トップ :: D 繊維 紙 :: D04 組みひも;レ−ス編み;メリヤス編成;縁とり;不織布

【発明の名称】 靴下編機の吸引圧制御装置
【発明者】 【氏名】竹ノ内 伸
【住所又は居所】京都府綾部市井倉新町石風呂1番地 グンゼ株式会社研究開発部内

【氏名】谷 秀男
【住所又は居所】京都府綾部市井倉新町石風呂1番地 グンゼ株式会社研究開発部内

【要約】 【課題】本発明は、パンティストッキングやタイツなど各種の靴下を編成する際、靴下の各部位の吸引圧が常に最適な設定値に維持されるようにした靴下編機の吸引圧制御装置に関する。

【解決手段】シリンダーの下方部に筒形状の密閉枠を固定し、同密閉枠内にシリンダーと同一速度で回転するネット状パイプを設けると共に、密閉枠を排気用モータ側に連通させ、更に密閉枠の側方に圧力センサを設けて編地編成中の吸引圧と予め設定した吸引圧の最適な設定値との差を検出して排気用モータの速度を制御するように構成したことを特徴とする靴下編機の吸引圧制御装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 シリンダーの下方部に筒形状の密閉枠を固定し、同密閉枠内にシリンダーと同一速度で回転するネット状パイプを設けると共に、密閉枠を排気用モータ側に連通させ、更に密閉枠の側方に圧力センサを設けて編地編成中の吸引圧と予め設定した吸引圧の最適な設定値との差を検出して排気用モータの速度を制御するように構成したことを特徴とする靴下編機の吸引圧制御装置。
【請求項2】 編地編成中の吸引圧と設定値との差を検出して得られた信号をインバータに入力し、インバータを介して排気用モータの速度を制御するようにしてなる請求項1記載の靴下編機の吸引圧制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パンティストッキングやタイツなど各種の靴下を編成する際、靴下の各部位における最適な吸引圧を予め夫々設定しておき、各部位の吸引圧が常に最適の設定値に維持されるように制御可能にした靴下編機の吸引圧制御装置に関するもので、これによって編成物の編み立て寸法が常に一定となるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】図3は従来例を示したもので、靴下編機のシリンダー(図示略)の内側周辺部にファブリックチューブ20が適宜固定して設けてあり、更にファブリックチューブ20の下方部にネット状パイプ21を回動自在に設けてある。
【0003】25は前記チューブ20の周面近傍に設けた歯車で、更に同チューブ20の側方には歯車26,27を適宜に設けてあり、28はネット状パイプ21に設けた歯車で、これらの歯車25,26,27,28を介して同パイプ21を靴下編機のシリンダーと同一方向で、且つ同一の回転数で一体的に回転、駆動されるようにしてある。
【0004】30は靴下編機のシリンダーの下方部、即ち、ファブリックチューブ20の下方部に適宜固定した筒形状の密閉枠で、且つ同密閉枠30内に回転自在なネット状パイプ21を収納するようにしてあり、32は密閉枠30の側方に設けた吸引用パイプで密閉枠30に直結して連通するようにしてあり、35は排気用パイプで排気用モータ36側に接続、固定してあり、38は連結用パイプで吸引用パイプ32及び排気用パイプ35の連結、集合部に三叉状に設けてあり、これら各パイプ32,35,38の三叉状連結部39内に弁40を設けてある。
【0005】41は排気用パイプ35に設けたシャッター部で、同パイプ35に適宜設けた摺動用枠43内に摺動板45を摺動自在に設けてあり、47は同摺動板45の裏面に回動自在に設けた回動用ロッドで適宜軸支して設けてあり、更に別に設けた連結用ロッド48に回動用ロッド47を回動可能に連結してある。
【0006】従って吸引用パイプ32内の吸引圧を適宜変化させるためには、先ず図3の如く三叉状連結部39内の弁40を実線の位置に位置させて吸引用パイプ32と排気用パイプ35を連通させた状態にしておき、この状態で連結用ロッド48を図3の左右方向に適宜押動することにより、回動用ロッド47を介して摺動板45を左右動させ、排気用パイプ35内の排気量(空気の流通量)を適宜制御することにより、吸引用パイプ32内の吸引圧を適宜変化させるようにしてある。
【0007】49は靴下搬送用パイプでネット状パイプ21の下方部に設けてあり、51は編み下ろした靴下の回収箱で、同箱51には靴下搬送用パイプ49及び連結用パイプ38が夫々直結して設けてあり、52は同箱51に設けた底蓋でバネ(図示略)を介して開閉自在としてあり、靴下搬送用パイプ49を介して回収箱51内に編成された靴下が搬送、収納されたとき、靴下の重みで底蓋52が開いて靴下が下方に落下するようにしてある。
