| 【発明の名称】 |
アスファルト路面の施工法 |
| 【発明者】 |
【氏名】金森 康継 【住所又は居所】埼玉県北葛飾郡栗橋町大字高柳2626 酒井重工業株式会社技術研究所内
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| 【要約】 |
【課題】骨材の突出したアスファルト路面を形成するに当たり、施工能力が向上し、低コストで、工事に伴う交通渋滞の低減が図れるアスファルト路面の施工法を提供する。
【解決手段】(A)アスファルト混合物を敷き均す工程と、(B)前記(A)の工程で敷き均した状態のアスファルト混合物を、振動タイヤローラのゴムタイヤを振動させて転圧し、骨材を路面から突出させる工程とからなるアスファルト路面の施工法とした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 (A)アスファルト混合物を敷き均す工程、(B)前記(A)の工程で敷き均した状態のアスファルト混合物を、振動タイヤローラのゴムタイヤを振動させて転圧し、骨材を路面から突出させる工程からなることを特徴とするアスファルト路面の施工法。 【請求項2】 前記振動タイヤローラの1メートルの移動距離当たりのゴムタイヤの振動回数を30回〜60回の範囲内とすることを特徴とする請求項1に記載のアスファルト路面の施工法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、アスファルト路面の施工法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来のアスファルト路面の転圧施工法は以下の工程で行われる。 (1)「初転圧」 ペーバ(敷き均し機)で敷き均したアスファルト混合物を、転圧機械で締固めることができる粘度を保持している高温の間に、鉄輪ローラを複数回(通常、約8回(4往復))走行させ、表面のきめを整えて平坦状にする。 (2)「二次転圧」 前記初転圧に続いてタイヤローラを複数回走行させ(通常、約8〜10回)、その輪荷重と、タイヤが通過することによって生ずるこね返しの作用によりアスファルト混合物を締固め、規定の密度が得られるまで転圧する。 (3)「仕上げ転圧」 前記二次転圧に続いて、表面に残った前記タイヤローラのタイヤマーク(浅いわだち)や小さな凹凸などを除去するべく鉄輪ローラを複数回(通常、4〜6回)走行させ、表面を平坦に仕上げる。 【0003】以上の手順で転圧される路面は、鉄輪ローラの通過回数が多いことから(前記説明では少なくとも12回以上)、表面にある骨材が鉄輪によりモルタルに押し込められ、極めて滑らかな路面となる(図4参照)。つまり、滑り抵抗の小さな路面となる。 【0004】そして、自動車のスリップの低減や制動距離を短くするなどの目的で、骨材を路面から突出させる工程は、次の(4)〜(6)のいずれかの工程となる。 (4)硬化する直前のアスファルトコンクリート、又はセメントコンクリート舗装版の表面に、接着剤を塗布した骨材を新たに散布し、骨材の一部が表面から突出するように鉄輪ローラを走行させて圧入する(図5参照)。 (5)硬化する直前に、表面の細粒分(一般に0.075mm以下)を除去し、骨材の一部が表面から突出するようにする。 (6)硬化後に、舗装版の表面の細粒分をショットブラストなどで除去し、骨材を突出させる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来では、骨材の突出したアスファルト路面を形成するに当たり、前記した(1)〜(6)の工程を要する施工法であった。つまり、通常の舗装の施工工程である前記(1)〜(3)の工程に加え、別途に前記(4)〜(6)のいずれかの工程を追加する施工法であり、施工能力の低下、コストの増大、施工時間の増加に起因する、工事に伴う交通渋滞の発生等の問題があった。 【0006】本発明は、骨材の突出したアスファルト路面を形成するに当たり、施工能力が向上し、低コストで、交通渋滞の低減が図れるアスファルト路面の施工法を提供することを目的としている。