| 【発明の名称】 |
コンクリート資源循環システム |
| 【発明者】 |
【氏名】黒田 泰弘 【住所又は居所】東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設株式会社内
【氏名】内山 伸 【住所又は居所】東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設株式会社内
【氏名】山下 利夫 【住所又は居所】東京都千代田区内幸町一丁目1番3号 東京電力株式会社内
【氏名】中村 和行 【住所又は居所】東京都千代田区内幸町一丁目1番3号 東京電力株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】コンクリート資源の有効循環利用を実現するために、コンクリート廃材から得た再生材料を地盤改良材として利用する。
【解決手段】コンクリート資源循環システムにおいてコンクリート廃材を加熱、磨砕して分級し、再生粗骨材、再生細骨材及び再生微粉末の再生材料を製造し、このうち再生微粉末を主材とした再生材料を、軟弱粘性土地盤の対象土の地盤改良材として原位置混合して使用し、対象土の地盤改良工を行う。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】コンクリート廃材を加熱、磨砕して分級し、再生粗骨材、再生細骨材及び再生微粉末を再生材料として製造し、次工程資源として循環使用するコンクリート資源循環システムであって、前記再生微粉末を主材とした前記再生材料が所定割合で、軟弱粘性土地盤の対象土の地盤改良材として原位置混合され、対象土の地盤改良工に用いられることを特徴とするコンクリート資源循環システム。 【請求項2】前記再生材料が所定割合で、軟弱粘性土地盤の発生掘削土と原位置混合され、前記軟弱粘性土地盤に改良土層を形成するのに用いられることを特徴とする請求項1記載のコンクリート資源循環システム。 【請求項3】前記再生材料が所定割合で、軟弱な路床、路盤材料と原位置混合され、前記路床、路盤材料を改良し、改良路床層、改良路盤層を形成するのに用いられることを特徴とする請求項1記載のコンクリート資源循環システム。 【請求項4】前記再生材料が所定割合で、軟弱粘性土地盤の掘削で発生した掘削土に原位置混合され、前記掘削土を、場外搬出される建設発生土に再利用するようにしたことを特徴とする請求項1記載のコンクリート資源循環システム。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はコンクリート資源循環システムに係り、特にコンクリート廃材から得た各種寸法の骨材や微粉末の再生材料を所定割合で地盤改良材として使用して対象の地盤改良工を行うようにし、解体コンクリートから発生したコンクリート資源の循環を有効に進めるようにしたコンクリート資源循環システムに関する。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、軟弱地盤の地盤改良工において、各種のセメント系固化材を用いた多くの改良工法が開発され、また実績をあげてきている。改良工においてセメント系固化材が用いられ対象土の改良を図るケースは多様であるが、具体的には浅層改良,深層改良,建設発生土の改良等を目的とすることが考えられる。 【0003】これらの改良工に用いられるセメント系固化材は、普通ポルトランドセメント、高炉セメント等を母材とし、固化効果を高めるための各種添加材を含有している。そして、これらは現場において、掘削前あるいは掘削時に地盤や掘削土に添加混合され、所定範囲に改良土層が造成されるのが一般的である。 【0004】ところで、建設廃棄物処理の問題がクローズアップされており、出願人もコンクリート廃材を再度コンクリート構造物へと適用するために、コンクリート廃材から、バージン骨材と同等の品質を有する再生骨材や微粉末を製造することが可能な「コンクリート資源循環システム」に関する研究開発を進めている。このコンクリート資源循環システムにおける再生骨材製造プラントでは、破砕された解体コンクリートを加熱塔において300℃程度に加熱し、内部の残留水分を除去して脱水状態にし、内部の結合状態を脆弱にしてから磨砕することで粗骨材、細骨材を粒径ごとに分類でき、さらに微粉末を集塵することですべての材料を再利用の対象とすることができる。 【0005】これらの再生材料のうち、再生微粉末はセメント水和物を主成分とするため、セメント原料として再利用可能であるが、セメント工場への輸送費の他、多大な処理費用も払わなければならず、リサイクルがコストアップヘつながるといった問題があった。この再生微粉末は比表面積が4,000cm2/g以上の安定した品質を有している。そこで、出願人は、この微粉末を主材としてその他の再生材料を適宜所定の割合で用いて、上述のセメント系固化材として用いることを想起した。これにより、リサイクル資源としての微粉末を再生プラントが設置された現場あるいはその近くの現場で使用することが可能となり、輸送費およびセメント工場での受入れ費を削減できるだけでなく、有価物である地盤改良材として取り扱うことができ、前述した「コンクリート資源循環システム」の環を効率よく回すことが可能となる。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明はコンクリート廃材を加熱、磨砕して分級し、再生粗骨材、再生細骨材及び再生微粉末を製造し、次工程資源として循環使用するコンクリート資源循環システムであって、前記再生材料が所定割合で、軟弱粘性土地盤の対象土の地盤改良材として原位置混合され、対象土の地盤改良工に用いられることを特徴とする。 