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【発明の名称】 ビオガーデン用の人工池構造
【発明者】 【氏名】富永 斉史
【住所又は居所】大阪市北区大淀中一丁目1番88号 積水ハウス株式会社内

【要約】 【課題】鳥の水飲み場や、メダカやカエル等の生息地を供給できるように、湧き水部分や流水部分を備えたビオガーデン用の人工池構造を提供する。

【解決手段】予め成型された池ユニット(11)と、防水シート(17)とを庭に設置し、それら池ユニット(11)および防水シート(17)に対して、粘土(12)や砂利(13)、石(14)等を盛ることで、上流池部(2)と、下流池部(3)と、これら上流池部(2)と下流池部(3)を繋ぐ流れ部(4)とを形成するとともに、下流池部(3)において吸い込んだ水を上流池部(2)に導く水循環手段と、上流池部(2)又は下流池部(3)において吸い込んだ水を湧水部(5)に導く湧水手段とを設けることにより、ビオガーデン用の人工池(1)を構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 予め成型された池ユニットと、防水シートとを庭に設置し、前記池ユニットおよび前記防水シートに対して、粘土や砂利、石等を盛ることで、上流池部と、下流池部と、これら上流池部と下流池部を繋ぐ流れ部とを形成して、下流池部において吸い込んだ水を上流池部に導く水循環手段と、上流池部又は下流池部において吸い込んだ水を湧水部に導く湧水手段とを備えたビオガーデン用の人工池構造。
【請求項2】 前記池ユニットに対して、粘土や砂利、石等を盛ることで、上流池部を形成し、前記防水シートに対して、粘土や砂利、石等を盛ることで、前記流れ部および前記下流池部を形成した請求項1記載のビオガーデン用の人工池構造。
【請求項3】 複数の木製の丸太を設置することにより、前記流れ部および前記下流池部の範囲を定め、それらの丸太に跨るように防水シートを敷設し、その防水シートに対して、粘土や砂利、石等を盛ることで、前記流れ部および前記下流池部を形成した請求項2記載のビオガーデン用の人工池構造。
【請求項4】 前記防水シートの一部を、土層の下に敷き込むことにより、前記土層を湿地部とした請求項1乃至3のいずれかに記載のビオガーデン用の人工池構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ビオガーデン用の人工池構造に関する。
【0002】
【従来の技術】日本における水辺環境整備については、溜まった池を設け、トンボ池として整備している事例が多い。また、ホタルを育成するためなど特定の生き物を育むために取り組んでいる例も見られる。
【0003】一方、ヨーロッパにおいては、生き物を呼び戻すための取り組みとして、ビオトープと呼ばれるものがあるが、日本においてビオトープを実施するに当たっては、気候風土が異なるため、改善する必要がある。また、多くの生き物を育むためには多様な水辺環境整備が大切である。さらに、ビオトープは概して規模が大きいため、庭づくりの規模に合わせた取り組みが求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、近年、ビオガーデンと呼ばれる里山の自然をイメージした野生生物の生息に適した庭園を、住宅の敷地内に施工するといった取り組みがなされており、この発明では、鳥の水飲み場や、メダカやカエル等の生息地を供給できるように、湧き水部分や流水部分を備えたビオガーデン用の人工池構造の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するため、この発明におけるビオガーデン用の人工池構造では、予め成型された池ユニットと、防水シートとを庭に設置し、前記池ユニットおよび前記防水シートに対して、粘土や砂利、石等を盛ることで、上流池部と、下流池部と、これら上流池部と下流池部を繋ぐ流れ部とを形成しており、下流池部において吸い込んだ水を上流池部に導く水循環手段と、上流池部又は下流池部において吸い込んだ水を湧水部に導く湧水手段とを備えている。
【0006】また、前記池ユニットに対して、粘土や砂利、石等を盛ることで、上流池部を形成し、前記防水シートに対して、粘土や砂利、石等を盛ることで、前記流れ部および前記下流池部を形成している。
【0007】さらに、複数の木製の丸太を設置することにより、前記流れ部および前記下流部の範囲を定め、それらの丸太に跨るように防水シートを敷設し、その防水シートに対して、粘土や砂利、石等を盛ることで、前記流れ部および前記下流池部を形成している。
【0008】加えて、前記防水シートの一部を、土層の下に敷き込むことにより、前記土層を湿地部としている。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は人工池の平面図を、図2はその縦断面図を、それぞれ模式的に示したものである。人工池(1)は上流池部(2)と、下流池部(3)と、これら上流池部(2)と下流池部(3)を繋ぐ流れ部(4)とから形成されており、上流池部(2)の脇には湧水部(5)が備えられている。
