トップ :: D 繊維 紙 :: D04 組みひも;レ−ス編み;メリヤス編成;縁とり;不織布

【発明の名称】 肌着用メリヤス布
【発明者】 【氏名】伊藤 明洋
【住所又は居所】愛知県一宮市平和1−12−3 有限会社 アイテイオー内

【要約】 【課題】伸縮性、肌フィット性、保温性、吸熱性、防皺性、吸湿性、放湿性、光沢感に優れ、更に、肌触りがソフトでかつドライで、ドレープ性に優れ、これらをバランス良く達成した肌着用メリヤス布の提供。

【解決手段】単繊維における繊度が0.3〜500デニールであって、竹を原料とするセルロースレーヨン繊維を含み、撚り数が300〜1200T/m(T=撚の回数)の実撚が付与された紡績糸を用いて製造されたことを特徴とする肌着用メリヤス布である。弾性繊維を含む態様、竹を原料とするセルロースレーヨン繊維及び弾性繊維の配合比(質量比)(竹を原料とするセルロースレーヨン繊維/弾性繊維)が、60/40〜99/1である態様、弾性繊維が、ポリウレタン繊維である態様、肌着が、婦人用肌着である態様等が好ましい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 単繊維における繊度が0.3〜500デニールであって、竹を原料とするセルロースレーヨン繊維を含み、撚り数が300〜1200T/m(T=撚の回数)の実撚が付与された紡績糸を用いて製造されたことを特徴とする肌着用メリヤス布。
【請求項2】 弾性繊維を含む請求項1に記載の肌着用メリヤス布。
【請求項3】 竹を原料とするセルロースレーヨン繊維及び弾性繊維の配合比(質量比)(竹を原料とするセルロースレーヨン繊維/弾性繊維)が、60/40〜99/1である請求項1又は2に記載の肌着用メリヤス布。
【請求項4】 弾性繊維が、ポリウレタン繊維である請求項2又は3に記載の肌着用メリヤス布。
【請求項5】 肌着が、婦人用肌着である請求項1から4のいずれかに記載の肌着用メリヤス布。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、伸縮性、肌フィット性、保温性、吸熱性、防皺性、吸湿性、放湿性、光沢感に優れ、更に、肌触りがソフトでかつドライで、ドレープ性に優れ、これらをバランス良く達成した肌着用メリヤス布に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、技術の発達等に伴い、女性間におけるファッション意識が高まり、より体に自然にフィットし、綺麗なボディーラインを実現可能であると共に、着用の際の着心地に優れ、保温性、吸湿性、放湿性に優れ、更に綺麗な光沢を有し、防皺性に優れる肌着が要求されている。従来から、婦人用肌着としては、吸湿性、保温性等を得ることを目的として、綿繊維を原料とするメリヤス布からなる肌着等が複数提供されている。しかし綿繊維は保温性に優れるものの嵩高いため、着用した際にごわつき、アウターに響く等の問題があった。またアウターに響かないよう伸縮性を高くすると、肌に張り付いてしまい若干着心地が悪くなる等の問題もあった。
【0003】一方、ポリエステル繊維等の合成繊維を原料とする伸縮性肌着も複数提供されている。しかし、アウターに響かないよう伸縮性を高くすると、綿繊維の場合と同様に、肌に張り付いてしまい着心地が悪くなる問題があった。高い伸縮性を付与しつつ、ドライで爽やかな着心地を得るには、繊維に凹凸加工(星型加工等)を施す等の必要があり製造効率が悪かった。特に、直接肌に接触させる肌着用としては、肌に優しい天然素材を原料とし、かつ、伸縮性、肌フィット性、保温性、吸熱性、防皺性、吸湿性、放湿性、光沢感に優れ、更に、肌触りがソフトでかつドライで、ドレープ性に優れる肌着用メリヤス布が要求されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来の問題を解決し、要求に応え、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、伸縮性、肌フィット性、保温性、吸熱性、防皺性、吸湿性、放湿性、光沢感に優れ、更に、肌触りがソフトでかつドライで、ドレープ性に優れ、これらをバランス良く達成した肌着用メリヤス布を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、<1> 単繊維における繊度が0.3〜500デニールであって、竹を原料とするセルロースレーヨン繊維を含み、撚り数が300〜1200T/m(T=撚の回数)の実撚が付与された紡績糸を用いて製造されたことを特徴とする肌着用メリヤス布である。
<2> 弾性繊維を含む前記<1>に記載の肌着用メリヤス布である。
<3> 竹を原料とするセルロースレーヨン繊維及び弾性繊維の配合比(質量比)(竹を原料とするセルロースレーヨン繊維/弾性繊維)が、60/40〜99/1である前記<1>又は<2>に記載の肌着用メリヤス布である。
<4> 弾性繊維が、ポリウレタン繊維である前記<2>又は<3>に記載の肌着用メリヤス布である。