【0008】従って靴下(図示略)を編成するときは、先ず弁40を図3の如く実線の位置に位置させて吸引用パイプ32と排気用パイプ35を夫々連通させると共に、連結用パイプ38側との空気の流通を遮断しておき、次いで排気用モータ36の駆動を介して吸引用並びに排気用パイプ32、35内の空気を夫々吸引、排気することにより、密閉枠30内の空気が吸引、排気され、ネット状パイプ21内の空気が吸引されることにより、靴下は捻れることなく、下方に引っ張られながら編立てられる。
【0009】パンティストッキング用編地を編成する場合、例えばウエストバンド部やパンティ部、レッグ部を順次編み下ろして行くが、かかる編成の際、密閉枠30内の吸引圧、即ちネット状パイプ21内の吸引圧を夫々靴下の各部位に対応して予め吸引圧の最適な基準値を夫々決めておき、シャッター部41の摺動板45を図3の如く左右方向に適宜摺動させることにより、靴下の各部位に対応した最適な基準値が得られるようにしておき、このような状態で各部位の編地が順次編成されるのである。
【0010】このようにして所定長さの靴下の編立が完了すると、編地がシリンダーの編針から外れ、同時に弁40を図3の如く点線部分に位置させて連結用パイプ38と排気用パイプ35側を連通させると共に、吸引用パイプ32側との空気の流れを遮断しておき、排気用モータ36を介して連結用パイプ38並びに排気用パイプ35内の空気を吸引、排気することにより、靴下搬送用パイプ49内の空気が図3の如く点線の矢印方向に流れ、靴下が同パイプ49を介して吸引されて回収箱51内に回収され、同時に底蓋52が開いて靴下が下方に落下するのである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記の如く、従来は靴下の各部位を編成する際、靴下の各部位に対応して予めネット状パイプ21内の吸引圧の最適な基準値を設定しておき、靴下の各部位を編成するとき、シャッター部41の摺動板45を適宜摺動させ、ネット状パイプ21内の吸引圧を変化させて靴下の各部位に対応した吸引圧の最適な基準値が得られるようにしている。
【0012】しかしながら、シャッター部41の摺動板45を若干の距離、即ち摺動板45を微動させるだけで排気用パイプ35内の空気の流れが大きく変動し、これによってネット状パイプ21内の吸引圧の変動が大きくなり、予め設定した通りの基準値に基づく最適な吸引圧を得ることは極めて困難であった。また吸引圧の大きな変動により、下方に引っ張られる靴下の引張力にバラツキを生じるため、靴下の各部位における編目の長さが夫々バラつくことになり、この結果靴下の各部位毎の編立長さや靴下全体の長さに大きなバラツキを生じることになるのである。
【0013】従って、例えばパンティストッキング用編地を編成する際、ウエストバンド部やパンティ部、レッグ部等夫々の部位の長さや靴下全体の長さにバラツキを生じたとき、このようなバラツキのある靴下を縫合してパンティストッキングを製造しようとすると、寸法的にバラツキのある多数の靴下の中から各部位毎の長さや靴下全体の長さが揃った編地を一対宛選び出し、組み合わせして縫製する必要があり、また、ショートストッキング等の靴下を一対宛組み合わせるときも同様に長さのほぼ揃った靴下を一対宛選び出し、組み合わせて袋入れする必要があった。このように寸法的にバラツキのある多数の靴下の中から長さのほぼ揃った靴下を選び出して一対宛組み合わせする作業は、作業自体が極めて繁雑で多くの手数を要し、靴下の縫製、袋入れ作業など各種の作業時に大きな障害となり、作業能率の低下をもたらす欠点があった。
【0014】一方、実開平6−39986号公報には、靴下の編成時に靴下の各部位に対応して夫々編地の吸引力が常に一定となるようにするための手段として、インバータによる送風機の回転数を靴下の各部位に対応して常に一定にする旨の内容が記載されているが、編地の吸引力が変動したとき、これを感知する手段がないために吸引力の変動に対処することが不可能であり、従って靴下の各部位における編目の長さがバラつく結果、靴下の編立長さ全体にバラツキを生じ、前記の如き欠点を解消できないものであった。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、シリンダーの下方部に筒形状の密閉枠を固定し、同密閉枠内にシリンダーと同一速度で回転するネット状パイプを設けるとともに、密閉枠を排気用モータ側に連通させ、更に密閉枠の側方に圧力センサを設け、編地編成中の吸引圧と予め設定した吸引圧の最適な設定値との差を検出して排気用モータの速度を制御するように構成したことにより、靴下の各部位を編成する際、各部位に対応した吸引圧が常に最適な状態に維持され、個々の靴下間における編立長さのバラツキを減少させよって従来の欠点を解消したものである。