【0010】下流池部(3)の下流側においては、例えばコンクリート製のポンプピット(6)が下流池部(3)に隣接して設けられており、下流池部(3)からオーバーフローされた水が流入している。そのポンプピット(6)内には2台のポンプ(7)(8)・・・が設置されており、その一方のポンプは、水循環手段として、ピット(6)内で吸い込んだ水を、配管(9)を通して上流池部に導く循環ポンプ(7)であり、人工池全体のメインの流れを形成している。他方のポンプは、湧水手段として、ピット(6)内で吸い込んだ水を、配管(10)を通して湧水部(5)に導く湧水ポンプ(8)である。なお、湧水部(5)に導く水については、上流池部(2)において吸い込んでもよい。
【0011】上流池部(2)は、図3に示すような予め成型された池ユニット(11)を設置し、その池ユニット(11)に対して、粘土(12)や砂利(13)、石(14)等を盛ることにより、水深が例えば30cm〜40cm程度になるように形成する。砂利(13)が底部に敷かれ、粘土(12)は石(14)を固定するために敷かれる。なお、池ユニット(11)は、例えば合成樹脂を材料として成型されており、さびる恐れのないものである。すなわち、合成樹脂の代わりに、木やステンレス等を材料とすることも可能である。
【0012】流れ部(4)および下流池部(3)については、複数の木製の丸太(15)(15)・・・を敷き並べて、その範囲を位置決めする。その際、丸太杭(16)(16)・・・を内側に打ち付けることで、丸太(15)がずれないようにしている。丸太(15)の設置後、丸太(15)によって位置決めした範囲と、その周辺とを覆うように、例えば塩化ビニル製の防水シート(17)を敷設する(図4)。
【0013】丸太(15)によって位置決めした範囲において、粘土(12)を、防水シート(17)の上に敷き、大きな石(14)から固定していき、流れを作った後、細かい石(14)を敷設し、底部に砂利(13)を敷くことにより、流れ部(4)および下流池部(3)を形成する。水深は、流れ部(4)が例えば15cm程度、下流池部(3)が例えば30cm〜40cm程度になるようにしている。流れ部(4)および下流池部(3)以外の部分においては、防水シート(17)の一部を、土層の下に敷き込むことにより、その土層を、水が常に浸み込む湿地部(20)としている。
【0014】また、流れ部(4)においては、滝部(21)を設けたり、石(14)の部分にも水深が例えば1〜3cmの浅瀬を設けたりしている。さらに、深みのある上流池部(2)および下流池部(3)においては、底部に素焼きの鉢を設置し、水生植物を植栽している。加えて、周辺は生き物を育む多くの在来種を植栽している。
【0015】なお、この発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で上記実施形態に多くの修正及び変更を加え得ることは勿論である。例えば、この実施形態においては、上流池部(2)の形成には池ユニット(11)を用い、流れ部(4)および下流池部(3)の形成には防水シート(17)を用いているが、池ユニット(11)および防水シート(17)は、それぞれ上流池部(2)、流れ部(4)および下流池部(3)のいずれを形成するのにも用いることができるものである。
【0016】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この発明では、ビオガーデン用の人工池構造において、下流池部において吸い込んだ水を上流池部に導く水循環手段と、上流池部又は下流池部において吸い込んだ水を湧水部に導く湧水手段とを備えている。また、予め成型された池ユニットと、防水シートとを庭に敷設し、それらに対して、粘土や砂利、石等を盛ることで、上流池部と、下流池部と、それらを繋ぐ流れ部とを形成している。さらに、防水シートの一部を、土層の下に敷き込むことにより、その土層を湿地部としている。
【0017】このように、この発明によって、住宅等の庭のように小規模な面積においても、多様な水環境を整備することにより、湧水部において鳥が水浴びに来るなど、多様な生き物を庭に呼び込むことができきる。
【0018】また、この発明では、人工池の底部において、予め成型された池ユニットと、防水シートとを、防水材として用いているため、確実な水量の調節ができ、安定して水を循環させることができる。特に池ユニットは、設置するだけで、新たに池を成型する必要がないため、迅速な施工が可能となり、コストの面でも有利である。さらに、防水シートは、成型されたものではないので、設置場所の広さや地形に応じた敷設が可能となる。
【0019】またさらに、流れ部および下流池部の範囲を定めるに当たって、複数の木製の丸太を設置することにより、防水シートを支持することができ、より確実な人工池の形成に貢献している。また、木製であるため、さびることがなく、朽ちたとしても自然に帰ることになり、ビオガーデンの趣旨にも合致する。
【出願人】 【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市北区大淀中1丁目1番88号
【出願日】 平成14年1月15日(2002.1.15)
【代理人】 【識別番号】100082278
【弁理士】
【氏名又は名称】樽本 久幸
【公開番号】 特開2003−206522(P2003−206522A)
【公開日】 平成15年7月25日(2003.7.25)
【出願番号】 特願2002−5851(P2002−5851)