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布 帛 - 特開2003−147665 | j-tokkyo
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【発明の名称】 布 帛
【発明者】 【氏名】川村 泰一
【住所又は居所】京都府京都市上京区大宮通今出川上ル 川徳商事株式会社内

【氏名】松井 美弘
【住所又は居所】大阪府大阪市北区堂島浜二丁目2番8号 東洋紡績株式会社内

【氏名】善積 誠司
【住所又は居所】大阪府大阪市北区堂島浜二丁目2番8号 東洋紡績株式会社内

【氏名】西田 右広
【住所又は居所】大阪府大阪市北区堂島浜二丁目2番8号 東洋紡績株式会社内

【要約】 【課題】防塵性、制電性、拭き取り性等に優れた新規な布帛を提供すること。

【解決手段】導電性繊維と1dtex/fil.以下の合成繊維フィラメントとからなる合撚糸を少なくとも一部に用いている布帛であって、合撚糸を構成する導電性繊維と合成繊維フィラメントとの割合が、両者の合計重量に対して、導電性繊維が3〜40重量%で合成繊維フィラメントが97〜60重量%であり、合撚糸の撚り数が30〜300turn/meterであり、且つ布帛の帯電圧の半減期が20秒以下であることを特徴とする布帛。
【特許請求の範囲】
【請求項1】導電性繊維と1dtex/fil.以下の合成繊維フィラメントとからなる合撚糸を少なくとも一部に用いている布帛であって、合撚糸を構成する導電性繊維と合成繊維フィラメントとの割合が、両者の合計重量に対して、導電性繊維が3〜40重量%で合成繊維フィラメントが97〜60重量%であり、合撚糸の撚り数が30〜300turn/meterであり、且つ布帛の帯電圧の半減期が20秒以下であることを特徴とする布帛。
【請求項2】合成繊維フィラメントが、ポリエステル系合成繊維フィラメントである請求項1に記載の布帛。
【請求項3】合成繊維フィラメントが、仮撚加工糸である請求項1に記載の布帛。
【請求項4】短繊維を含んでいない請求項1に記載の布帛。
【請求項5】編物である請求項1に記載の布帛。
【請求項6】シングルニット2枚重ねに加工している請求項5に記載の布帛。
【請求項7】洗濯後の0.1μm以上の微粒子発塵量が、100個/500cm2以下である請求項6に記載の布帛。
【請求項8】請求項1〜7のいずれかに記載の布帛からなるワイピングクロス。
【請求項9】請求項1〜7のいずれかに記載の布帛からなる手袋。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な布帛、特にワイピング性能に優れた布帛に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、極細合成繊維の仮撚加工糸を主体とし、これに導電性繊維を合撚した糸を用いた編物からなる、防塵性、制電性を有する手袋が公知である(実公平4−21772号公報)。また、この公報には、この手袋により微粒子を拭き取ることができることが記載されている。
【0003】しかしながら、この手袋は、防塵性、制電性及び拭き取り性が必ずしも十分ではなく、これらの性能の更なる向上が要望されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、防塵性、制電性、チリ、ホコリ等の微粒子拭き取り性等に顕著に優れる新規な布帛を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意研究した結果、導電性繊維と合成繊維フィラメントとからなる合撚糸を用いた布帛において、その合成繊維フィラメントの太さ、導電性繊維と合成繊維フィラメントとの割合及び合撚糸の撚り数を、それぞれ特定し選択して組み合わせることにより、帯電圧の半減期を20秒以下とすることができ、かくして上記目的を達成できることが見出された。本発明は、かかる知見に基づき、更に検討を重ねて完成されたものである。
【0006】即ち、本発明は、以下の布帛及びその用途に係るものである。
【0007】1.導電性繊維と1dtex/fil.以下の合成繊維フィラメントとからなる合撚糸を少なくとも一部に用いている布帛であって、合撚糸を構成する導電性繊維と合成繊維フィラメントとの割合が、両者の合計重量に対して、導電性繊維が3〜40重量%で合成繊維フィラメントが97〜60重量%であり、合撚糸の撚り数が30〜300turn/meterであり、且つ布帛の帯電圧の半減期が20秒以下であることを特徴とする布帛。
【0008】2.合成繊維フィラメントが、ポリエステル系合成繊維である上記項1に記載の布帛。
【0009】3.合成繊維フィラメントが、仮撚加工糸である上記項1に記載の布帛。
【0010】4.短繊維を含んでいない上記項1に記載の布帛。
【0011】5.編物である上記項1に記載の布帛。
【0012】6.シングルニット2枚重ねに加工している上記項5に記載の布帛。