<5> 肌着が、婦人用肌着である前記<1>から<4>のいずれかに記載の肌着用メリヤス布である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の肌着用メリヤス布は、単繊維における繊度が0.3〜500デニールであって、竹を原料とするセルロースレーヨン繊維を含み、所定の実撚が付与された紡績糸(以下、「竹原料紡績糸」と称することがある。)を用いて製造されたものである。
【0007】[竹原料紡績糸]前記竹原料紡績糸は、単繊維における繊度が0.3〜500デニールであって、竹を原料とするセルロースレーヨン繊維を含み、所定の実撚が付与された紡績糸である。
【0008】前記セルロースレーヨン繊維は、竹を原料とするセルロースレーヨン繊維であり、その断面が凹凸形状となっている。従って、保温性、光沢感に優れ、更に、肌触りがドライで爽やかであり、肌着用メリヤス布に特に好適である。
【0009】前記セルロースレーヨン繊維において、単繊維の繊度としては、0.3〜500デニールであることが必要であり、10〜300デニールであるのが好ましく、25〜250デニールであるのがより好ましく、25〜200デニールであるのが更に好ましい。前記繊度が、0.3デニール未満であると、強度の点で問題があり、500デニールを超えると、硬度が高く肌着用メリヤス布に不向きとなる。
【0010】前記セルロースレーヨン繊維としては、特に制限はなく、竹を原料とするアセテート、トリアセテート、精製セルロース、ビスコースレーヨン、及び、銅アンモニアレーヨン等の繊維が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0011】前記セルロースレーヨン繊維の製造方法としては、一般のレーヨン繊維と同様の製造方法が好適に挙げられる。例えば、ビスコースレーヨンは、竹を原料とするパルプをアルカリ及び二硫化炭素に反応させ、アルカリザンテートとして苛性ソーダに溶解して紡糸し、セルロースを凝固・再生することにより製造することができる。該ビスコースレーヨン、銅アンモニアレーヨン、アセテート、トリアセテート、及び、精製セルロースの製造方法は、繊維学会編、「繊維便覧第2版、丸善、1994年3月25日発行のp92〜99」に記載されており、本発明においてもこれを好適に適用可能である。
【0012】前記竹原料紡績糸の製造方法としては、特に制限はなく、公知の紡績方法、即ち、梳毛紡績(長紡紡績糸)、カード紡績(短紡紡績糸)、結束紡績、及び、オープンエンド紡績等が挙げられる。これらの中でも、特に本発明の効果をより効果的に達成し得る点で、梳毛紡績が好ましい。
【0013】前記竹原料紡績糸の紡績において、前記セルロースレーヨン繊維の繊維長としては、20〜250mmが好ましい。また、梳毛紡績(長紡紡績)の場合には、取り扱い性の点で、該繊維長が60〜210mmであるのが好ましい。
【0014】前記竹原料紡績糸においては、300〜1200T/m(T=撚の回数)の実撚が付与されている必要があり、400〜1100T/mの実撚が付与されているのが好ましい。前記撚り数の数値範囲内であれば、適度の伸縮性、肌フィット性、保温性、防皺性、光沢感に優れ、肌触りがソフトで、ドレープ性に優れる肌着用メリヤス布を提供可能となる。尚、糸番手としては、例えば28番手(梳毛糸番手)で10〜50番の範囲を用いるのが好ましい。36番手以上は水溶性ビニロン(ポリビニルアルコール)繊維を補強繊維として用い、後に水又は湯洗浄して除去して好適に得ることができる。
【0015】前記竹原料紡績糸においては、所望により、竹を原料とするセルロースレーヨン繊維のほか、他の繊維等を混合してもよい。混合する繊維としては、天然繊維としては、例えば、木綿、絹、麻、羊毛、カシミヤ、アルパカ、モヘヤ、アンゴラ、ラクダ、ロシアンセーブル、及び、ガナコ等の繊維が挙げられる。再生繊維としては、竹以外を原料とする一般のビスコースレーヨン、銅アンモニアレーヨン、アセテート、トリアセテート、及び、精製セルロース等の繊維が挙げられる。合成繊維としては、ナイロン、ポリエステル、及び、アクリル等の繊維が挙げられる。
【0016】[その他の成分]本発明の肌着用メリヤス布は、前記竹原料紡績糸のほか、更に、他の弾性繊維を併用し製造された態様も好ましい。該弾性繊維としては、例えば、ポリウレタン繊維等が好適に挙げられる。前記肌着用メリヤス布における、竹を原料とするセルロースレーヨン繊維及び弾性繊維の配合比(質量比)(竹を原料とするセルロースレーヨン繊維/弾性繊維)としては、60/40〜99/1が好ましく、80/20〜99/1がより好ましく、90/10〜98/2が更に好ましく、93/7〜98/2が特に好ましい。前記配合比が、前記数値範囲内であれば、特に、伸縮性、肌フィット性、及び防皺性に優れた肌着用メリヤス布が提供される。