【0007】前記再生材料が所定割合で、軟弱粘性土地盤の発生掘削土と原位置混合され、前記軟弱粘性土地盤に改良土層を形成するのに用いられることが好ましい。 【0008】前記再生材料が所定割合で、軟弱な路床、路盤材料と原位置混合され、前記路床、路盤材料を改良し、改良路床層、改良路盤層を形成するのに用いられることが好ましい。 【0009】前記再生材料が所定割合で、軟弱粘性土地盤の掘削で発生した掘削土に原位置混合され、前記掘削土を、場外搬出される建設発生土に再利用することが好ましい。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明のコンクリート資源循環システムの一実施の形態について、添付図面を参照して説明する。 【0011】[再生材料の製造]本発明のコンクリート資源循環システムにおいて、特に地盤改良材として用いる再生材料の製造工程について説明する。本発明ではコンクリート廃材から粗骨材、細骨材、微粉末等の所望の再生材料を得るために、公知の再生骨材製造プラントで「加熱すりもみ法」を採用している。この加熱すりもみ法では、まず破砕したコンクリート廃材(いわゆるコンクリートがら)を加熱塔の炉内に投入し、約300℃程度に加熱する。その後、特殊磨砕設備により物理的にすりもむ(擦り揉む)ことで磨砕し、さらに公知の分級装置を介して分級し、所望の再生微粉末を得ることができる。なお、このとき同時に製造される再生細骨材、再生粗骨材は、従来の骨材と同等の品質を有するため、一般の構造コンクリートの骨材として使用することができる。特にこの加熱すりもみ法によって製造される再生微粉末は、その比表面積が4,000〜10,000cm2/g程度あり、通常のセメントより極めて細かい粒子である。また組成としてはCaOを単位質量当たり10〜30%含有することから、使用時において安定した水硬性が得られ、地盤改良材として好適である。 【0012】[再生材料の事前調査]このコンクリート資源循環システムでは、製造時の組成が不明なコンクリート廃材を使用することになる。そこで、再生材料としてリサイクル使用する場合に所定の品質が確保されているかどうかを事前調査によって確認する。 (事前調査項目及び管理基準値) ・コンクリート中の塩化物イオン量:0.3kg/m3以下・骨材のアルカリ骨材反応性:無害であること・微粉末の六価クロム量:0.05ppm未満(事前調査試験手順)この事前調査では、以上の項目に対して図1に示したような調査手順及び準拠規準に基づいて各試験を行う。再生されるコンクリートの塩化物量はあらかじめコンクリート構造物から採取したサンプルによる試験を行う。その後、「加熱すりもみ法」によって製造された再生粗骨材、細骨材のそれぞれについて所定の試料を作製してアルカリ骨材反応試験(化学法、迅速法)を行う。一方、0.15mmふるいを通過する微粉末については六価クロムの溶出試験を行う。 (六価クロムの溶出抑制効果)この六価クロムの溶出試験で確認される顕著な効果として、「加熱すりもみ法」で得られた微粉末は、元のセメントに含まれている六価クロムが溶出しにくくなることが確認されている。このため、地盤改良材として使用した場合にも土壌汚染が生じることを防止できる。その定量的な効果として、常温ですりもみして得られた微粉末と300℃で加熱すりもみした微粉末の六価クロム溶出量および後者を500℃に加熱した場合の六価クロム溶出量を比較した場合、300℃で加熱すりもみした微粉末の六価クロム溶出量が少ないことが確認されている。これは、普通セメントで同様の試験を行った場合、六価クロムが0.3〜0.4ppm程度溶出されることからして十分な効果としてとらえることができる。 【0013】[再生微粉末の硬化メカニズム]上述した再生材料のうち、特に再生微粉末を、軟弱地盤の地盤改良材として用いた場合、再生微粉末の吸水反応および再生微粉末の示すポゾラン活性により、所定の硬化メカニズムが確認された。これにより、軟弱地盤としての対象土に所定量を添加することにより、強度等の改良効果を得ることができる。以下、各種の地盤改良工において、再生微粉末が地盤改良材として使用される態様について説明する。本発明では、再生微粉末のみによって十分な効果を奏することができるが、再生微粉末を主材として、必要に応じてその他の再生骨材を所定の割合で混合して地盤改良材としての特性を向上させることも好ましい。また、再生微粉末のみで所定の地盤改良材強度が確保できない場合や、地盤改良材として高い強度を期待する場合には、各種のセメントやセメント系固化材を所定割合で混合し、所定の強度を確保することも好ましい。 (浅層改良工)浅層改良においては、機械混合撹拌を前提とし、固化材としての再生微粉末を対象土に対して所定添加量を粉体投入することとした。固化材添加量は、対象掘削土の性状、改良目的、改良土に求められている設計値によって異なるが、掘削土1m3に対して300〜500kg程度の範囲で設計されることが好ましい。また、掘削土との混合、撹拌、締固めは公知の粉体方式での施工手順と同様に行える。また、再生微粉末の粉末度が高いため、スラリー化も容易に行えるので、スラリープラントを設置し、スラリーポンプを用いて再生微粉末を対象土と混合撹拌することも可能である。 【0014】(深層改良工)深層改良土層においても、公知の機械撹拌方法において、固化材としての再生微粉末の粉体混合を行うことが可能である。なお、深層改良工は、地中に形成される改良土範囲に構造物としての所定の強度が要求される場合が多い。