【0013】7.洗濯後の0.1μm以上の微粒子発塵量が、100個/500cm2以下である上記項6に記載の布帛。
【0014】8.上記項1〜7のいずれかに記載の布帛からなるワイピングクロス。
【0015】9.上記項1〜7のいずれかに記載の布帛からなる手袋。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の布帛は、導電性繊維と1dtex/fil.以下の合成繊維フィラメントとからなる合撚糸を少なくとも一部に用いている布帛である。
【0017】本発明布帛における導電性繊維としては、特に制限なく広い範囲のものから選択でき、例えば、繊維の芯部にカーボンブラック、金属、金属酸化物等の導電物質を含有する芯鞘型複合紡糸繊維や、繊維表面に金属を蒸着したもの、金属繊維、炭素繊維、イオン導電性ポリマーからなる繊維等の導電性材料からなるもの等の公知の導電性繊維を使用できる。導電性繊維は帯電防止加工のような後加工品に比して、洗濯耐久性が良いという利点がある。導電性繊維の原料とする繊維の材質としては、例えば、ポリエステル系、ポリアミド系、アクリロニトリル系、ポリオレフィン系等のポリマーを使用できる。また、導電性繊維の太さは、通常1〜20dtex/fil.程度であるのが適当である。
【0018】導電性繊維と共に、合撚糸を形成する合成繊維は、フィラメントであるのがよい。フィラメントは、発塵し難いという利点がある。一方、ステープルを使用すると、得られる布帛から風綿を生じる。従って、ステープルのような短繊維を含まないことが、発塵防止の観点から、好ましい。
【0019】この合成繊維フィラメントの材質としては、広い範囲のものが使用でき、例えば、ポリエステル系合成繊維フィラメント、ポリアミド系合成繊維フィラメント、アクリル系合成繊維フィラメント、ポリオレフィン系合成繊維フィラメント等であるのが好ましい。その中でも特にポリエステル系合成繊維フィラメントは、低コストで、所望の細い繊維を製造できるという利点があり、より好ましい。
【0020】合成繊維フィラメントの太さは、通常、1dtex/fil.以下であるのがよい。太さが1dtex/fil.より大きいと、風合いが硬くなり、拭き取り性が低下する傾向がある。太さは、好ましくは0.6dtex/fil.以下、より好ましくは0.4〜0.1dtex/fil.程度であるのが適当である。ただし、異繊度のフィラメントの組合わせの場合はフィラメント糸条全部の繊度を全フィラメント本数で除したものをフィラメントの太さとする。
【0021】また、合成繊維フィラメントは、仮撚加工糸であることが好ましい。仮撚加工糸を用いると、捲縮により、風合いが柔軟化し、繊維間空隙が増加して集塵性が向上すると共に、糸断面のエッジ効果により拭き取り性が向上する。仮撚加工の条件としては、公知の方法が採用でき、便宜条件設定することで所望とする物性を得る。仮撚加工用の原糸としては、未延伸糸、高配向未延伸糸、延伸糸のいずれであっても良いが、コスト、取り扱い性、断面変形によるエッジ効果の点を考慮すると高配向未延伸糸によるのが適当である。
【0022】本発明の布帛に用いられる合撚糸において、導電性繊維と合成繊維フィラメントとの割合は、両者の合計重量に対して、導電性繊維が3〜40重量%で合成繊維フィラメントが97〜60重量%であるのがよい。導電性繊維の割合が、この範囲よりも少ないと制電性が不十分であり、又この範囲よりも多いと風合いが硬くなり、拭き取り対象物に微小な傷が付き易く、コストが高くなる。導電性繊維と合成繊維フィラメントとの割合は、好ましくは、導電性繊維が8〜30重量%で合成繊維フィラメントが92〜70重量%であり、より好ましくは、導電性繊維が10〜20重量%で合成繊維フィラメントが90〜80重量%である。
【0023】本発明布帛は、合撚糸の撚り数が30〜300turn/meterであるのがよい。撚り数が、この範囲よりも少ないと導電性繊維が表面に出て拭き取り対象物に微小な傷が付き易く、又この範囲より多いと帯電性が減少し難く拭き取り性が低下し、風合いが硬くなる。撚り数は、好ましくは、80〜250turn/meterであり、より好ましくは、120〜180turn/meterである。
【0024】また、本発明布帛は、上記構成を採用することにより、帯電圧の半減期を20秒以下とする。半減期が、20秒より長いと、拭き取り対象物が帯電し、拭き取り性が低下する。帯電圧の半減期は、好ましくは10秒以下であり、より好ましくは5秒以下である。帯電性は、JIS L 1094に準拠して、測定される。
【0025】本発明の布帛は、上記の合撚糸を少なくとも一部に使用したものであって、織物、編物及び不織布のいずれであってもよく、これらは公知の方法に従って調製することができる。本発明布帛は、全体が上記合撚糸からなっていることが、防塵性、制電性、拭き取り性等の観点から、好ましい。
【0026】本発明布帛は、特に、編物であることが、繊維間空隙が多く、集塵効果が大きいことから、好ましい。編物としては、シングルニット、ダブルニット、更には丸編み、横編み、経編みのいずれでも良い。特に、シングルニット2枚重ねに加工したものが、風合いが柔らかく、厚地により拭き取り作業性が向上する観点から、より好ましい。
