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【発明の名称】 格子状ニット
【発明者】 【氏名】藤井 久富

【氏名】石田 正利

【要約】 【課題】タテストランドに対してヨコストランドを太径に設定すると共に、タテストランドおよびヨコストランドに樹脂層を付着形成することで、太径に設定されたヨコストランドにより、摩擦抵抗の大幅な向上を図ることができ、また付着形成した樹脂層により衝撃吸収を図ることができる格子状ニットの提供を目的とする【解決手段】タテストランド1とヨコストランド2とが格子状に組合わされた格子状ニットであって、タテストランド1に対してヨコストランド2を太径に設定すると共に、タテストランド1およびヨコストランド2に樹脂層6が付着形成された格子状ニット7であることを特徴とする。

【解決手段】タテストランド1とヨコストランド2とが格子状に組合わされた格子状ニットであって、タテストランド1に対してヨコストランド2を太径に設定すると共に、タテストランド1およびヨコストランド2に樹脂層6が付着形成された格子状ニット7であることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】タテストランドとヨコストランドとが格子状に組合わされた格子状ニットであって、タテストランドに対してヨコストランドを太径に設定すると共に、タテストランドおよびヨコストランドに樹脂層が付着形成された格子状ニット。
【請求項2】タテストランドに対してヨコストランドを約1.5〜3倍太径に設定した請求項1記載の格子状ニット。
【請求項3】上記ヨコストランドには芯糸に太デニール糸を引きそろえ、外層をバルキー糸で組紐とし、又はトワインを用いる請求項1または2記載の格子状ニット。
【請求項4】上記樹脂層を形成する樹脂に熱可塑性樹脂を用いる請求項1記載の格子状ニット。
【請求項5】タテストランドの衝撃による強度劣化を少なくすべく鎖糸にバルキー糸を用い樹脂量を付着増加せた請求項1,2,3または4記載の格子状ニット。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、洗掘防止用袋、軟弱地盤表層処理用メッシュ状シート、盛土補強用メッシュ状シート等に用いられるような格子状ニットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、タテストランドとヨコストランドとを格子状に組合わせて構成された格子状ニットは上述の如き各種用途に用いられるが、この従来の格子状ニットに樹脂を付着させる場合、溶媒タイプの樹脂を付着させていた関係上、付着樹脂量が極めて少量で、充分な耐衝撃性を確保することができない問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この発明の請求項1記載の発明は、タテストランドに対してヨコストランドを太径に設定すると共に、タテストランドおよびヨコストランドに樹脂層を付着形成することで、太径に設定されたヨコストランドにより、摩擦抵抗の大幅な向上を図ることができ、また付着形成した樹脂層により衝撃吸収を図ることができる格子状ニットの提供を目的とする。
【0004】この発明の請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明の目的と併せて、タテストランドに対してヨコストランドを約1.5〜3倍太径(但し直径の対比)に設定することで、現場施工性の向上を維持しつつ、摩擦抵抗のさらなる向上を図ることができる格子状ニットの提供を目的とする。
【0005】この発明の請求項3記載の発明は、上記請求項1または2記載の発明の目的と併せて、上述のヨコストランドには芯糸に太デニール糸を引きそろえ、外層をバルキー糸で組紐とし、又はトワインを用いることで、ヨコストランドの太径を確保することができ、しかも、熱可塑性樹脂を用い、熱溶融を行なって格子状ニット基布に樹脂を付着させる際の樹脂付着量の大幅な増大による衝撃吸収性能の向上を図ることができる格子状ニットの提供を目的とする。
【0006】この発明の請求項4記載の発明は、上記請求項1記載の発明の目的と併せて、樹脂層を形成する樹脂として熱可塑性樹脂を用いることで、タテストランド、ヨコストランドに対する樹脂の良好な付着操作性を確保することができる格子状ニットの提供を目的とする。
【0007】この発明の請求項5記載の発明は、上記請求項1,2,3または4記載の発明の目的と併せて、上述のタテストランドの衝撃による強度劣化を少なくすべく鎖糸にバルキー糸を用い樹脂量を付着増加させることで、特にタテストランドに対する樹脂付着量の増大を図ることができる格子状ニットの提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1記載の発明は、タテストランドとヨコストランドとが格子状に組合わされた格子状ニットであって、タテストランドに対してヨコストランドを太径に設定すると共に、タテストランドおよびヨコストランドに樹脂層が付着形成された、格子状ニットであることを特徴とする。
