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【発明の名称】 多軸オーガ
【発明者】 【氏名】小野寺 秀隆
【住所又は居所】宮城県仙台市宮城野区日の出町2丁目5番38号 株式会社丸徳基業内

【要約】 【課題】対象地盤が粘性土であっても、この粘性土が塊となって攪拌翼の周囲に付着してしまうことを防止でき、その結果、土と固化材とを容易かつ確実に攪拌することができる。

【解決手段】重機1のリーダーマスト2に吊支する駆動装置3から複数の掘削軸4を垂下した多軸オーガにおいて、各掘削軸4には放射状の3枚羽根で構成する水平またはほぼ水平な水平板翼8を攪拌翼兼剪断翼として適宜上下間隔で設け、隣接する掘削軸4同士の水平またはほぼ水平な水平板翼8は先端部を上下位置で重畳させた。また、掘削軸4は先端に掘削ヘッド6を設け、その上にスクリュー翼7と設け、さらに上に水平またはほぼ水平な水平板翼8を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 重機のリーダーマストに吊支する駆動装置から複数の掘削軸を垂下した多軸オーガにおいて、各掘削軸には水平またはほぼ水平な平板翼を攪拌翼兼剪断翼として適宜上下間隔で設け、隣接する掘削軸同士の水平またはほぼ水平な平板翼は先端部を上下位置で重畳させたことを特徴とする多軸オーガ。
【請求項2】 水平またはほぼ水平な平板翼は放射状の3枚羽根で構成する請求項1記載の多軸オーガ。
【請求項3】 掘削軸は先端に掘削ヘッドを設け、その上にスクリュー翼と設け、さらに上に水平またはほぼ水平な平板翼を設ける請求項1または請求項2記載の多軸オーガ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、砂質土層などの透水層や軟弱な地層を一部に有する地盤の根切り工事などで、山留壁などを施工する際に採用されるソイルセメント柱列壁の施工機としての多軸オーガに関するものである。
【0002】
【従来の技術】透水性の高い地盤や軟弱地盤などで行われる山留工法として、これまで、地中にアースオーガーで穿孔し、同時にアースオーガーの先端から掘削土中に固化材(以下「固化材ミルク」という)を射出するとともに、この固化材ミルクと掘削時の掘削土とを攪拌・混合することにより、地中に複数のソイルセメント柱からなるソイルセメント柱列壁を構築するソイルセメント柱列壁工法が一般に知られている。
【0003】また、その施工方法として、1本のアースオーガでソイルセメント柱を1本ずつ施工する一軸オーガ工法と3本ないし5本の多軸アースオーガで複数本のソイルセメント柱を同時に施工する多軸オーガ工法が知られている。
【0004】一軸オーガ工法による施工は施工能率、施工精度(垂直精度)などが改善される必要があり、多軸オーガ工法による施工の方が、一軸オーガ工法による施工よりも施工能率、施工精度(垂直精度)とも高く、特に施工面積が広い場合、経済的に優れた施工が可能である。
【0005】多軸オーガは、下端部分に掘削ヘッドと削孔土を攪拌する攪拌翼をそれぞれ有する掘削軸(オーガロッド)を複数備えて構成する。
【0006】図示は省略するが、クローラ等の重機のリーダーマストに吊支するものとして、油圧モーターまたは電動モーター等で駆動する駆動装置から前記複数の掘削軸を垂下したもので、かかる駆動装置と多軸による掘削軸からなるオーガマシンはリーダーマストにその上下方向に沿って取り付けられているリーダーにガイドされ、電動モーター等によって巻き上げされるワイヤーでリーダーマストの側部を自由に昇降できるようになっている。
【0007】なお、攪拌翼は掘削ヘッドによって削孔された削孔土と掘削ヘッドの射出口から射出されたセメントミルク等の固化材とを攪拌・混合するためのもので、断続的なすなわち不連続に設けられたスクリュー羽根によるものやバー状でロッドの両側に水平に突設されているものなどがある。
【0008】このような構成において、駆動装置を駆動することで掘削軸が回転し、これと連動して掘削軸先端の掘削ヘッドが回転し、対象地盤に対して削孔することができる。また、掘削ヘッドの射出口から削孔土内に固化材が射出され、同時に掘削軸と連動して攪拌翼が回転し、かつ掘削軸とともに貫入と引き抜きを繰り返すことで、削孔土と固化材とが攪拌・混合される。
【0009】こうして、地盤中に所定深さ・所定径のソイルセメント柱が施工される。そして、この工程を一工程とし、この工程をソイルセメント柱の径方向に一部ラップさせて、または互いに接して繰り返し行うことにより、複数のソイルセメント柱からなるソイルセメント柱列壁を施工することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の多軸オーガにおいて、対象地盤が粘性土の場合、土の粘着力により攪拌翼の周囲に付着した土の塊りはなかなか攪拌されず、塊りのまま攪拌翼と一緒に回転し続けてしまう。
【0011】本発明の目的は前記従来例の不都合を解消し、対象地盤が粘性土であっても、この粘性土が塊となって攪拌翼の周囲に付着してしまうことを防止でき、その結果、土と固化材とを容易かつ確実に攪拌することができる多軸オーガを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成するため、第1に、重機のリーダーマストに吊支する駆動装置から複数の掘削軸を垂下した多軸オーガにおいて、各掘削軸には水平またはほぼ水平な平板翼を攪拌翼兼剪断翼として適宜上下間隔で設け、隣接する掘削軸同士の水平またはほぼ水平な平板翼は先端部を上下位置で重畳させたこと、第2に、水平またはほぼ水平な平板翼は放射状の3枚羽根で構成すること、第3に、掘削軸は先端に掘削ヘッドを設け、その上にスクリュー翼と設け、さらに上に水平またはほぼ水平な平板翼を設けることを要旨とするものである。
