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カーシートに適した布帛 - 特開2003−119652 | j-tokkyo
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【発明の名称】 カーシートに適した布帛
【発明者】 【氏名】石田 泰一
【住所又は居所】大阪府大阪市北区梅田一丁目2番2号 カネボウ合繊株式会社内

【氏名】▲やぶ▼中 裕
【住所又は居所】大阪府大阪市北区梅田一丁目2番2号 カネボウ合繊株式会社内

【要約】 【課題】トリコット編物で、外観が織物調である、カーシートに適した布帛を提供する。

【解決手段】地組織にサイドバイサイドの複合糸を使用し、3枚以上の筬を使用して、縦横いずれの方向にも5〜30%の伸長が可能であり、かつ伸びの回復率が90%以上であるトリコット編地とする。この編地は実質的に起毛されていない状態でも、外観が織物調の均一な状態で、適度のストレッチ特性と成形性、防皺性を有し、カーシート等に非常に有効に利用できるものとなる。なお、ウエールが35〜39本/2.54cm、コースが56〜64本/2.54cmとなるように仕上げられるのが好ましい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 地組織にサイドバイサイドの複合糸を使用し、3枚以上の筬を使用して製造したトリコット編地であって、縦横いずれの方向にも5〜30%の伸長が可能であり、かつ伸びの回復率が90%以上であることを特徴とするカーシートに適した布帛。
【請求項2】 前記トリコット編地が実質的に起毛されておらず、ウエールが35〜39本/2.54cm、コースが56〜64本/2.54cmに仕上げられている請求項1の布帛。
【請求項3】 前記複合糸が、立体捲縮を有するものである請求項1又は2の布帛。
【請求項4】 バック糸が前記複合糸であり、ミドル糸が耐光性を有するものである請求項1〜3いずれか1項の布帛。
【請求項5】 ミドル糸及びフロント糸がいずれも、前記複合糸より細いものである請求項4の布帛。
【請求項6】 前記編地が4枚筬で製造したトリコット編地である請求項1〜5いずれか1項の布帛。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カーシートに適した新規なトリコット編地に関する。
【0002】
【従来の技術】カーシートは、シートに合わせて伸縮させて使用し、しかも伸縮させた状態でも外観が全体に均一な状態に仕上げる必要があるため、従来、パイル布帛からなるものに限られており、フラットな織物調の製品は存在しなかった。
【0003】例えば、特開平4−202836号公報には、車両座席の表面被覆材料として使用される高伸縮性のパイル地として、マルチフィラメント仮撚加工糸の地組織部にパイル糸を編込んだ経編地が開示されている。また、特開平3−51343号公報及び特開平7−243154号公報には、車両等の内装用パイル布帛として、染色性の異なるポリエステルを貼り合わせた複合糸を使用したものが開示されており、特開平10−259543号公報及び特開平10−259543号公報には、パイル織物であるモケット布帛が開示されている。
【0004】更に、ウレタン弾性糸を含む特殊加工糸を使用してストレッチ性を出したものも存在するが、これは耐熱性に問題があり、また高価になるため、カーシートとしては利用し難いものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、トリコット編物で、外観が織物調である、カーシートに適した布帛を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では、地組織にサイドバイサイドの複合糸を使用し、3枚以上の筬を使用して、縦横いずれの方向にも5〜30%の伸長が可能であり、かつ伸びの回復率が90%以上であるトリコット編地を得ることによって、前記課題を解決した。
【0007】このトリコット編地は実質的に起毛されていない状態でも、外観が織物調の均一な状態で、適度のストレッチ特性と成形性、防皺性を有し、カーシート等に非常に有効に利用できるのである。
【0008】通常、無起毛の状態では、起毛した場合と異なり、繊維の絡みが少なく、密度が低くなり、カーシート等に必要とされる物性を得難いが、バック糸に、例えば熱収縮性の異なる成分を貼り合わせたサイドバイサイド糸を使用することにより、織物調でありながら、ストレッチセット性を維持したまま、必要な強度を得易くなる。
