仮定する。そこで、鋼管を地盤Aに楕円形状の平面、所謂、鋼管矢板井筒1の形状に多数本を打ち込み、図1(a)、(b)のように連結部材3を介して一体に構成するものである。 【0019】また、中間部には、図5(a )、(b)に示すように隔壁部1bを設け、井筒部1aを例えば4つに区分し、鋼管矢板井筒1の補強を図るものである。なお、隔壁部1bの鋼管矢板2は、次工程の障害となるため目的長さの寸法で切断する。 【0020】次に、鋼管矢板井筒1の内周面側、所謂、鋼管矢板2の内周側曲面頂部に、同一レベルの高さで固定ブラケット5を、気中で溶接等の手段で固定する。固定ブラッケト5は、図1(c)に示すように、第1段目支保工4を気中で地組、載置、架設して設置するのに役立つものである。勿論、上記鋼管矢板井筒1の補強材としても機能する。 【0021】第1段目支保工4を架設した後は、井筒部1a内の水位を維持しながら土砂と水Bとを置換し、地盤Aを掘削し、所定深さに到達した地盤A上に、図5(d)に示すように底盤コンクリート9を打設する。 【0022】次に、図6のフロー図に示すような工程で、図1(c)、図2に示すような、第2段支保工10,第3段支保工18を架設するものである。更に説明すると、折り畳み式ブラケット11を井筒部1aの内周側連結部3上で、かつ図1(c)の位置で、図2に示すように、所定間隔で多数個固定する。折り畳みブラケット(11)は、図3(a)(b)に示すように、ボルト17で支点となる部分が締結され、ボルト17を緩めることにより折り畳める構造である。 【0023】そこで、折り畳み式ブラケット11の設置が完了した段階で、第3段支保工18を架設する吊りブラケット19を、フラットバー21を介して、水中の所定位置に、前記のブラケット11と同様に多数個、溶接等の手段で固定する。なお、この際、フラットバー21は、気中或いは水中溶接等の手段により必要長さ部分を固定する。更に、吊りブラケット19は、フラットバー21を介して、水中で鋼管矢板2の前記頂部2aに再度、水中溶接等の手段で固定するものである。 【0024】折り畳み式ブラケット11、吊りブラケット19の装着が完了した段階で、第3段目支保工18を、折り畳み式ブラケット11上で全体を3分割のユニットL1、L2、L3として載置し、図7(a)に示すように地組する。なお、図7(a)においてCは足場板、Dはスタンションである。 【0025】次に、折り畳みブラッケット11に載置された第3段支保工18は、図7(b)に示すように吊り冶具24で吊り上げ、折り畳み式ブラケット11のボルト17(13ー■、13−■)を緩め、13−■のボルト17を外して第3段支保工18をダイバー等の指示でバランスを見ながら矢印のように下方へスライドさせ水中に沈設し、これを図7(c)に示すように吊りブラケット19上に載置せしめ、腹起継ぎ手部のボルトを水中でダイバーが締結して第3段支保工18を架設した後、折り畳み式ブラッケト11を現状に復帰させ、ボルト17も元の状態に締結して第3段支保工18の設置が完了する。 【0026】次に折り畳み式ブラケット11上には、図示しない地組ヤードから前記のように3分割ユニットをクレーンで移設し、腹起継ぎ手等をボルト等で締結して第2段支保工10を気中で組み立て架設、設置が完了する。なお、これ以降の橋梁下部形成の工程は、例えば図6において、一点鎖線で示すブロック内の工程は従来のような順序で行い、橋梁下部を完成させるものである。 【0027】 【その他の実施例】以上、説明したのは支保工を3段とした場合の架設例であり、支保工をこれ以上の段数に構成することも可能である。勿論、その際は前記したような折り畳み式ブラケットを数段に亘って装着する必要がある。 【0028】 【発明の効果】上述したように、本発明に係る多段支保工施工法によれば、■鋼管矢板井筒基礎工法で井筒内の地盤を土砂と水を置換しながら掘削し、水圧が井筒内外でほぼ同じような圧力になるようにしたため、少ない支保工でも鋼板矢板が倒壊せず、工期が大幅に短縮できる。 ■第2段支保工のブラケットを折り畳み式構成としたため、第3段支保工お地組と組付けと第2段支保工のブラケットととして使用できるので支保工設置が容易となり施工期間が短縮される。 ■折り畳み式ブラケットは第3段支保工をつ吊り冶具で吊り上げた後それを下方へスライドさせ沈設する際に折り畳めるため、施工が容易であり、しかも作業能率のアップと精度の向上が図れる。 ■フラットバーの下端に吊りブラッケトを一体に固定し、さらにフラットバーの上端を気中で鋼管矢板曲面頂部に固定し、水中にある部分は、水中溶接等の手段でフラットバーの側壁とブラケット(吊りブラケット)を固定して補強したため、施工精度の向上と装着スピード(工期短縮)が大幅に改善でき、信頼性も増す。 ■フラットバーと鋼管矢板曲面頂部間の隙間にキャンバーを打ち込んだため、フラットバーを溶接する際に歪むこともなく吊りブラケットの位置精度が高い。 ■各工程の施工精度が高く、安全に、効率的に作業できるため全工程で短縮でき、コストダウンが図れる。 等の特徴がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001373 【氏名又は名称】鹿島建設株式会社 【住所又は居所】東京都港区元赤坂一丁目2番7号
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| 【出願日】 |
平成14年1月15日(2002.1.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100113321 【弁理士】 【氏名又は名称】熊田 武司
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| 【公開番号】 |
特開2003−206540(P2003−206540A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月25日(2003.7.25) |
| 【出願番号】 |
特願2002−5544(P2002−5544) |
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