【0016】即ち、本発明は、シリンダーの下方部に設けた筒形状の密閉枠内に編機のシリンダーと同一速度で回転するネット状パイプを設けると共に、密閉枠に圧力センサを設け、編地編成中における吸引圧と予め設定した最適な設定値との差を検出して排気用モ−タの速度を制御することにより、編地編成中の吸引圧が常に均一となり、従って編地編成時の靴下の下方への引張力が常に均一に維持されるので、靴下の各部位における編目長さが夫々均一になり、編立長さのバラツキが減少することによりバラツキの少なくなった多数の靴下の中から靴下の各部位の長さや靴下全体の長さがほぼ揃った靴下を一対宛選び出し、組み合わせる作業が極めて容易となり、靴下の縫合作業や袋入れ作業等の作業能率が大幅に向上し得るのである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の一例を示したもので、その構成は図3の如き従来の構成に対し、特に、排気用パイプ35からシャッター部41を取り外し、筒形状の密閉枠30に圧力センサ10を設けた点に大きな特徴を有する。
【0018】即ち、図1に示した如く圧力センサ10は、微圧測定(例えば0〜5.0kPa)を行なう差圧タイプのもので、同センサにはパイプ11,12を取り付けてあり、且つパイプ11は筒状の密閉枠30に連結、固定すると共に、パイプ12は大気中に開放するようにしてあり、また密閉枠30内の圧力と大気中の圧力との差を吸引圧として検出するようにしてある。
【0019】これの制御について図2に示したブロック線図とあわせて説明すると、先ずネット状パイプ21内の吸引圧について、靴下の品番別(品種別)並びに部位別に対応した吸引圧として最適な吸引圧を予め設定しておき、このデータを入出力信号装置に入力しておく。かかる装置はマイクロコンピュータによる制御装置で、本発明では「シーケンサ」(三菱電機株式会社製 型式;FX2NC)を用い、これに入力するようにしているが、これに限定されるものではない。
【0020】また、靴下を編成する際、例えばウエストバンド部やパンティ部、レッグ部などを編成する場合、現在どの部位を編成しているかの部位別信号を部位が切り替わる毎にその都度、靴下編機からシーケンサ側に入力する、例えば図2の如く、シーケンサ側の入力信号No.X03〜X05として入力するのである。
【0021】尚、ネット状パイプ21内の吸引圧が設定値よりも異常に高すぎたり、又は低すぎたりするなど異常な吸引圧が検出された場合は、シーケンサ側から靴下編機側に圧力異常信号(例えば異常信号Y04)として出力する。
【0022】更に、排気用モータ36の速度制御(回転数の制御)は、インバータを介して制御するもので、具体的には靴下の品番別(品種別)、或いは、編成部位別に対応した吸引圧として最適な設定値を予めシーケンサ側に入力しておく。一方、靴下の編成中に圧力センサ10からシーケンサ側に時々刻々入力されてくる吸引圧の信号と前記の吸引圧として最適な設定値とを比較し、圧力センサ側の吸引圧が設定値よりも低くなれば排気用モータ36の速度(回転数)が速くなるようにシーケンサからインバータ側に指令信号を出し、逆に圧力センサ側の吸引圧が設定値よりも高くなれば排気用モータ36の速度(回転数)が遅くなる(落ちる)ようにシーケンサからインバータ側に指令信号を出すのである。
【0023】またインバータをオン、オフする場合は、シーケンサ側からオン、オフの信号(例えば信号Y00、Y01)をインバータ側に出力する。
【0024】
【発明の効果】本発明は以上の如く、編地編成中のネット状パイプ21内の吸引圧と予め設定した最適な吸引圧による設定値との差を検出して排気用モータ36の速度を制御することにより、靴下の各部位を編成する際、各部位に対応した吸引圧が常に最適な設定値の状態に維持されるので、靴下の各部位における編目長さが夫々均一になり、靴下の部位別及び全体の編立長さのバラツキがなくなるのである。よって、一対宛選び出し、組み合わせる作業が極めて容易となり、パンティストッキング等を製造する際の縫合作業、或いは、ペアリングしての袋入れ作業等の能率が大幅に向上し得るのである。また、均一な編密度や伸縮性、風合いとなり、寸法の不揃いがないため外観、履き心地に優れた靴下が提供できるものである。
【出願人】 【識別番号】000001339
【氏名又は名称】グンゼ株式会社
【住所又は居所】京都府綾部市青野町膳所1番地
【出願日】 平成13年8月22日(2001.8.22)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−64561(P2003−64561A)
【公開日】 平成15年3月5日(2003.3.5)
【出願番号】 特願2001−251076(P2001−251076)