その場合には固化材としての再生微粉末と普通ポルトランドセメント等の母材セメントとを混合して十分な強度を確保することが好ましい。この場合、改良土範囲での必要強度が得られる混合比を試験により設定しておくことが好ましい。 【0015】(路床、路盤改良工)従来、路盤材として解体コンクリートを破砕して得られた「コンクリートがら」を所定範囲で粒度調整した再生骨材が用いられたが、その場合、地盤強度を高めるという改良効果は期待できなかった。それに対して、本発明では固化材としての再生微粉末による安定処理効果を期待できる。改良工においては、対象土に所定量の再生微粉末を散布し、公知のスタビライザ等の混合敷均し機械によって混合から転圧までを行うか、バックホウを用いた簡易工程により混合させてもよい。 【0016】(建設発生土改良)掘削工事によって発生した建設発生土としての掘削土の場外搬出において、掘削土が高含水状態にある不良土である場合が多い。そこで、固化材としての再生微粉末を用いて対象土を改良し、ダンプトラック等で運搬できるようにし、さらに次工程現場において、有効な土質材料として再利用を図ることが好ましい。掘削発生土の性状は地盤によって様々である。このため、対象建設発生土の力学性状等を土質試験等によって把握し、また再利用される際に求められている設計値との調整を行うことが好ましい。 【0017】 【実施例1】以下、実施例を通じて本発明のうち、固化材としての再生微粉末を用いて浅層改良工を行った場合の改良効果について確認する。 [土質試験]改良効果を確認するために、対象軟弱粘性土の原位置、掘削を想定した乱した状態、および改良後(改良土I、改良土II)のせん断強さを測定するために、ポータブルベーン試験を行い、せん断抵抗値(τv)を算出し、その結果を表−1に示した。なお、ベーン試験は、非圧密非排水せん断試験であり、τv=c=qu/2(qu:一軸圧縮強度)として地盤支持力の指標として取り扱える。 【0018】[表1]
【0019】[改良施工及び効果の確認]本試験では、再生微粉末を所定量だけ混合し、硬化の確認後に、改良後(改良土I、改良土II)の状態に対して上記試験をおこなった。 [改良効果の評価]予定する改良土の性状として場外搬出を想定し、ダンプトラックによる運搬が可能であること、あるいは次工程での埋立材料として再利用可能である状態として、せん断抵抗値τv=25kN/m2(=c=qu/2=50kN/m2)以上であることとした。このとき、図2に示した固化材としての再生微粉末混合量と改良土のせん断抵抗関係図から明らかなように、固化材添加量として掘削土1m3当たり、300〜500kg程度を対象土に混合して処理することで所望の改良効果を得ることができる。また、図3に示した関係曲線をもとに対象改良土の所望強度に応じた固化材添加量をおさえることができる。 【0020】以上の、試験効果を踏まえ、実際の軟弱地盤の掘削工事において、再生微粉を用いて建設発生土の改良を行った。対象土は自然含水比が100%前後、かつ液性限界を超える程度の軟弱な粘土質シルトであった。この土は地山状態では適切な強度を確保しているものの、掘削過程で乱されたり、あるいは重機などが往来すると部分的に泥土化が発生していた。この状態では掘削残土として適切に処理できないため、再生微粉で改良した。施工手順としては、まず掘削重機による地山掘削の前に、あるいは掘削途中に所定のパック容器に収容された上述の再生微粉末を、地山に直接散布した。このときの散布量は、掘削土1.0m3当たり約300〜500kgとした。散布した再生微粉は公知の撹拌装置により掘削土と適度に撹拌混合し、24時間据え置き放置した。据え置き後、改良土上を歩行することが可能となった。微粉末の緩やかな水和反応による土砂の硬化進行が確認された。これらの土砂はダンプトラックに容易に積載でき、泥土化することなく目的地までの運搬が可能な状態となった。 【0021】 【発明の効果】以上に述べたように、本システムによって得られた再生材料のうち再生微粉末を主材とし、各種地盤改良材として使用することにより、それぞれの改良工において、従来のセメント系固化材と同等の効果を得ることができ、本システムの目的とするコンクリート資源のリサイクルを可能にでき、有効な資源の循環利用を果たすことができるという効果を奏する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002299 【氏名又は名称】清水建設株式会社 【住所又は居所】東京都港区芝浦一丁目2番3号 【識別番号】000003687 【氏名又は名称】東京電力株式会社 【住所又は居所】東京都千代田区内幸町1丁目1番3号
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| 【出願日】 |
平成14年1月9日(2002.1.9) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100098246 【弁理士】 【氏名又は名称】砂場 哲郎
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| 【公開番号】 |
特開2003−206527(P2003−206527A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月25日(2003.7.25) |
| 【出願番号】 |
特願2002−2011(P2002−2011) |
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