【0009】本発明における編地は引裂強度が60N以上であるのが好ましく、ウエールが35〜39本/2.54cm、コースが56〜64本/2.54cm、編地密度が、ループ数1500〜2600個/(2.54cm)2 に仕上げられるのが好ましい。
【0010】本発明では、地組織の複合糸として、例えばバック糸に立体捲縮等により伸縮性あるものとなるサイドバイサイド型の複合糸を有する糸を使用することにより、適度の伸縮性を有するものとし、しかも、ミドル糸やフロント糸には、通常の糸を使用して織物調の外観に仕上げるのがよい。バック糸に伸縮性ある糸を使用することで最終製品のたるみ防止や成型性が良くなるが、ミドル糸には耐光性をもたせるために、セミダル糸、フルダル糸、レギュラー糸等を使用するのが好ましい。なお、フロント糸にはどのような糸を使用してもよいが、セミダル糸や加工糸等を使用するのが好ましい。
【0011】なお、ミドル糸及びフロント糸をいずれも、前記複合糸より細いものとするのが好ましく、編地は、4枚筬で製造したトリコット編地とするのが、ストライプのない、無地状の生地を得ることできるため、デザインし易く、また取り扱い易い等の利点があり、好ましい。
【0012】かかる本発明の製品は、3枚以上の筬で製造された、非パイル性のトリコット編地からなるため、デザイン及び風合い共に多重織物と同様のものとなり、しかも適度のストレッチ特性を有するため、シート成形やアッセンブリー時の防皺性に優れ、カーシート等に美しい外観を保った状態で安定して使用できるものとなる。
【0013】本発明で使用する複合糸は、熱収縮性の異なる成分を貼り合わせたサイドバイサイドの複合糸であるのが好ましく、インターレース糸とすることで、糸切れや毛羽立ちを気にすることなく、品質のよいトリコット編が可能となり、また、この場合、生糸でも、均一なストレッチ性が得られる。
【0014】次に、本発明ではバック糸に、サイドバイサイドの複合糸を使用するのが好ましいが、この複合糸としては、例えば、熱収縮特性の小さなポリエステル(a)と熱収縮特性の大きなポリエステル(b)をサイドバイサイド型に接合したもので、ポリエステル(a)として、フィラメントの沸収値が10%未満(好ましくは5%以下)のものを使用し、ポリエステル(b)として、フィラメントの沸収値が10%以上(好ましくは15%以上)のものを使用したものが好ましい。
【0015】更に、十分な捲縮性を発現するためには、ポリエステル(a)とポリエステル(b)に、粘度差のあるものを使用する必要があり、前者の粘度が後者の粘度より高く、その粘度差は0.20〜0.40程度であるのがよい。
【0016】かかる本発明の製品は、製編後、熱処理により、複合糸に立体捲縮を付与することで、適度の伸縮性ある布帛となしうるもので、織物調の外観を有しながら、ストレッチによる防皺特性と成形特性を兼ね備えており、カーシート等に品質よく適用できるものとなる。
【0017】なお、本発明において、トリコット編地の伸び率が、縦横いずれの方向にも5〜30%に限定されるのは、伸び率が5%未満では、編地を車の椅子等に合わせて適合性よく成型し難く、また30%を越すと、伸びが戻った時に弛みができ、皺を生じるため、カーシート等として商品価値ある使用が困難となるからである。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の実施例を次に示す。
実施例1下記の糸使いで、4枚筬でトリコットを製造した。
〔バック〕高収縮性ポリエチレンテレフタレート(粘度:0.46)と低収縮性ポリエチレンテレフタレート(粘度:0.69)を1:1の比率でサイドバイサイドに貼り合わせた複合繊維からなるマルチフィラメント(110dtex/24f)。該マルチフィラメントの強伸度(JIS−L−1013に準じ、島津製作所製のAGS−1KNGオートグラフ引張試験機で、試料糸長20cm、定速引張速度20cm/分の条件下で測定した、試料の伸長破断時の強伸度)は、強度2.63cN/dT、伸度28.1%であった。
〔ミドル〕ポリエチレンテレフタレートのフルダル繊維(酸化チタン含有量1.4%)からなるマルチフィラメント(84dtex/36f)。
〔フロント〕レギュラー加工糸(84dtex/36f)、2枚。
【0019】編み立て、染色及び仕上げの条件は下記の通りとした。