【0017】<肌着用メリヤス布の製造方法>前記肌着用メリヤス布の製造方法としては、特に制限はなく、公知の編み方が総て好適に挙げられる。例えば、横編み、平編み、ゴム編み、筒編み、パール編み、経編み等が挙げられる。これらは、公知のメリヤス編み機を用いて好適に行うことができる。前記肌着用メリヤス布に、前記弾性繊維等を併用する場合には、前記竹原料紡績糸及び弾性繊維等を、同時に順次ループ状に連結して編み立ててもよく、各々個別にループ状に連結して編み立てたものを繋ぎ合わせてもよいが、本発明の効果をより好適に奏する点で、前者が好ましい。
【0018】<肌着用メリヤス布のゲージ>前記肌着用メリヤス布におけるゲージとしては、特に制限はないが、伸縮性、肌フィット性、保温性、吸熱性、防皺性、吸湿性、放湿性、光沢感、肌触り感、及び、ドレープ性の点で、10〜100ゲージが好ましく、15〜50ゲージがより好ましい。
【0019】<肌着用メリヤス布の用途>前記肌着用メリヤス布は、前述のように、伸縮性、肌フィット性、保温性、吸熱性、防皺性、吸湿性、放湿性、光沢感に優れ、肌触りがソフトでかつドライで、ドレープ性に優れ、これらをバランス良く達成しているため、特に肌に直接接触する用途に用いるのが好ましく、下着用途として用いるのがより好ましい。特に、伸縮性、肌フィット性、保温性、及び、肌触りの良さ等が要求される婦人用肌着として用いるのが好ましい。
【0020】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
【0021】(実施例1)
−紡糸等−中国産の竹を原料とし、公知の方法により紡糸したビスコースレーヨン繊維(繊度:80デニール、繊維長:40mm)を、公知の梳毛紡績法によってスライバーを作製し、その後リング撚糸機を用いて、撚数が900T/mの梳毛紡績糸(竹原料紡績糸)を得た。尚、前記ビスコースレーヨン繊維の断面を顕微鏡により観察したところ、凹凸形状であり繊維の長さ方向に空洞を有していた。更に、公知の湿式紡糸法により、ポリウレタン繊維を得た。
【0022】−肌着用メリヤス布及び肌着の作製−前記竹原料紡績糸95質量部及びポリウレタン繊維5質量部を用い、公知の横編み機により横編みを行い、肌着用メリヤス布(25ゲージ)を製造した。得られた肌着用メリヤス布を用い、婦人用パンティを作製した。
【0023】<着用試験>5名の被験者に、前記婦人用パンティを着用してもらい、評価をしたところ、5名とも肌に程良くフィットし、伸縮性に優れると評価した。また、着用時は暖かく感じられ、保温性に優れると共に、吸熱性に優れ、吸湿性、放湿性にも優れ、肌触りがソフトでかつドライで爽やかであると評価した。更に、見た目の光沢感が良く、着用により皺になることがなく、ドレープ性も良好であると評価した。
【0024】(実施例2)実施例1の「肌着用メリヤス布及び肌着の作製」において、ポリウレタン繊維5質量部を用いなかったほかは、実施例1と同様にして肌着用メリヤス布を製造し、婦人用パンティを作製し、着用試験を行ったところ、5名とも肌に良くフィットし、伸縮性に優れると評価した。また、着用時は暖かく感じられ、保温性に優れると共に、吸熱性に優れ、吸湿性、放湿性にも優れ、肌触りがソフトでかつドライで爽やかであると評価した。更に、見た目の光沢感が良く、着用により皺になることがなく、ドレープ性も良好であると評価した。
【0025】(実施例3)実施例1において、ビスコースレーヨン繊維の繊度を、40デニールに変えたほかは、実施例1と同様にして肌着用メリヤス布(50ゲージ)を製造し、婦人用パンティを作製し、着用試験を行ったところ、5名とも肌に非常に良くフィットし、極めて伸縮性に優れると評価した。また、着用時は暖かく感じられ、保温性に優れると共に、吸熱性に優れ、吸湿性、放湿性にも優れ、肌触りが非常にソフトでかつドライで爽やかであると評価した。更に、見た目の光沢感が極めて良く、着用により皺になることがなく、ドレープ性も良好であると評価した。
【0026】(実施例4)実施例1〜3で作製した肌着用メリヤス布を用い、実施例1〜3と同様にして婦人用シミーズ及びブラジャーを作製し、同様にして着用試験を行ったところ、何れにおいても、実施例1〜3で得られたのと同等の優れた評価が得られた。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、伸縮性、肌フィット性、保温性、吸熱性、防皺性、吸湿性、放湿性、光沢感に優れ、肌触りがソフトでかつドライで、ドレープ性に優れ、これらをバランス良く達成した肌着用メリヤス布を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】501450351
【氏名又は名称】有限会社 アイテイオー
【住所又は居所】愛知県一宮市平和1−12−3
【出願日】 平成13年11月20日(2001.11.20)
【代理人】 【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一 (外2名)
【公開番号】 特開2003−155646(P2003−155646A)
【公開日】 平成15年5月30日(2003.5.30)
【出願番号】 特願2001−354852(P2001−354852)