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決するため、(A)アスファルト混合物を敷き均す工程、(B)前記(A)の工程で敷き均した状態のアスファルト混合物を、振動タイヤローラのゴムタイヤを振動させて転圧し、骨材を路面から突出させる工程からなるアスファルト路面の施工法とした。 【0008】また、前記振動タイヤローラの1メートルの移動距離当たりのゴムタイヤの振動回数を30回〜60回の範囲内とした。 【0009】 【発明の実施の形態】本発明に係るアスファルト路面の施工法は、(A)アスファルト混合物を敷き均す工程と、(B)前記(A)の工程で敷き均した状態のアスファルト混合物を、振動タイヤローラのゴムタイヤを振動させて転圧し、骨材を路面から突出させる工程とからなる。 【0010】「(A)の工程」当該工程自体は、公知の敷き均し工程、例えばペーバ(敷き均し機)等により高温状態にあるアスファルト混合物(開粒度混合物、砕石マスチックアスファルト等)を平滑状に敷き均す工程からなる。 【0011】「(B)の工程」本発明の特徴の1つは、前記(A)の工程の後に、例えば従来のような、初転圧工程、二次転圧工程、仕上げ転圧工程、骨材を散布する工程等を介在させることなしに、(B)の工程を施工することにある。(A)の工程で敷き均した状態にあるアスファルト混合物を、アスファルトが転圧機械で締固めることができる粘度を保持している高温状態の間に、振動タイヤローラを使用し、そのゴムタイヤを振動させて転圧することにより、ゴムタイヤの輪荷重、ニーディング(こね返し)作用、振動などによってアスファルト混合物を短時間内に所定の密度になるように締固めることができる。同時に、ゴムタイヤの弾力性が有効に作用して、表面のモルタルが骨材の間に押し込まれ、骨材が突出した、摩擦抵抗の大きい路面を形成することができる。 【0012】使用する振動タイヤローラとしては、例えば前輪側及び後輪側において、複数のゴムタイヤが車幅方向に同軸状に配設され、ゴムタイヤを振動させる振動機構を備えた車両であり、例として特開平9−31912号公報に開示されたものが挙げられる。ゴムタイヤとしてはソリッドタイヤでも適用可能であるが、弾性力に優れる空気タイヤを用いれば骨材を効果的に突出させることができる。 【0013】また、開粒度混合物や砕石マスチックアスファルトなど、骨材の含有比の高いアスファルト混合物を用いることにより、骨材を効果的に突出させることができる。骨材としては、例えば砕石、玉石、砂利、鉄鋼スラグ等が一般的であるが、本発明においては特に限定されるものではない。 【0014】なお、転圧の際には、タイヤへのアスファルト混合物の付着防止の処理を施すことが望ましく、例えば振動タイヤローラに搭載したアスファルト付着防止剤や軽油等を、散布ノズルなどによりゴムタイヤの表面に向けて連続的に、或いは間欠的に散布する。 【0015】「実施例」例えば、砕石マスチックアスファルト混合物の場合、その配合は以下の通りである。「重量比で、アスファルト:4〜7%、粒径5mm未満の砕石:20〜30%、粒径5mm以上の砕石:70〜80%」 【0016】「(A)の工程」ペーバは、砕石マスチックアスファルト混合物をスクリード(振動するプレート)で敷き均すため、コテの作用が働き、敷き均されたマット(アスファルト混合物の層)の表面は、骨材とモルタル(アスファルトと石粉、粒径約2.3mm以下の骨材、ダストなどが混合されたもの)で形成された平滑な面となる(図1(a)参照)。 【0017】「(B)の工程」前記マットの上を、アスファルトが締固めに適した粘度(温度)を保持している間に、振動タイヤローラでゴムタイヤを振動させながら通過すると、■マットは、ゴムタイヤの輪荷重によって圧縮され、沈下する。 ■骨材は、ゴムタイヤのニーディング作用と、伝播する振動によって、上下、左右に動き、互いの噛み合わせが良好になると同時に、骨材同士の間にモルタルが押し込められて密着し、温度の降下と共に固着する。 ■弾性を有するゴムタイヤに接する表面の骨材はゴムに食い込み、換言すれば骨材の並びにしたがってゴムが変形し、一方、粘度を有しているモルタルはゴムによって骨材同士の間に押し込められるため、骨材の一部が表面から突出した路面が形成される(図1(b)参照)。 