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【発明の名称】 柔軟性を有する繊維線状体
【発明者】 【氏名】新道 忠志
【住所又は居所】福井県坂井郡金津町伊井第60号1番地 新道繊維工業株式会社内

【要約】 【課題】ブラジャー等の形状を維持するのに適した線状体として、軽くて、錆びたり、金属探知器にかかるおそれもなく、柔軟且つ靭やかで屈撓性が高く形状記憶性にも優れ、ボディラインにもよくフィットでき、さらにリサイクル性にも対応できる繊維線状体を提供すること。

【解決手段】内部には芯体となる組紐10を有し、その組紐10の外部には鞘体となる組紐20を被せてあるとともに少なくとも鞘体側の組紐を熱融着性繊維糸にて構成し、全体を所定形状に加熱成形させてあることを特徴とする柔軟性を有する繊維線状体。
【特許請求の範囲】
【請求項1】内部には芯体となる組紐を有し、その組紐の外部には鞘体となる組紐を被せてあるとともに少なくとも鞘体側の組紐を熱融着性繊維糸にて構成し、全体を所定形状に加熱成形させてあることを特徴とする柔軟性を有する繊維線状体。
【請求項2】芯体となる組紐も熱融着性繊維糸にて構成されていることを特徴とする請求項1記載の柔軟性を有する繊維線状体。
【請求項3】芯体となる組紐および鞘体となる組紐が編物による組紐からなることを特徴とする請求項1または2記載の柔軟性を有する繊維線状体。
【請求項4】芯体となる組紐および鞘体となる組紐が織物による組紐からなることを特徴とする請求項1または2に記載の柔軟性を有する繊維線状体。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は柔軟性を有する線状体に関し、より詳しくはブラジャー等の形状維持に用いるのに適した繊維線状体に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来からブラジャーは女性の美しさの追求という観点に基づき女性の胸の形状を良く見せるために種々の線状体による補正手段が採用されてきた。特に1990代に入り、線状体として形状記憶合金ワイヤーを用いたブラジャーが開発普及して、ワイヤー入りブラジャーが一般化されてきた。現状ではブラジャーの約8割がワイヤー等を入れたものであり、そのうちの9割が金属製ワイヤーであり、残る1割が金属製ワイヤーに代わる合成樹脂製のものである。
【0003】金属製ワイヤーは合成樹脂製のものに比べ、約4倍近く重く、しかも錆びたり変形した場合の回復が困難で、細くて硬いためボディにフィットせず長時間着用すると痛みを感ずるほか、折損も多い欠点がある。そのほか、テロ事件などの影響で性能強化された金属探知器に探知されてしまったりすることもある。さらに廃棄処分する際には、ワイヤーを抜かないとリサイクル性に問題が生じることになる。
【0004】他方、合成樹脂製のものも、射出成形金型を用いて射出成形されたものが殆どであって、細く硬くて折損が多く、胸を傷つけたりするおそれがあり、非常に危険性も多い。なお、コスト的には合成樹脂製のものが通常の金属ワイヤーより2割ほど高いが、金属製ワイヤーも形状記憶合金を使用すると約5倍のコスト増となる。そこで本発明においては、例えば上記したようなブラジャー等の形状を維持するのに適した線状体として、従来の金属ワイヤーよりはるかに軽くて、錆びたり、金属探知器にかかるおそれもなく、しかも従来の合成樹脂製のものに比べてもはるかに柔軟且つ靭やかで屈撓性が高く形状記憶性にも優れ、ボディラインにもよくフィットでき、さらにリサイクル性にも対応できる繊維線状体を提供することを目的として鋭意研究の末発明されたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段および発明の効果】上記目的を達成できるようにした本発明による柔軟性を有する繊維線状体としては、請求項1に記載したように、内部には芯体となる組紐を有し、その組紐の外部には鞘体となる組紐を被せてあるとともに少なくとも鞘体側の組紐を熱融着性繊維糸にて構成し、全体を所定形状に加熱成形させてあることを特徴としている。