〔編み立て〕
トリコット編ウエール:28本/2.54cm、コース:54本/2.54cmループ数:1512個/(2.54cm)2編地サイズ:経58.7m、幅211.5cm〔染色〕
通常の染色処理湿熱温度:130℃、45分間〔仕上げ〕ファイナルテンターを使用〔仕上げ編地〕
ウエール:37本/2.54cm、コース:60本/2.54cmループ数:2220個/(2.54cm)2編地サイズ:経52.8m、幅155cm【0020】このようにして得た製品は、経にも緯にも線のない、無地状態の織物調の生地で、耐光性に優れたものであった。この製品の引裂強さは縦191.1N、横245.0Nで、いずれもカーシート用の布帛の基準値68.6Nを大きく上回るものであり、また、その定荷重伸び率は、縦横共に25.0%で、セット率は、縦7.5%、横7.0%で、それぞれ基準値(伸び率30%以下、セット率8%以下)を満たすものであり、伸びの回復率は縦92.5%、横93.0%となった。
【0021】なお、引裂強さは下記の方法で測定した。
(1)試験片の準備試験片は、幅50mm、長さ250mmの大きさで、縦、横の方向の合計2方向からそれぞれ5枚ずつ準備し、各試験片に長辺が150mm、短辺が100mmで、高さが試験辺の幅となる等脚台形のマークを付け、このマークの短辺の中央に辺と垂直に10mmの切り込みを入れる。
(2)引裂強さの測定試験片は、つかみ間隔100mmで定速度伸長型の引張試験機に取り付け(ただし、短辺は張り、長辺は緩めてつかむ)、200mm/minの引張速度で引き裂き、強度を測定する。なお、引裂強さは平均値(N)で表し、それぞれ5枚の試験片のうち、最小値を試験結果として示す。
【0022】また、定荷重伸び率及びセット率は下記の方法で測定した値である。
(1)試験片の準備試験片は、幅80mm、長さ250mmの大きさで、縦、横の方向の合計2方向からそれぞれ5枚ずつ準備し、長さ方向の中央部に100mm間隔の標点を印す。
(2)定荷重伸び率の測定試験片の上部を試験機に締め付け、下部に、締め具を含んだ合計の質量が10kgとなる錘を取り付け、10分間放置した後、錘を吊るした状態で、試験片の標点間隔を測定する。この測定値(L1 )に基づき、下記式で、定荷重伸び率を算出し、それぞれ5枚の試験片のうち、最大値を試験結果として示す。
. 定荷重伸び率=〔(L1 −100)/100〕×100(3)セット率の測定定荷重伸び率を測定した後、締め具から取り外した試験片を、水平台上に10分間放置した後、そのままの状態で、標点間隔を測定する。この測定値(L2 )に基づき、下記式で、セット率を算出し、それぞれ5枚の試験片のうち、最大値を試験結果として示す。
. セット率=〔(L2 −100)/100〕×100なお、伸びの回復率(%)は(100−セット率)となる。
【0023】実施例2フロントに84dtex/12fの偏平糸を使用した以外は、実施例1と同様の糸使いで、4枚筬でトリコットを製造した。光沢に優れた外観を有し、実施例1の製品と同様に優れた物性を有する製品が得られた。
【0024】実施例3実施例1と同様の糸使いで、フロントを1枚とした3枚筬で縦縞タイプのトリコットを製造した。
【0025】実施例1〜3で得たトリコット編地は、無起毛の織物調の外観を有するものであり、いずれも縦横いずれの方向にも5〜30%の伸長が可能で、かつ伸びの回復率が90%以上であった。
【0026】
【発明の効果】本発明の製品は、外観が織物調でありながら、適度の伸縮性を有するため、成型性よく使用できる。また、比較的安価に製造できるにもかかわらず、適度のボリューム感もあり、耐光性、強度などカーシートに要求される物性を備えたものとなる。
【出願人】 【識別番号】000000952
【氏名又は名称】カネボウ株式会社
【住所又は居所】東京都墨田区墨田五丁目17番4号
【識別番号】596154239
【氏名又は名称】カネボウ合繊株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市北区梅田一丁目2番2号
【出願日】 平成13年10月15日(2001.10.15)
【代理人】 【識別番号】100068032
【弁理士】
【氏名又は名称】武石 靖彦 (外2名)
【公開番号】 特開2003−119652(P2003−119652A)
【公開日】 平成15年4月23日(2003.4.23)
【出願番号】 特願2001−316270(P2001−316270)