【0027】本発明布帛は、発塵量、特に洗濯後の発塵量が、極めて少ない。例えば、上記シングルニット2枚重ねの編物の場合、洗濯後の0.1μm以上の微粒子発塵量が、通常、100個/500cm2以下であり、防塵性の点から好ましい。この発塵量は、より好ましくは50個/500cm2以下であり、更に好ましくは30個/500cm2以下である。従って、繰り返し、好適に使用することができる。ここで、シングルニット2枚重ねの編物の洗濯後の発塵量は、後記試験方法により、測定された値である。
【0028】本発明の布帛は、特定の合撚糸を用いていること、帯電圧の半減期が短いこと等により、防塵性、制電性、チリ、ホコリ、汚れ等の微粒子拭き取り性等に顕著に優れることから、ワイピングクロス、手袋、クリーンルーム用ワイパー、精密機器用ワイパー等の用途に好適に使用できる。ワイピングクロスとしては、特に、眼鏡、顕微鏡、望遠鏡、カメラレンズ等の光学レンズの拭き取り用として好適である。また、手袋としては、特に、電気製品の製造、組み立てのような静電気を問題とする場合や、光ディスク等の防塵性を必要とする場合の作業用手袋として好適である。
【0029】
【実施例】以下、実施例及び試験例を挙げて、本発明をより一層具体的に説明する。
【0030】実施例125dtex/4fil.の導電性繊維(芯部にカーボンブラックを含有するポリエチレンテレフタレートフィラメント)1本と、78dtex/216fil.のポリエステル系合成繊維マルチフィラメント(東洋紡績(株)製、商品名「シルフローラX」)の仮撚加工糸2本とを、撚り数150turn/meterの合撚糸とした。上記の導電性繊維と合成繊維マルチフィラメントとの割合は、両者の合計重量に対して、導電性繊維が13重量%で合成繊維マルチフィラメントが87重量%であった。
【0031】この合撚糸を、丸編機を使用して、天竺組織で編成し、ソーピング工程、熱セット工程を経て、丸編地とした。
【0032】この丸編地を畳んだ状態で、縫製して、サイズ20cm×25cmのシングルニット2枚重ねの編物を得た。この編物の帯電圧の半減期は、1.87秒であった。また、この編物を用いて、眼鏡をワイピングしたところ、レンズの汚れ、ホコリを容易に拭き取れた。
【0033】試験例1実施例1で得たサイズ20cm×25cmのシングルニット2枚重ねの編物について、クラス100のクリーンルームで、下記試験方法により、洗濯を行い、洗濯後の発塵量を測定した。
【0034】試験方法(1)洗濯条件:上記編物200枚を、ネットに入れ、「40℃の水で洗濯12分→排水1分→40℃の水で濯ぎ2.5分→排水1分→濯ぎ2.5分→排水1分→超純水で濯ぎ2.5分→脱水3分」という条件で洗濯した。
【0035】最初の洗濯では、水道水を10μmのフィルターで濾過した水を用いた。1回目及び2回目の濯ぎでは、水道水を5μmのフィルターで濾過した水を用いた。洗濯時の水量は83リットルであり、濯ぎ時の水量は、124リットルである。洗濯機の機種は、稲本製作所(株)製「NIC−20」である。洗濯に用いた洗剤は、「ネオノンWT」(商品名、渋谷油脂(株)製、弱アルカリ性液体洗剤)であり、洗剤の使用量は200cc(2.4cc/リットル)である。
【0036】(2)乾燥条件:洗濯した編物を、70℃で30分乾燥後、クーリングした。
【0037】(3)発塵量の測定:JIS B−9923に規定されるタンブリング法に準拠して、0.10μm以上の微粒子の個数を、パーティクルカウンター(リオン(株)製、光散乱式粒子計測器KC−18)を用いて、調べた。
【0038】微粒子の個数は、上記編物10枚毎の20サンプルについて、測定し、その平均値で示した。結果を、表1に示す。
【0039】
【表1】

【0040】表1より、500cm2の編物10枚当たりの0.1μm以上の微粒子の数が、226個であるので、この編物の洗濯後の発塵量は22.6個/500cm2以下となり、発塵量が極めて少ないことが明らかである。
【0041】
【発明の効果】本発明布帛は、防塵性、制電性、チリ、ホコリ、汚れ等の微粒子拭き取り性、集塵性、風合い等に顕著に優れており、又洗濯後の発塵量が少なく繰り返し使用できる。従って、ワイピングクロス、手袋等の用途に極めて好適である。
【出願人】 【識別番号】000003160
【氏名又は名称】東洋紡績株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市北区堂島浜2丁目2番8号
【出願日】 平成13年11月2日(2001.11.2)
【代理人】 【識別番号】100065215
【弁理士】
【氏名又は名称】三枝 英二 (外8名)
【公開番号】 特開2003−147665(P2003−147665A)
【公開日】 平成15年5月21日(2003.5.21)
【出願番号】 特願2001−337828(P2001−337828)