【0006】上記請求項1記載の繊維線状体によると、内部の芯体と、外部の鞘体の何れもが組紐によるもので、柔軟性があり、少なくとも外部の鞘体の組紐が熱融着性繊維糸からなるので全体が加熱成形させられると、鞘体の組紐は加熱によって内部の芯体となる組紐に融着して樹脂化した外被となるが、内部の芯体となる組紐の柔軟性によって全体としては非常に靭やかで引張強度も高く、しかも屈撓性の高い線状体となるものであり、例えば弯曲状態から直線状の形態に変化させても変形のための負荷力を除くと直ちに原状の弯曲状態に戻り得るもので、形状記憶性を維持できているものであり、金属ワイヤーのように錆びることもなく、軽量なものゆえ、ブラジャー等に用いる線状体として好適となり、且つ安価に提供できる。
【0007】特に請求項1に従属する請求項2のように芯体となる組紐も熱融着性繊維糸にて構成されていることを特徴としていると、芯体となる組紐と鞘体となる組紐との結合性が一層高められて好都合である。なお、請求項3のごとく、芯体となる組紐および鞘体となる組紐が編物による場合と、請求項4のごとく織物による場合の何れであっても実施可能なものであり、実施し易いものである。
【0008】
【発明の実施の形態】次いで、本発明による実施態様について図を参照しながら以下に説明する。図1に示す線状体Aは加熱処理前の状態を示しており、内部の芯体となる組紐10が1本で外部の鞘体となる組紐20が組紐10を包被してある二重の紐状となり、鞘体の組紐20が、熱融着性繊維糸例えば低温融着性ポリエステル繊維糸にて構成されている。各組紐10,20は製紐機(ブレーディング機)で製紐されたものである。
【0009】図2および図3は線状体Aの全体を所定形状に加熱成形させた後の状態を示しており、図示する弯曲形態は成形による形態の一例であり、他の形状による成形形態で実施することもでき、何れも鞘体の組紐20が芯体の組紐10に熱融着されているもので、例えば図3のごとき弯曲状態から直線状に変化させても、直線状に変形させている負荷力を除くと、原状の弯曲状態へ復元できるような屈撓性の高い形状記憶性のあるものが提供できる。
【0010】上記した当初の二重の紐状のものから例えばブラジャー等に用いる弯曲状態に熱処理するに際しては、予め二重の紐状のものを170℃〜200℃程度の加熱炉等第一次熱処理雰囲気を通過させて予熱後、さらに弯曲用の加熱ロール等に接触させて加熱成形しながら所定の弯曲形態に仕上げるものである。上記加熱にて熱融着性繊維糸は組紐状態のまま樹脂化することになる。本発明による線状体は二重の組紐10,20からなるので、靭やかで引張強度も高く、しかも高い屈撓性があり、金属ワイヤーや射出成形による合成樹脂の線状体のような硬直感がなく、軽量で且つ錆びの配慮が不要である。またブラジャーの線状体として使用後の廃棄に対してもブラジャーから分離せずにそのまま廃棄できるのでリサイクル性にも好適となる。
【0011】なお、芯体となる組紐10は前記したような1本のものだけでなく、加熱前を示す図4および加熱処理後を示す図5のごとく複数本の組紐10,10…を芯体として、外部の鞘体となる組紐20で包被熱融着した実施も可能である。また、何れの実施態様においても芯体側の組紐10を鞘体の組紐20と同じように熱融着性繊維糸で構成してもよい。熱融着性繊維糸としては、番手も線状体の太さに応じて変えればよく、前記した低温融着性ポリエステル繊維のほか、既知のものが種々使用できる。
【0012】さらに何れの組紐10,20も、編物による組紐のほか、織物による組紐によって構成しても実施可能である。そして、本発明による繊維線状体の用途としては、前記したブラジャーの形状維持に適する線状体のほか、補正用下着の形状維持や、カッターシャツやスーツの襟の形状維持、さらにはカバン類の形状維持に用いる線状体としても適することになる。
【出願人】 【識別番号】591168932
【氏名又は名称】新道繊維工業株式会社
【住所又は居所】福井県坂井郡金津町伊井第60号1番地
【出願日】 平成14年4月5日(2002.4.5)
【代理人】 【識別番号】100087701
【弁理士】
【氏名又は名称】稲岡 耕作 (外1名)
【公開番号】 特開2003−301355(P2003−301355A)
【公開日】 平成15年10月24日(2003.10.24)
【出願番号】 特願2002−104268(P2002−104268)