【0018】そして、所定の密度が得られるまで振動タイヤローラを往復走行させて転圧を繰り返すと、モルタルによってグリップ(固着)された骨材が表面から突出した路面が形成される。転圧にあたっては、アスファルト混合物の性状に応じてゴムタイヤの振動数、空気圧、車両の走行速度が設定され、それぞれ以下の範囲に設定すると良好な結果が得られる。 タイヤの振動数:約2000〜2500vpm(1分間当たりの振動数) タイヤの空気圧:4×10-1〜7×10-1MPa車両の走行速度:3〜6km/h【0019】また、振動タイヤローラの1メートルの移動距離当たりのゴムタイヤの振動回数、つまり、車両の単位移動距離当たりのタイヤの振動数として、30〜60v/m「1メートル当たりのタイヤの振動回数」の範囲内とすれば、良好なモルタルの締固め状態と良好な骨材の突出状態が得られ、特に50v/m前後に設定することで、より良好な路面が得られる。 【0020】図2において、(a)は本発明に係る施工法を適用した、すなわち振動タイヤローラで転圧したアスファルト路面の表層部を一部取り出してカッターにより断面を露出させ、その写真をトレースした断面説明図であり、(b)は(a)における表面部のみをトレースした状態として示す。一方、図3(a)は、鉄輪の振動ローラで同材料のアスファルト路面を転圧した場合において、同様に写真をトレースした断面説明図であり、図3(b)はその表面部のみをトレースした状態を示す。条件としては、砕石マスチックアスファルト混合物を使用し、温度が約150〜155℃の状態において、それぞれ車両を4回走行させて繰り返し転圧を行った。ゴムタイヤ及び鉄輪の各振動数は2400vpmとし、車両の走行速度は共に3km/hとした。 【0021】両図を比較すると、図3のように鉄輪の振動ローラで転圧した場合には、表面の砕石(骨材)がモルタルとともに平滑状に並んだ状態として転圧されるのに対し、図2では、表面の砕石が立ったままの状態でモルタルから突出して転圧されている状態が良く判る。 【0022】骨材が露出したアスファルト路面の効果としては、■タイヤによる滑り抵抗が大きくなる。したがって、自動車の制動距離を短くできる。 ■雨水などで滞水した路面であっても、タイヤと骨材が接触しているので、ハイドロプレーニング現象(水膜ができるために発生するタイヤのスリップ)が起きにくい。 ■上記■及び■の複合効果として、自動車の走行が安全となる。 ■本発明に係る施工法で得られる舗装表面を下層に用い、さらにその上に表層を重ねる場合、本発明に係る施工法で得られる舗装表面は先に述べたように、骨材による突出部を有し、接着面積が大きいため、接着性が良好となり、且つ、突出部があるため、下層と該下層に重ねる上層との間のズレが生じにくくなる。 【0023】 【発明の効果】本発明によれば、骨材の突出した路面を形成するに当たり、簡易な工程で、且つ少ない工程数で実現できるため、低コストで、交通渋滞の低減が図れる施工法となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000182384 【氏名又は名称】酒井重工業株式会社 【住所又は居所】東京都港区芝大門1丁目4番8号
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| 【出願日】 |
平成14年1月11日(2002.1.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100064414 【弁理士】 【氏名又は名称】磯野 道造
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| 【公開番号】 |
特開2003−206505(P2003−206505A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月25日(2003.7.25) |
| 【出願番号】 |
特願2002−4516(P2002−4516) |
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