【0013】請求項1記載の本発明によれば、攪拌翼は剪断翼を兼ねるものとして水平またはほぼ水平な平板翼で構成したので、土の塊りは、回転する攪拌翼でせん断破砕されるため、土の粘着力により攪拌翼の周囲に付着した土の塊りはなかなか攪拌されずに、塊りのまま攪拌翼と一緒に回転し続けるようなことはない。特に、水平またはほぼ水平な平板翼の上下間隔を狭いものとすれば、先端部を上下位置で重畳させた上下の攪拌翼同士の間でせん断破砕され、削孔土と固化材ミルクとが容易に攪拌される。
【0014】請求項2記載の本発明によれば、前記作用に加えて、水平またはほぼ水平な平板翼は放射状の3枚羽根で構成するので、プロペラカッター的なものとなり、連続した効率のよいせん断破砕が得られる。
【0015】請求項3記載の本発明によれば、先端の掘削ヘッドによって削孔された削孔土と掘削ヘッドの射出口から射出されたセメントミルク等の固化材はスクリュー翼により上昇されて水平またはほぼ水平な平板翼へ送られ、ここで剪断と攪拌が行われる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面について本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は本発明の多軸オーガの1実施形態を示す要部の正面図、図2は全体の正面図、図3は同上全体の側面図である。
【0017】多軸オーガ全体としては前記従来例で説明したように、クローラ等の重機1のリーダーマスト2に吊支するものとして、油圧モーターまたは電動モーター等で駆動する駆動装置3から前記複数の掘削軸4を垂下したものである。図中9は複数の掘削軸4をまとめる振れ止めである。
【0018】かかる駆動装置3と多軸の掘削軸4による掘削軸からなるオーガマシンはリーダーマスト2のトップシーブ5からワイヤーで吊下げられ、リーダーマスト2の上下方向に沿って取り付けられているリーダー2aにガイドされ、電動モーター等によって昇降できる。
【0019】また、掘削軸4の先端には掘削ヘッド6を設け、その上方にはスクリュー翼7を何旋回ピッチか設けた。なお、掘削軸4は中空ロッドであり、図示は省略するが掘削ヘッド6にはセメントミルク等の固化材の射出口を形成し、掘削軸4の中を通してセメントミルク等の固化材を射出口に送るようにしている。
【0020】本発明は、各掘削軸4には水平またはほぼ水平な平板翼8を攪拌翼兼剪断翼として適宜上下間隔で設けた。この平板翼8を全く角度を付けずに水平とする場合以外で多少傾斜を設ける場合の角度は10度以内、望ましくは5,6度程度とする。
【0021】この水平またはほぼ水平な平板翼8は本実施形態では図4に示すように、放射状に均等間隔で突出する3枚羽根で構成するものとし、3枚羽根の各羽根片8aはひねりのない水水平またはほぼ水平な平板であり、先端に向かい多少横径が小さくなるような縦長台形状とした。
【0022】本実施形態は掘削軸4が5本ある5軸のオーガであり、隣接する掘削軸4同士の水平またはほぼ水平な平板翼8は各羽根片8aの先端部を上下位置で重畳させた。
【0023】一つの掘削軸4から出る3枚羽根の各羽根片8aは水平に並ぶものであるが、隣接する掘削軸4同士の水平またはほぼ水平な平板翼8の各羽根片8aの間隔は20cm以内であることが望ましい。
【0024】このようにして、駆動装置3を駆動することで各掘削軸4が回転し、これと連動して掘削軸4先端の掘削ヘッド6が回転し、地盤に対して削孔することができる。
【0025】また、掘削ヘッド6の射出口から削孔土内に固化材が射出され、同時に掘削軸4と連動してスクリュー翼7や水平またはほぼ水平な平板翼8が回転し、スクリュー翼7によって掘削ヘッド6によって削孔された削孔土と掘削ヘッド6の射出口から射出されたセメントミルク等の固化材はスクリュー翼により上昇されて水平またはほぼ水平な平板翼8へ送られる。
【0026】水平またはほぼ水平な平板翼8は、放射状の3枚羽根で構成したプロペラカッター的なものであり、各羽根片8aは先端部を上下位置で重畳させているのでこの間で挟み込むようにして連続した効率のよいせん断破砕と攪拌が行われ、掘削軸4は貫入と引き抜きを繰り返すことで、削孔土と固化材とが攪拌・混合される。こうして、地盤中に所定深さ・所定径のソイルセメント柱が施工される。
【0027】
【発明の効果】以上述べたように本発明の多軸オーガは、対象地盤が粘性土であっても、この粘性土が塊となって攪拌翼の周囲に付着してしまうことを防止でき、その結果、土と固化材とを容易かつ確実に攪拌することができるものである。
【出願人】 【識別番号】390019644
【氏名又は名称】株式会社丸徳基業
【住所又は居所】宮城県仙台市宮城野区日の出町2丁目5番38号
【出願日】 平成14年1月9日(2002.1.9)
【代理人】 【識別番号】100078695
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 司
【公開番号】 特開2003−206525(P2003−206525A)
【公開日】 平成15年7月25日(2003.7.25)
【出願番号】 特願2002−2162(P2002−2162)