【0009】この発明の請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明の構成と併せて、タテストランドに対してヨコストランドを約1.5〜3倍太径に設定した、格子状ニットであることを特徴とする。
【0010】この発明の請求項3記載の発明は、上記請求項1または2記載の発明の構成と併せて、上記ヨコストランドには芯糸に太デニール糸を引きそろえ、外層をバルキー糸で組紐とし、又はトワインを用いる、格子状ニットであることを特徴とする。
【0011】この発明の請求項4記載の発明は、上記請求項1記載の発明の構成と併せて、上記樹脂層を形成する樹脂に熱可塑性樹脂を用いる、格子状ニットであることを特徴とする。
【0012】この発明の請求項5記載の発明は、上記請求項1,2,3または4記載の発明の構成と併せて、タテストランドの衝撃による強度劣化を少なくすべく鎖糸にバルキー糸を用い樹脂量を付着増加させた格子状ニットであることを特徴とする。
【0013】
【発明の作用及び効果】この発明の請求項1記載の発明によれば、タテストランドに対してヨコストランドを太径に設定すると共に、タテストランドおよびヨコストランドに樹脂層を付着形成したので、太径に設定されたヨコストランドにより、摩擦抵抗の大幅な向上を図ることができ、また付着形成した樹脂層により衝撃吸収を図って、その耐衝撃性を向上させ、糸の強度劣化を防止することができる効果がある。また上述の樹脂付着によりタテストランドとヨコストランドとの位置決めができ、糸のずれを防止することができる効果がある。
【0014】この発明の請求項2記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明の効果と併せて、タテストランドに対してヨコストランドを約1.5〜3倍倍太径(但し直径の対比)に設定したので、現場施工性の向上を維持しつつ、摩擦抵抗のさらなる向上を図ることができる効果がある。
【0015】すなわち1.5倍未満の場合には、充分な摩擦抵抗の向上が得られず、3倍を超過する場合にはロールアップが困難となり、現場施工性が大幅に低下するので、上記範囲内に設定する。
【0016】この発明の請求項3記載の発明によれば、上記請求項1または2記載の発明の効果と併せて、上述のヨコストランドには芯糸に太デニール糸を引きそろえ、外層をバルキー糸で組紐とし、又はトワインを用いたので、ヨコストランドの太径を確保することができ、しかも熱可塑性樹脂を用い、熱溶融を行なって格子状ニット基布に樹脂を付着させる際の樹脂付着量の大幅な増大による衝撃吸収性能の充分な向上を図ることができる効果がある。
【0017】この発明の請求項4記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明の効果と併せて、樹脂層を形成する樹脂として、加熱すると軟化溶融し、冷却すると硬化する熱可塑性樹脂を用いるたので、タテストランド、ヨコストランドに対する樹脂の良好な付着操作性を確保することができる効果がある。
【0018】この発明の請求項5記載の発明によれば、上記請求項1,2,3または4記載の発明の効果と併せて、上述のタテストランドの衝撃による強度劣化を少なくすべく鎖糸にバルキー糸を用い樹脂量を付着増加させたので、特にタテストランドに対する樹脂付着量の大幅な増大を図ることができる効果がある。
【0019】
【実施例】この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。図面は洗掘防止用袋、軟弱地盤表層処理メッシュ状シート、盛土補強用メッシュ状シートなどに用いられる格子状ニットを示し、図1において可及的高強力のタテストランド1とヨコストランド2とを格子状に組合わせる。
【0020】上述のヨコストランド2としては、芯糸に太デニール糸を引きそろえ、外層をバルキー糸で組紐する、或はトワインを用いる。
【0021】格子状ニットをその用途の一例としての盛土補強用メッシュ状シートとして用いる際には、タテストランド1,1間の目合、ヨコストランド2,2間の目合は施工時の盛土3(図3参照)間の密着性と摩擦抵抗つまり引抜き抵抗とを得る値に設定し、タテストランド1に対してスパン糸まはたスパナイ糸あるいはバルキー糸から成る鎖糸4を配設して、タテストランド1とヨコストランド2とを図1の如く網目状に連結する。
【0022】しかも、上述のヨコストランド2の直径はタテストランド1のそれに対して約1.5〜3倍、望ましくは現場施工性を考慮して約1.5〜2倍程度の太径に設定し、摩擦抵抗の向上を図るように構成する。
【0023】図1の構成の格子状ニット本体5(基布としてのタテ、ヨコ挿入ニット)をアクリル樹脂、塩化ビニル、ウレタン樹脂、オレフィン樹脂などの熱可塑性の溶融樹脂にディッピングし、ディッピング後にニップ(絞ること)処理を施すことなく熱可塑性樹脂を硬化させて、図2に示す如く各糸1,2,4の表面にこれらの各糸1,2,4と一体化され、かつ樹脂の付着量が多い樹脂層6を付着形成して、格子状ニット7を構成する。
【0024】ここで、上述のタテストランド1の衝撃による強度劣化を少なくすることを目的として、樹脂付着量の増大を図るために、鎖糸4としてはバルキーヤーンを用いてもよく、ヨコストランド2をバルキー糸化してもよく、使用樹脂材を発泡化させてもよい。
【0025】つまり、施工時の耐衝撃性(施工機の振動による盛土材との擦れによる傷に起因する引張強度の低下)を上げるため、タテストランド1をバルキー糸で被覆することにより、後工程における合成樹脂付着量の増大をはかった(樹脂量は400〜880g/m)。
【0026】上記により耐衝撃性試験の結果、引張強度保持率は従来の80%から、100%(樹脂被覆によりタテストランドの強度低下なし)に上昇し、耐衝撃性に優れるものとなった。
【0027】また、土構造物の規模により経済的な設計ができるよう、30kN/m〜100kN/m程度の引張強度と成し、充分な引張強度を有するものとなった。
【0028】さらに、土構造物の変化に対する抵抗性を考慮すると、高強度・低伸度が望ましいことから、これに適したベクトラン糸をタテストランド1に使用した。これにより、クリープ低減係数0.65を確保し、クリープ特性に優れるものとなった。
【0029】加えて、土中引抜き試験により評価し、充分な摩擦が得られる最適な目合い25mm(タテストランド間)×35mm(ヨコストランド間)とした。また、土との摩擦特性の向上のため、ヨコストランド2をタテストランド1より太径とし(線径1.5から2倍程度)、さらにヨコストランド2を太径にすることにより、タテ1と交点強度をより高強度にする必要があるが、樹脂量の増量のみでは対応不可能であることから、くさり糸と挿入糸を特殊な編構成として交点強度を従来の30kgf以上とした。これにより、土との摩擦特性に優れるものとなった。
【0030】また、施工性を考慮し、熱可塑性樹脂のうちで柔軟性のある塩化ビニール樹脂をコーティングした。これにより柔軟性を有するものとなった。
【0031】要するに本実施例の格子状ニット7は摩擦抵抗向上のためにヨコストランド2を太径に設定し、しかも使用目的を考慮して耐衝撃性の向上を図るために、熱可塑性樹脂を用いて熱溶融を行なって、格子状ニット基布(図1参照)に付着量の多い樹脂を付着させたものであって、このためバルキー糸を使用する構成や付着量が多くなる樹脂加工方法を採用したものである。
【0032】このように構成した格子状ニット7を、その用途の一例として盛土補強用メッシュ状シートとしての用いる場合には図3に示すように盛土3の施工中に順次層状に敷設すると、その法面8を補強することができる。
【0033】このように上記構成の格子状ニットによれば、タテストランド1に対してヨコストランド2を太径に設定すると共に、タテストランド1およびヨコストランド2に樹脂層6を付着形成したので、太径に設定されたヨコストランド2により、摩擦抵抗の大幅な向上を図ることができ、また付着形成した樹脂層6により衝撃吸収を図ってその耐衝撃性を向上させて、糸1,2の強度劣化を防止することができる効果がある。
【0034】また上述の樹脂付着によりタテストランド1とヨコストランド2との位置決めができ、糸1、2のずれを防止することができる効果がある。さらに、タテストランド1に対してヨコストランド2を約1.5〜3倍太径(但し直径の対比)に設定したので、格子状ニット7の現場施工性の向上を維持しつつ、摩擦抵抗のさらなる向上を図ることができる効果がある。
【0035】すなわちヨコストランド2の直径が1.5倍未満の場合には、充分な摩擦抵抗の向上が得られず、ヨコストランド2の直径が3倍を超過する場合にはロールアップが困難となり、現場施工性が大幅に低下するので、上記範囲内に設定するものである。
【0036】加えて、上述のヨコストランド2には芯糸に太デニール糸を引きそろえ、外層をバルキー糸で組紐とし、又はトワインを用いたので、ヨコストランド2の充分な太径を確保することができ、しかも熱可塑性樹脂を用い、熱溶融を行なって格子状ニット基布に樹脂を付着させる際の樹脂付着量の大幅な増大による衝撃吸収性能の充分な向上を図ることができる効果がある。
【0037】また、樹脂層6を形成する樹脂として、加熱すると軟化溶融し、冷却すると硬化する熱可塑性樹脂を用いるたので、タテストランド1、ヨコストランド2に対する樹脂の良好な付着操作性を確保することができる効果がある。
【0038】そのうえ、上述のタテストランド1の衝撃による強度劣化を少なくすべく鎖糸4にバルキー糸を用い樹脂量を付着増加させたので、特にタテストランド1に対する樹脂付着量の大幅な増大を図ることができる効果がある。
【0039】なお、上記実施例では格子状ニット7の使用態様として盛土補強用メッシュ状シートを例示したが、この格子状ニット7は洗掘防止用袋、軟弱地盤表層処理用メッシュ状シート等に適用することができるのは勿論である。
【出願人】 【識別番号】000204192
【氏名又は名称】太陽工業株式会社
【出願日】 平成13年9月21日(2001.9.21)
【代理人】 【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
【公開番号】 特開2003−96650(P2003−96650A)
【公開日】 平成15年4月3日(2003.4.3)
【出願番号】 特願2001−288949(P2001−288949)